KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

STARCASE ハーロック

2013年01月31日 | インディーズソフビ



高円寺のSTAR WARSをフィーチャーしたTOYショップ、STARCASEさんの
宇宙スーパーコンボイシリーズ第3弾「ハーロック」。
先にセカンドカラーがリリースされました。






このハーロックから宇宙スーパーコンボイシリーズは受注販売になった。

店長「国内外からのいろんなお客さんの反響に驚きつつ、欲しいお客さんが
より確実に手に取れるように今回より受注に踏み切りました。
毎回手に入ったソフビでたっぷり遊んでもらえたらこれに勝る喜びはない」とのこと。
実際、STAR WARS人気の昭和当時の空気を思い出しつつアリイのパチプラモシリーズの
再来として楽しんでいるSWファンのヒト、
パチキャラクターソフビとして楽しんでいるインディーズソフビファンの双方の
ファンが盛り上げてくれて、層の厚い支持者を獲得したソフビシリーズとなっている
様子です。





元ネタビンテージのアリイプラモ「宇宙スーパーコンボイシリーズ」は
STAR WARSキャラをイメージしつつも
腕にドリルがついていたり妙~な等身バランスだったりと
アナログな仕上がりかつ表現上の自由度が高かった当時のTOYマーケットの目線で見ても
かなりのユルめなアレンジが入った仕上がりのプラモシリーズだったのだけど、
STAR CASEさんの「宇宙スーパーコンボイシリーズ」では
そのテイストをリスペクトしつつ受け継ぎ、オリジナル同様にユルさと愛嬌を持たせた
シリーズに。
アリイプラモのソウルを受け継いだ平成の新訳プラモシリーズといっていだろう。



「インディーズソフビ界では緻密に仕上げられたいろんな商品が出ている
中、ここまでユルさを追求してはみたが、当初ははたして
受け入れてもらえるのかとじつは思っていたんですが、
元ネタのプラモのイメージの延長として現代に新訳したということで
お客さんにもノって集めてもらえているのも嬉しい。
STAR WARSファンの一人である自分にとっても楽しめる商品を
手がけることができた」
との話。

「海外のSTAR WARSファンのヒトたちも昭和日本のブートレグプラモの再来的な
意味合いで毎回仕上がりを楽しみながら手にとって楽しんでもらえている様子で、
反響の大きさとSTAR WARSファンの興味の間口の広さに感心した」という。







これからのシリーズでは、オリジナルのアリイプラモで発売されたキャラクターが
あと3点あり、
これもSTAR CASEオリジナルソフビとして新たなアレンジを入れた製品を
続投していくとの話。チラッと聞いた話ですが、新作もオリジナルSWをリスペクト
したニヤリとするようなネタが新たに追加されているようdeath.
そして年内には続編作からのキャラクターもこの宇宙スーパーコンボイシリーズの
一体として(つまりオリジナルプラモに存在していなかったキャラクターとして)
お目見えさせたい、との熱意を表明している。

「当時宇宙スーパーコンボイシリーズがどんどんラインナップを増やしていっていたら、
という仮想の元に未製品化キャラクターも妄想力をふくらませてソフビ化していきたい
ので引き続きお付き合いのほど、よろしくお願いいたします」との話。
昭和の版権怪獣未ソフビ化商品の補完と同様の熱い気炎がSTAR CASEさんの中で
沸き起こっているようだ。



近日中には第3弾カラー(いつものアートボックス入り仕様)
が販売を予定。第3弾には第1弾・第2弾の武器が付き、さらに第3弾専用の
ニューウェポン(店長曰く、「ユルい光線銃です!」)が付く豪華仕様に
なるのだとか。





特殊観光/早稲田奇景

2013年01月31日 | ジャンク



「しーらない町を~歩いてみたい~どこか遠くへ 行きたい~(おんぷ)」

そんなわけでRAMPAGE TOYSさんのOPENしたスタジオと鬼子母神にお参りに行くため
雑司が谷に。そして都電の始発駅である早稲田界隈もブラブラ。
この辺りは仕事で通ることも多く、タコの徘徊ルートdeath。
昼前から2時頃までの日中なら外を歩いていても、
ぽかぽかと暖かいですね。

新宿花園神社、浅草浅草寺、そして雑司が谷の鬼子母神、
ソフビ関係の探訪と絡めて都内を廻ってきたが、次はどこの神社に行こうか。
今日で1月も終わり。





タコは都内で消滅した建物の遺品(残骸)を持ち帰ることがある。
これは2006年にアキバに集まるヒトビトから惜しまれつつも閉鎖、
その後解体された「アキハバラデパート」社員通用口のカンバン。
当時ビルの解体時にブラブラしてて破砕機に入る前のを発見して
現場のヒトにお願いしたらいただけることになりタコの所有物に。

アキバデパートはアキバ者にとって、なんでも安く食べれて居心地良かったな~。
独特のざわざわした庶民ムードがたまらない、再々開発前のアキバを
いかにも象徴する憩いの場所だったのだが。
カンバンは何年も知人の倉庫に預けてもらってたのだけど
もう置き場所がない、なんとかせいよと言われてこの日、あわてて
実家に持ち帰ることに。
(ていうかこれを抱えて半日あちこち都内を歩いてたのdeath.
一体全体なんのプレーじゃろう)
個人価値の極私的な名所を巡る今回の特殊観光は
名所の残骸を携えて行われることになった。





早稲田といえば強烈な存在感を放つのがガウディマンション。
別にガウディが設計したというのでなく、スペインの某寺院をイメージして
製作された個人のテナントマンション。90年代のフギアブームの頃は
ここの一階にスポーン系フギア~のショップが入居していて
時々遊びに行ったのも懐かしい思ひ出。



このガウディマンションですが、とにかく内装がスバラシイバロック感。
郵便受けなんか動物を象っており、こんなだし。



エントランスゲートなんか華麗に舞う蝶の形です。



「プロメテウス」の探検隊になって、奇怪な宇宙船内の胎内洞窟を歩いてるみたいな
気分になる廊下。





エレベーターホールです。シュールレアリズムの極地ですネ。
ダリオ・アルジェントの映画でよくかかるゴブリンサウンドがルーム内の
バックグラウンドミュージックに流れそうです。



これが学生通り側から見たビルの外観。アシンメトリーで多様な彫刻に
彩られた美しくもカオスな建物。早稲田に行くたびに立ち寄っている個人的名所。







石井聡互監督のサイコサスペンス映画「エンジェル・ダスト」で最初の殺人が
起きたシーンを撮ったロケ地のコインランドリー?
劇中でもニュースのシーンで「鶴巻町」と書いてあった。たぶんここじゃないカナ?




カッコイイグリフォン。ガウディビルと別の建物で発見。



雑司が谷で、建物の周りにやたら「立ちションするな」とか「車停めるな」
とか但し書きやカンバンが多い場所があったので、なんとなく観察していたら
何者かの目線を感じ振り向いたらそこにトラが鎮座してた!
大地震のさいに動物園から逃げ出した巨大な虎が生存者を襲って街で
生きながらえている、漫画「サバイバル」の1シーンみたいですね。
とにかく誰かにどんなことをされるのも嫌みたいだ。
見張りのトラも雨ざらしなのか、表面がささくれだっていました。



「声優になりたい!」
早稲田にある謎のアニメスタジオ。何年もここの前を仕事で通っているけど
一度もボイストレーニングとかやっているような声も物音もしていません。
何か過去(90年代中頃)にアニメを製作していたみたいですが、
テレビでオンエアされていた気配がないんです。たぶん企画過程で
未完になったのだろう。
もし観たことがあるならそれこそ幻のアニメではないか。



RAMPAGETOYS STUDIO

2013年01月30日 | インディーズソフビ



SOFUBI,KESHI RESIN,ILLUSTRATION,AND MORE!



日本在住のソフビ&キャストメーカー&カスタムペインター、
RAMPAGE TOYSさんが自宅にスタジオをOPEN。
カスタムケシ、レジンフィギュア、キャラクターアート、そして
オリジナルソフビ。

驚異、未来の駄玩具「ケシキャスト」とは何だ?!

和風のスタジオに集結したそうそうたるソフビメーカーさんたちによる
RAMPAGEカスタムアイテム。
RAMPAGE TOYSさんの作風を映したキュートでカラフルなソフビとフィギュアの
発信基地をちょっとのぞいてみましょう。。。



1月中は仕事の行き先で新年の仏閣詣りを続けているタコ。さっそく鬼子母神に
お参りしながら週末までエキシビジョンウィーク中のRAMPAGE STUDIOSを訪ねた。

場所は雑司が谷の観光名所、鬼子母神の真ん前だ!
RAMPAGE STUDIOSの住所は東京都豊島区雑司が谷3-14-9。
最寄駅は早稲田始発の都電「鬼子母神前」下車が近い。




























ケシキャストは日本の塩ビ人形のように柔らかいキャストで成形された
ケシゴムタイプのプラスチックフィギュアだ。
ゆで先生リスペクト風味なオリジナル超人・怪人の
ケシキャストが続々登場。海の向こうでは熱いファンにより、
怪獣ソフビだけでなくキ●ケシも
オリジナルワールドを展開するようになっているんですネ。
ケシキャストバトル専用のリングを製作しているメーカーまであるらしい。

今回このスタジオに製品を提供したメーカーさんの数を見ても、
ケシキャスト専門でクリエイト活動をしている
作家さんもたくさんいるみたいです。今回のレセプションでは
RAMPAGEさんがカスタム塗装したケシキャストも販売。
ケシキャストが日本でも新たな立体素材としてこれから浸透するか?
見守りたいところDeath.







