神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] グイン・サーガの鉄人

2009-10-18 21:57:13 | SF
『グイン・サーガの鉄人』 田中勝義+八巻大樹・著 栗本薫・監修 (早川書房)




完全にイロモノ出版だと思ったが、期せずして追悼版になってしまったグイン・サーガのクイズ集。風呂に入りながらとか、ちまちま読んでゆっくり堪能した(笑)

問題と答えだけじゃなくて、その近辺のあらすじや解説が載っているので、グイン・サーガのストーリーを思い返すのに最適な一冊。

著者は確かグイン・サーガのファンクラブの人で、アニメ版の考証なんかもやっている。噂によれば、栗本薫が書き散らした原稿が、まがりなりにも整合性が保てる
のは、かれらファンクラブの事前チェックや校正のおかげだったとか。

読んでみて感じたのは、最初の頃はよく憶えてるもんだ、ということ。16巻までは何度も読み返したんだよな。ノスフェラスの白い砂漠とか、本当に懐かしい。

一方の最近の話は返って憶えていない。特に固有名詞が全滅。あー、知ってるけど、名前憶えてないや。中には、答えを見ても、誰だっけ、それ、っていうパターンも。

序盤の衝撃と面白さもさることながら、自分の記憶力減退には、本当に幻滅する。
小説を読んでいて、登場人物の名前が憶えられないという親をバカにしていたが、今がちょうどそんな感じ(笑)

とっさに出てこないんだよね、ブランの本名なんだけ、とか訊かれても。その割りに、25年前に読んだトーラスのオロとか、アルゴンのエルとか、はっきり憶えてるし。

やっぱり、SFの黄金期は14歳だよ。というのが結論ですか。と思う39歳の秋(笑)


[SF] SF Japan 2009 AUTUMN

2009-10-18 13:44:41 | SF
『SF Japan 2009 AUTUMN』(徳間書店)




『2008 WINTER』の成り行き吸血鬼特集に続き、今回は成り行きJ-SF特集。

J-SFって何さ。
J-Pop、J-ブンガク、J-Walkで「何も言えなくて」?
ハヤカワは“僕たちのリアルフィクション”やめちゃって、Jコレクション一本みたいですが、徳間はJ-SFってレーベルでも立てるのか?

とか、いろいろ3秒くらい考えたけど、J-SFの正体は「時代SF」。
一通り読んでみたところ、古代/中世日本を舞台にしたものにかぎらず、時代劇っぽいSFのことですかね。
『S-F マガジン』でも、谷甲州や朝松健が時代SFを連載していたので、確かにシンクロニシティ。

で、巻頭掲載の久美沙織『夜の虹』を読んでいて思ったんだが……。

欧米小説でシェイクスピアの引用が出てきたりするじゃないですか。しかも、欧米ブンガクかぶれの日本人作家もシェイクスピアだの、聖書だのを引用したり。

日本人でシェイクスピアを暗唱できたりする人はあまりいないし、格好いいと思われている節がある。TVドラマの『小公女(志田未来は名前がSFっぽい)』でもやってたし。でも、あれって、文化が根ざしているからこそ、意味があるんだよね。

正直言って、ダン・シモンズの作品も、シェイクスピアやオデュッセウスを読んで無くても面白いんだが、やっぱり日本人には理解できない部分が絶対あると思っている。

ところで、日本にもあるじゃないですか、そういうの。あなたも暗唱できるでしょ。
“祇園精舎の鐘の声……”とか、“春はあけぼの……”とか。

『夜の虹』に出てくるのは万葉集だけど、なんとなく聞き覚えがあるでしょ。
山田正紀の『イルミナシオン』はランボー(乱暴者の方じゃなくて、詩人の方)が主役だが、これにも万葉集が出てくる。
内地の人は、百人一首だったら、結構暗唱できたりするんじゃないのか。道民は教養が無いから下の句しか知らないけどな!

聖書やギリシャ神話を引用する前に、古事記とか日本書紀とかを引用したらどうだろう。その方が日本文化に根ざした小説にもなるし、返って世界にも通用するものが出来るんじゃなかろうか。
……え、右翼?

