拝啓、世界の路上から

ギター片手に世界を旅するミュージシャン&映画監督のブログ(現在の訪問国:104ヶ国)

ミュージシャンの価値観

2013-02-09 | 旅人のひとりごと


ここのところよく、自分の“根っこ”について考えさせられます。

モノゴトの良し悪しを決めるのは、育った環境の影響が大きいのか、自分の価値観はやはり音楽人としてのソレがベースだと感じます。


音楽人(ミュージシャン)の美学は一言で、「良いモノ(音楽)を作る」ただこれだけに尽きます。


もちろん色々な意味で成功したいし、大切な人に認められたいという気持ちはあります。

しかしそれらは、極論を言うと「良いモノ(音楽)を作る喜び」と比較すると、「オマケみたいなモノ」だったりします。


ただいくら良いモノを作っても、商業的な結果がでないと、色々困難な状況に追い込まれることを、自分の半生の中で実感してきました。

儲かる、儲からないなどという世界とは、無縁で生きていたいと常々思っていますが、不況下に企業が倒産に追い込まれるのと同様、CD等の録音物が売れない今の時代はより顕著だと思います。


これは今自分の生活を支えている仕事でも、自分にとって本質的には同じで、目指すのは「良いモノを作りたい」ただそれだけに尽きるし、その良いモノを作り続けて行きたいからこそ、「結果を出したい」という思いがあります。

そしてそれらを「徹底的にやり抜く」のは、音楽人として至極当たり前の話です。


しかし音楽人にとってごくごく当然のこれらの価値観は、そうでない世界で日々生きていると、それが当たり前では無いと感じることが多々あります。

音楽人としては、シンプルに生きているつもりでも、周りには違って映るのかな?と感じます。


自分達に比較的考え方が近いと感じるのが、やはり同じようにモノづくりをしている人達で、欧州時代は日系製造業の人達との関わりも多かったので、どことなく同じようなニオイを感じていました。

もちろん異国の地で、日本人同士助け合っていこうという思いが、よりプラスに働いていたとは思いますが、日本に帰ってきてから1年以上経って、いろいろと考えさせられることがあります。


「高い志を持って、より本質的かつ懸命に、良いモノを作り続けたい」

そんな風に生きていけたらと、1人の音楽人として日々思っています。



※写真:今回のアルバムで良い音楽を作ろうと一緒に頑張ってくれたギタリストと、初めて全国ツアーをしたステージでの1枚。
父親へ捧げる曲をカタチにしたいという思いがキッカケでしたが、長い月日を越えて、再び一緒に音楽ができたことに大きな喜びを感じます。
僕達ミュージシャンを前へ前へと動かすエネルギーは、いつの日も、その「思い」です。