KADOMIUMTANK ソフビブログ

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マーミットの12月ソフビ新製品

2012年12月04日 | 特撮・SF

早いものでもう12月。マーミットさんから12月受注ソフビ新製品のニュースリリースを
いただいたので紹介~。

イベントで時々原型が展示されていましたが、いよいよ完成した
ジャンボサイズの小島功さん原作の美女河童像、
ゴジラ、バルタン星人などおなじみの王道特撮キャラクターたちと
飾り栄えのあるアイテムがそろいました。妖怪天国シリーズも「髪切り」が登場し
続投ですね。

今回の商品は、すべて 通販限定品。2012年12月31日受注締め切り、
2013年3月中旬発送予定です。
問い合わせ、申し込み先・代引き申し込みは
(㈱マーミット 03-5648-6535)まで。





ビューティアートコレクション 河童美女

税込み18900円(全高約43センチ
コールドキャスト塗装済み完成品
清酒黄桜のCMなどで有名な小島功氏のイラストに
忠実に立体化。小島先生が直々に何度も監修した決定版。

昭和のTVCMに登場し、酒屋さん、居酒屋などでもキザクラのお酒を扱っている
場所には必ず張り出されていたこの美女河童のイメージイラスト。

かっぱっぱーるんぱっぱー♪というフレーズで知られる
「カッパキザクラ」の広告キーワードでヒトビトのココロに刻まれる日本酒+美人河童=
リラックスというサブリミナルイメージ。
小島功氏のイラストをフィーチャーした広告としての浸透・訴求効果は
キザクラブランドの認知において相当大きかったと思います。

TVーCMはアニメ映像なので、子供でもCMソングがかかると
振り向いてブラウン管上に展開される若いサラリーマン河童?とこの美女河童の
ホステスがチャカチャカ動きながら仲むつまじく酒を交わし
ほんのりとしたひとときを過ごす姿に「大人のセカイっていいな」と
見いった記憶のあるヒトも多いと思います。
オンエア時間はおもにオトウサンたちが晩酌する
ような時間帯によく投下されていたカナ?あと夜中の11PMのようなおとなの
TV番組を見ながらじっくりくつろぐ時間帯でも見たような記憶があります。
アニメとはいえ妖艶な河童が全裸で出てくるわけです
から子供ココロには十分これは隠微なものに映り、ドキドキしたものです。

この美女河童、今回立体化されたのは当時よく描かれた、バーのマダム風の髪型をした
美女河童ですが、このほかにもパーマヘアや金髪のロングヘアーなど色々な髪型の
河童たちがいたのを思い出します。時代の空気を反映して、
男の河童たちがこの美人河童を囲んで屈託なくなごんでいる場所も
酒場のみならず、桜の花見の席上とか、リゾートホテルのビーチとか
プールサイドとか、縁日の会場とか、スキー場とか
いろんなロケのバリエーションが存在しており、昭和当時の日本人が持つ観光イメージと
河童というキャラクターのもつ桃源郷テイストが合致して、健康に楽しく
お酒を飲む楽しさをアピールしていましたね。
今回の美女河童は昭和の名匠による妖怪キャラクターの立体化アイテムとしても
貴重な製品化ですね。



怪獣天国EX 妖怪人間ベム(1期)

税込み5250円全高約25センチ ソフトビニール塗装済み完成品
実写映画化に合わせて最初のアニメ版をソフビ化。引き続きベラ、ベロも製作進行中。

昭和の「ベム」がTVのブラウン管に登場したバックボーンを思い出すと、
ぼちぼちカラー化が各一般家庭で進む中、怪獣ブームの次は妖怪ブームだという
ことでTVにも妖怪・怪奇番組が登場しました。
水木御大の「ゲゲゲの鬼太郎」はもちろん、円谷の科学スリラー犯罪ドラマ
「怪奇大作戦」、東映の「悪魔くん」、手塚治虫先生の「どろろ」などと並び
この時代にアニメ作品として怪奇ブームにエントリーした「ベム」は
モダンな描線かつ強烈なカラーバランスの映像とイタリアン
ゴーストハンタームービー的な日本の怪談・怪異譚等とは一線を隠した
ドロッと濃密な空気を漂わせたストーリーテリングなど
無国籍な怪奇アクションアニメとして、今では狙っても作れないコンテンツとして
いまだ存在し、再評価の時を待っていた感があります。
平成の世に入って再びアニメでリメイクされたこともありましたが
遺伝子操作やバイオテクノロジーなどもストーリーに絡め
今風の解釈による作品になった本作は作り手の試行錯誤感こそ伝わってきたものの、
観ていて「どこかがよく知ってるベムと違う」感じがつきまとっていました。
公開される実写劇場映画ではオリジナルのアニメ版をスタッフがリスペクト
しているようなので、ベムたちの「早く人間になりたい」という魂の叫びに
一応の終着地を見出してくれることになりそうです。