今週末までレセプションを開催。イベント以外の普段の日は
奥の四畳半は見れないらしいのでこのスペースの使用画像はレア。
ストローマット(畳の松本零士的表現)の部屋で外人さんが生活している
と「ベルリン忠臣蔵」とか、日本文化を取り込んだ外国映画を見ているみたいで
楽しいです。古い日本家屋をRAMPAGEさんのご夫婦で買い取って
RAMPAGEさんが自分でスタジオ用の内装をレトロフィッティングしたのだとか。
自分だけの隠れ家にしないで、今後は自分と仲間たちのソフビカスタムイベント
などの場所に提供、みんなにも楽しんでもらいたい、とのこと。
RAMPAGEさん「出してないけど、じつはコタツもあるんですよ!」
日本びいきなヒトですネ。















2匹いる愛猫。この子はちょっと人見知りするタイプ。でも美猫だねえ。
だんだん近寄ってくれるようになったけど。
お客さんたちに慣れるまで、RAMPAGEさんの傍らを離れませんでした。



そしてこの子がとにかくデレデレでびっくりでした。
初日に遊びにお越しになったウアモウさんがすっかりこの猫たちに
とりこじかけのあけくれになったとか。わかるわかる。

RAMPAGEさん「ねこカフェも開こうかと思っています」いいかも。
猫たちはRAMPAGEさんの敏腕なメイド兼営業担当になりそう。



UAMOU×RAMPAGE TOYS.



RAMPAGE TOYSのメインアクター、
アグリーユニコーンのPOPSODAさんカスタムペイント版。











お店の外観。外人さんが日本に住む時に、古い日本の家を自分の生活に
合わせて手を入れるといったライフスタイルを見る意味でも
RAMPAGEさんは興味深い風景を見る者に提供してくれる感じです。

彼はソフビという独自の日本文化に接しながら、日本人の生活に憧れ、日本に住み、
日本語を流暢に話し、今ではすっかり溶け込んでいる。その生活風景を前にすると、
日本人のくらしが本来持つささやかさや楽しさやつつましさといったものを
われわれ日本人のほうが逆に気づかされる瞬間もあることだろう。

そしてソフビがインディーズムーブメントを通じて日本から発信されて
各国の好事家へと広がり、やがて海外でもソフビを作るヒトたちが出てきて
逆に海外産のソフビに日本での愛好者が増えるような状況になっていくのも
同じ目線で語ることができるのではないか。
海外から自分の作りたいソフビを作って発信しているメーカーは
日本人のソフビに慣れ親しんでいる我々もまだ気づいていない角度から
ソフビのもつミリキに気づいていて、作る上でそれを咀嚼しており、
日本に居る我々のほうが彼らの作ったソフビの
新鮮さに驚かされる瞬間がこれからもっと増えてくるのかもしれない、ということだ。

細身の彼が日本家屋を改装したスタジオの一階と二階を高い階段を通して
パタパタと行ったり来たりしていると
「アメリカン忍者」の一場面みたいで微笑ましい。
RAMPAGE STUDIOSはソフビ忍者屋敷だっ!
しかし多くが洋風のソフビやフィギュアなのに、置いてみれば、
妙に日本的な佇まいにしっくり合いますね。
彼は自分の趣味に合った居心地のいい空間づくりで何かをつかんだ感じです。
3月には、このスタジオでone up,さんなどで活躍中のソフビとマシーンとの融合を
追求するバイオメカノイド系カスタムペインター、トッド・ロバートソンを
フィーチャーしたソフビカスタムイベントを開催する予定だそうです。



タコは前々からこの前段にあるGRUMBLE TOYさんの猫のソフビ「チャビー・タフ」が
欲しかったのだけど、なかなか日本では見る機会がなかった。
今回GRUMBLEさん本人の塗装による一点ものがあり、入手できました。

量産版のオレンジのアメリカ猫風カラーもあったけどもう売れちゃったんですよね。
でも結果オーライでこいつもカワイイ。
なんというかカワイイっていうんでもないのだけど、得も言えない表情と
手足のデフォルメ感が効いていてこれはうれしかった。
成形がミウラのパチ怪獣ソフビみたいでカチカチ
かん着がギコギコなんだけど海外の工場で一生懸命作ったんだろうな、
作りにアナログ感漂うところもまた好感DEATH。
こんなユルい猫がハリーハウゼンの人形アニメみたいな動きで
自分の後をちょこちょこ付いてきたら萌え死んじゃいます。
GRUMBLEさんのデザインはkeyさんが原型を担当したマンモラーやワームラーも好み。
あと、イリスだっけ、あのラルゲユウスみたいな鳥も持ってます。



2月2日より、お店からSPLURRTさんとのコラボアイテム、
「屍少年」(サイボーグ?フランケン?ver.)
のRAMPAGEカスタム版を発売予定。

Oneup.私のいじったネゴラ展2

2013年01月29日 | インディーズソフビ



また週明けから雪かも?との天気予報が出ていたので足止めされないように
バタバタと週末から仕事を先に進めていたんですが
ありゃー、降らんかったわ。

んなわけでOne up. さんアキバZONE店でただいま開催中の
「私のいじったネゴラ展」、先週日曜に物販が行われたMAXTOY総帥の
マーク・ナガタ氏とマシンモンスターカスタムの帝王トッド・ロバートソンの
カスタムネゴラ展の模様もタコブログで先日紹介しましたが、
第二部として、今回はネゴラを常日頃こよなく愛するファンのヒトたちが
カスタムペイントしたネゴラたちが一堂に会しました。

SFスペースヒーロー風あり、ファンタジックなプリンセス装束あり、
RPGで戦士を待ち受けるモンスター風あり、やんちゃな下町のドラねこ大将風あり、
怪獣と戦う光の国のヒーロー風あり、ファンシー系とばかりにあみぐるみを着ていたり
全身スワロフスキーでキラキラに飾られれていたりと
アキバという場所柄、ネゴラたちもあたかもコスプレイベントに
張り切って参加しているといった面持ちです。

そういえばOne up.さんのファンによるカスタムコンテストは中野店で恒例で
開催されていたTOUMAさんのスキャットルカスタム大会が懐かしいですが、
久々にそのノリての開催とあいなりました。

アキバZONE店の展示ブースに集まった力作の数々をさっそくのぞいてみましょう。



































































遊星魔人江古田に現わる

2013年01月26日 | モンド・トラッシュ





江古田銀座恒例の商店街を上げた地場のナイトバザールが
今回100回目を迎えるという。
数日前にタコブログに書き込まれた「コスモナイトα」というハンドルネームの
コメントが気になってタコは仕事の後にコスモナイトαさんに向かった。
しかしそれはコスモナイトαさんに確認したところ誰かのなりすましだったようだ。
そんなつまらないことはもはやどうでもいい。
そもそもタコだってYODA店長がそんな書き込みをするとは初めから思ってもいなかった
からだ。むしろ自分には江古田にこの日に向かう理由が欲しかった。

コスモナイトαで開催された遊星魔人の抽選の様子と、賑わう下町の商店街・
江古田が100回目ナイトバザールを行って夜会のように人々が闇の中で賑わい、
町が息づく様、ヒトビトの生命力を自分の目で目撃したかったのだ。
夜の江古田に第三種接近遭遇ともいえる刺激的な光景を目撃できるのではと
直感的に思ったからだ。



ここが妄想怪獣のふるさと、江古田本通り商店街。

近代的なビルとビルのあいだには昭和の名残とも言える風景が挟み込まれている。
昭和と平成がパッチワークされた下町の風景が、一見ラフな印象を与えながらも
どこか懐かしい、足を踏み入れた者に強い包容力をもって迎え入れてくれるのが
心地よい。
























昨年夏コミデビューした練馬区ご当地のゆるキャラ、ねり丸が!!
すべてが手作り感満点でたまらない江古田商店街の恒例セールも今回で
100回目を数えた。会場の江古田銀座はこの夜、かなりの温度の低下が見られたが
寒中をものともせずに若者たちやカップル、家族連れ、お年寄りのグループなどが
リラックスした雰囲気の中買い物や露店の激安フードめぐりを楽しんだ。
下町感を横溢させた江古田、ここは昭和の佇まいの中に未だパチ怪獣たちが潜む
恐怖の怪獣魔境だ!































ちょうどコスモさんに、ZOLLMENさんが昨年末に抽選販売した「再生バーストロン」
が当選、到着したので今回コスモさんで発売する遊星魔人ver1・5.と
そろい踏み。異端の新作ソフビたちをツーショットで撮影させてもらう。
再生バーストロンはこの落ち武者感、壊死した肉を雨風に削ぎ落とされ
白蝋化した頭部を、普通目な怪獣・バーストロンの胴体に
つぎはぎしたことで醸し出された諸行無常感がたまらない。
雪に閉ざされた絶対零度の北の地からやってきてささやかな宴に酔う人々を
歪んだ表情であざ笑う。北欧の枯れ果てた地に住む骸骨の妖怪、
ウィンディゴのような顔。
目にしたヒトのココロを瞬時に凍りつかせ、さもしくさせる。EXOHEAD的原型テイストが
マイナス方面にフル稼働した独特の極北変態風味、ジャンク感が今回もたまらない一品。
バッドテイストの表出において、相変わらず彼の仕事は本物だ。

地球圏から発信された妄想怪獣デムパゴンの電波を受信して
新たな異形の怪物同士が呼び合い、コスモナイトαで死闘!
奇しくも今回の遊星魔人が咥えているのは東北新幹線なので、
この車両に乗って再生バーストロンは東京でひと暴れしたあと、
故郷に戻るのだろうか。




カーニバルのようにゆるキャラや商店街のスタッフが運営するジャンクフードの
出店で賑わう江古田銀座の路頭で、YODA店長が魔道士のような呪文を唱え
反魂の術を使い死者を蘇生。。。じゃない、限定品の遊星魔人を抽選開始!
集まったコアなソフビファンたちのみならず、ソフビの限定品販売が
あるとはしらずに歩いていた家族連れや買い物中のご婦人らが一体なにが起きるのか、
なにが売られるのか?と思わず熱いまなざしを注ぎながら見守る。。。
コスモナイトαの一般市民からの眼差しも集まる、いつものシアトリカルな
ソフビ抽選販売ステージがスタートだ!



