昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

昭和少年漂流記:第四章“ざば~~ん”……15.家の完成。そして……

2013年07月26日 | 日記
家の完成。そして…… ここだぞ!」と公平に案内されて目の前にした土地は、区画整理途中の分譲地の端、大川に近い角地だった。 「50坪って、狭いんだねえ」 隣の優子に呟くと、組んでいた腕の肘をつねられた。 「僕ん家、ここにできるの?」 尋ねる幸助に「そうだよ。幸助の部屋、どの辺かな?」と応える優子の声が、弾む。 総予算1200万円と聞かされ、とても現実のものとは . . . 本文を読む