しかし昭和オリジナルの「ベム」アニメを見ていて思うに、
ベムたち3人はこの世に生きる生命とは異なる、異形の者として
生を受けたのですが、凶悪な妖怪たちと戦う中、守るべき人間たちから
異形の者として心無い差別を受けたり、生命の摂理に反した欲望や願いを
満たそうとする不条理で怪奇な姿に触れながらも、
あえていまさら人間になりたいと思うものでしょうか。
アニメ最終回では人間になることを目指しながら、結局は
悲運の最期を迎えているわけですが。。。
このあたりが「妖怪人間ベム」の肝の部分というか、いかにも
昭和アニメらしい、アンビバレンツなる面白さといえます。




妖怪天国 髪切り(1期)税込み4200円全高約16センチ 

ソフトビニール塗装済み完成品マーミット妖怪シリーズ第3弾。
江戸時代の資料から立体化。

この髪切りは先日のデザインフェスタでシルバーラメの限定カラーを購入したのですが
赤松氏独自解釈の髪切りということでユニークなアイテムといえます。
クリーチャー的なテイストで、かつ江戸末期頃の妖怪画上では両者は別妖怪と区分される
「あみきり」の要素も若干混ぜているようで、(赤松氏の説では
図像として元は同じ妖怪だったのではないか、との見方)
今回のソフビ化では手がはさみで鳥のような顔を持つ妖怪という
共通事項で結ばれる「髪切り」「あみきり」のイメージ双方を分析しつつ
立体キャラクターに落とし込んでいる印象があります。

髪切りは水木先生の妖怪イラストでも露出機会の多かったメジャー妖怪に
位置していますが、ソフビや玩具などになるのは食玩で一度あっただけで
不思議と少ないんですよね。「鬼太郎」でも単独で活躍するゲストエピソードなどは
なかったので、今回ソフビ化でスポットライトが当たったのは
妖怪ファンとしてうれしいですね。




怪獣天国 サタンビートル(3期)税込み5250円

全高約23センチ ソフトビニール塗装済み完成品
ウルトラマンレオ登場の宇宙昆虫。ライトグリーンの成形色に
メタリックブルーの彩色が映える。
三度目リリースとなるサタンビートルはグリーン。カブトムシの怪獣は
子供たちにも人気らしいです。このサタンビートル登場のエピソードを見ると
思い出すんですが、人間の俳優さんが全身グリーンのタイツにマント、顔出しで
演じたクリーン星人のキッチュなビジュアルがもたらす得もいえない不気味さですね。
このエピソードは醒めない悪夢のような映像の中を子供がサタンビートルに乗って
逃避行するというイメージが忘れられないです。

病気がちな子供の夢に現れていっしょに遊んでくれる陽気で屈託のないクリーン星人が
「地球に毒のごみがどんどんふってくる、君も健康を失ったし、
飼っているカブトムシだってその毒のごみのせいで死んだ」
などと言って地球や人類の終末をささやきかけ子供を恐怖のどん底に落とす。。。
といった場面があります。後期円谷では、おなじみのメランコリックな
有りものライブラリーミュージックにのって甘い遊園地のひとときのような
ファンタジーシーンと、悪夢のような地球や宇宙空間の汚染映像が
交互に映し出されます。

映像として出てくる「毒のごみ」はキラキラした紙屑のようなものを
セットの天井から降らせて、音響効果的には旧式のガイガーカウンターのような
ガリガリした耳障りなノイズがメーターを触れるような音を発する、
といった描写で描かれ、想起されるのは放射性物質の飛散です。実映像はチープですが
それゆえに子供が見るとショッキングかもしれません。
この少年は何か体調を崩し、自分の体が汚染されるという悪夢を見たのでしょうか。
当時は定義がなかったですが、現代の医療用語でいうケミカルシンドロームの
ようなものかもしれません。クリーン星人も実在するのかどうかはっきりわかりません。
しかしサタンビートルは少年の夢の産物でなく劇中で実在し、レオとも戦っているの
ですが。

