明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

結婚式のこと その2「音楽は、愛だ!」

2007-05-09 23:13:20 | 友達
こんなふうに言うと、おこがましいのかもしれないけれど、
ずっと守りたい「音」があった。

出会った頃・・・15歳の彼女。
まだバランスをうまく保てない心を抱えて、少し尖って。
でも、まっすぐに自分を取り囲む全てのものを見つめて、
いつも模索していた。

その中で、初めて彼女自身が「見つけた自分の音」だったと思うから、
その想いを知っているから、
何があっても、この「音」を守りたいと思っていた。

いつも、いい音を生み出せるよう。
そんな音を出せる心でいられるよう。
それを、ずっと祈っていた。

私にとっては、特別な音。

だから、自分の結婚式ではどうしても、もんちゃんにドラムを叩いてほしかった。
それが夢だった。

ステージのある披露宴会場。
どうしてもドラムセットを借りたいと交渉し、OKをもらった。

叩いてもらうのは2曲。
1曲は、彼のやっているブルースバンドと一緒に、名曲「Sweet Home Chicago」。
これはもう、本当に名曲中の名曲で、いろんな人が演ってるんだけど、この曲の魅力というのは、「演奏者の個性が出る」ということ。
日本で言うと、「上を向いて歩こう」みたいな存在かな。

どんなふうにでも変えられる。やる人次第。それが面白い。
彼のバンドは、リーダー・ほんちゃんがハープを吹くので、それがとてもいい。個性を出している。

もう1曲は、「ラブ・ミー・テンダー」。
こちらは、サウス・トゥ・サウスのバージョンで、やってもらった。
単純だけど、歌唱力で決まるという意味で、難しい曲だ。

前日にスタジオに入ってもらって、一度あわせただけで本番。
でも、絶対大丈夫だとわかっていた。
「思っていた」んじゃない。「わかっていた」。

私はもんちゃんのドラムを聴くと、だいたい泣く。
栃木にお嫁に行ってしまう前の最後のライブのときは、号泣してしまって、周りをドン引きにさせた
だから、もう絶対泣くだろうと思っていた。

当日。

披露宴のライブタイムが始まった。
1曲目がもんちゃんの入ったブルースバンド。
彼の友達・カナヤンが最初に素敵なスピーチをしてくれた。
でも、私の座っている場所からは、もんちゃんの顔がよく見えない。
花嫁はなかなか自由に動けないので、「音」をしっかり聴くことにした。

5年ぶりに聴く、もんちゃんの「音」。
どれほど待ち焦がれたことだろう・・・
私は、もんちゃんのドラムの、この世の中で一番の熱狂的なファンだ。
いつもは普通のライブだけど、今日は、この日だけは、私のために叩いてくれている・・・そう思うと、たまらなかった。

バンド自体もとてもまとまっていて、全員が「いい感じ」で演奏できているのがよく伝わってきた。
ほんちゃんのハープと歌、カナヤンと斎藤ちゃんのギター、けんちゃんのベース、そして、もんちゃんのドラム。
そこに、途中で呼ばれた新郎が参加して、ギターソロ!!
家で練習していたときは、「三味線みたい」とうるさがっていたこともあったけど(ごめんやで!)、この時の彼のギターソロはめちゃくちゃカッコよかった!

それに、披露宴だとか、お祝いだとか、なんだとか言う前に、
ステージにいるメンバーがすごく楽しそうで。
ちょっと羨ましかった。あの輪に入りたいとすら思った。

高校時代、男子バレー部のマネージャーをしていて、いつも一緒に練習して、いつも同じ気持ちでいたはずなのに、試合になるとコートに出ている部員が羨ましくて仕方がなかった。
あの気持ちに少し似ていた。

もんちゃんのドラムは、5年ぶりに聴いても、やっぱりまっすぐに響いてきた。
「メトロノームみたい」と言われるほど、安定したリズム。
力強く、直線で、ずんと心に届く。
まじりっけがない、というのか。
ただひたすらまっすぐに、届く。

ただただ、嬉しかった。

2曲目は、彼のお友達の原田くんが「乾杯」を弾き語りしてくれた。
ベタな曲かもしれないけど、うちの親も、彼の両親も、とても楽しみにしていたし、親戚の人たちも友達も・・・みんなの心にはっきり感動を残してくれたので、この曲をお願いして、本当によかったと思う。
原田くんの歌には「何か」がある。
それが何なのかは、私にはわからないけれど・・・

原田くんは、初めて会った2年前と同じように、やっぱりきれいな目をしていた。
そして、本当に彼を大事に思ってくれていることが伝わってきて・・・
いい友達をもって、彼は本当に幸せだと思った。

3曲目は、もう一人、彼の友達で音楽をやっているハセくん。
歌のプロで、音楽スクールで講師を始めたらしい。
それくらい力のある人だし、こだわりやプライドも持っている人。
氷室京介の歌を歌ってくれた。
私はちょっとそのあたりの歌に疎いので、初めて聴いたのだけど、やっぱりハセくんも心を込めて歌ってくれているのが伝わってきて、じんとした。
私の友達はちゃんとこの歌を知っていたらしく、好評。
姪のひなのも、この「おにいちゃん」のことが気に入ったらしい
タイプ?(笑)

後日談だが、ハセくんは、私と彼のためにオリジナルの歌を作ってくれるという。
ありがたい・・・
楽しみだ。

カラオケみたいな感じで歌ったし、音響もあまりよくなかったので、最高の出来ではなかったようだが、十分良かった。
10代のときに、彼とハセくんで作ったCDがあるのだが、とてもキレイな声をした人だ。あの声がもうちょっと生かせる音響だったらよかったのだけど。申し訳なかったなぁ。

そして、ラスト。
もんちゃん、再び!!

