明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

大山崎山荘美術館へ 川上澄生展

2007-05-15 01:37:14 | 生活
絵心など全くない私だけど、ごくたまに、心惹かれる「絵」に出遭うことがある。

川上澄生、版画家。
一目見たときから心奪われてしまった。

近くの大山崎山荘美術館で、6月17日まで「ゑげれすいろは 川上澄生 展」をやっている。
先週、晴れた気持ちのよい日、てくてく歩いて美術館に行った。



もう何度通ったかわからない。
ここはいつ来ても、四季それぞれの美しさがある。
今は新緑が眩しい。



もしも願いが叶うなら、この山荘か河井寛次郎の家が欲しいといつも思う。

山荘の部屋の中が、そのまま美術館。
展示品がなかったとしても、目の保養。満足させられると思う。

でも、今回の川上澄生展は、本当に素晴らしくて。
時が経つのも忘れて見入ってしまった。

棟方志功を思わせる版画。
でも、もっと西洋的。
文明開化の頃に横浜で生まれたという。
ロマンティシズムとユーモアの共存。



色使いの美しさ、どこかユーモラスなタッチ。
日本の文化と西洋文化の融合。
版画そのものから溢れてくる、ドラマティックな時代背景。



どこか、エロティックであったり、ユーモラスであったり、



どこか、物語的であったり、幻想的であったり。

特に気に入ったのは、「シンデレラ」の日本版、「しんでれら出世絵噺」。
絵本のように、版画の挿絵と短い文が入っているのだが、
これがもう、たまらない。
シンデレラが和服を着て、桶を持ってる絵に、
「しんでれらは我とわが身をはかなめば、教母現われ、そのわけを問ふ」
みたいな(正確には覚えていないけど、こんな感じ)文がついているのだ。

ストーリーは普通のシンデレラ。
細かなところまで読み入ってしまった。

イソップ童話やトランプもめちゃくちゃカワイイ。
トランプのマーク(ダイヤやハート)が、スイカや金魚になっていて。

満喫した後は、2階のテラスへ。
とてもいい眺めだ。



この美術館はアサヒビールが買い取ってるので、このテラスの喫茶店ではビールが注文できる。



一人、ビールを飲み、スモークチーズを食べながら、5月の風に吹かれていた。

心の中がすっかり潤って、柔らかくなったみたい。
美しいものを見ると、本当に心が踊る。
ほっこり