明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

水汲み戦争

2008-07-21 17:12:07 | 生活
暑い中、夫と二人で神社に名水をいただきに行った。
水汲み場へ行くと、母娘の親子が水汲みの真っ最中。
その後ろに、やたらでかいメタボにいちゃん。
私たちはその後ろに並んだ。

こちら、1回20リットルまでと決まっているのだが、
母娘は60リットルくらい入れ、まだ空の容器を持っている。
どうやら家族総出で来ているようで、父親らしき人と、兄らしき人が、
車まで水をどんどん運んでいった。

家族4人としたって80リットルまで。
きちんと4人で容器を持って並び、一人ずつ入れていくならまだしも、
一体どんだけとるねん!という量を汲んでいく。

ルールを無視するやつは大嫌いだ。
成敗せねば、気が済まぬ。

しかし、夫もいるので、「ちょっと言ってもいいか」とお伺いを立てようとしたその時、
「おい!どんだけ汲んでるねん!」と夫。

いいぞ~

これは闘ってもいいサインだと勝手に解釈し、
「1回20リットルまでって書いてるやろが!そこ見ろよ!並びなおさんかい!」
と私も怒鳴りつけてやった。
素直に並び直すかと思ったら、オバハンさすが!
堂々と開き直って、「私たち3世帯分を汲んでるんだから……」と言う。
何をしゃあしゃあと

なおも攻撃を続けたら、さすがに娘のほうが遠慮したようで並びなおした。
ほっとしたのも束の間、メタボにいちゃんも20リットル容器を3つ持っていたのだが、まさかと思ったらまた並びなおさずにどんどん入れていく。

「あんたもか!にいちゃん!

彼があきれたように言うと、全く動じずにうなずく。
その頃には私たちの後ろに、遊び疲れた小学生が喉を潤そうと500mlのペットボトルを持って数人並んでいるし、他にも2組ほど、新たに並び始めていた。

「ちゃんとルールは守りーや!
「後ろも並んでるやろ!見てみろよ!
私と彼が何度言っても、メタボは全く無視。
暴力に訴えたところであんなでかいヤツに殴られたら、私なんかひとたまりもない。
くそ~!
夫もいつもあんな不良・ヤンキー・極道・ケンカ漫画ばっかり読んでるんだったら、こういう時こそ一発入れてやればいいのに……。

まあ、暴力沙汰になったところで困るので、
思いついて言ってみた。

「あんた、タダで水もらってんのに、ルール守らへんかったら、バチ当たるよ」

一瞬、ギクッとしたメタボ。
「絶対、バチ当たるわ」
あはは、神社で言うと、迫力あるよね。

2つの容器をいっぱいにして、3つ目を満たしている間に、いっぱいになった2つを車まで運んでいったメタボ。
いない間に私たちは水を入れてやった。
戻ってきたメタボも、さすがに何も言わなかった。
自分が悪いことはわかってるんだろう。
それとも、「バチ当たる」が効いた?

水を入れ終わり、神社を出て行った私たち。
まだ腹立ちが収まらない。
子供たちもいっぱい見ていたのに、大人がルールを守らないでどうするんだ?
大人が守れないのに、子供たちにルールなんて守らせられるわけがない。

きっと地震が起きたりして、みんなで助け合わないといけないときも、ああいう大人は自分のことしか考えないんだろうなぁ。
人のものを横取りしたり、横入りしたり、困っている人がいても見て見ぬふりをしたり……。
彼とそんなことを言い合いながら帰ってきた。

「かおり、呪縛かけてたよな……」と彼。
「うん。きっとあの人、内心びびってるで。今度、病気とかなったら、『バチが当たったのかも……』って思うはず

若干、やり方が『陰』だったけど、か弱い女性にはこれくらいしかできない。
立ち向かっただけでもヨシとしてくれ。

私がずっと「もっと言ってやればよかった!ほんまむかつく~!」と言っていたら、
「一人のときは絶対争ったらあかんで」と彼に叱られた。

いや、私は一人でもやる!
正義の炎は消せないぜ!

昔、焼鳥屋で差別用語を連発した見知らぬオッサンにキレて
「うるさいんじゃ!」と怒鳴ってケンカになったこともあったなぁと思い出した。
こういう正義感をふりかざす人は、あとで痛い目にあうかもしれない。
でも、やっぱりルールは守らなければ。
ましてや、ただでもらっているものなのに、感謝の気持ちがないなんて……。
きっとあの人は神社にお礼のお賽銭を入れたことすらないのだろう。

「かおり、絶対あかんで!
と、今日の私の激しさを見て、きつく注意してくる夫。

まあ、ちょっと呪縛をかけるくらいにしとこうかね。
それにしても、キレやすい夫婦だ。
こういうところも似てるんだよなぁ……。
でも、よかった、見て見ぬふりするような人じゃなくて