明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

器と私

2007-05-29 00:48:11 | 生活
大切な器が割れるときは本当に悲しいけれど、それもまた「縁」と思う。
そして、また新しい器との出会いがある。
これもまた「縁」。

河井寛次郎を大叔父にもち、師事した河井久氏の次男・河井達之さんの器を購入。
久氏と同じような焼き方なのだけど、その「格」は私のような素人が見ても段違い。
ただ、焼物とは本当に不思議なもので、その人のもっている性質のようなものまでが映り出すような気がする。
達之さんという人を私は知らないけれど、その作品の柔らかさ・素直さに、心惹かれて仕方がない。

今回、自分のために買ったのは、ぐいのみ2つ。


左は一目惚れ。
形も変わっていて楽しいし、何より色がいい。
私の好きな柔らかい桃色が出る手法で、「辰砂(しんしゃ)」という。
透明な釉薬に少量の銅分を入れて焼くことで、このような赤色が出るのだ。
私の愛用のマグカップもこの辰砂の手法で焼かれたもの。
どうも辰砂の器を見ると、買いたくなってしまう。

右は最初は気付かなかったが、手に取ってみてみると、そのユーモラスな形と色あわせの可愛さにはっとした。
一度手に取ったら、もう離せなくなった。
そういう器。

最近また、ぐいのみコレクションが増えてきた。
ぐいのみはいくつあってもいい。
その日の気分で、飲む酒で、器を替えることの贅沢よ。

彼も、最近その贅沢を覚えてしまって、ビールグラスでも1杯ごとに違う器を要求する。(洗い物が増えて大変!)
でも、そうやって、器に興味をもってくれるのはとても嬉しいことだ。

そういえば、先日、彼の上司の方に素敵な備前焼きをいただいた。


これと、もう1つぐいのみがある。
備前はその土っぽさがモロに出るので、なんとなく雰囲気はあるけれど、いいものと安物では、その差は歴然。
いただいたものは、おそらくそれほど高価なものではないけれど、選んだ方の目がとてもいいのだろう。使うほどに良くなる器で、今は一番気に入って使っている。
聞けば、その上司の方、私とかなり趣味が似ているとか。
舩木倭帆さんのガラスが好きだったり、日本酒が好きだったり、浄瑠璃寺などマニアックな寺が好きだったり・・・。
ご自分で料理もなさるとか。
一度、じっくりお話してみたい方である。

「かおりはほんまに器が好きなんやなぁ」と彼が感心したように言う。
自分でもなぜこんなに器が好きなのかわからない。
倉敷の大原美術館も何度も行ったが、私が真剣に見るのはいつも、皆が飛ばして見る「工芸館」。
私は絵心は全くない。
でも、器はわかる。
器心というものがあるとしたら、それはあるのかもしれない。
とにかくもう、器を見ていられたら、それだけで幸せで。
びっくりするくらい、いつまでも器を見ていられる。飽きない。

今回買った2つのぐいのみは、2日のパーティーでデビューする。
どんな味がするのか。
デビューにふさわしい日本酒も購入した。
秋田の天の戸の蔵・「五風十雨」(純米吟醸)。
私と彼がとても好きなお酒だ。

できることなら、ずっと一緒にいたい器だけれど、割れるときはある。
それはきっと「縁」。
人との縁もまた同じ。


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