原田くんの歌、ハセくんのベース、新郎のギター。
一夜限りの夢の(←私にとっての)共演!!

この曲のときは、もんちゃんが自分の席に私を座らせてくれたので、真正面でドラムを観ることができた。
曲の間中、ずっと目を合わせていた。
何度も、何度も。

これが恋人同士なら、「この曲はおまえのために捧げるぜ!」みたいな(笑)

・・・いやいや、恋人じゃなくても、私のために叩いてくれていたのだけど。
それが、一音、一音から伝わってきた。
この音をまた覚えておこうと思った。
これからいろんなことがあっても、思い出して、また前を向けるように。

そんな「音」。

ちなみに、彼のギターはというと、すごく頑張っていた!!
実は、前日も当日も、ずーっと挙動不審の顔面蒼白
その理由は、挙式の緊張じゃなく、この曲を上手く弾けるかということだけだった。

もう私は、子供の発表会の日のお母さんみたいな気持ちで・・・

若干、走ってたけど・・・でも、よかった。
これを助けてくれたのは、やっぱり安定したもんちゃんのドラムと原田くんの歌だったと思う。

上手に弾くとか、記念になるとか、そういうことじゃなくて、
彼は本当に嬉しかったと思う。
大事な友達と一緒に演奏できて。
それも、私の親友まで交えて!!
だから、出来云々じゃなくて、十分良かったんじゃないのかな。

・・・こうして、ライブタイムは終わった。
アンコールをしたいくらいだった。

彼の周りは音楽をやっている友達がいっぱいいる。
それは、本当に素敵なこと。
別に、音楽じゃなくて、スポーツとかでもいいんだけど、やっぱり何か一つのものを一緒に創り上げていく喜びっていうのは、格別だから・・・
単なる友達であることにプラス、もう一つ何か強い絆のようなものが生まれる。
それがとても羨ましい。

彼は幸せ者だなぁ・・・

私も、もんちゃんの演奏を聴けて、とても満足。
本当は、毎日、毎日、毎日、聴きたい。
もっともっと、いろんな曲を聴きたい。

もんちゃんも、改めてブルースをやりたいと思ったようで、栃木に帰るまでずっと「あのバンドいいわー。入りたい」と言っていた。
私に頼まれたから、じゃなくて、心から演奏を楽しんでくれたこともとても嬉しかった。
よかったなー・・・

たった一人でバンドに参加したもんちゃんを、あたたかく受け入れてくれたメンバーのみんなには本当に感謝!
特に、ほんちゃんはとても良くしてくれた。
もう感謝しきれない。

いろんな人が参加してくれた披露宴ライブ。
誰が欠けても、あんないい時間は作れなかったと思う。
私も彼も本当に幸せだった。

演奏した人も、聴いていた人も、みんなが楽しんでくれたようで、
やっぱり音楽はすごいと、そのまま愛になると、スティービー・ワンダーの言っていた言葉をふと思い出した。

音楽は、やっぱり、愛だ。



山崎、最高!

2007-05-09 00:57:00 | 
あんまり気持ちの良い風が吹くものだから、どんどん歩きたくなった。
多少、暑い日。
でも、澄み渡った空は、やはり五月のそれで、見上げているだけで気持ちが晴れる。

ちょっと買い物に行こうと思って外へ出たのに、
気付くと、全く反対方向へ。

どんどん歩いて、ふみこの家も、こうちゃんの家も越えて、
気付いたら、サントリーの山崎ウイスキー工場にいた。

いや、正直に言おう。
「気付いたら」じゃない。確信犯だ

空を眺めながら、ウイスキーが飲みたくてさ。

「ウイスキー館」のテイスティングカウンターへ。
ここは、珍しいウイスキーが100円~飲める(15ml・シングルの半分)

原酒の10年(200円)と、白州18年(500円)をとりあえず。
白州18年なんてなかなか飲めないもんなぁ。
ボトル1本なんと21,000円!!
15mlが500円でも仕方ない。

テラスで一人、グラスを傾ける。
山の中なので、気持ちがいい。
風が優しいし、新緑が目にしみるほどきれい。
体の力が抜けて、心がほんわかしていくのが自分でわかる。
これを「リラックス」っていうんだろうな。
嬉しくて、顔がにやけてくるし

あんまり気持ちがいいから、ついついまた注文。
秘蔵モルト(300円)と響17年(200円)
すっごい贅沢

なんだかなぁ・・・
ずっと夢見ていた「理想の生活スタイル」が手に入るなんてなぁ・・・
今、本当に幸せ。

そんなことをぼんやり考えながら、琥珀色のグラスをまた傾ける。

気が遠くなるほど眩しい緑。

いい季節だ。