昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章:1970~73年 石ころと流れ星   46

2012年01月13日 | 日記
わずか一日余りの不在だったのに、夏の日差しに照らし出されている店の姿はすっかりよそよそしかった。僕の部屋さえ、よそよそしかった。僕が暮らし働いていた痕跡は、もう掻き消えたかのようだった。 汗に濡れたシャツとジーンズを脱ぎ捨て、敷きっぱなしの布団に胡座をかいた。尻に貼り付くブリーフが気になり、立ち上がり下ろした。素裸のまま、身に付けていた物全てを一抱えにして窓辺に行った。 窓を開け放つと、朝の冷 . . . 本文を読む