快風丸

俺の船に乗らないか。

ひとりの夜

2009-11-30 00:45:14 | Weblog
 久しぶりに、ほんとに久しぶりにバーに行った。
初めての店の前で、少し躊躇してから、重い扉を引いた。



 まず、ギムレット。
失礼ながら、初めての店の一杯目はこれと決めている。これがおいしい店は何飲んでもおいしい。

「お勧めのジンは?」

オールドトム。少し甘口。ロックで飲みごたえあり。氷を丸く削ってある。正しい。

 若そうなマスターだが、キチンとしてる印象。

タンカレーもロックで頂いて、
「また寄らしてもらいますわ。」
こういうあいさつは、大阪弁が合う。

 ひとりニ次回の夜は更けて。

チャッパル

2009-11-26 00:03:03 | Weblog
 昔々、インドの王様が民に向かって言いました。
「国じゅうに絨毯を敷き詰めよ。一月以内に。出来た者には好きなだけ褒美を取らす。名乗り出るものはおらんか。」

 インドの夏は暑い。灼熱の大地を裸足で歩くのはたいへんだ。しかし、国じゅうに、しかも一月ではとうてい無理である。

「王様、私めにお任せください。その十分の一の三日でできます。」

どよめく民。王様も驚いた。

「褒美は何がほしいのじゃ。」若者は続けた。

「できましたあかつきには、王女様をください。」

3日後、若者は、宮殿へ赴き、王様のもとへ。

「できました。お試しくださいませ。」

若者は、王様の足に何やら履かせたのだ。
これがインド式サンダル、”チャッパル”の始まり。

若者は王女様と末長く幸せに暮らしましたとさ。


さて、この国は、そろそろ寒くなってきた。

「家じゅうに絨毯を敷き詰めよ。」
おっと、私は王ではなかった。うっかりしておったぞよ。
そんな金もないし、そんな暖かい絨毯、掃除が大変だし、夏にしまうとこもないぞよ。




 ユニクロ。
これはいいぞよ。中敷きが低反発ウレタンぞよ。くるしゅうないぞよ。
¥1,000。

 幸せに暮らしております。

ウェス

2009-11-24 00:01:06 | Weblog
 やる気のない若者のあいさつではない。
汚れを拭うための布である。

 パジャマを新調したので、古いのごっそり捨てましょうか。
いや、捨てちゃならんでしょう。この着古したのがウェス最適なのに。

 切ります。



 使いやすい大きさにね。
おもに自転車のお手入れ用ね。
 縫い合わせの部分とかは切り捨てます。ウェス作りの基本です。
Tシャツの首周りの部分は、ホタテの貝柱の干物みたいに切ります。これは、後ろの多段変速のギヤの間を拭きます。

 切り疲れてきました。もういいか。いや、まだまだ。お世話になったナイトウェアたち、きちんと誠意をもってやらねば。ここで投げ出してしまうような自分は愛せない。愛されたくば愛せよ。

 

 できました。
さ、しまいましょ。
 あ、前に作ったのがいっぱいある。

 ウェスづくりは楽しい。


ひゃっひゃっひゃくえんで

2009-11-20 00:05:30 | Weblog
 近所の焼き鳥屋が、また、生ビール¥100セールをかましやがった。
好意的でない表現なのには理由がある。

 外見、席はあいているのに、
「すみません、予約でいっぱなんです。」

 いままで同様のセールで、予約なんかしてなかったのに。
薄利多売なんだから、空席作ってどうすんの。

 で、¥100ビールをミスしたのだ。

 たまたま、大曽根駅で、解放された日、ちょっと時間も早かったので、立ち読みしたり、ぶらぶらしたり。

 発見。



 ガラガラっ    ¥100なんですよね。

「制限なし、10杯で¥1000です。」

 威勢がよい。

 レトロなエクステリアだが新しい店のようだ。高架下。

 店員は若くて要領が悪いしアイソも悪い。食べ物もイマイチ。
 
 生中3杯でさようならの旅でした。つまらん。まったくつまらん。





記憶の暗い淵のあたり

2009-11-15 23:32:02 | Weblog
 金曜日、文化フォーラムにて、藤森亮一&武本京子、ラフマニノフ&ピアソラ・デュオコンサートを見てきました。藤森亮一さんというのはNHK交響楽団首席チェロ奏者だそうです。



 僕は、クラシックは門外漢。ラフマニノフは、これも春日井市の映画会で見たばかりだった。その音楽は、極北の青白い氷に映える月明かりのごとく、深く悲しい情熱。
 ピアソラはつい最近、TVで聞いた。アルゼンチンの作曲家。真っ赤に燃える炎の音。黄土色の大地にたたきつける容赦なき太陽の情熱。

 そもそもチェロという楽器の演奏を間近で見ることが初めてだった。
息遣いが聞こえた。

 「暗い情熱のラフマニノフと、ピアソラの明るい情熱をサンドイッチにした。」
とMC。言葉は上手ではないが、その演奏は、まさしく情熱であった。

 今、聞いているその音が、実は、自分の中の奥深くから響いていると感じた。
耳で聞いているのではない、もっと記憶のずっと深いところの、生まれるよりももっと前、まだ暗く、何もない、何も見えない、光の速度すら追いつかない闇の淵から響いているのだ。