商店街を行き来していたねり丸が途中でこどもたちに捕まりスラムダンス状態に!
遊星魔人の抽選で当落の声が道端に響き、江古田銀座の路上はカオス!
新たな妄想怪獣新バージョン誕生に当たり、いけにえとしてゆるキャラを
供しようというのか。

洋上を漂う奇怪な行者「♪おまえはおーれーをしんじなさい それ信じなさい♪
それ信じなさい♪」

YODA店長「セビレがあって尻尾もあるので彼は怪獣といっていいのかもな~」。





ここでコスモナイトαのソフビ抽選販売風景を一人称アングルで
バーチャル体験してもらおう!!

YODA店長「さっ~、このうち1枚に某白い宇宙人の札が入ってます~
ATARIカードは3枚のうち、どれだ!!」
(昭和レトロなこいでのウルトラ怪獣かるた、「ぬっとかおだすス●ルせいじん」
の札Death)

じつは会場も定刻の18時を回ったら、手がかじかんでくるほど寒くなり、
立ちんぼなんで店長も次第に寒さから表情がホラー映画「ブレアウィッチプロジェクト」の1シーンみたいにこわばって声もうわずってきております。

でもナイトバザール終了時間まで「江古田銀座の一員として義務を果たす」と
抽選が終わってからもこの場所で接客していたので、見上げた地場への
愛情をお持ちでおられる。店頭で何か怪獣のようなものを取り囲んで大人数で
盛り上がっていたので、一般の買い物客のヒトたちや
通りすがりのヒトたちから抽選終了後も売っているのは何か、
質問が寄せられていましたしね。







遊星魔人、地球圏・江古田に降下。















お店の前で抽選前にブラブしていたら顔見知りのソフビファンのヒトが何人か
現れる。ナイトバザールの販売品としてお店の軒先に出された衣装ケースに詰まった
中古ソフビ群を探求する家族連れ。「お客さんに聞かれてるんですけど
これなんでしたっけ?」「えーと、グリッドマンですね」
自分たちもいつのまにか遊星魔人待ちのお客ではなく仮店員として
日頃のソフビ収集で得た知識を駆使して(というのか・笑)キャラクターの特定などで
稼働することになる。こうこうとライトが点く店内に何があるのか気になって
中に入ってくる家族も多い。抽選の時間を前に、2013年最初となる
そして記念すべき100回目となる江古田ナイトバザールの夜がスタートした。



「インターゾーンではすべてが許されている。。。」(ハサン・イ・サパー)
YODA店長もタコと同じ、ココロの中にあるタンジールの街を漂う
バグライター持ち、脳内物質自家中毒系ナチュラルハイのジャンキーだったのか!





貴重な袋入り当時物パチ怪獣たち。タコはこのうち2個、自分でもってる
ヤツ開封しちゃったな、バチあたり。。。













寒いのにみんな元気やなあ。路上でコマ回してた。
江古田銀座は今日が元旦みたいなノリでした。





いきなり道に寄せ書き用の模造紙が!
近くに住む学生のグループが座り込んで書き込んでいたり。何もかもが面白い!







商店を厄除けして舞うシシマイ。





そして終了の8時、宴はハイテンションのうちにピークを迎え、
誰もいなくなった。。。
参加された皆様おつかれさまでした。下町特有のココロやわらげる空気、
盛り上がりが足を踏み入れたヒトを包む、活気たっぷりなとっても楽しいバザールでした。

江古田ナイトバザールは次回・101回の開催を3月下旬に予定しているそうです。

マーミットの2月受注新製品

2013年01月25日 | 特撮・SF

マーミットさんから2月のソフビ受注限定品のニュースリリースを
いただきましたので、少し早いですがご紹介~。

今回もウルトラ兄弟を苦戦させた強力兄弟怪獣がレトロ・リアル造形で
そろい踏み、新マンの強敵怪獣やイベントでも人気な恐怖の食人植物など
マニアックな怪獣ソフビが揃っています。
この製品はすべて通販限定品。2月28日受注締め切り
2013年5月中旬発送予定です。

商品の問い合わせ及び代引き申し込みは㈱マーミット(03-5648-6535)
まで。



怪獣天国 レッドキング(2期)

税込み5250円、全高約23センチレトロタイプソフビ。
塗装済み完成品。ウルトラマン登場。ライトブルー成型。
マーミットさん的に、とにかくレトロ造形にこだわって製作された
ウルトラ怪獣の代表的キャラクター・どくろ怪獣レッドキング。
塗装もシンプルながら、好き者にはかえってここにクルものがあります。
過去、同社ののビニパラベビーでよくあった配色パターンだったと思うのですが、
薄い青系、水色のソフビっていいですよね。
多々良島の牢名主、他の怪獣たちからも恐れられる凶暴なレッドキングですが、
本作は数あるレッドキングソフビの中でも愛嬌満点な一体となっています。

同時に、ちょっと「ウルトラマン80」で子供の呼びかけから
不思議なマジシャンによって魔法の壷から出てきた
レッドキング的なファンタスティックな雰囲気もありますネ。




怪獣天国 グラナダス(2期)

税込み5250円。レトロタイプソフビ。塗装済み完成品。
帰ってきたウルトラマン登場。ライトパープル成型。
このグラナダスはクリームイエローの1期を自分も持っていますが、
ちょっと妖怪的なイメージがあると思います。
マーミットさんのソフビもグラナダスの持つ独特の異形のミリキを
伝える造形になっているのでは。
劇中でもMAT隊員たちが夜間の襲撃で光るこの怪獣の目を鬼火ではと
見間違えていましたね。
デザイン的には古来からある妖怪画の「わいら」や「うしおに」などのテイストを
イメージしてデザインされたのではないかと思っています。
それと新マンは、ケンタウルス星人の特攻がなかったらこのグラナダスを倒せなかった
のでは。彼は圧倒的なパワーでウルトラマンをグロッキー寸前まで追い詰めて
いましたから。

新マンのブルマァク怪獣はロボネズやメシエ星雲人、ササヒラーなど
番組終盤までのキャラクターをソフビ化してくれており今でも復刻品として
手に入る環境になっていますが、マーミットさんではパラゴンやレッドキラーの
ような未ソフビ化だがファンに人気の怪獣、
ブラック星人やズール星人のような画面にちょっと出てくる系の宇宙人まで製品化して
くれています。そしてこのグラナダスを操るケンタウルス星人もソフビ化してくれて
います。

ベアモデルさんのほうでも最近ではジャイアントキングボックルといった「当時いかにも
ありそうな」マニアックなアイテムをリリースしてくれていたりと、やはり
第二次ウルトラの新マン、Aあたりはブルマァクの隆盛期、怪獣ソフビの最需要期で
あったことから現在のレトロ系ウルトラ怪獣ソフビファンにとっては存在感の
大きい映像コンテンツゾーンであり、引き続き現行版権ソフビメーカーさんが
独自のキャラクターセレクションや造形アイデアを盛り込んで
当時未製品化のキャラクターたちを補完してくれるのではないかと思います。



怪獣天国 モスラ(初代)

税込み4200円 全長約22センチ 
レトロタイプソフビ。塗装済み完成品
コゲ茶の成形色にゴールドのオーソドックスな彩色。
最近、モスラ登場作の一本目「モスラ」を見返したんですが、
昭和の時代に作り得る幻想映画として
怪獣という超越的存在を絡めた作品では最高作
ではないかと思いました。日本映画としても多くのヒトの記憶に残るべき
一本だと思います。モスラ幼虫自体はあたかも弾丸特急のように日本の
国土を突っ切って、悪徳興行師たちに誘拐された小美人の2人を救出に奔走します。

核兵器に汚染されながらモスラを鎮めるための祈りを捧げるインファント島民の儚さや、キングコングの換骨奪胎シーンでもある原始の存在=成虫モスラが
文明国に飛翔してくるなど、戦後の発展の中に土俗の持つプリミティブな
生命力が侵犯してくるビジュアルイメージが強靭で、今見ても感動をもたらす
怪獣映画であるとの認識を新たにしました。
また東宝映画全部の中でも、美しい蛾の怪獣がクライマックスに用意されていることで、色調が昨今のHD映像で観ると新たな感慨がもたらされる一本ですね。
幼虫が公開当時、東京のモニュメントだった東京タワーに営巣するイメージも
秀逸で当時の観客にはセンセーショナルだったのではないでしょうか。
本作には大衆向けに怪獣映画を作るうえでのヒントが現在の目で見ても
隠されていると思います。




ヒストリーモンスター・トリフィド(2期)

税込み5250円 全高約23センチ ソフトビニール塗装済み完成品。
歩き回る殺人植物モンスター。ブラウン成形色にメタリックグリーンの彩色。
すでにグリーン、レッドなどのバリエーションが登場しているトリフィド。

去年は、2012年のベストソフビとかいったタイトルで特にタコブログでは
記事を書かなかったのですが、思えばこのトリフィドが自分個人では
去年、ベスト5に間違いなく入る一体ですね。
SFのミリキを忘れない大人向けのソフビって感じカナ。リンク先の、洋物
モンスター大好きで自分でもソフビ化に全力投球中のブッカさんもこのトリフィドは
イベントでお話いただいていたら「トリフィド最高、赤松氏すごい!」と大絶賛でした。

最近古書店でトリフィド關係の本を見ていたんですが、ジョン・ウインダムの
「トリフィドの日」を子供向けに平易に書き直した「児童文学全集」のヤツをペラペラと
めくっていたところ、三本足でウツボカズラのような頭部、ムチのようなツタを
伸ばしたおなじみといえるスタイルのトリフィドの挿画が見られました。
本の出た1960年代なのであまり今風のクリーチャー的なアレンジではないのですが、トリフィドのビジュアルイメージは何年経ってもブレないものだなと改めて思いました。

このカーズワークスのソフビトリフィドはどちらかというと「人類SOS!」の映画の
ポスターに描かれたトリフィドを下敷きに立体物としての独自のアレンジを加えた
のですが、1960年代の公開後「SF大図鑑」「宇宙怪獣図鑑」系の
子供向けイラスト本でのトリフィドの紹介ページを見ると、
映画版トリフィドのイメージがほとんどを占めているので、
やはりポピュラリティの面で決定打といえるビジュアルのトリフィドが
今回製品化されたといって過言でないと思います。

