快風丸

俺の船に乗らないか。

積み上げられた本

2009-03-30 00:45:46 | Weblog
 手元にありながら読んでない本を積み上げてみた。
30cmは低いか高いか。

 これ読むまで、新しいのは買わない、借りない。
ちゃんと読むぞ。

 読書は嫌いだった。本を読めと言われ続ける環境の中では、読まないことが自己主張だった。今でも活字から情報収集することは苦手だ。
 だがその分、聞くことが上達したのだろう、読むことは苦手だが、聞くことは上手。

 だからこそ、今、読むことこそが、冒険なのだ。もしかしたら僕は読むことで消耗しても得ることはないんじゃないか、読むより経験が必要と落ち着くのではないかと危惧するとき、おのずと紙をめくる感触を疑っているのである。

 ありふれたリアリティよりも爆発的な虚構を、爆発的なリアリティよりも虚構に満ちた真実を。与えてくれ、かつて裏切ったものよ。しばしの休息ののち、再びの真実を輝かせろ。
 

すし地獄

2009-03-28 23:28:53 | Weblog
 スシロー。回転寿司ね。お昼にね。
関西系。全部¥100。

 かっぱ寿司、スシロー、蔵。
それぞれに一長一短だが、それぞれ素晴らしいよ。
得手不得手はあるが、一皿¥100というのは努力なしにはなし得まい。

 白身魚はスシローかな。青魚はかっぱ寿司、メニューバリエーションは蔵か。

 そもそも寿司って、発想的には、英国におけるサンドウィッチ。簡略化。
そんな、こだわるほどの食べ物じゃなかろう。

 雲丹もはまちも鯛もヒラメも鯵も全部¥100。

 せめて、力いっぱい食べてみましょうや。

 うまい。
 

好きになってはいけないひとを

2009-03-27 23:28:39 | Weblog
 俺、パンクなんだ。デストロイでアナーキー、ファックオフでノーフューチャーでアンチクライストなんだ。

 去年、TVで見てしまったんだ。全国中学校合唱コンクールのドキュメントを。
たまたま点けたらやってたんだ。パンクロッカーはそんなの見ないんだよ。
 すごい田舎の学校で、生徒なんか10人くらいで、それがとても一生懸命歌うんだ。手紙がどうしたこうしたとかなんとか、幸せがどうとか、悩みが、青春がとか、知らない歌だったんだけど。

 俺はパンクなんで、そういううそくさい空ぞらしいのはファックオフなんだ。
TV見ながら感動したり、泣いたりしないんだよ。小学生のころ、合唱団で歌ってた過去を思い出したりしないんだよ。初めて市民会館のステージで発表会、オペレッタを演じて、拍手喝采を浴びた過去なんかデストロイなんだよ。

 このことは誰にも言わないでほしい。俺はこの手紙がどうしたなんちゅうノーフューチャーな歌が好きになったんだ。そんなはずはないと自分に言い聞かせたよ。なんせ俺はアナーキーでアンチクライストなんだよ。

 でもこの歌はね、よく聞いてみるとね甘く切ない青春の歌じゃないことがわかったんだ。さわやかな午後のサイダーみたいなね、子供だましのまやかし砂糖菓子じゃないんだ。ちょっと苦いのだ。この歌を作った人はきっとずいぶん辛かったんだろうなってね。ずいぶんと頭の良い人みたいで、とても耳ざわりの良い言葉を選んでいるが、そこに込められた思いは決して軽いものではないと直感するのです。

 アンジェラ・アキさんが好きだ。
深くて暗い思いを選び抜いた言葉に乗せ、堂々のメロディと、ピアノ、そしてストレートで力強い声。アルバムの他の曲もいいですよ。

 あああ、言っちゃった。秘密だよ。

お帰りなさいおおたかさん

2009-03-27 00:15:45 | Weblog
 帰り道に、チケットショップへ。ついでに同じビル内の中古CD屋さんへ。
ここはときどき冷やかしに来ている。無目的に、あれこれと、ちょっとマニアックなものがあったりするので。

 おおたか静流さんの「REPEAT PERFORMANCE」を買いました。
¥750。’92の作品。おおたかさんはTVコマーシャルの歌を多く手がけたシンガーです。このころ、カセットテープかなにかのCMで喜納昌吉の「花」を歌ってました。澄んだハイトーンボイスがとても印象にのこりました。

 CD発売直後に買いました。まだ名古屋に来て間もないころでした。
カヴァー曲がメインでとても良い選曲なのです。「悲しくてやりきれない」、「ゴンドラの唄」、「夜来香」、「アカシアの雨がやむとき」、など。
「ブンガワンソロ」では詞も書いておられます。

