貝の独り言

人見てもよし、見なくともよし我は咲くなり。でも見てもらいたいなー。宜しく返待つ。 

地域の人へ、認知症患者からの訴え

2015年03月27日 23時59分12秒 | Weblog

 『市役所からお願いです。行方不明者を捜しています。***町にお住まいの○○さん**歳が今日の午後3時から自宅を出たまま行くへが解りません。服装は***頭、****cm位、白のスニーカー・・・、お心当たりの方は最寄りの警察所にご連絡ください。』 今日も認知症の方が行くへ不明になっています。早く見つかってくれると良いなと思いながら聞いています。
 「認知症になった私が伝えたいこと」(佐藤雅彦著)を読み終わりました。認知症の人に対する『何にも解らなくなるんだ』『認知症にはなりたくない』と言う私の考えが変わりました。
 第4章『認知症と生きる私からもメッセージ』の中の、「地域の人へ」の訴えを転載したいと思います。
 『認知症の人を、自分たちと違う人間だと考えるのではなく、ともに歩む仲間だと考えてください。 認知症の人は、何もわからない人ではなく、劣っている人でもなく。かわいそうな人でもありません。 私たちも、いきいきと豊かに暮らしたい。 施設や病院に閉じ込められるのではなく、町に出て、買い物をしたり、喫茶店でお喋りをしたり、認知症になる前と変わらない暮らしを望んでいます。 そのために、認知症という病気を、正しく理解してください。 認知症の人は、何かをするのに時間がかかったり、よく失敗したりしますが、そんなときも、どうかあたたかく見守ってください。 私たちは、地域でサポートしてくれる人がいたら、たいへん助かります。 たとえば、どこかへ出かけるとき、一緒についてきてくれる人。 ただ一緒にいてくれるだけでいいのです。 私たちは何をするのにも不安なので、それだけで安心感を持つことができます。 認知症の人につきて、『徘徊』ということがよく言われます。 でも『徘徊』などと言う言葉は、使わないでほしい。 私たちも、地域の、社会の一員です。 同じ仲間として受け入れてもらいたいです。 効率優先の社会ではなく、高齢者や障害者、弱い人に優しい社会であってほしい。 そして、一人ひとりに、少しだけサポートしてほしい。 現在、450万人近くいる認知症の人たちが、これからもっともっと前向きに、希望を持って人生を生きることができるように、みなさんと一緒に考えたいと思っています。』