東野圭吾さんの新刊『パラドックス13』を読んだ。
タイトルは“数学的矛盾”を軸としたミステリーを思わせる。
でも、違うんですねえ。
何と、著者初の“パニックサバイバル小説”なのだ。
突然、10数人だけが「想像を絶する世界」へと投げ込まれる。そこは東京のはずだが、本来の東京ではない。
強烈な連続地震と豪雨で建物は崩壊し、道路は陥没。
街全体が廃墟だった。
何よりの恐怖は「自分たちしかいない」という事実だ。救ってくれるはずの政府やシステムも存在しない。
“何か”が起きたことは確かだが、それを解明するより生き抜くことが先決となる。警察官だった兄弟を中心に生存者たちの戦いが続く。
荒れ狂う自然。電気や水道は使えず、食料の確保も困難だ。
それに、これがまた怖いのだが、“元の世界”では当然の価値観や倫理が全く通用しないのだ。
極限状態の中で、人間の本能や欲望が剥き出しになっていく・・・。
やがて彼らは“究極の選択”を迫られる。
だが、何をもってその判断を下すのか。読者もまた、「自分なら?」と問いかけずにはいられない。
こういう世界を、VFX映像とかではなく、言葉で、文章で構築するのは、やはり”力業”だと思う。
それにしても、東野さんは、なぜこうした小説を書いたんだろう。
日常を日常として意識もせず、当たり前のように暮らしている我々を、ぎりぎりの状態に置くことで、”人間の本性”を踏まえた上での、生きるとか、命といったものを、問いたかったのかもしれない。
タイトルは“数学的矛盾”を軸としたミステリーを思わせる。
でも、違うんですねえ。
何と、著者初の“パニックサバイバル小説”なのだ。
突然、10数人だけが「想像を絶する世界」へと投げ込まれる。そこは東京のはずだが、本来の東京ではない。
強烈な連続地震と豪雨で建物は崩壊し、道路は陥没。
街全体が廃墟だった。
何よりの恐怖は「自分たちしかいない」という事実だ。救ってくれるはずの政府やシステムも存在しない。
“何か”が起きたことは確かだが、それを解明するより生き抜くことが先決となる。警察官だった兄弟を中心に生存者たちの戦いが続く。
荒れ狂う自然。電気や水道は使えず、食料の確保も困難だ。
それに、これがまた怖いのだが、“元の世界”では当然の価値観や倫理が全く通用しないのだ。
極限状態の中で、人間の本能や欲望が剥き出しになっていく・・・。
やがて彼らは“究極の選択”を迫られる。
だが、何をもってその判断を下すのか。読者もまた、「自分なら?」と問いかけずにはいられない。
こういう世界を、VFX映像とかではなく、言葉で、文章で構築するのは、やはり”力業”だと思う。
それにしても、東野さんは、なぜこうした小説を書いたんだろう。
日常を日常として意識もせず、当たり前のように暮らしている我々を、ぎりぎりの状態に置くことで、”人間の本性”を踏まえた上での、生きるとか、命といったものを、問いたかったのかもしれない。
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