 歌だけでなく言葉の感性も素晴らしいです。
このCDが大好きでよく聞いてましたが、その数ヶ月後にふとした不注意で無くしてしまったのでした。

 信じられない偶然でした。ケースも歌詞カードも新品みたいに美しい。
久しぶりに聞くおおたかさんの歌は、優しくて、やわらかくて、強くて、とても心地よいです。

 お帰りなさい、おおたかさん。

 http://www.songbirds.ne.jp/sizzle/sizzle.html

¥98の幸せ

2009-03-25 23:35:16 | Weblog
 去年の秋に、桔梗の苗を買いました。もう花は枯れかけてたので、投げ売り。
おばちゃんがね、
「桔梗は芋だから、来年も咲くよ、ハイポネックス、時々あげてね。」
ハイポネックスは液体肥料の商品名。ちと高いので、バッタもんにしときました。

 おばちゃんは、どこでも、だれでも、たいがいアバウトだ。詳しいことは知らんけどだいたいこんな感じやというのが得意な人種だ。信用してはいけない。しかし¥98ならば、と、ちと勝負してみました。

 少し大きめの植木鉢に植えかえました。水、肥料、やりました。枯葉がむなしく揺れる日々。

 あれから半年、3月になって、暖かい日が続いた時も、変化はなく。
もうだめかと思いました。あきらめようと思いました。おばちゃんのこと、ほんの少し恨みました。¥98の恨み。軽くて小さいです。

 今朝、水やりしました。
緑色した小さな芽が吹いておりました。感動しました。おばちゃんの顔を思い出しました。ふくよかで、悪人じゃなかったな。

 ときどき水を切らしたり、肥料もしかり、いい加減な育て方しました。しかし、それでも芽吹いたことが、とてもうれしいです。

 花が咲く前に、桔梗の花言葉を調べてみよう。

石橋を車で渡る

2009-03-25 00:09:57 | Weblog
 つい数週間前に朝日新聞の日曜版に石橋特集がありまして、熊本の通潤橋など、写真入りで紹介されてまして、その歴史とか作り方とか、優れた耐久性とか美しさとか、あこがれました。この目で見たいと。

 偶然にも、実家に帰ると、観光地図が。大分県の院内という地区のもので、アーチ型石橋が多くあるのだという。おふくろが以前から行ってみたかったとのことで、すっかり出不精になってしまったおやじもレンタカーに押し込んで出発。

 山桜、菜の花畑、花の時期のドライブは格別の味わいです。

 なんも知らんでもカーナビ大明神様が導いてくださる。山道はちょっと苦手かな。
「そこを左です。」
左は山だ。たぶん、日産CUBEの前は、サンダーバードのジェットモグラに装着されていたのであろう。CUBEでは山は掘れない。回り道もまた楽し。

 小一時間でまず、道の駅へ。観光案内窓口で聞く。このあたりに75基あるとのこと。観光資源にして町おこしを図っているようだが、3連休の中日も人影まばら。

 さて、良さそうな2つをピックアップして見に行きます。田んぼにはレンゲが、シロツメクサが、朽ちた農家の納屋のはたを抜け、川のほとりへ。
 結構、山道走ってきましたから、川は急流で岩肌は青く、そして橋のたたずまいはその歴史を風格に昇華した感動的な美しさを携えていた。

 写真で見るより、驚くほど大きい。美しいアーチ、細い橋脚。そして何より大正初期より今まで、100余年にわたって現役で生活の中で使われていること。

 電話も自動車もパソコンも無い時代に、こんなすごいもの作ったのだよ。しかも、車で渡れるんだよ。現代の人には無理でしょう。コンクリートの無味な大根足の橋脚がいったい何年持ちますかね。

 なんという贅沢な風景であることか。ペンタックスSVのシャッターに魂をこめて。

こんどは、75、全部見に行こうと思います。

超特急の夢

2009-03-24 01:09:00 | Weblog
 すごいスピードでどこまでも落ちて行く夢を見ていた。
 
 目が覚めても夢の中だった。時速300kmで走っていた。
窓の外の全てが時速300kmでこの列車と関わっていることがなんだか滑稽だ。

 雨も電信柱も遠い山も学校も池も、ぜんぶ300kmで過ぎてゆく。

 もやのかかった山水画のごとき里山、トンネルでそれまで。
 
 お次は広がるコンビナート。国道。山桜。踏切。またトンネル。

 さびれた駅舎と木造モルタルの住宅群。
暗転しては次々と映し出すは時速300kmの幻灯機。

 あ、今、君の住む街を時速300kmで通り過ぎたよ。

となりの駄犬

2009-03-23 00:47:06 | Weblog
 よく吠える犬の声で目が覚めた。
ひとり暮らしのおばあさんと茶色の小型犬。
おばあさんが出かけると、その間中吠え続けるのだ。
 
