昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第四章“ざば~~ん”……12.危機からの脱出

2013年07月02日 | 日記
危機からの脱出 大川の堤防が右に大きく曲がる直前、辺り一帯が一瞬白く輝いた。直後には、軽トラの屋根を揺るがす衝撃が襲ってきた。ブレーキを踏むのと同時に、前方を稲光が走る。バリバリという雷鳴の音に目を凝らすと、松が淵の上に屹立している一本杉の先端が赤く燃えていた。驚いた義郎は軽トラを止め、雨の中に出ていった。嫌な予感がした。 それは、義郎に勇気を与え続けてくれた一本杉だった。   . . . 本文を読む