goo blog サービス終了のお知らせ 

碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

「優良放送番組推進会議」は視聴率至上主義を崩せるか!?

2009年05月21日 | テレビ・ラジオ・メディア
ついにこんなものまで出来ちゃったのだ。

その名も「優良放送番組推進会議」。

劣悪番組、いや“優良じゃない”番組の横行に、スポンサーである大手企業が立ち上がったのだ。

目的は「視聴率至上主義に陥った番組制作に一石を投じる」ことだというから勇ましい。

で、一体何をするのか。

基本的にはアンケート調査だ。まず、会員企業の社員に番組リスト(ジャンル別)を提示。

「とても興味深く推薦したい」なら3点、「特に感想がない」と0点といった具合に点数をつけてもらう。

毎回、その結果をネットで公表するのだが、上位に入れば「優良番組」であり、下位はその逆ということになる。

4月に行われた初回のテーマは報道番組。回答者が430人。回答数は5296に達した。

そして平均点の第1位に輝いたのがテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」である。2位はNHK「クローズアップ現代」、3位が意外やNHK「週刊こどもニュース」(見る眼あるなあ)である。

ちなみにTBS「総力報道!THE NEWS」は全37本中33位だった。なるほど。この調査、案外信頼できるかもしれない。

今月の課題はドキュメンタリー番組だが、テレビ業界は今のところ静観の構えだ。しかし、問題の多いバラエティ番組が俎上に乗ればそうもいかないだろう。

なぜなら推進会議の活動は、「私たちスポンサーは劣悪・俗悪番組で視聴率を稼げなんて言ってませんよ」という表明でもあるからだ。

それに、いくら業界が「単なる人気投票でしょ」と冷淡を装っても、さすがに無視はできない。

何しろ推進会議の参加26社には、トヨタ自動車や日立製作所など“上得意”が名を連ねているからだ。

お代官様の思わぬ”造反”に、どうする?越後屋。