神なる冬

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[SF] グイン・サーガ・ワールド 2

2011-09-24 20:33:22 | SF
『グイン・サーガ・ワールド 2』 天狼プロダクション監修 (ハヤカワ文庫 JA)




《グイン・サーガ》を書き継ぐプロジェクトの第2巻。とはいえ、4までで完結予定なので、第1部の第2巻。

もう何十年も過ごしている中原世界は懐かしい故郷みたいなもので、地名や人名のひとつひとつが馴染み深く、趣深い。

今回も栗本薫の遺稿が1篇と、シェアワールド化した3篇の第2章。そして、日記と今岡さんの思い出話という構成。この今岡さんのエッセイがなかなかきつい。なんというか、明らかに精神をやられているような……。



「氷惑星再び」 栗本薫
ほんの導入部だけ。この先も読みたいような気がするが、高千穂遥の『美獣』に勝てないということでお蔵入り。

「星降る草原」 久美沙織
独自の世界をしっかり持っているだけに、一番グインらしくないかも。スカールの幼少時代を描いた物語なのだが、スカールの成長を記すほほえましいエピソードの断片といった感じ。第1章で出てきた兄はどこ行ったのやら。今回は起承転結の承にあたる部分で、嵐の前の静けさなのか、第3章以降にとんでもない展開が期待される。

「リアード武侠傳奇・伝」 牧野修
牧野節で変わりゆくノスフェラスを描くシリーズ。雨が降り、深淵に潜んでいたモンスターがセム族の居留地にまで跋扈する変わりゆく奇跡の土地。おどろおどろしくスプラッタな作風はノスフェラスによく似合う。今回のモンスターはモシャスかよ!

「宿命の宝冠」 宵野ゆめ
いちばんグインらしい作風。沿海州のレンテイアを舞台に、パロのからやってきた学生と王女様のラブコメに、キタイ出身の妾が生んだ怪しい妹姫との対決の行方が楽しみだ。



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