 だからおばあさんは、その犬が吠えていることを知る由もない。
だんなさんは、もう20年も前に亡くなった。とてもやさしい人だったという。

 道路脇の松の古木はあまりにも大きかった。
ある夏の日、毛虫が大量発生して、松の木を切らざるを得なくなった。
大工の棟梁がチェーンソーを構えたが、道路にはみ出している大木をどう切って良いものやら思案に暮れたという。
 通りがかっただんなさんは土建業だった。無言のうちに、クレーン車を持ってきて、松の木を吊り支えたという。

 見事、松の木は天寿を全うした。
見守る隣人たちの感謝の言葉に、会釈することもなく、無言のクレーンはだんなさんを乗せて帰って行ったと。

 このご夫婦には美人の姉妹がいた。妹の方が同級生だった。
まだ、家の裏が海だったころ、幼稚園のころ、よく堤防で遊んだ。
「わたしもちんちんあるよ」
と見せてくれた。

 このあたりは、今でも海風のせいで、何でもすぐに錆びる。トタン葺きの壁、置き去りの自転車、廃屋になった鉄工所。

 駄犬のくせに思い出させやがってちくしょうめ。

ホーミー

2009-03-20 01:57:01 | Weblog
 岡林立哉さんのLIVE見てきました。日本の第一人者らしい。こじんまりした店。至近距離。1mくらいかな。
馬頭琴の弾き語りというのは、本場にもないスタイルだそうだ。基本的に、楽器と同時演奏はしないらしい。

 ホーミーはCDで聞いたことはあった。同時に2つの音を発する歌唱法であることも先刻ご承知だった。

 音楽は、生。CDじゃ10%くらい。なんも伝わってこんよ。
狭いLIVE空間に響き渡る。

 同時に2つの音なんだけど、それが、異なる旋律だったりするのよ。人間の声じゃなくって、宇宙サウンド。もう人間国宝ですよ。すごいですよ。

 本人といろいろ話ができました。なんとなくできてるらしい。
「耳をふさいでもホーミーは聞こえる」
という。実演してくれた。確かに聞こえる。不思議。

 また、よく飲むんだ。
飲めば普通の兄ちゃんかそれ以下な感じ。聞きたいこと、全部聞きました。気さくに全部答えてくれました。でもホーミーも馬頭琴も素晴らしいよ。

 馬頭琴って、日本で買っても¥50,000くらいらしい。当たり外れはあるが、それ以上も以下もない、ほんとに素朴なものらしい。でもね、名人の手にかかると、パイプオルガンのごとき、素晴らしい倍音を含んだ至福のサウンド。

 大阪にも行くみたいです。

http://www.khoomiiman.info/



■3月29日(日) 大東おやこ劇場例会


この素晴らしさを共有したいね。

かりまくれ

2009-03-18 23:54:48 | Weblog
 レンタル屋のメール会員になっている。新譜情報とか、ほぼ毎日メールが来る。ドコモは受信もタダじゃないのにムダに来る。
しかしセール情報も来る。CD半額。もうMDのころは、ほとんどレンタル行ってませんでした。久し振りに行ったら会員証の期限切れ。即刻更新、無料。

 いつもの店は、家から車で5分。セールは火水木のみ。会社の帰りだと自転車でずいぶん遠回りだし、一回帰ってからっちゅうのも
けだるい感じ。会社の帰り道に系列店がないかな。

 ありました。もう、もろルート上。すっかり忘れてたよ。毎日見てんじゃん。
うーんCD少ないな。街中なので店もちっちゃめ。久しぶりなんで、じっくり。1時間30分滞在。5枚。
パヒューム、GOGO7188の新譜、中孝介、レディオヘッド、クラブトンのBACKHOME。

 128bpsで1枚10分かからない。パソコンからウォークマンへはもっと早い。素晴らしい。MDだと倍速でも60分のものが30分、しかもインデックスは書かなくても勝手に登録される。ほんと、夢のようなマシーンだ。長生きはしてみるもんだな。

 今週は、福岡へ里帰り。新幹線で初めて聞くのだ、With ノイズキャンセリング。あぁ楽しみだ。

 明日は、ホーミーと馬頭琴のライブを見てきます。