気になっているヒトは是非お手元に。書棚に飾ると
SF映画の中に登場する博士の部屋にある生物模型みたいな
アカデミックな雰囲気が醸し出されてとってもカッコイイですよ。




RSM30 ブラックキング

税込み8400円(税込み)全高約33センチ 
ソフトビニール塗装済み完成品
帰ってきたウルトラマン登場。徹底考証に基づいたリアルな造形。
キット版5250円もあり。原型/浅川洋(アス工房)

今月はグラナダスにブラックキングと、帰ってきたウルトラマンの強敵怪獣が続きます。
このブラックキングは着ぐるみのシワのでき方とか下半身のスーツ
プロポーションなどが完璧にトレースされていて現物を見ると感心します。

じつは最近、昭和の子供向けバラエティ「おはよう!子供ショー」の
帯番組「レッドマン」を観ることができたのですが、
本作は新マンでの登場直後のウルトラ怪獣たちが続々出てくることで有名です。
ビーコンなんか、新マンでは電離層近くを浮遊しているのが大半だったファンタジックな
怪獣なのに、レッドマンでは新マン本編のバックボーンを全く考えずに
登場させられてるので、2本足で無理やりフラフラ歩かされてます。
ステゴンやキングストロン「戦えマイティジャック」の恐竜ザウルスも同様で
4足歩行の怪獣を無理やり2本足の状態に仕立て、獰猛なレッドマンと
格闘させられています。
といっても、この番組は新マンのウルトラ怪獣たちのスーツをじっくり観察するという
面で非常に資料価値が高く、まだ樹脂素材もそれほど劣化してないきれいな状態に
ある新マン怪獣スーツの活躍映像がたっぷり観れるので、怪獣とヒーローの単調な
アトラクバトル番組ながらマニア目線ではディープな映像コンテンツです。

ブラックキングもレッドマンでの登場の際は特に強敵怪獣というわけでなく
数匹のグループで野っ原にフラフラと現れ
仲間同士ニギニギしているだけで別に悪いことはしてないのに
エキセントリックな戦闘狂ともいえるレッドマンに発見され、
例によって「レッドファイト!」の掛け声とともに追い回され、
いいようにどつかれるかわいそうなメンバーの1匹となっていました。
やや重そうに下半身をひきづりながら、固定アングルでレッドマンと戦っている。
しかしきぐるみ自体はやはり本編使用品。
出来が良く、新マンを一度は処刑寸前まで追い込んだ
用心棒怪獣の威厳を放つブラックキングの昭和の名獣として
いぶし銀的な造形のミリキを満喫できることでしょう。
このリアルキットも好事家の棚ではブラックキングの決定版と位置づけられる
ことでしょう。



スカルヘッドバット モノロン

税込み4200円(税込み)
全高約16センチ ソフトビニール塗装済み完成品
オリジナルモンスター。ドールアイ仕様。
最近は「X」「Z」シリーズでマニア泣かせでどっかで見たよなキャラクターを次々と
ソフビ化しているSKULL HEAD BUTTさんの
アンダーグラウンドなオリジナルソフビシリーズ。
謎のオリジナル怪獣、というよりはかなりパチ怪獣寄りな一匹。
スーフェスなどでも以前、ちょこちょこっと卓に置かれて売られていた
謎の怪獣たち。金属的なフォルムの胴体はメカ怪獣的な風情をも漂わせます。

スーフェス61七イルイル人面獣

2013年01月24日 | イベントルポ



スーパーフェスティバル61ルポ其の七。

年最初のスーフェスで新作を発表するのが恒例となっている
関西のインディーズソフビメーカー、イルイルさん。

今回の製品は以前発表した
「流星のペピー」劇中に登場する設定の新作怪獣ソフビ「侵食怪獣ビニダム」、

ファーストプロダクツ「怪造人間トキオ」の新作換装ヘッドによる
バリエーションタイプ「スーパーノヴァ」

そしてウズマークなる別ブランドから発売したおどろおどろしい表情をした、
インディーズソフビ不朽のモチーフとなる「双頭」キャラの
新作ソフビ「人面獣」。

スーフェス会場では朝10時半のスタート以来長蛇の列が形成され、あっという間に
販売が完了。

イルイルさん自身は1年に1回複数製品のペースで新プロダクツを
発表し、ソフビ本体のみならず、本業のDTP関係スキルをフルに活用した
パッケージデザインへのこだわり、また製品に込めたシアトルカルなギミックで
お客を圧倒するなど、単に自作のソフビを売る販売活動以上に
一種のパフォーマンス的要素からソフビを展開している気配もうかがえる
特異な立ち位置にあるメーカーだ。

今回もどんな考えからこの新作を発表しているのか、また昨今高まってきた
自メーカーの人気についてどう捉えているか聞いてみた。
前回、「流星のペピー」の原作本および作家が存在すると思い
昭和の古い児童文学の古書目録などを調べていたタコ的には
「今回もまた本人に聞くまでかつがれるようなフェイク的設定があるのかも」
と思い、イルイル氏を前に、そこはとにかく慎重に
どんな意外な事実が飛び出すかじっくりと尋ねるところとなった。



●今回は人面獣の販売元として、イルイルでない
「ウズマーク」なる新ブランドが立ち上がっているが、
これはどういう経緯から生まれたのでしょうか。

イルイル氏「イルイルの活動は「ペピー」の流れなど世界観がすでにできて
今後の展開も構想がある程度決まっている。
その上で自分で展開に自由の効くプロダクツを出すブランドをもう一つ持ちたいと
思い立ち上げました」。

●毎回凝ったパッケージと裏設定を持たせてプロダクツを製作しているが、
製作面ではどんな背景で作業を進めているのか。かなり手間がかかっている
ように見えるが。。。

イルイル氏「今回の3製品は昨年の5月から作業を少しずつ進めてきました。
本業の傍らで進めているのと自分なりのこだわりがあって時間がかかる。
ソフビ本体も原型製作、組立、塗装まである程度の時間を要するが、
箱のデザイン、製作、組立のほうにも、といえます」

●今回もたくさんのお客が入場時に列を形成しているが買えなかったヒトも
随分出ていたようだが、高まるニーズに対して販売上の方法など検討は。

イルイル氏「今回も製品を作るまで、また出来上がってから東京に持ってくるまで、
すべての作業が押せ押せになっているのが実態で、
これまでもある程度の反響をいただいておきながら、
販売時にできる列でより広く行き渡る製品の売り方などにも考えが
及んでいなかったようだ。せっかく朝から並んでくださったのに
手にすることができなかった人たちが出たのは申し訳ないと思う。
今後は販売方法などを考慮していきたい」

しかし、とにかくすべての作業を自分一人で行っているので、
なかなか数が作れない実態があるということを理解してほしい」。

実際、今回のビニダムに付属しているミニペピーのソフビの箱などは
たくさん作れるようなものとは思えなかった、と傍らで販売を手伝ったヒトからの
フォロー。「とにかくイルイルさんは懲りすぎだからね~」





●「前回はペピーの原作本があたかもこの世に実在する古書のように
緻密に作られていることでてっきり本当にあると思ってかつがれたんですが、
ビニダムに関しても脳内設定はあるんですか?」

イルイル氏「侵食怪獣ビニダムは、ペピーの敵怪獣として設定しているんですが、
やはりペピー同様に原作の玉山先生との原画をもとにソフビ化したという設定です」

●「思うんですが、本の表紙絵のビニダムと似てはいるものの、
足や触手の解釈が違うイルイルオリジナルみたいな感じがします」




イルイル氏「原作者の玉山先生とは、前回のペピーの製品化交渉の際に、
自分の本は児童文学なのに商業的なソフビ玩具の製作にあまり乗り気でないとの
主張を崩さない頑固な先生からようやく版権認可を取り付けたのですが、
製品化されたペピーが表紙絵にある少年SF読み物ヒーロー的な
ルックスのソフビにならずチープトイのような
プロポーションになってしまい、出来上がったペピーに先生は怒りました。

そのため今回の第2弾・ビニダムでは
玉山先生からは『絶対今度こそ忠実に製品化しろ』
との強いお達しを頂いたのですが、付属のミニペピーこそ元絵にリアルな
仕上がりになったもののメインのビニダムの版権交渉の際、
先生がイルイルの持っていったお酒を飲んでその場は寝てしまいました。
一応寝言半分で版権許諾をとりつけたものの、その後も
再三表紙絵からはみ出している部分の手足などのデザイン画をソフビ製作用に
依頼したところ、先生が乗り気でなく結局描いてくれなかったので、
納期も迫ってきたことから表紙絵の範囲で脳内補完しながら
イルイルがそれらしく作った、ような感じを出してみました」



●「それで途中で途切れたような触手のディティールになっているんですね
よく、作り手が明確な設定を決めて作業をスタートしていなかったことで、
表紙絵と本文の挿絵が全然違うデザインのキャラクターが一冊の本の中に
混在するという現象が昔はありましたね」

イルイル氏「そう、
すでに『ペピー』自体は架空の本であるというのは
前回の販売で明らかにしてしまいましたが、自分の中では
引き続きこの原作者・玉山氏が存在していて、
イルイルが『ペピー』製品化への思いを肥大化させながらソフビ化を進めているのに、
版権整理上での見解の齟齬やソフビ製作現場でのキャラクター観の違いが
常にプロダクツに反映してブレているような印象も加味させ製品を作っています。

製品そのもの以外にも、バックボーン自体が手にしてくれたヒトにとって
製品の一部のように楽しめるアイテムになってくれていると
よりソフビが面白くなるだろうか、と考えています」

●「玉山先生も高齢であるから最近は寡作なんでしょう。
過去作品のソフビ版権などを下ろさないと、きっと生活が困窮しているのに
妙なところが意地っ張りで現場も困りますね。むやみに過剰感のあるパッケージは
出来てしまったソフビに対する齟齬を埋めるために施された
メーカーサイドの苦肉の策なのかもしれないですね」

イルイル氏「手にとってくれたヒトがいろいろと作品のみならず作品の描かれた
背景、ソフビをイルイルが製品化したプロセスなどを想像して楽しんでくれると
自分も自分のソフビの世界観が広がったようで嬉しいですね」

