明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

脱出

2009-06-17 00:40:58 | 友達
バケツをひっくり返したみたいな雨に濡れて帰った。
たった10分ほどだったのだけど、プールに洋服のまま飛び込んだみたいになった。
濡れる、なんてもんじゃない。
「浸かる」

雷は10秒に一度くらい落ちていて、その中をひたすら歩く。
雨の勢いが強すぎて走ることもできない。
目を開けることも難しいほど。

でも、なぜか少しも嫌だと思わなかった。
失敗した、という気持ちもなかった。
むしろわくわくしていた。

ようやく家に辿り着き、玄関で服を全部脱いで
大きなふかふかのバスタオルで体を包んだら、
懐かしいあたたかさがあった。

まさに、プールだ。
プールの後、冷え切った体をこうやってバスタオルで包んだ時、
こんな心地良いあたたかさがあったなぁと、思い出した。

人の感覚って、記憶よりもすごい。

冷えた体が温まってくるのと同時に、こんな雨に打たれながらも楽しかった自分を思い出して、
私、退屈なんだな、と思った。

でも、こんな日常の小さなハプニングが、
少しだけ自分を解放してくれたような気がした。

いろんなことが回り始めた。
悪循環からの脱出。

たまに、私は真面目に生きすぎているんじゃないかと思う。
「真面目」という言葉が正しいかどうかはわからない。
こう言うと、品行方正で折り目正しくきちんとしていて、
コツコツと堅実に生きているようなイメージだから、少し違うかもしれない。

「真剣」
このほうがニュアンスとしては合っているかな。
本当に、信じられないかもしれないけど、すごくいろんなことを真剣に受け止めて、真剣に考えて、いい加減にしない。
足りない人間だからいっぱい間違うけど、そのたびに真剣に自分を追い詰めて、反省して、成長しようと頑張っている。
でも、最近はこの生き方がちょっとしんどくなっていた。

今日は塾に教材準備に行って、その後、久しぶりに和田さんと二人で飲みに行った。
3時間ほどしゃべった。
和田さんはどうだかしらないが、私は全くしゃべり足りず、
まだまだしゃべりたいことがあった。

今日は私の話を聞いてもらうのが中心だったけど、
もっと聞きたい話や意見もあったので。

でも、塾のこと、生徒のこと、仕事のこと、村上春樹のこと、夫のこと、
「太陽さん作戦」のこと、反省していること、酒のこと、
私が目指している人のこと……
いろんな話ができてよかった。

「私って真面目やねん」とずっと主張していたら、
最後には和田さんも私のことを「うん、確かに真面目やわ」と認めた。
きき酒師になった理由を
「酔っ払ってるだけじゃもったいないから」と話したら、
「やっぱり真面目やわ」と言ってくれた。
そう言われたら、真面目に真剣に生きるのもそんなに悪くないかも、と思えた。
ただ、和田さんはよくわからないところで爆笑していた……

自分のことを受け入れ、認めることがまだまだ苦手な私。
でも、ありのまま話をして、それをちゃんと聞いてくれる友達がいるということが救いになっている。

今日は昼間も、あやとふみこと会っていて。
美味しいイタリアンを食べて、ここでも5時間しゃべった。
特に悩みを話したというわけではないのだけど、
二人のいろんな話を聞いているだけで楽しかった。

仕事も前からのびのびになっていたプロジェクトが進行する事になって、
夏以降はその仕事がもらえそうだ。
朝、電話があった。
他にまとまった額の仕事も1件入った。

成功したから楽しいんじゃない、
楽しいから成功したんだ、
と言ったのは誰だったろう。

楽しく生きていれば、自然といろんなことがうまくいく。
そんなことは百も承知でも抜け出せない鬱期間がある。

でも、ようやくまわりだしたかな、と思った。
あのずっと心を占めていた重い石のようなものはどこかに消えた。
雨に打たれて、少しも憂鬱な気分にならなかった自分に気付いたときから。