まぁ、そんなわけで、時代SFというか、和製SFは大歓迎なのだが、“J-SF”という呼称はどうかと思う。



『夜の虹』 久美沙織
 ○:うっひゃ、男の娘。しかも皇族。萌えるかっ!

『人喰い納豆』 タタツシンイチ
 ◎:醸すぞ醸すぞぉ~。

『葉コボレ手腐レ死人花』 中里友香
 △:タイトルは秀逸なんだが、いかんせん読みづらい←J-SFを勧めておいてそれかよ(笑)

『とんぼ』 北國浩二
 ○:これだけじゃ、ちょっとなぁ。連載しないの?

『つつがなきよう』 新井素子
 △:アイディアは面白いんだけど、一発もの。新井素子にしては……。

『ゴースト』 図子慧
 ○:これもちょっと、消化不良。オープンエンドなんじゃなくて、ただの尻切れ。

『呪文』 貴志祐介
 ○:『新世界より』の世界が宇宙規模に広がったような話。
   時間を越える部分をSF的に解決できないと、オカルトホラーで終わってしまうと思うのがSFファンの嫌なところ。

イラスト先行小説は、やっぱりやめた方がいいと思う。
これだけの作家をつぎ込んでも、面白い小説が出ていない。
題材が抽象画みたいなイラストだから、同じイラストから生まれたという面白さも出ていない。
もっと小道具を共通化するとか、別な形の競作の方が言いと思う。


[コンサ] J2第45節:徳島 - 札幌

2009-10-18 10:17:17 | コンサ
J2第45節:徳島ヴォルティス 3-0 コンサドーレ札幌 @スカパー

久しぶりの土曜日開催だったので、危うく録画し忘れるところだった。
会社から帰宅後の深夜にビデオを見たんんだけど、もう、ドンヨり。

まずはスタメン発表。徳島はキーマンの徳重がベンチスタート。
ラッキーと思いきや、札幌のスタメンを見て愕然。

箕輪、曽田、ソンファン、石川、西嶋、西が欠場。なにそれ。
ディフェンダーが上から6人全滅じゃん。
ディフェンスラインは、上里、柴田、吉弘、芳賀。最終ラインとしては危なっかしいのが3人も並んでいる。
おまけにキリノも体調不良で、中山のワントップ。得点も取れる気しねぇ。

試合開始後も、勝てない試合の象徴どおり、パスが繋がらない。
ショートカウンターからのサイド攻撃がまったくできない。
最終ラインの裏へ抜ける動きが少ないから、敵最終ラインの前でバックパス、横パスをするしかなく、そのボールをことごとく拾われるパターン。
古田のヘンタイドリブルも通用せず、見せ場は芳賀のロングシュート一発くらい。
結局、札幌は試合を通じてシュート一本。ということは、アレだけか!

1失点目は前半終了間際、高原とキムチがぶつかり、こぼれ球をハジに決められる。審判によってはファールを取ってくれるところだが、今日の審判はラフプレー許容モードだったので、これは仕方がない。そもそも、キーパーと1対1の競り合いに持ってこられ、裏の選手もフリーというのが問題。

2点目は開始早々、札幌のクリアが小さいところをダイレクトボレー。

3点目は柴田がハジに完全におちょくられて、フリーでシュートを撃たれる。

やっぱり柴田はまだまだ使えないという結論にしかならないんだが、去年は柴田がレギュラーCBだったんだよな。吉弘+柴田のCBでJ1を戦った三浦さんの苦労が、いまさらがらしのばれる。というか、この試合で個人的に三浦株急上昇(笑)
かといって、戻ってきて欲しいとは、まったく思わないけどな。

石崎監督は試合中に何度もシステムを変えてみたり、試行錯誤をしていたようだけど、やっぱりDFの駒が足りなさ過ぎる。
だから池内を(以下略)←まだ言っている(笑)

次の水曜日は何人帰ってこられるのか。戦術の修正以前に、DFの駒が足りない問題なので、早期の修正は難しいか。
この際、吉弘、柴田、堀田で3バック組んでみたらどうよ。
目先の勝利より選手の成長だよ。……という防衛機制。