つまり、すでにイルイル氏の脳内には、あれこれと文句をつけつつ
版権を下ろす頑固な先生とソフビ製造の現場にいるが何だか常に詰めが甘く、
先生とソフビ化の際に造形的齟齬を発生させてしまう、
昭和のTOYブランド「イルイル」なるメーカースタッフという
2人格が脳内で常に擬似二人三脚となって
せめぎ合いながら相互に快楽物質を交換しあいつつ、
「流星のペピー」という架空作品の版権ソフビ化があったら、という
コンセプト下で本人もややこしい思考回路を駆使して元絵→ソフビ化という
双方の製作作業をこなしている。

そんなイルイル氏が奇しくも、2つの頭部を持っており、
文字通り2つの首でせめぎあいながらあたかも「人を食っている」、
「人面獣」なる怪物のソフビをこのほど新ブランドのウズマークから生み出したのは
いかにも創作者独特の深層心理ゆえなせる技なのだろうか。

気分を一新した別ブランドでの所作とはいえ、
双頭の怪物というのは偶然とも思えない感じがする。






ウズマーク(イルイルの別ブランド)製「人面獣」。

パッケージやHP上で画像として使用されている
リアル造形の双頭怪物が暴れ狂っている姿が
販売前にお客の目にも焼き付いたところだろう。
しかし製品化された人面獣はレトロソフビに倣った的な造形テイストで、
おどろおどろしいというよりは、だいぶヤンチャでカワイイ感じに仕上がっている。

イルイル氏「『人面獣』では映画に登場した怪獣が
ソフビTOYになった時に成形の都合や製造会社の造形的嗜好から
いつしか醸し出されがちな仕上がりのギャップをテーマにソフビの原型を製作しました。
そのコンセプト上でオリジナルとなる映画の人面獣の立体物も
対比として当然ながら必要になりました」。

●「そう、その件もお聞きしたかったんですが、
このHP上やパッケージに使われている画像のモンスターの立体だが、
自分は過去の国内外の特撮怪獣映画は大概見ているので、
何か実在する映画の怪獣の画像を
コラージュしたのかと思っていたのだが、どうもそれが見当たらない。

香港映画の「三頭魔王」とかイタリア製作の「ネバーエンディングストーリー」
クローン映画か何かから引っこ抜いてきた画像でもコラージュ使用したのかと思ったが
調べてもそれっぽいものがない(スーフェスでの発売前に自分のところにあの
イルイルブログの怪獣は過去に実在するのか、何か知らないかと
タコに問い合わせしてきたヒトが何人か居た)

キャスト表記でブルック・アダムスとかニック・アダムスとかいろんな俳優の名前を
合成している役名を見てもこのポスターは完全なフェイクだろうとは思っていましたが」

イルイル氏「いろいろ探してくれたんですね(微笑)。
そう、
映画に登場したとされる人面獣も、立体物として今回ソフビの人面獣以外に
製作しました」




(上がその証拠写真。イルイル氏が携帯電話に保存していた
リアル人面獣の画像を見せてくれた)



イルイル氏「パッケージやポスターに見える魔道士のような人物の画像は
黒い布をかぶって撮った僕です」

なんだ、この禍々しい魔道士もイルイルさんのコスプレだったのか~!
よく観たら確かに彼ですね。

●「わざわざポスター用のリアルな人面獣も製作したんですね。
架空の本の表紙絵の次は架空のポスターに映画本編の立体物製作か、
本当にこだわるヒトだな~」





イルイル氏「リアルな立体物といってもこれ以上拡大して印刷したりすると
作りにはアラがあります。
本当にパッケージやポスターの画像用として
ソフビ人面獣のバックボーンにリアリティを出すためだけに作ったので
この『映画版の人面獣』を製品にするとかいった考えはないです。
あくまでリアルな映画の人面獣と
製品化された時におもちゃとしての体裁によりだいぶ違ってしまった
人面獣のギャップを強めるために両方用意しました」

自分のオリジナルソフビを、マニアプロダクツとしてでなく、
セカイへのマスプロダクツとして「実存」させる強度をより高めようと、
自分に極限まで作業の細密化と作業的負担を強いることで
出る結果、スペースの限定されたパッケージ内や製品に「インディーズソフビで
ありながら実際にマスで頒布されたかのように見せる」ことに執着する
イルイル/ウズマークソフビ。

彼にとって1年に1ステージで見せるこの地道な
ソフビとパッケージの製作作業は作業量や負担が得られた成果に見合うとは
到底思えない。
しかし彼は自分の作るソフビのすべてに労力を惜しまない。
そこには「見る者が驚嘆する」瞬間を夢想しながら、それを遂行する技術と気力を持つ
本人のみにしか味わえない、一年間の孤独で過酷だが甘美な快感を獲得する
道行きなのだろう。そんな意味ではいささかカリカチュアライズされた
手法ながら、インディーズソフビ本来の目的を
独自の手法により果たしているメーカーの一社であるといえそうだ。

●「『人面獣』のパッケージを今もう一回じっくり見るとあまりスチール写真の点数が
少ないのを無理くりポスター上から画像を拾って作っている感じがよく出ています。
版ズレや網点のツブレ、複写時のモアレとか昭和のアナログ製版技術にあった
ヤレまで再現しているんですね」

イルイル氏「あ、よく気づいてくれましたね。映画の怪獣で撮影時の番宣資料写真が
少ないものをおもちゃ会社でソフビ化する際にパッケージ素材に困って
パッケージデザイン作業の現場で必死にひねりだしている感じも出したつもりです」

こういうパストテクノロジーへのフェチズム表現は
たぶん本業のDTP作業で得られた体験から出てきた発想なのだろう。
しかしやるとなるとどこまでも徹底するヒトではある。



さらに、本来見えないところにもこだわっている「人面獣」パッケージの内装。
イリーガルなマーケットで出回るアダルトトイや、
昭和の版元も得体がしれない、効力のわからない占いカードやタロットカード、
昭和のハヤカワや創元推理文庫の表紙絵に見られるような
得体のしれない幾何学モチーフを挿入したりと昭和の過剰にパッケージが
作りこまれることでおもちゃメーカーが気づけば自覚しないままにたどり着いてしまった無意味なシュールレアリズム表現やらバッドテイストへの傾倒を、中箱という
ステージにおいてもよく再現している。

イルイル氏「なるべく箱からソフビを出して楽しんでもらいたいと思い、
開けやすいように、組立過程で片方の開け口に手を入れています」

●「イルイルのソフビはこれだけ几帳面にパッケージを作ったりするので
なかなか遊べないように思うんですが、普段お客としての立場では、
持っているソフビなどでは遊んでますか」

イルイル氏「それが意外にというか、結構部屋に気軽に転がしてある的な感じで
ガシガシ遊ぶ派です。おもちゃは飾っているよりも
手にとって気兼ねなく遊ぶほうが楽しいです」

実際イルイルソフビが昭和の頃に実在していたら、
「本のペピーと違う~」などと言われながら
美麗に作られた箱も持ち主が子供とあればすぐどこかに行ってしまい、
子供たちにも塗料の落ちなども一向に気兼ねなく、
ガシガシ遊ばれることだろう。

イルイルソフビにはそんな、販売時には光輝き
玩具店の軒先で目を惹くパッケージ仕様のTOYが持つ儚さ、そして、どこか
テレビや映画の劇中のイメージを完全に再現していない昭和のTOYが箱の外装などで
購買意欲をフルに上げ底するようなシチュエーションの再現なども標榜している
のだろう。総じてあらゆるおもちゃはいつしか生産量の何割かは
主需要者の子供でなくマニアが手にしてしまうことでTOY本来の役割である
楽しく手に取って遊ぶことがほど遠い存在となっている。
イルイルソフビはそんなはかなさををもレトロスタイルの製品に定義し
佇まいに纏わせたシアトリカルなアイテムといえる。




そして次の件は当日、スーフェスの会場に居たヒトは気になるところだろう。

●「気になるんで聞きますが、今回は向かいの卓に出店されている
ターゲットアースさんのブースでイルイルさんのと似ている
双頭怪物のソフビの粘土原型を見たんですが、これは何かイルイルさんの
人面獣に関係している製品なんですか?
よく似ていましたよね。会場に来て、ああやはり
イルイルさんの人面獣は元ネタがあったのか?と思い直しながら双方を
見比べていたんですが」

イルイル氏「いや、自分も別な方に作られていることは今日会場で知りました。
(少し考えて)、たぶん短期間であそこまで仕上げられたのかな。。。
今日、向かいのブースにあって出来栄えに自分も驚いたし、
何より原型製作作業の速さに感服しました。

そう、『ペピー』の原作本じゃないですが、今回のターゲットアースさんの
ような感じで、実在しないはずのキャラクターのバックボーンやイメージを広げながら
皆で共有できるような展開ができるなら、自分もありがたいし、
楽しいと思いました」



今回のスーフェス61会場では架空の映画会社、SMOG FILMによる
創作物「人面獣」も当のイルイルさんさえもが驚くような事態が発生した。
あたかもリアルに存在する版権怪獣映画のキャラクターで
あるかのように、人面獣がインディーズソフビ内の虚構から現実へ出てきて
息づきはじめたのである。カオスな出来事が起こるスーフェスならではの
光景だった。

ビニダム、そしてセカイへのさらなる侵食。。。
すでにイルイルソフビは我々ソフビファンのいる
現実のセカイにまで侵食を開始しつつあるのかもしれません。

アキバ戦記35花やしきブルマァク

2013年01月23日 | 当時物ソフビ



となりのお店のトタン板と手前のジャイアントカネゴンの青、色調のユニゾンが
たまらない、昭和のみやげ物店の雰囲気を醸し出すブルマァクショップ店内。














すでに1月も後半にさしかかりましたが、
今年の自分はあわただしく年末年始が過ぎて
初詣ができなかったので仕事で都内を回りながら、これはという神社には
大小問わず出向き、2013年が良き年となるよう願をかけております。

