昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章:1970~73年 石ころと流れ星   45

2012年01月07日 | 日記
早朝の京都駅には、たくさんの表情があった。広い待合室の一隅にリュックを背負った若い一群。対角の一隅に旅途中の中・高年の一群。二つの人の群れの間に丸く腰掛けているスーツ姿が点在していた。奇妙に静かだった。 子供の泣き声に奥の片隅に目をやると、眠る子供を背中に、胸にした赤ん坊をあやしている母親の姿があった。生気が、その一点から待合室全体に漂っていくようだった。それを機に、近くに座っていたスーツ姿が一 . . . 本文を読む