ドイツ屈指の保存状態のよい中世の修道院と言われる、マウルブロン修道院(英名:Maulbronn Monastery Complex/独名:Kloster Maulbronn)です。
カトリックの中でも特に厳格な戒律を持つと言われる、シトー会の修道院として1143年に設立され、14世紀には外敵から守るために要塞化が進みます。
しかし中世末期となる16世紀初めに宗教改革が始まると、ヴュルテンベルク公に占拠され、1556年に時のヴュルテンベルク公クリストフによって、プロテスタントの神学校へと生まれ変わります。
ヘルマン・ヘッセの小説、「車輪の下」の舞台としても知られており、ヘッセ自身もこの神学校に通っていたのだとか。
ユネスコの世界遺産にも登録されているマウルブロン修道院ですが、マウルブロンの町中から少し距離があります。
行き方はStuttgart(シュツットガルト)からIC(特急列車に相当するIntercity)で、カールスルーエ方面へ25分程行った最寄り駅のMühlacker(ミュールアッカー)で下車し、そこからバスで15分程です。
ドイツに住みはじめてまだ間もない頃、田舎暮らしの車生活だったので、カーナビを頼りにマイカーで訪れましたが、世界遺産ということで期待して行ったものの、かなり地味な場所だなあと思った記憶があります。
(歴史的な価値は高いのでしょうが)
今もなおこの神学校で、14~16歳の生徒達が全寮制での教育を受けている、現役の世界遺産です。