DZ40で立ち寄った新宿・花園神社に続いて、今回は浅草・浅草寺。

浅草・花やしき通りまで来たので、昨年11月下旬にスタートした
ブルマァクショップ(ブルマァク展示・販売コーナー)に。














先日のスーフェスでもブルマァク主宰者・いしづき三郎氏からお店がどんな感じか
お聞きしていたので、オープンから年を越えてしまったのですが
とにかく浅草に寄ったおりには行ってみたかった。








店頭に置かれたサングラスがいかにも
観光地のおみやげ屋的なレトロおしゃれ感をアピール。
このお店の佇まい、店内に置かれた復刻
ブルマァク怪獣ソフビたちがしっくりくる昭和レトロ感、普段イベントなどでソフビが
たくさん並んだブース店頭を見慣れた目でもワクワク感が出てたまらないものが
あります。そうそう、昭和のころの下町のおもちゃ屋はこんな雰囲気だった!と
大脳辺縁系のデータ検索がフルで稼働してエンドルフィンを放出してしまう感じ。
ちょっと店内を覗いてみましょう。



ブルマァク復刻ソフビと、現行のバンダイウルトラ怪獣シリーズソフビが勢ぞろい
している店内。正真正銘元祖怪獣ソフビブランドの販売を
この昭和チックな演出の店頭装飾でヤラれるとマニアには破壊力抜群Death。





新作グドンとペガッサ星人の予約受付中.2月10日締切とのこと。




スーフェス61でも販売されたタイラントとマグネット怪獣改・
マットビハイクルをつかんだモグネズン、早くもこちらのショップでも
販売してました。
スーフェスでじっくり見て、ボリュームと佇まいにたまらんものがあったので、
今回はモグネズンを購入。

マグネット機能を装着したことで生まれた頭部と胴体、腕の比率が得も言えない
プロポーション配分になっているモグネズン。インディーズソフビメーカーさんでも
好きなソフビの話などしていると、当時物ではこのラインのブル当時品が
たまらんと表明するファンがけっこう多いんですよ。
今回の復刻では、手のマグネット部分がかん着になっていてマットビハイクルを接続
しています。腕に覚えあるファンはかん着部分を切り取って円状のマグネットを
はめ込んだら、当時物通りの仕様で復刻モグネズンが再現できるのではないか?




新宿のDZ40、そして浅草にはブルマァクのマジンガーZ!



おなじみ勇猛な牡牛のトレードマーク入りバッグやステッカーも販売。









怪獣ソフビ以外には、パンダとフェリックスをフィーチャー。
夏場は涼しい飲み物を飲みながら怪獣ソフビをじっくり見ることができそう。



マルカワのフーセンガムは今もフェリックスがトレードマークなんですよね。





「カネゴンの繭」の一場面みたいですネ。









ソフビにはトタン板、暖簾、清涼飲料のアイスケースがよく似合う。











本ショップのもうひとつの見もの、
昭和の下町の遊園地として名高い花やしきで開催された怪獣・怪人ショーや
イベント風景を映した貴重なスチールも展示。こういうのもっと見たい!
キカイダーがチケットもぎをやったり、ドルゲとアントマン、バロム1が
花やしきジェットコースターに載ってる写真なんかしびれます。





店員のおねいさんによると、2世代でバンダイソフビ、ブルマァクのソフビと
それぞれのリアルタイムソフビをじっくり見て行く親子連れのお客さんも多いのだ
そう。あと、海外のヘビーコレクターがものすごく嬉しそうに店内に見入って、
一杯復刻ソフビを買っていってくれたこともあったそうで、さっそく反響のほどが
伝わります。特に外人さんは怪獣ソフビというと日本ではこんな感じで販売されている
イメージを抱いていて、想像通りの店頭が見れて感動があるのかもしれませんね。

花やしきのブルマァクショップは花やしきの休館日(遊具のメンテナンス等の日)
と同じ時がお休み。営業時間も花やしきさんと同じだそうです。

ブルマァクさんの、イベント以外の製品情報発信基地としてもこれから活躍しそうな
このお店、浅草寺界隈の昭和レトロな空気を満喫しながら復刻レトロ怪獣ソフビに
触れることができる、ソフビファンの楽しい東京新名所がまたひとつ増えましたネ。


【ブルマァク便り(ブルマァク・オフィシャルブログ)】

http://bullmark.seesaa.net/

【ブルマァクCM】

http://nicoviewer.net/sm4612191

【40年前の紙芝居/ある意味黒歴史】
祖父の遺品としてある家庭に現在も遺されている、南村さんや梶田さんの怪獣絵を
パチったゆるゆる紙芝居。

http://www.youtube.com/watch?v=tDZJM_0cXs0

スーフェス61六HSメカゴリラ獣

2013年01月22日 | イベントルポ


スーフェスルポ、その六です。仕事や家事、他のソフビイベント探訪で
バタバタしていて一週間ほど過ぎてしまい、恐縮です。

HS氏「スーフェスに来たのははっきり覚えてないが、確か20年ぶりくらい
ではないかと思う。今回は友人のタケシットくんのブースを留守番するということ
で来てみたが、何もかもが初めて目にする印象」。

本業で毎日ソフビと密接に関わっていながら、インディーズソフビのマーケットとは
強くかかわらずにここまで来ていたという立ち位置表明がなんとも特異ではある。

「HS・ソフトビニールの怪獣」
なるソフビメーカーがゴリラ獣とメカゴリラ獣という
ソフビを数年前から販売開始して以来、ニッチマスなインディーズソフビマーケットの
お客のみならず、作り手の側であるソフビメーカーサイドの関心までも集めているのは
この分野をウォッチしている人間にとっては、すでに説明するまでもない。

HSというソフビメーカーを指して、あるヒト曰く「いつ注文しても買えないメーカー、
どこに売ってるのかわからないメーカー」「さっぱり売ってくれないメーカー」。
そしてまたあるヒトは「売る気がなくてお客はポスターなどを抽選過程で
踏み絵として買わされたりして、ただからかわれているだけなんではないか」
とまでつぶやいたりと、
その謎めいた販売体制には「欲しいけど買えない」という
状況を前提に議論百出しているところだが、

そこに集約されて改めて浮かび上がるのは

「インディーズソフビというものは買いにくい状況にすることで
客との間で人気や需要を活性化させる方法論が切っても切れないところがある」

という点だ。
HSというソフビメーカーのアイテムはインディーズソフビでムーブメントの
スタート当初から見られる「買えないことでお客が振り回される」状況を
最もカリカチュアライズして実践しているかのような存在に見えるのだろう。

といっても、それも製品の絶対的なミリキが根源にないことには成立しない。
HSのソフビたちには単にレアという指標からだけで需要が成立しているのではない。
現物に何かヒトを引き寄せるミリキがあるのも確か。でないとここまで
お客の一定層と(付け加えるなら転売層が有望な商品であるとして)
多人数が振り回され続けることはないはずだ。

そんな謎めいたHSブランドを主催するご本人のHS氏が友人を伴って
2013年最初のスーフェスに現れた。

見ると仲良く彼と談笑している友人らしい来場者を何人も見かける。
ソフビを昔からウォッチしているヒト、スーフェスに初回から来ているようなヒトにとっては
HS氏はごく近しい存在なのだろう。自分は初対面だったが、話しかけてみると、
モノづくりの現場に携わる人間らしく、じっくりと言葉を考えまとめあげて
返してくれる物静かな雰囲気のヒトで、製造業として父親の代から受け継いだ工場を
守っている「現場の人間」が持つ矜持のようなものは、本人の極めて謙虚な姿勢から
十分読み取れた。



HS氏「実際、自分のところはソフビ等プラスチック成形品の製造業が本業で、
玩具なども多く手がけているのだが、HSブランドはその片手間で製作している
いわば自家製のソフビ。
製品によっては自分自身原型製作の段階から
すべて行っている。その上で製造できるソフビは1回の販売で30個がキャパ
ギリギリとなっていて、それでもキャパは最大とみてほしい。
自分ですべて製造過程を手がけているため、本当は30よりは20個くらいが限度。
しかし反響もあって今は一回製造で30個をなんとか維持している」

◎海外で当たったというお客の報告が多いと言われるが?

HS氏「そうでもなく、国内でも抽選で当選者は毎回出ている
(これについてはメカゴリラ獣の初期だが、確かに自分も一度当たってはいる)」。

◎販売形式についてはこれからも同じような流れになるのか?それとも変わっていく
のか?欲しいというお客は一定数居るようだが。

HS氏「正直なところ、自分はもともと製造がメインだった立場なので、
インディーズソフビ関係の色々な事情は知人から伝え聞く程度にしか知らない。
他のメーカーさんとも交流が密というのでもないし、その面では、これは本心で
言ってるのだが、自分の展開した『ソフトビニールの怪獣』が反響が大きくて
驚いているのは実は自分自身である。(メカゴリラ獣2の最初の抽選には800通
未満のメールが届いたと明かしてくれた)。

むやみにレア感を煽っているつもりはなく、製作キャパの問題、実際に行き渡らすには
困難なところにこれだけの反響があったことで、頒布する側としての
調整が必要なのも実感している。

その上で、これからは欲しいと言ってくれているヒトにいずれは行き渡る売り方等も
新たに考えていかなくてはと思う。今回のスーフェスに来てみたのも
色々な来場者の方の意見をうかがってみたかったというのがある」。



そして、ここに掲載したのは新たに展開するHS「ソフトビニールの怪獣」シリーズの
新製品として予定されている
「スタンダードサイズのゴリラ獣、メカゴリラ獣」。

スタンダード、というのは実はゴリラ獣の元となったのはHS氏のお父さんが
現職でソフビの成形工場を興して商品化した、ラウレンティスコングの映画公開に
合わせて制作されたオリジナルのゴリラソフビだからだ。
ゴリラ獣の本来の「スタンダードサイズ」はいうなれば、この過去に出た
ミドルサイズのゴリラの大きさである。そしていわゆる映画キングコングを意識した
ゴリラキャラのオリジナル怪獣ソフビ。
現在HSブランドで展開している「ゴリラ獣」というソフビの仕様は
HS氏のお父さんが経営していた当時作ったキャラクター資産の継承であることは
みまがいようもない事実である。



