年に一度、これほど出るのを楽しみにしている本もない。
小林信彦さんのエッセイ集である。
「週刊文春」に連載されたものが、1年分溜まると、出版されるのだ。
今回の『B型の品格』で、実に11冊目。
何が面白いかといえば、やはり小林さんの“目利き”ぶりに尽きる。
特に、小林さんの“映画の評価”には絶大な信頼を寄せている。
アカデミー賞について、予測と結果を記した文章など、いつも感心する。
当たったものだけでなく、外れたものも含めて、その理由を読むと、“映画の現在”が理解できるのだ。
早い時期から、堀北真希や綾瀬はるなに注目し、彼女たちに対する“見方のポイント”を教えてくれたのも小林さんだ。
いや、人物ということなら、ここ何年か、コロコロ変わる歴代首相の“人物評”も、ほぼ外れたことがない。
さらに、“目利き”は、映画や本や人物に限らない。
世の中の“よしなしごと”の本質を、ズバリと言葉にしてくれる。
たとえば、ブルーレイなどの最新AV機器に関して、ベータとVHSの戦いの話、ハリウッドの映画会社に翻弄されたこと、利用者がないがしろにされてきたことを挙げる。
そして、「キカイものの<進歩>はもういい、と思っている」と書くのだ。
私にとっての小林信彦さんは、お会いしたことはなくても、活字を介した“師匠”の一人であり、「ものの見方」についての貴重な“指南役”である。
新刊『B型の品格~本音を申せば』を、毎晩、眠る前に、数ページずつ、ゆっくり読むこと。
これが、なんとも“至福のひととき”なのだ。
小林信彦さんのエッセイ集である。
「週刊文春」に連載されたものが、1年分溜まると、出版されるのだ。
今回の『B型の品格』で、実に11冊目。
何が面白いかといえば、やはり小林さんの“目利き”ぶりに尽きる。
特に、小林さんの“映画の評価”には絶大な信頼を寄せている。
アカデミー賞について、予測と結果を記した文章など、いつも感心する。
当たったものだけでなく、外れたものも含めて、その理由を読むと、“映画の現在”が理解できるのだ。
早い時期から、堀北真希や綾瀬はるなに注目し、彼女たちに対する“見方のポイント”を教えてくれたのも小林さんだ。
いや、人物ということなら、ここ何年か、コロコロ変わる歴代首相の“人物評”も、ほぼ外れたことがない。
さらに、“目利き”は、映画や本や人物に限らない。
世の中の“よしなしごと”の本質を、ズバリと言葉にしてくれる。
たとえば、ブルーレイなどの最新AV機器に関して、ベータとVHSの戦いの話、ハリウッドの映画会社に翻弄されたこと、利用者がないがしろにされてきたことを挙げる。
そして、「キカイものの<進歩>はもういい、と思っている」と書くのだ。
私にとっての小林信彦さんは、お会いしたことはなくても、活字を介した“師匠”の一人であり、「ものの見方」についての貴重な“指南役”である。
新刊『B型の品格~本音を申せば』を、毎晩、眠る前に、数ページずつ、ゆっくり読むこと。
これが、なんとも“至福のひととき”なのだ。
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