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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

NHK・ETV2001『問われる戦時性暴力』問題

2009年05月14日 | テレビ・ラジオ・メディア
このところ、NHK「ETV2001・シリーズ戦争をどう裁くか『問われる戦時性暴力』」をめぐる問題で動きがあった。

旧日本軍の従軍慰安婦問題を取り上げたNHKの特集番組で、8年前の01年1月に放送されたものだ。

まず、先月末に、放送倫理・番組向上機構(BPO)の「放送倫理検証委員会」が、この番組に「放送倫理上の問題があった」と認定。

また、番組制作部門の幹部が、放送直前に番組内容を政治家に説明したことに関しても「公共放送にとってもっとも重要な自主・自律を危うくし、NHKに期待と信頼を寄せる視聴者に重大な疑念を抱かせる行為」とした。

12日になって、NHKの福地茂雄会長が、「今後は番組制作に携わる職員が政治家に個別番組の説明を一切行わない」という方針を明らかにした。

これはこれで評価できるが、視聴者には、改めてきちんと説明する必要がある。

しかし、NHKは「検証番組」を制作するつもりはない、という。

本当は「検証番組」が作られるべきなのだ。テレビで起きたことに、テレビ自身が決着をつけるためにも。

一番いいのは、当事者が一堂に会して、一種の公開シンポジウムを行うことだ。それを含めた番組とする。

まあ、無理なんだろうけど。


番組はなぜ改ざんされたか―「NHK・ETV事件」の深層

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