今度は、「当時父の作ったゴリラをそのままの大きさで販売しよう」というのだ。
同時に現在展開しているHSオリジナルソフビでもあるメカゴリラ獣も、この
オリジナルサイズのゴリラ獣に合わせて新規造形で同サイズの製品を販売したい
という。先にはメカゴリラ獣2やチラノ獣といったキャラクターも新規の同サイズで
製品化する構想があるという。その上で

HS氏「ゴリラ獣は当時に忠実なサイズとデザイン・ディティールで再製品化するものの、
他の3キャラクターはデザインをニーズに合わせて
マイナーチェンジするかもしれない」という。
既に発売したメカゴリラ獣やチラノ獣とまた違うディティールの「新訳」版とする
キャラクター展開でシリーズの幅を広げたい模様だ。






◎当時、お父さんの作ったゴリラソフビに関してはどう捉えているのだろうか。

HS氏「じつは自分も、父のゴリラソフビが作られた当時は小さかったので
あまりソフビの作られた経緯等については強く記憶が残っていなかった。
記憶を辿ると、ヘッダーなどは金色の簡素なものが付けられて、おもちゃ屋の軒先や
駄玩具屋などに出回ったのだと思う。カラバリとして、黒と青の2パターンがあった。
実際にパチ怪獣のコレクターなどでも自分が知る範囲では、この当時物のゴリラを
持っている方はあまり居ない。あと、当時親父の工場ではこのゴリラ以外にも
雑多なパチ怪獣のソフビを手がけていたのを憶えている」。

◎HSを興した経緯はどんなものなのだろうか。

「父から工場を受け継いだ時に、このゴリラのソフビが手元にあったことを
思い出し、これは現在発売するとどうなのか、ということでサイズを変えて
製品化してみたのがはじめにゴリラ獣を出したのが始まりで、
自分にとっても懐かしいゴリラのソフビを父から受け継いだ工場を通じて
世に出してみたかった、という想いがあった。
現在もHSとして展開していることは自分の中で常に試行錯誤を重ねているのが実際だ」



今回、HS氏にいろんな質問を投げかけてみたが、回答をそらすこともなく
ある程度まで率直に答えてくれたので、彼に謝意を示したいと同時に、
製造キャパの問題や予想外の反響などといった背景を実際にこうして本人から聞くと、
自分としては「ソフビというものの販売に関して常に横たわる問題」として
新たに考える契機が得られたように思う。

特に作り手の当初の意向である自作の「頒布」的な意味合いがある場合。
インディーズソフビというボリュームは大きくなくとも個々の需要家の
所有欲の大きいマーケットで展開するには、
もともと本業でないことなどの背景で製造キャパが小さく、たくさん作れないため
必ずしもすべてのお客に応えられない、という言い分は
ある程度本音と見ていいだろう。

問題は買う側の、製造キャパを超え極端に「欲しい」という熱望が無数に殺到して
しまうことから、送り手と受け手の共犯的意味合いで入手困難性と
いう状況が自然に醸成されていき、1個のソフビのニーズが
天井知らずな状態にまでいってしまう・・・
という側面も多分にある。
普通に考えて、アンティークでも高いが、現行品の一応は量産品のソフビで
プレ値が20万近くまで行くというのは一般市民の消費活動上では
もはや正気の沙汰とは思えない。
そうなると送り手もそんな言い値が通用する状況を逆手にとって、常にレアを標榜しつつ
購買惹起を図る戦略となっていくところまで状況が進むのだが、それはあくまで
個々のメーカーの姿勢の問題というしかないので、全てを十把一絡げにはできない。

とにかくこの時点まで行くと、メーカーサイドと煽りに乗る客サイドとは
入手困難な状況の渦中にいることを双方が自家中毒的に消費する状況へと
すでにランディングしてしまっているのだろう。
メーカーも数を売ることができないし、お客サイドも容易に手に入らなかったり
プレ値の代償を払ったり購入時に負担を強いられないと
自分の仮想している購買満足感にまで到達しない自家中毒的チキンラン状況だ。

そして改めて確認しておきたいのは、別にこういった状況は
HSのソフビに限ったことではない。その上で買う側のバイアスのかかった
思考回路の問題にももっと目を向ける必要がある。

自分よりもコレクター歴が長く古物現行品問わずソフビに詳しい知人と、
ソフビの販売に携わるヒトなど数人にこの問題をどう思うか、
スーフェス61の開催後になげかけて見たのだが、それぞれから
異口同音に聞かれた回答は、実はメーカーに関してでなく、
客の姿勢を指摘する意見がほとんどだった。

「たくさん作る、受注で対応すると、誰でもいつでも手に入るとなれば
お客の中には買わないヒトも出てくる」そういう業界だというのだ。

「製品の生命力も、行き渡らせるとそこで終わってしまう。
何度も細かいロットで売る。一昔前はカラバリによくお客も付き合ってくれたが
今はソフビというものに慣れた買い手も増えてそこは難しい。
結局ある程度まで製品価値のみならず、購買環境で講じられた煽りで
サポートしないと多くのお客は動かない。お客がどMとよく言われるが、
プレーの一環として味わっているのだろうか。
煽りが購買惹起のためのサービスの一環じゃないかと思えるほど
普通に成立してしまってるのがインディーズソフビ文化」

「最近は製品の出来不出来とは別に、入手困難という背景が前面に出て
プロダクツの価値を決定したり、本来の製品価値と市場価値が乖離しているケースも
見受けられる。

より手に入りにくいから欲しい、とオークションで高値で落札したり購入までの過程で
イベント会場などでの並び列がヒートアップする傾向もお客の側にも強まっている。
何に必死になっているのかと思うと、すでに先達メーカーにより完成度の高いものが
存在するようなネタのソフビを新規につくり起こしたような『模造品』に
数が少ないからと同じようなお客がまた群がっていることも少なくない。

『前に出たものに似て異なる』目先で目新しいものに
群がり競争買いしているようなことを繰り返している(行為が目的化している)
ばかりで学習しない。やがて苦労して入手したそれも次の新しい趨勢が
出てきたり、マーケット上の話題が次のものに移ったら手放すのだろう。

いつになったら彼らは本当の意味でのコレクターになるのだろう。

メーカーサイドだって、極端な例としていえば一個も販売しないのならすでに
商売、採算は成立し得ないところとなる。この二律背反の中で自分の製品の商品価値を
維持するためには適度に数を絞り、お客全部には販売価格では行き渡らせないしか
もはやメーカーとしてのブランド価値、製品価値の維持ができなくなる」。

前提として再確認するなら、

「インディーズソフビというマーケットはニッチマスなことでお客が購買対象や
シーンの中での濃度が体感できることで成立している特異な購買文化なので、
この問題は根本的に解決し得ない要素がある。それが良いとは到底思えないが
このジャンルに昔から、そしていつまでもどこまでも根ざしている不文律である
としか言いようがない」
。。。と厳しく見据えた(諦念にも似た?)
回答が異口同音に帰ってくるところとなった。

メーカーサイドも数を売り、儲かり、お客サイドも個人個人が欲しい製品を得られる
満足感を得られてソフビ収集を楽しむという状況になるには、
このインディーズソフビのセカイに横たわる一種独特な
「買えないことから当初の購買を希求した以上の欲望がむやみに惹起される」
不文律とよべる状況をどこかで個々の参加する者たちが
それぞれ自分の立場から熟考することによって、
乗り越えていかなくては解消できない、ということなのだろう。

お客の立場でそれはどうしたら果たせるのか。
もともと自分がソフビを初めに楽しんでいた時の感動や新鮮さを
思い出しながら、山に例えるなら登頂をしなおすように、個人個人が
収集の原点に立ち返りながら自分はソフビに何を求めていたか、
今一度、模索していくしかないと思うのだ。

(スーフェス61その⑦イルイル編に続きます。。。)


アキバ戦記34HANAZONO2013

2013年01月21日 | 日記


ヒビルテン



新宿の目

我が名はガンデエ。

新宿地下道やデパートのセットディスプレイやショーウインドウは
いかにもデパートデパートしていて
昭和往時の百貨店にあった高度成長、消費時代の隆盛を想起させる。
美術系のヒトたちが腕を振るった造形物が見れて楽しい。
中にはリメイク版「トータル・リコール」のセットみたいな
オリエンタルモダンな装飾もある。

DZ40を開催しているマルイテンさんの店頭、
デビルマンのリメイクソフビがたくさんぶるさがっているストッカーは
昭和の「デビルマン」放映少し経ってからのデパートのおもちゃ売り場を
再現したかのようだ。版権品の横にブートレッグ版もリメイクされて
いっしょにぶる下がっている点も正規品、ゾッキ品が店頭でカオスな
状況を展開していた頃を思わせるものとなっていて面白い。



HANAZONO SHINJUKU








Original FakeがBrand Close。。。通知が来た(××)



中野まんだらけSP5さんの限定OLLIE閻魔完売。
シークレットは鬼のパンツの色がヘドラ風味にいろんな色に
塗ってある、と聞いております。









高層ビルの谷間に捕縛された獅子



都市のむき出しになった内臓が轟音をかけて呼吸する夕刻
人々が遅ればせながら一年の願をかけに切実さを伴って訪れるHANAZONO



熟れた柘榴(ざくろ)のように表皮が捲れむき出しになった、
悪魔人間の中に潜む仏性





前からちょっと気になっていたルルベルジャパンさんのhairly woman?だったか
hairly girl?だったか、正式な名前を忘れてしまった。。。を連れて帰る。
独特のデフォルメセンスにより仕上げられた奇っ怪な見世物小屋的
ファンシーヴァイナル。
ルルベルアイテムでは比較的ディティールが細かめで、構図の歪んだ少女漫画を
立体化したようなユニークさが光ります。

ビリケン商会/ カゴシン式美術館

2013年01月21日 | コミック・アニメーション


「そこではすべてが許されている。。。駕籠真太郎流美少女のセカイで萌え狂え!!」

ビリケン商会さんのビリケンギャラリーで現在開催中(1月27日まで)の
著名ホラー・スプラッタ系コミックアーチストとして幅広い活躍を展開している
駕籠真太郎さんの個展「駕籠真太郎式美術館 カゴシンと48人の少女たち」。







駕籠画伯による描き下ろし、48人のさまざまなシチュエーションで活躍する
美少女イラストが揃った。たまたまタコがうかがったら偶然、画伯が来廊しておられた。
美少女と鬼畜・ビザールという独自の耽美世界にブラックユーモアを込めて描かれた
独自の駕籠ワールド、あなたはもう逃げ場がない、そしていつしか、
このはかなくも美しい描線で描かれたタブーのない自由で淫靡なセカイに魅せられる!!
カゴシンは21世紀のヒエロニムス・ボッシュか?!





