昨日発売の『日刊ゲンダイ』(15日付)。
特集記事の「事が起きると一斉に大騒ぎする、最近の芸能マスコミは異常だ」で、コメントが掲載された。
記事全体は、SMAP草メンバーの事件での過熱ぶり、取材ヘリまで飛んだ忌野清志郎さんの告別式、森光子さんの2000回公演へのスポットの当て方など、なんだか「右向け右!」みたいなテレビの“一斉報道”が目立つ、といった内容だ。
記者さんの取材を受けて、私のコメントは・・・
「テレビはいくらなんでも横並びで騒ぎ過ぎ。本当に国民が知りたがっている出来事なのかどうかも疑問ですね」
「清志郎さんが亡くなったことを追悼するのはもっともだし、森さんを祝福するのも結構なことです。ただ、一斉に大騒ぎするテレビはあまりにもおかしい。どこか気持ち悪い」
「国民のすべてが清志郎さんや森さんのファンというわけではないのに、テレビが連鎖的に騒ぐことで、さも一大事のようなイメージを膨らませている」
「国民の関心事とはいえ、テレビが過剰に騒いで“お祭り化”するのはいかがなものか。メディアはもっと冷静な視点を持たなければいけません」
「芸能の話題ではありませんが、“新型インフルエンザ”についての報道もうそうでした。感染が確定したわけでもないのに、感染が疑われている人をまるで犯罪者のように報じていた」
「テレビが飛びつくことで、騒ぎを大きくしてしまうのです。横並びで一斉に騒ぎ立てる最近のテレビ報道は、社会的な“気分の流れ”やムーブメントをつくり出してしまっている。危惧すべきことですよ」
つまり、何かネタになる事象が発生した場合、横並びで集中的にテレビ報道が行われ、まるで「世の中で起きているのはその一件だけ」みたいな空気が生まれることに対する違和感である。
「他に伝えるべきこと」はないのか。
“目をそらす”という意図の有無はともかく、「伝えるべきだが、伝えないでいること」があるんじゃないのか。
そんな気がする。
まあ、しばらくは民主党の代表選挙だろう。
これも政策や論点を明確に伝えてくれればいい。決して2人の候補者の「趣味」や「得意料理」が知りたいわけじゃない。
年に3万2千人もの人が自殺しているこの国の、政権交代に関わる報道を、<ワイドショー的お祭り騒ぎ>に終始して欲しくないのだ。