植ちゃんの「金沢・いしかわに恋をしました!」

金沢に永住して金沢・石川が好きになりました!その魅力を紹介します。

兼六園の建築物 ④夕顔亭

2015-11-14 04:13:35 | 日記


金沢の観光スポット体験レポート その442(No.687)

◇兼六園の建築物 ④夕顔亭

8)夕顔亭(ゆうがおてい)

瓢池の東岸にある茶室。時雨亭、内橋亭、舟之御亭とならぶ蓮
池庭四亭の一つ。11代藩主治脩が、宝暦の大火(1759)で焼失し
た蓮池庭を復興すべく、翠滝とともに安永3年(1774)に建てた
もので、その地に往時のまま残る園内唯一の建物である。三畳
台目、下座床、相伴席をもつ形式で、京都・藪内家の茶室「燕庵」
とほぼ同じであることから、その写しともいわれている。蹲口
がなく、障子2枚からなる貴人口がある。小間でありながら翠滝
の景観を楽しむ開放的な茶室だ。
夕顔亭の名は、床の袖壁に夕顔(瓢箪)の透かし彫りがあるからで、
これは後世の呼び名である。当時は「中嶋の茶屋」「瀧見の御亭」
とも称されていた。もとは池の中に浮かぶ島に建てられていたが、
明治に入って一部埋め立てられ、現在は陸続きとなっている。

■写真は夕顔亭全景









■写真は茶室



①夕顔亭の竹根石手水鉢(たけねいしちょうずばち)

瓢池たもとの夕顔亭、貴人口側に据えられている。古代ヤシ類の
化石で、1億3000万年前のものと鑑定された。浅野川上流の段丘
堆積層に同種の化石が見つかったことから、この竹根石も古代の
医王山に由来する化石と考えられている。
直径約40cm、中央が空洞で、厚さが5~8cm。空洞部分に水が貯め
られている。胴の高さは20cmほど。手水鉢と名が付いているが、
湯桶石、手燭石、前石はなく、蹲踞の形態ではない。

■写真は夕顔亭の竹根石手水鉢



②夕顔亭の白牙断琴手水鉢(はくがだんきんのちょうずばち)

夕顔亭露地にある立ち蹲踞の手水鉢。高さ45cm、直径85cmで、鉢
の石は金沢の坪野山に産出した黒色の石で、下に敷かれているの
は四角の白色の御影石。黒と白の対比が印象的だ。また役石は能
登産で、木葉石といわれる珍しい化石である。

手水鉢の作者は、5代藩主前田綱紀が寛文年間(1661~1672)に京
都から招聘した名金工・後藤家9代程乗。「金属しか彫れないの
か」という綱紀の言に対して、程乗は「どんな素材でも彫ることが
できる」と応じ、石を彫っていくつかの手水鉢をつくった。これ
はその一つ。

「伯牙断琴」とは中国の歴史書『蒙求』の故事「伯牙絶琴」がよりど
ころで、琴の名手・伯牙には鍾子期というよき理解者がいたが、
彼が亡くなったため、伯牙は終身琴を弾かなかったという話であ
る。手水鉢には、絃を絶った琴を枕にして伏す伯牙の姿が浮き彫
りにされている。

■写真は夕顔亭の白牙断琴手水鉢

(つづく)


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