4/30に、「国立科学博物館【特別展】グレートジャーニー ~人類の旅~」へ行ってきた。
GW谷間の平日ということもあってか、割と人は少なめ。地下1階のラウンジが珍しく閑散としていたぐらい。
もともと、『グレートジャーニー』は探検家、関野吉晴氏がアフリカに始まり、南米まで到達する人類の旅を、逆向きに動物と人力だけで踏破した記録であり、フジテレビなどでも放送された。
今回は、この旅の中で東南アジアから日本への海上ルート再現に使用した帆船(というか、帆掛け丸木舟)の縄文号を国立科学博物館で所蔵することになったことを記念した企画。
展示としては、縄文号のほか、人類がグレートジャーニーで越えてきた4つの過酷な環境(熱帯雨林、高地、極地、乾燥地帯)で人々はどうやって暮らしてきたのかが中心。人類は4つの地域においても、様々なやり方で、衣食住を満たすことに成功した。これによって、地球上でもっとも広範囲の地域に生息する動物となったのだ。そして、これらの過酷な人類のこれまでの旅を感じてもらい、これからの人類の旅を考えてもらおうという趣旨。
この趣旨が果たして……というところなのだが、正直言って、J-Popの歌詞並みなメッセージを受信してしまった。特に、3Dプロジェクションマッピングシアターの「Life is a Journey ―未来を紡ぐ物語―」は、まるで鉄拳が絵に描きそうなストーリーで、確かに泣けるのだけれど、これと人類の旅がどう結びつくのか、といった感じ。
「私たちの将来を考えるために必要な10の事柄」も、10番目の「戦争」を本文無しにしてみたり(これはWebだけでなく、実際の展示でも空白)いろいろと工夫は見えるのだけれど、いったい何を意図したのか、ちょっと意味が取りづらかった。
しかし、今回初めて実物を見た干し首の精巧さ、世界最古のミイラの奇妙さ、さらには、ナインティナインの岡村隆が演じ、それを元に復元されたアファール猿人親子のほのぼのとしたジオラマは見るべき価値があったと思う。
特に、アファール猿人復元像はすばらしい。父親や子供だけでなく、母親の表情までもリアルに表現する岡村の様子には、まさに芸人魂を感じた。そして、そこに現れた表情によって、アファール猿人が猿ではなく、人間の祖先であること、そして、人類のグレートジャーニーがまさにここから始まったをことを強烈に印象付ける出来になっていた。
我々人類が進んできた道、そしてこれから進んでいく道。それは困難な道であろうけれど、幾多の試練を乗り越えてきた我々は、きっとそれらも乗り越えていけるだろう。
主催者の意図とは違うかもしれないが、そういう力強さを大いに感じた展示だった。
熱帯雨林の食料(ウーリーモンキー)
高地の食料(クイ)
極地の食料(セイウチ)
乾燥地帯の食料(ラクダ)
そして、岡村的アファール猿人復元図
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