よかったねえ、TBS。
ドラマ「MR.BRAIN」の初回視聴率、24.8%也。
数字が明らかになった月曜の朝、局内はお祭り騒ぎだったんじゃないかな?
何てったってキムタク様のご出馬だし、あれだけの大宣伝を展開したわけだし、これで10%台だったら、誰かの首が飛んでたところだ。
中身に関しては、「それなりに楽しめました」というのが正直な感想。
ストーリーもまあまあだったし、まだまだキムタク様の“ぜいたく感”はあったし、共演・脇役まで豪華なメンバーをそろえたし、セットをはじめ美術にもお金をかけていたし・・・。
ただ、何でもかんでも「脳科学」で大丈夫? とは思った。
まあ、普通の連ドラの半分、全6回という“期間限定商品”なので、初回でバーンと脅かして、後は勢いで逃げ切る作戦と見た。
それにしても、ほんと、凄まじい“番宣攻勢”だったね。
TBSの、局を挙げての「大量宣伝、大量露出」に関して、さっそく『日刊ゲンダイ』(28日付)が特集記事を書いていた。
見出しは、<TBSのトチ狂ったような番組宣伝に視聴者が呆れている>。
まず、放送前日から当日にかけて、キムタクが画面に出まくっていた様子を報告。昨年の『華麗なる一族』の再放送も含めたPRの全貌を明らかにしていた。
しかも、今週は映画『ROOKIES』の宣伝番組が目白押しのTBS。
さて、取材を受けた私のコメントだが・・・
最初に「電波の私物化にもほどがあります」という言葉があり、以下のように続いている。
「テレビ放送は免許事業で、電波は国民のものです。それなのに、テレビ局は“自分のところの電波なんだから、宣伝に使ってもいいだろう”と考えている」
「一般企業は莫大なお金を払ってCMを流しているのに、テレビ局が自局の宣伝をタレ流しているのはおかしいし、視聴者も完全に無視されている」
「視聴者にとって有益な情報を流したり、良質な番組を提供することが置き去りにされています」
「テレビ局が視聴率を取るためになりふり構わない姿勢を見直さなければ、結果的にテレビ離れがますます進むでしょう」
・・・といったところだ。
昨日発売の『週刊新潮』(6月4日号)でも、特集が組まれていた。
<「SMAP」存続の危機 「キムタク」が異様な大宣伝で挑んだ「MR.BRAIN」の出来栄え>がそのタイトルだ。
番宣に関して、作家の麻生千晶さんが「あれだけ自分の番組ばかり宣伝して、テレビ局は免許事業と言えるのかしら」と苦言を呈している。
仰る通りです。
大宣伝の背景にある事情として、「(春の)番組編成に失敗したうえ、キムタクを担いでも駄目だったら、TBSが受けるダメージは計り知れませんから」と民放関係者。
さらに、ドラマの中身については、芸能ライターの上杉純也氏が「セットと出演者の豪華さで圧倒する。このハッタリで“辻褄は合っているの?”という疑問を忘れさえるのは、さすがです」。
うん、確かに。
さあ、“ご祝儀相場”の第1回は終わった。
“素”に近い数字が出るのは、今週末の第2回からだ。