リスペクトコラムです。
さぁ今日も「騒動」ネタです。でも今後はちょっと小休止できそうかな。六川さんというライターがかなり的確なコラムを書かれたからです。記事では少し端折っているので、興味がある方はぜひリンク先の元コラムをお読み下さい。今回のコラムは「六川亨のフットボール縦横無尽」というシリーズのうちの2つのコラム。当ブログで思っていた事、感じていた事がすべて具現化されていました。もう何も語る事はありません。今回の一騒動は主に2つのテーマですが、それを1つずつ前編・後編に上手くまとめておられました。さすがプロ。順番に見てみましょう。
【Jリーグ「ホームタウン制度撤廃」はあり得ない あるとしたらマイナーチェンジ】
〔Jリーグ「ホームタウン制度撤廃」報道の行く末(上)〕
「結論から言うと、一部スポーツ紙の報道にあったJリーグ「ホームタウン制の撤廃」はあり得ない。ただし「Jクラブの営業、プロモーション、イベント等のマーケティング活動における活動エリアに関する考え方の方向性について議論」していることをJリーグは認めた。将来的には東京都・新国立競技場を首都圏の複数のチームが「ホームスタジアム」として使用する可能性はある。このことは今に始まったことではなく、Jリーグ開幕時から行われてきたこと。そもそもJリーグが成功した理由のひとつに<地域密着>が挙げられる。1993年のスタート時は「東京をホームにする」ことを禁止した。」
「スポーツ紙の撤廃報道を受け、鹿島アントラーズの親会社であるメルカリの小泉文明会長は「今のレギュレーションではホータウン外でのマーケティング活動が制限されており、例えばスポンサー企業が域外にある場合(J1では大型のスポンサー企業は東京など都市圏)一緒にイベントをすることも出来ないですし、パブリックビューイングなど、かなりの活動が制限されます」と指摘した。
メルカリの本社があるのは東京・六本木だ。J2・町田の親会社であるIT大手のサイバーエージェントの本社は渋谷区宇田川町だし、2021年中にFC東京の親会社になるミクシイも、本社を渋谷区の渋谷スクランブルスクエアに移転している。J2・東京Vの胸スポンサーである「NICHIGAS」の本社も渋谷区代々木にあるし、親会社であるスポーツ用品大手のゼビオにしてみれば、ホームタウン以外での展開制限は、ビジネス的に歓迎できないだろう。」
「時代に即して(ホームタウンの実効性は)アップデートされるべき」
これは、今回のホームタウン制撤廃報道の祭に書き込まれた小泉会長のツイートだが、数々のマイナーチェンジを繰り返してきたJリーグだけに、今後も「ホームタウン」という原理原則に変更はないものの、細部では何かしらの変化があるかもしれない。」
引用:日刊ゲンダイDIGITAL
このコラムのは今まで20数年知らなかった裏情報も出ていましたね。今までの企業チームからプロチームへどう変わっていったのか趣深く読ませていただきました。当ブログで馴染みが深いJ1柏についても、「日立は、千葉県柏市をホームタウンにして地元ファン、サポーターの獲得に努めた。一時は茨城県日立市に自社工場があるので「日立市をホームタウンにしよう」という機運が盛り上がったが、Jリーグによって却下された。結果論とはいえ、今となっては柏で大正解だったのではないか。」とあり、ひょっとしたら「日立レイソル」になっていたかもしれないと。若い頃仕事で日立市に行った事がありますが、正直茨城の奥にある田舎の街という印象。今の柏市の方で良かったと個人的に思います。向こうだったらJ2暮らしが慢性化していたかもしれませんね。
Jリーグ開幕時は東京をホームタウン化するのを禁止していて、特区として様々なクラブが平等にホーム戦を特別に開催していたのですね。今はF東さんやヴェルディさん、町田さんがホームタウンとしていますが、区によっては特区になっているとか。だから旧国立で時々リーグ戦(昔岡山もアウェーヴェルディ戦で試合しましたね)が行われていたのか。
「今後も「ホームタウン」という原理原則に変更はないものの、細部では何かしらの変化があるかもしれない。」とまとめておられえますが、まぁ当ブログも幅を持たせた論調ではあります。ただし、関係するところが皆納得すればの話です。やはり、問題はネーミングライツか。
【「Jクラブ名にネーミングライツ」の実現にはかなりの時間がかかる】
〔Jリーグ「ホームタウン制度撤廃」報道の行く末(下)〕
「(村井チェアマンは)ホームタウン制の撤廃を真っ向から否定しながらも「マーケティング活動における活動エリアに関する考え方の方向性について議論している」ことは認めた。どうして「ホームタウン制」が重要なのか。Jリーグの成功とは、切っても切れない密接な関係があるからだ。
遡ること31年。1990年3月に「プロリーグ検討委員会」は、93年にスタートするプロリーグ参加希望のチームに8個の条件をつけた。そのうちのひとつが「ホームタウンの確立」であり、他にも「ナイター照明のある1万5000人収容のスタジアムと練習グラウンドの確保」「下部組織の育成」「選手、指導者のライセンス制度」などがあり、さらにハードルが高かったのが「チーム名から企業名を外す」ことだった。」
