快風丸

俺の船に乗らないか。

ピアノとは

2009-06-10 01:09:16 | Weblog
 TVのニュースで、やっていた。
バン・クライバーン国際ピアノコンクールで全盲のピアニストが優勝したと。

 辻井伸行さんの映像とともにリストの”ラ・カンパネラ”が聞こえた。
短い映像だったが、震えた。
 なんとも言えない迫力に満ちた演奏だった。よろこびに満ちた鐘の音がした。

 コンクールで優勝したからなのか、また、彼が先天性の盲目だからなのか。
なぜそんな短い演奏の映像に心惹かれたのだろうか。

 たまたま、当日の新聞に、この件とは無関係に
「最近、クラシックのピアニストに個性が見られなくなった」
と書いてあった。

 フジコ・ヘミングの言葉を思い出す。
「ぶっ壊れそうなくらい繊細な”ラ・カンパネラ”があったっていいじゃない」

 ピアノを弾くんじゃないんだ。音楽はその人の内側にある。それを表現する媒体がピアノなんだ。ピアニストとは、ピアノを使って自己表現をする人のことなんだ。
 僕の中で、新しいドアが開いた。

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2 コメント

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Unknown (やっち)
2009-06-11 01:45:32
優等生坊ちゃん嬢ちゃんのピアノもいいけどロックみたいにぶっといドラマのある人間が弾くから深みが増すんですよね。フジコヘミングのラ・カンパネラは真冬の銀座で聞いて心地よい孤独を感じた思い出。ばぁさんになるころには『木枯らし』弾けるようになりたいだす
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心地よい孤独 (oni)
2009-06-13 00:53:53
 クラシックって楽譜の再現だけじゃないって知りました。
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