亀の川登

難聴に苦しむ男の日記帳。

観世がやってきた

2012-01-04 | 能楽

          石川県立能楽堂

Photo

正月能
全国の能楽界の半数以上の人が観世流だという。
その観世能が加賀宝生の真っ直中に乗り込んできた。
2012年1月03日石川県立能楽堂で史上初の試みで観世、宝生の共演だ。
宝生は「嵐山」。観世は「安達原」。
嵐山は、ごく普通に見られる地味な演目だが、観世能「安達原」は、宝生では「黒塚」と呼ばれ激し能で、誰が見ても迫力満点で楽しめる能で観世さんは凄い出し物を持ち込んだものだ。
アンケート用紙が渡されて、観世と宝生の違いについて思ったことを書きなさいと問うてきたがどうも書きようがない。
観世は各家ごとに纏まっているが宝生は地域ごとに纏まっていて、他流が入りにくい構造になっているそうだ。
石川県は宝生流で纏まって、こんな県は石川県だけで全国でもまれな現象で、どこの書店へ行っても宝生流の謡本しか売っていない、県内で観世流を学ぶのは非常に難しい。
金沢は文化の町で芸事を学ぶには他の都市より比較的安く容易に学ぶことが出来る。
多くの外国人にも人気があるそう。
宝生はお腹に力を入れてお腹の奥の方から声を絞り出すようにして謡うのが特徴だとのこと。普段あまり意識していなかったが、これから肝に銘じて練習に励まなければ。
会場には小さな子供もちらほら、子供に金沢の文化を学ばさせようという親心か。

嵐山
桜の花が満開の嵐山で勅使の一行が蔵王権現の眷属神である木守・勝手両明神の化身の老人夫婦に出会い、吉野千本の桜を移植した嵐山の由緒を聞き、やがて両明神が本体を現して神遊びの舞を舞うと、蔵王権現自らも来臨して御代のめでたさを
称える。

安達原
陸奥安達原(今の福島県安達太良東麓)で行き暮れた熊野山伏祐慶の一行が、野中の一軒家に宿を求め、女あるじは糸車を回して歌を歌いもてなす。女は、あまりの夜寒に、客人に暖を取らせるための薪を取りに行くので、留守中寝室を覗かぬようにと固く言い置き、山に向かう。その言葉を怪しんだ従者が覗くと死屍累々の有様。驚いた一行が逃げ出すと、正体を現した鬼女が後を追うが、かえって行者の法力に追い返される。

 鶴亀の月宮殿の宝生流と観世流の仕舞を同時に舞ってくれた。

仕舞は何処の流派も同じと思っていたが、同じなのはセリフだけで舞い方、謡い方が全然違うことが分かった。

宝生流の方は観世流より動きが多くて柔らかいように感じた。

やはり金沢の町は宝生流が似合っていると思う。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 豪姫と宇喜多秀家 | トップ | 久しぶりの晴間です »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
高尚な趣味をお持ちですね。 (鷲谷芝嵐)
2012-01-06 09:26:42
高尚な趣味をお持ちですね。
私のようなノータリンは頭がいたくなってしまいます。
観世流が能楽界の半数以上であることを知っただけでも勉強になりました。
返信する
新年早々、優雅なひと時をお過ごしですね。 (オールドレディー)
2012-01-06 11:31:21
新年早々、優雅なひと時をお過ごしですね。
金沢というところは歴史のある町なので謡や舞いが似合いますね。
落ち着いたたたずまいの城下町に雪が振ると一層風流です。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

能楽」カテゴリの最新記事