長い間箪笥の肥やしになっていたコート。20年くらい前に神田辺りの小さな登山用品店で買った覚えがあります。
しかし数えるほどしか着ていません。なぜなら、
・裏地が付いていなくて、自転車に乗って風を切ると寒い。その割に見た目は冬用。
・フードが大きすぎて重い。かぶると顔まで隠れるし、袖も太すぎる…。等々
made in Austria と書いてあるので、オーストリアの人はこれで寒くないのかね、とか体格が違うのかね…とかぶつぶつ考えて、しかし、生地が素敵で古着回収に出したりするのも惜しくてとってありました。
それにしても多分着ないし、このままずーっとつるしておくのも問題だしと…と毎年悩み、とうとう考えていたリフォームをしてみました。
裏地が付いていないことが幸いし、また、よく見たら縫い目の布端は切りっぱなし。さらに脇からそで下まで続けて縫ってあるという縫製。(通常は袖を作って後で身頃に付ける)
それで、まずフードを外して、脇を裾からそで下まで切り開き、次に袖を短くカットし、カットした布を三角にして袖と脇の間に、ムササビの脇の飛膜みたいに縫い付けます。
ブティック社のこちらの本↓の型紙を参考にしました。題名がちょっと…ですが、おばあちゃんだからしょうがない。このモデルさんはずっと若くてお気の毒だけれど、まあ、仕事だからね。
もしだめなら、ひざ掛けブランケットにしようと覚悟して、大胆にじょきじょき切り、縫いました。生地が分厚かったので、「ミシンさん頑張って」と念じながら…。
なんとか、まあまあな出来で、近所に歩いて出かける時とかに使えそうです。裾とか周囲は、はずした縁取りテープを使いましたが、それでは足らなかったので、間に合わせを縫い付けました。そのうち手芸用品店でぴったりのを探して付け直すつもり。
重くて大きなフードは、輪になるように縫い直してスヌードにしました。
肩の部分や前のボタン、襟ぐり等はそのまま生かしているので、結構簡単に出来ました(しかしそれでも一日かかった)。
それで、後ろのタグもついたままなので、出来上がってから、そのタグの「Kitz-Pichler」で検索してみると…ありました!(なんか便利な世の中)。オーストリアのウールやフェルトのブランドでした。キッツ・ピヒラーと読むらしい。今はどうやらこのキッツピヒラーのスリッパが好評らしいです。
なるほど、フェルトで納得。織物とも編み物ともつかないような、厚地だけどふわっとした生地でしたが、フェルトの製造元なら納得です。だからほつけなかったのね。
(切り口)
ありがとう。いいでしょう(^^)。
結構暖かいです。風は切れないけど。