昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第四章“ざば~~ん”……13.公平の転機

2013年07月04日 | 日記
公平の転機 “台風の目”を自認していた公平が、「俺は、弱い台風だなあ」と長嘆息したのは、義父が息を引き取って一週間後、バー“寄り道”の奥でのことだった。 「たまには二人で飲むか」と誘われた時からわかっていたような展開だった。終始寡黙な公平の横で、ただただ自分の先行きの不安と戦っていた義郎は、「そんなことないよ」と応えるのが精一杯だった。 見事な . . . 本文を読む