母の通院と庭仕事を兼ね、実家へ帰ったときのこと。
物置の奥に置いてある園芸用のグッズを取り出してほしいと母に頼まれ、
私は古びた物置の扉を開けました。
その物置は広さ四畳ほどもある大きなもの。
しかし・・十年ほど前の大雪・・母が骨折したときの大雪のため、
天井を支えている支柱は中央部分がひしゃげており、
老朽化した床はみしみし・・心もとなく、
足を踏み入れるにはとても勇気がいるのです 

慎重に奥へ入り、頼まれたお品を発掘後、
その片隅に、古くひしゃげた段ボール箱を発見 
その箱には[書類等]と書かれてありました。
ちょっと気になったので、開けてみたところ、
中からなんと、私の高校時代の想い出の品々が・・・


遠い過去を振り返ってみると・・・
教員として私立高校に就職した直後。
あまりの激務のため実家からの通勤はとても無理だと両親にも納得してもらい、
ひとり暮らしをはじめることとなりました。
引っ越しの際、必要最低限のものだけ、狭いワンルームの部屋に運び入れたのですが。
それから2年後、実家は建て替えることとなり・・
当時私は学校や著作活動で多忙を極めており、なかなか実家に帰ることができず、
実家に残してきた自身の荷物整理もおざなりなままでした。
おそらく『これだけはとっておいて』と母に頼み、段ボールに梱包したのかと思われますが。
まさか。この物置の奥にまだ保存されていただなんて・・

箱はかなり劣化しておりましたが、中身は奇跡的に無事なようでした。
しかし。
30年以上もの間、繰り返された春夏秋冬。
大雪や蒸し暑い真夏も乗り越え、忘れ去られたままそこにいたのね・・
感動しつつ、とりあえず縁側に広げ、虫干しいたしました。

一部のみ、キャリーケースに入れ、自宅に持ち帰りました。
紐とくと・・・
友人・・それからバレー部の先輩たちからいただいた書簡。
そして書き損じの便箋・・・

長らく欠落していた記憶の糸がつながり、
自身のふがいなさを恥じ入るとともに、
こんなにもたくさんの方たちのあたたかい言葉に、
支えられていたのだと痛感いたしました 
ことに、高校OBのKさま。
女子高生としての恋心と未来、そして受験に心迷う私を見守り、
いつも適切なアドバイスをいただき、本当にありがとうございました 
また、井上香織デビューのきっかけになるデモテープを作成いただき、
心より感謝申し上げます
ライブにいらしていただいたというのに
直接、お礼の言葉を申し上げることができず、
本当に申し訳ありませんでした 

・・・左上の祈りを捧げる少女のポストカードは・・・
私が大学受験を控えた2月、
今は亡き、中学時代の恩師・蘇畑瑠璃子先生が、
励ましの言葉と共に贈ってくださったものです