昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章:1970~73年 石ころと流れ星   ③

2011年03月25日 | 日記
「無政府主義って、どない思う?」。 応急手当てが終わると、桑原君が身を乗り出した。 「絵空事ちゃうか~~?」。僕はそう言いながら立ち上がる。二度使って干してあったティーバッグを3~4個持って流しに行き、行平鍋に水を入れる。「簡単に言いいよんなあ。アナーキズムいうのはなあ、一人ひとりの人間が……」と後ろから聞こえてきたが、水音で聞こえないふりをした。 「なあ、そうい . . . 本文を読む