「この「ホームタウン制度」は<地域密着>とセットになっている。その真意は、自前でナイター設備付のスタジアムを造り、維持管理するには莫大な費用がかかる。このため、それぞれの地域の行政機関を巻き込み、施設を提供してもらうーーことも狙いのひとつだった。<地域に密着>したチームである以上、そこに企業名がついては行政機関も協力できない。」
「(チーム名から企業名を外すという)発想からの大転換がJリーグを成功に導いたし、その後のバスケットのBリーグなど他のスポーツにも影響を与えた。この<地域密着>の理念がなければ、Jリーグは30年も続かなかっただろうし、全国57クラブまで増えることもなかっただろう。」
「■地元のファンやサポーターは納得しないだろう
スポーツ紙の報道にあった「クラブ名にネーミングライツを認める」ことも、実現にはかなりの時間がかかるはずだ。
今秋スタートした女子プロリーグの「WEリーグ」は財政基盤が弱いことから「三菱重工浦和レッズレディース」といった具合にクラブ名にネーミングライツを認めた。
しかし、すべてのクラブが企業名を冠しているわけではなく、ジェフ千葉やAC長野パルセイロ、アルビレックス新潟、サンフレッチェ広島のようにJリーグと同じチーム名で活動しているクラブもある。
Jリーグは、曲がりなりにも地元企業と密接な関係を長らく作ってきた歴史があるし、地域名がすでに浸透している。今さらネーミングライツと言われても地元のファン、サポーターは納得しないだろう。
これまで存続の危機に見舞われたチームはいくつかある。それでも危機を乗り越え、そして現在がある。コロナ禍で収入が激減したのも事実ではあるが、ようやく明るい兆しが見えそうな今、Jリーグ原理原則を変更することはあり得ない。」
引用:日刊ゲンダイDIGITAL
Jリーグ開幕時の参入条件の「チーム名から企業名を外す」こと、これがJリーグそのものの存在となりました。このコラムにもありますが、読売グループのナベツネ氏と、川渕チェアマンの伝説のバトル、これこそがJリーグの高い付加価値。今回ネーミングライツを導入したら、先人が積み重ねてきた偉業を捨て去る事になり、イコール衰退、消滅を意味します。今回観測気球を上げられた(と推測としておきましょう)方々はそれがわかっているのかと。そんな方々にJリーグを語る資格があるのかと、その立ち位置にいていいのかと、個人的にちょっとネガティブに思ってしまいました。
個人的には日本のプロリーグで一番付加価値が高いのはBリーグ(正式にはB1とB2)だと思っています。タイトルパートナーも無いからです。当ブログはタイトルパートナー制についても実は大反対。昔の記事でよく「スカパー!Jリーグ」と皮肉っぽく書いていましたが、まさか本当にそうなるとは思っていなかった経緯があります。まぁそのBリーグの誕生を後押ししたのもJリーグなので、まぁその辺にしておこう。
WEリーグのネーミングライツについて書かれてありますが、これも実は驚いていました。どさくさ紛れに何企業名つけてるの?と思っていましたが、プロクラブから企業チームに移行した仙台さんの例もあり、実は全然資金が集まらなかったのだろうと、勝手に思っています。浦和さんもよくサポーターが納得したなぁと思っています。まぁレディースとはサポーター層が違うのかもしれませんが。
ネーミングライツと言われても地元のファン、サポーターは納得しないだろう。まさにその通り。今回のJリーグ側の言い分が暴論・空論だからこのコラムもここで終わっているのでしょう。六川さんは「Jリーグ原理原則を変更することはあり得ない」と締めくくっています。まさにその通り。
という事で、当ブログの持論とほぼ同じ事が書かれてあったので、しばし様子見にしようと思います。実際、最近このテーマの報道を見なくなりました。観測気球でのファン・サポーターの反応がよく理解できたので、鉾を収めたのかもしれません。ネーミングライツは一騒動で終わりそうですが、ホームタウンの方は緩和して、ちょっと動きが出るかもしれませんね。報道にあった鹿島さんの動きのように、アウェー戦のPVやイベントを都内をちょっと実施するくらいかもしれませんね。もう少し炎上するかと思いましたが、今のところ大した事が無かったですね。内容のレベル的に、その程度の話だったのかもしれませんが。また何か見逃せない動きが出たら、また(自分なりに)戦いたいと思います。
Jリーグホームタウン規制緩和&ネーミングライツ騒動関連③:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20211026
〃 ②:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20211022
〃 ①:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20211020
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