昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

昭和少年漂流記:第四章“ざば~~ん”……14.至福の日々の訪れ

2013年07月18日 | 日記
至福の日々の訪れ 日々被災現場に通う毎日は、義郎にとって新鮮なものだった。 父親は夏場は夜の鮎漁に出かけることが多く、冬場はほとんど山に籠っている、という生活だったので、父親が毎朝出かけ毎夕帰って来るという暮らしを、義郎はしたことがなかった。 役所勤めや数少ないサラリーマンの家庭を羨ましいと思ったことはあったが、そんな家庭に足を踏み入れると、すぐ帰りたくなった。居心地が悪く、空気も澱んでいる . . . 本文を読む