 そんな新しい体験をしてきました。

料理に名前なんかいらない

2009-11-09 23:07:33 | Weblog
 かみさんが帰省したので料理をする。



 夕食、娘、中2が友達を連れてくるという。
から揚げ。いっぱい。砂ずりも。サラダもいっぱい。あっという間になくなっちまう。

 なんか、朝、ボーっとみてたテレビからインスパイヤされたきのこソテーも。
あまりもののしめじをソテー、トマトジュース、コンソメ、チーズ、水溶きカタクリ粉のソース。冷蔵庫にあった刻みネギをドばーっ。

 「おいしい。」

料理は音楽。思いつきを形にするのね。誰かに聞かせたくなるよ。
さ、ジャズピアノを聴きながら食べましょ。

「どう?」

「おいしい。」

これですべてはオールライト。あとかたずけはチューボー達。中坊の厨房。

マイケルジャクソンのDVD見てからおやすみぃ。






 おはよう。

 朝は洗濯もしますよ。



天気が良いね。


 もう、お昼は焼きそば。



 豚コマ。
「おっいしいぃ。」



 また、夜が来たので、お惣菜を買ってきた。さらに、冷蔵庫の、
ジャガイモ、キャベツ、ちくわ、卵、マヨネーズ、七味炒め。
ちくわをちょっと焦がすのがポイントですね。




「おいしい。」

さて、次の昼、
冷蔵庫に相談。
大根、ジャガイモ、玉ねぎ、人参、全部1.5cm角に切る。炒める。鶏コマだけ買うね。これとキャベツを炒めるね。
 雑炊。コンソメ味。冷ご飯は湯通し。全部入れてちょっと煮ましょ。

 あっつあつ。根菜の1.5cm切りが絶妙だったですね。

 


 「アリに名前がありますか、人間は名前なんかつけてしまうからダメなんだ。」

 と言ったのはかの岡本太郎さん。大事なのは感動だ。おいしいことがもっとも重要なのだ。

 もっと食べて、もっと聞いて、名前なんかいらないでしょ。

かぼすという幸せ

2009-11-07 23:40:03 | Weblog
 先日、帰省した折にかぼすを買って帰った。
一袋、¥300.を二つ。この価格のは地元では高級品。色、形とも申し分なし。都会では高級料理店でしかお目にかかれない代物。
 僕はどうせめったに買わないのだからフンパツした。1個あたり¥30.。

 オフクロが、「かぼす、送ろうか。」
届いたのは、少し小ぶりで、ちょっと黄色がかったもの。1ネット、¥50.が二つ。20個くらい、1個あたり¥2.5.。

 メイン用途は、いいちこ、ソーダで割って飲む。
僕は、世界のありとあらゆる飲み物の中で、これが一番好き。コカコーラより、ロマネコンティの30年ものよりきっとうまいのさ。

 今年はどういうわけか、かぼすが集まってくる。
同郷の名古屋在住の友人、実家にかぼすの木があって、今年は豊作とのこと。
1ネットだが、ネットがでかい。50個級。ちょっと黄色が進んでいる。
しかし、それでもかぼすはうまいのよ。地元の人はね、それくらいのほうがかえって使いやすいと言うのです。友人いわく、
「今年のは出がいい。」
すなわち、モア ジューシーということらしい。
彼は、あまり飲まない人なので、毎年、腐らせてしまうらしい。

 さて、にしてもうちもトゥーマッチかぼすになってきた。おすそ分け。知ってる人は喜ぶね。でもあんまし黄色いのはちょっとね。

 実は、その黄色いのは、絞ると長持ちするのです。




 500ccのピンに1本と半分。
ご近所さんにおすそ分け。

 ちなみに、近所の高級スーパーでは、1個¥200.。そんなに良いものではないです。誰かが、莫大な利益を享受しているとしか考えられません。
 これはもう、末端価格。犯罪の匂いがします。

「竜二さん、かぼすは飲むもんじゃなくて売るもんでしょ。」

いや、おいしく飲みましょ。

始発で行くなら

2009-11-02 00:25:37 | Weblog
 

 AM 5:00。
まだ起きている人、もう起きている人が交錯する時間と知る。
焼き鳥やは店じまい。まだ起きているのだ。新聞配達の少年はもう起きているのだ。すれ違って、世間ってそういう者たちが構成しているのだ。

 電車に乗る。今日は奈良へ行く。
学生のころ、もっとも頑張っていたバンドのメンバーが集まるってメールが届いた。日曜日なので、迷ったが、これが最後かもしれないと思い立った。

 ついでに、福岡で見逃した「阿修羅像」を興福寺で展示しているらしいので、行くことにした。


9時開場の少し前に到着もこの行列。
福岡のは九州の美術展の記録、昭和43年の”ツタンカーメン展”の50万人を超え、70万人の新記録を達成したそうである。福岡に住む親せきの話では、入場に3時間待ちになったそうだ。

 

 券売所で20分、そこから50分も並んだろうか。


 その昔、ローザルクセンブルグ、ボガンボスのボーカル、どんとさんが仏像が好きというのを知り、なんとなく興味があったのだ。この八部衆というのは、インドの強力な神様たちが仏教に帰依して、その守護をしているとのこと。
 皆、少年なのです。とてもかわいいです。実際の身長も150cmくらいです。
木枠に麻布を巻いて、それに漆を塗って作ったそうです。1300年もの間、罪深き人間どもが、守り続けてきたわけです。
 何を見て、何を感じてこられましたか。



 くすんだ金の仏様、初めて信じてみようかな。