快風丸

俺の船に乗らないか。

球子ちゃん

2009-04-09 00:23:00 | Weblog
 松坂屋美術館に片岡球子展に行って来ました。
たまたま、チケットショップでお求めやすいお値段になっておりましたので。

 名前すら存じ上げておりませんでした。日本画家ということで、日本画と申しますと、どうしてもくすんだような、湿った感じの絵を想像してしまうのです。
三岸節子さんなどは、ヨーロッパから帰国するたび
「あぁまた水蒸気の国に帰って来た」と辟易したそうです。

 さて、まず、驚いたのは、その色と形。とても鮮やかで、人物なんかでも、力強くデンとして。今にも動き出すんじゃないかという立体感。やさしい力強さ、やわらかい重厚感。失礼を承知で申し上げますと、POP。漫画的な楽しさがある。
 きっと優しい人だったんだろうな。

 北海道で生まれ、上京し美術専門学校へ。両親に「画家になりたい」といったところ勘当されてしまう。院展に何度も落選し、「落選の女王」と揶揄される。
 そして教師となる。デッサンさえままならぬ忙しさでしたが、
「教育は絵を描くことと同じ程の価値がある」と知ったそうです。

 評論家にはその絵をゲテモノと酷評されたらしい。それで悩んだ時期があるという。しかし
「ゲテモノと本物は紙一重だ。あなたはあなたの絵を絶対に変えてはならない」
と言った者があり、ふっ切れたという。

 90歳で描いた絵に寄せて
「背景を墨で書きたいと思いまして、墨絵の勉強もせねばならず、まだまだ死ぬわけにはまいりません。」
 とても真面目で、優しくて、力強くて。球子ちゃんが好きになりました。

 昨年、103歳にて大往生。100歳まで描いていたそうです。YEAH、ロックンロール。素晴らしい。

 4/15から大阪は高島屋でやるそうです。