思うに、ウルトラマンタロウ頃から映像の傾向が明確になってきているんですが、
ウルトラシリーズもTBS局のドラマとして他の「それいけ
カッチン」「ケンちゃんシリーズ」などこの時期のTBSでオンエアされた
各子供番組で描かれるドラマのかもし出す映像の空気がどこか
似通ってきていた点を指摘したいところです。
スタジオのセット撮影ならではかもしだされる
「さめない夢のような怖さ」を描く子供セカイ系ドラマとでもいうべき
映像には一定の共通性があったと思います。
この時期はウルトラのシナリオライターに他のホームドラマ系の脚本家が
参入するようになってきたことで、描かれるドラマも表面のストーリーより
キャラクターの内面のドラマに焦点を当てたものとして
次第にウルトラの映像セカイもドラマのニーズに即して変化してきたと
いえるのかもしれません。

毒のごみで汚染された宇宙空間から飛来した謎の宇宙昆虫サタンビートル。
あの欠番ストーリー、セブンの「遊星より愛をこめて」に登場するスペル星人が、
実は脚本段階ではカブトムシのような昆虫知的生命体として描かれていた
ことをふと思い出します。

「レオ」といえば番組1クールの通り魔宇宙人の存在感がやはり強烈なのですが、
3クールに入って物語が多様性を見出しつつある頃に登場したサタンビートルは
「レオ」をじっくり観た子供には忘れえぬ、隠れたトラウマ怪獣とするべき存在
かもしれません。 




怪獣天国 ゴジラ(VSデストロイア)税込み5250円

全高約23センチ ソフトビニール塗装済み完成品
クリアー素材にギガラメイエロー成型。劇中の燃えるイメージを再現。
マーミットさんのデスゴジもこれまで相当な数のバリエーションが登場しています。
今回のは夜の香港の街を体内がメルトダウンして全身から煙をもうもうと発しながら
横断する劇中の名場面に一番近い感じですね。

海外で新作映画製作中というゴジラですが、製作発表等の
ニュースもぼちぼち出始めていよいよ本決まりになったようですね。

「モンスターズ 地球外生命体」というSF映画を比較的低予算で撮った
ギャレス・エドワーズが監督として挙がっているのですが、この
映画はタコも好きですね。「モンスターズ~」は「クローバーフィールド」的な、
怪獣が暴れている都市空間を登場人物たちが逃避行するという
洋画に昨今多いストーリーパターンの作品ですが、ライブ感のある映像で
見ている側も緊張感が持続する好編でした。監督が脚本も撮影も一部SFXも
手がけているというマルチプレイヤー映画なので監督の狙いとするイメージが直に
映像上に出ているのでしょう。画面に怪獣が大写しになるシーンは多くは
ないのですが、その絞りこんだ登場シーンゆえ、モンスターがどこにいるかわからない
恐怖がより強まり、地球外生命体が跋扈し避難民がさまよい内戦状態にある
荒廃したメキシコの危険地帯から決死の脱出を試みる人間たちのドラマを
緊張感満点で描いています。
作り手として演出重視の志向が見えてくるところに好感が持てましたね。

面白いなと思ったのは、発表されたゴジラのイメージイラスト(検討段階らしいが)が
トライスター版ゴジラ(ローランド・エメリッヒ監督)の時とは違ってかなり日本の
オーソドックスなキグルミ系ゴジラの重厚なビジュアルに近づけている
ということです。
ここはトライスターゴジラでの散々な評価からくる反省ということなのでしょう。

ギャレスゴジラのルックスで東宝オリジナルに一番近いのはミレゴジカナ?
海外のカイジュウファンも新作では日本のカイジュウ「ゴジラ」に近いものを
観たいということなのでしょう。
もちろん演出的には新しい発想の導入によって今まで見たことのないゴジラ映画を
新生させてほしいところです。
ピーター・ジャクソン監督の「キングコング」のようにオリジナルゴジラを
リスペクトしつつ、新しいセンスと映像技術で見せるモンスター映画として
仕上がるといいですね。



ウルトラ怪獣烈伝 バルタン星人税込み8400円

全高約40cm ソフトビニール塗装済み完成品
劇中のイメージを忠実に再現。目にはクリアーパーツを使用。
リアル系バルタン星人のフィギュアというと、80年代の中期にバンダイから発売された
リアルホビーのバルタン星人のリリースが思い出されます。
当時、第二次怪獣ブームを過ごしてぼちぼち大人といえる年代になりかけた
子供たちに再び怪獣という存在へのインパクトに振り返らせて、
再び特撮モノへの門を叩かせたアイテムといえます。やがて今のソフビ
マーケットにおいてセミレトロの怪獣ソフビともうひとつの流れとして存在する
リアル系怪獣フィギュアの流れに分岐しお客のニーズに応えながら
連綿とつながってきた印象があります。
80年代でも怪獣というとレトロ造形のマルブルソフビの存在が怪獣の立体モノとしては
まだまだイメージが強かったですからね。そこにリアルなバルタン星人が
発売されたのは衝撃でした。

今回のマーミットさんがリリースしたバルタン星人も、リアル系怪獣造形物としての
流れを汲みつつ、塗装済みで提供できるよりリアルに造形されたアイテムとして
現代に供給するという意味で先達のさまざまなリアルバルタンの立体物の
存在価値を受け継いでいる一品といえるでしょう。

【滅亡のテーマ catastrophe et seisme 】

ガッチャマン最終回、ウルトラマンタロウのタイラントの回とドロボンの回、
イナズマンFのウデスパーが倒された回の結末シーンで流れるあの重々しい曲。

http://www.youtube.com/watch?v=0rYF51wOld8

【ディスコ・トレイン】

探偵物語、大都会partⅢなど日本テレビ系アクションドラマのディスコシーンで
よく使用された軽快なナンバー。

http://www.youtube.com/watch?v=6_ULKLA-tFY

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2 コメント

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Unknown (メガたぬき)
2012-12-05 21:47:46
どうも、こんばんは!
あらためて映像を見てみると、
サタンビートルのソフビは、
飛行状態のシーン(飛び人形?)を
参考にして造型されたような印象が
あります。前からこの腕のLの形が
気になっていたのですが、映像を見て
なるほど、と思いました。
ブルマァクのベムスターとか飛行用モデル
を参考にしたという説があったりするので、
その流れで、小道具をソフビにするという
遊びが玩具らしさを演出しているような
気がします。
レオの中期頃だとバーミン星人とか
こういうソフビで見てみたいですね。

今回もBGM特集ありがとうございます。
滅亡のテーマはいろんなところで使用されて
いるのですね。
効果音だと、ウルトラ警備隊の警報音は
ライダーのショッカー本部でも同じものが
使われていたり、あの時代の無意識のアイコン
というか、このシーンではこの音
というのがあったりするんですね。
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Unknown (タコペッティ)
2012-12-06 01:42:02
>メガたぬきさん

こんばんわ。
そう、いいとこ指摘してくれましたね。
このサタンビートルはなぜか飛び人形っぽいんですよね。
でもそんなマニアックな仕様にする必然性がないん
ですが、宇宙空間を飛んでるシーンに似てますよね。
マーミットさんはベムスターの飛び人形とかメガロの
飛行形態のミニソフビもリリースしているので、
もしかしたら。。。まさかね。
バーミン星人も怪獣としては地味だけど、
ソフビは見てみたいですね。昆虫怪獣は
マーミットさんからだと傑作が出やすい気がするん
ですが原型師さんに虫好きがおられるのかも
しれません。


>BGM特集
ああ、メガたぬきさんが興味を持ってくれるだろうと
思って(微笑)見つけるたびにリンクを貼っております。
あきらかに番組用に作曲されたスコアじゃないけど
印象に残る曲ってありますが
ネットが普及すると
マニア同士が情報交流できるのでどんどん出自が
判明していくのがありがたいですね。

この滅亡のテーマも子供時分にいろんな作品で
危機一発・土壇場のシーンでかかると
どよーんとしたものです。ドロボンの回で
新マンが「銀河系は今苛烈な宇宙戦争の
さなかにある」と
説明する場面とか、地球人だけが大状況を
知らないで平和に暮らしていたということが判明し
新副隊長の絶体絶命とあいまって得もいえない
緊迫感がかもし出されてました。直接最終回に
つながった話でないですが、その前に観る側も
襟を正すような演出だったと思います。
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