カゴシンさんはイラスト、漫画のみならず立体アイテムも手がけている。
水死体ストラップ、だるま女ストラップ。






最近は漫画のみならずアバンギャルドな映像関係のプロデュース作業や
新しい漫画家の発掘的な活動も展開している。
カゴシンさんの仕事を一言でいうとグランギニョールなのだと思う。

今年で漫画家生活が24年を数える、と駕籠さん。思い出すとサブカル系の友人に
90年代の初頭だったと思うが、「絵が繊細でリアル志向で女の子を描くのが
上手いヒトが居て、内容がものすごく残酷なのに読んでると笑ってしまう」と聞いて、
その頃は名前の読み方が
まだわからず友人も自分も「ガルマ太郎」と呼んでいたのを思い出す。

駕籠さんの漫画を知って、当時強烈だったのは第二次大戦中を舞台にして、
少女が巨大な人間戦車にされて生きたまま全裸で戦車に組み込まれ、
むき出しの手足に胴体には砲塔が付けられ行軍する。
敵軍の攻撃で少女の体がバラバラになったり手足が引きちぎれながら
戦うといった内容の中短編だった。
とにかく戦場における残酷なシーンの
オンパレードだったが、ビザールな人体破壊のイメージが
細密な筆致で几帳面に描かれていることもあって、
なぜだか笑ってしまってしょうがなかったのを思い出す。
戦争が独特に持つ傍で見ると爆笑してしまうほどな狂気を戯画化するというと
その作品はポール・バーホーベン監督の悪名高いあの「スターシップ・トルーパーズ」
1作目よりも前の発表だったと記憶している、

筒井康隆氏が「ポルノ惑星のサルモネラ人間」などで、人間に及ぶ残酷シーンを
面白おかしく描いていた時期を思いだし、駕籠氏の作品は、
それをリアルで繊細な漫画の絵で見せられている感じがした。





ちょうど伊藤潤二氏や古屋兎丸さんなど、繊細で耽美的な美少女がビザールな
目に遭うようなタッチの漫画家さんが何人か出てきていた頃だったので、当初は
自分でも曖昧なジャンル括りとして見ていたのだけど、その後もこの
「残酷とユーモア」という一見は二律背反するイメージの描出に
氏がこだわり続けていったことで、今では
いうなれば「駕籠流」的な漫画の文体というかジャンルにまで
昇華してしまった感あり、だ。
それは一見残酷だけど、読んでいると、絵を眺めていると
じわじわ笑いがこみ上げてくる、そんなアンバランスな
笑いに絵を見るものを不愉快にはさせない不思議な導く浄化力をも
長年の継続によってすでに身につけているのだろう。

だから「グロ」には陥らずにどこかで妙に人間、少女のはかなさと
死や身体破壊のイメージが見る者のココロの中で重なっていく。

美少女の永遠ではない生のはかなさや純粋さをセカイのどこにもない
究極のシチュエーションで描き続けることにより漫画やイラストとして模索しているのが
駕籠真太郎という作家さんの目指すところではないか。







会場でもたくさんのお客さんが出入りしてじっくり一枚一枚、少女たちの
描かれたイラストに興味深そうに見入っていた。

そして只今ガラモンが大好評となっているビリケンリアルキットの
今後の展開も店長にお聞きしてきました。



こちらは先日のスーフェス会場のビリケンブースにも展示されていた
ハマハヤオ氏渾身のガラモンキット完成品サンプル。





スーフェス61ではオレンジの成形色のキットが販売され好評のうちに会場完売しました。

そして次の展開としてはカラー彩色版の販売が予定されています。店長さんによると
目のマスクを作成して精悍な生命感のある決定版彩色ハマガラモンを発売する
準備をしている、との話。ただ目のマスクでより生き生きした目のツヤを出したいので
今、塗装業者さんと詰めている段階にある、との話。



春頃を目指して作業を進めるとのこと。もしかしたらGW開催のスーフェス62か?
アンペイントのキット版も自分でいろんなカラーイメージのガラモンを再現したい
という塗装派のお客さんに好評なので、ニーズを見て別のカラバリも発売していきたい
との話なので、成形色のリクエストなども寄せてみるといいかもしれませんね。



それとガラモンに続くリアルキットも進行中です。といっても「ソフビキットの
原型製作からリリースまでの時間を表す独自の時間の定義として、
『ビリケン時間』というのがあって、その流れで行くとまだ作業を続けており、
発売はしたいが、まだ未定である」と
店長さんの奥さんのコメント。
実は前々回のスーフェス60に行ったヒトは少しの間原型(展示でなく関係者の方の監修で
ちょっと置かれていた)が飾られていたのを
運良く目撃できたヒトもいたんじゃないカナ?
人気ウルトラ怪獣の、インディーズソフビメーカーさんが2年ほど前に
イベント限定品でイマジネイティブにソフビ化したアレです。尻尾のある
怪獣なので、自分が見かけた原型段階でもえらいボリュームになっていました。
造形が難しそうな、正面から見た顔の輪郭も再現度がかなりのものでした。
きっと完成した現物を見ると多くのお客さんがビックラしますYO!
ガラモンカラー版発売のあとも、本年のお楽しみはまだまだ続きそうです。



ビリケン商会さんのギャラリー内はいつもいろいろな新旧問わず不思議なアイテムが
たゆたっていて、お客さんの来訪を待ち受けており、個展や合同展以外にも
じっくり眺めると見ごたえがあります。売り物では、時々掘り出し品も
見つかったりなんか。

店長さんの奥様が「この怪獣ソフビがずっと正体不明だったのですが、お客さんが
教えてくれてようやく判明しました」とビリケンギャラリーのディスプレイ棚を
指差していたのがこのマチャアキ怪獣ガリガリ(旧ブルマァク製)。
「相方でマエタケ怪獣のベロベロというのが居てソフビが出てますYO」と話したら
「ほかにもいるんですか!」と驚いておられました。



そんなビリケン奥様を最近悩ませている新たな謎キャラが出現!
ゼンマイ歩行のウマがエプロンを着けてむやみに張り切っているという謎玩具。
足裏には「Made in Japan」の文字とパテントっぽい称号の活字彫刻。
うーんこれはわからんな~そもそも元ネタのある、
版権キャラクターなのか?只今探索中。
ハイセイコーとか昭和50年代初頭に競馬の馬の名前を覚えるのが
子供たちの間ではやった頃に作られたのか?などとぼんやり考え。
誰か正体がわかったらビリケンさんに教えてあげてください。



夜光!!

DZ40デビルマン×マジンガー新宿

2013年01月20日 | コミック・アニメーション


「サタン様 お迎えにあがりました」
恐怖の精神汚染!!了の脳裏に蘇る、天使だった頃の記憶!!
サイコジェニーのTシャツが発売されるなんてCOOL!



デビルマンとマジンガーZが新宿に出現!!デーモンとドクター地獄(ヘル)相手に
劇場版1作目同様に再び強力タッグを組んで戦闘開始だ!
デビルマン「俺なら空から攻めるね!!」
さきに銀座で開催されていました「DZ40」(デビルマン&マジンガーZ40周年
記念イベント)が今度は新宿マルイメンに会場を移し、物販体制も万全となって
新たなスタートを切りました。



FRENZYさんもPP PUDDINGさんもリアルヘッドさんもサンガッツさんも引き続き
参加です。ほかにもゲスト的に現物を見るとおおっとなるアイテムがいくつか。
前回よりも販売コンテンツもかなり充実しており
永井豪とダイナミック企画の歴史的ヒーローのメモリアルイベントと呼ぶに
ふさわしい迫力と賑やかさを振りまいています。会場でも来場者のヒトたちが
思わずデビルマンの歌をちょっと口ずさんだり、場所柄カップルも多く、
ショッピングに同行した彼女に彼氏が「デビルマンてカッコイイんだぜ!」と
アピールする子供当時テレビの前でワクワクしながら観た記憶を伝えたり、
または通りすがりの一見さんも思わず足を止めて
ナツカシサに顔をほっこりとさせる一幕も。

もちろん本イベントは2大コンテンツの熱狂的なマニアも我が意を得た飛鳥了のように
ニヤリとし、そしてインディーズソフビファンもイマジネイティブな出品の数々に
マジンガーZを初めて間近に目撃した甲児のように童心に帰ったかの表情で
思わず見入ることになるのでは。



悪魔人間、来迎!!生き残った人類を導く彼ははたして神か悪魔か?!
ヒロアキさんのアンビエントなデビルマンアート作品。



アブナくなきゃ永井豪漫画じゃねえ!バイクで出かけるときは門を飛び超えろ!
ベルトは相手をしばいて吐かせるムチとして使え!人類の未来なんか守っちゃいないぜ!
全てはミキのためだ!バットが折れたら足に突き刺さって緑色の血の雨が降るぜ!!
洞窟で戦ったら天井に放り投げてツララに串刺しだ!
おっと、俺がお前を近々始末しても、地獄じゃなくて天国に行くよう
せいぜい祈ってやるぜ!ダダッダー!



































カスタム一品ものも前回後方に置かれていて細部が見えにくかった
作品もじっくり見える位置に置かれています。
そういえば銀座会場にあったブロッパスさんとウアモウさんの作品は
もうなかった気がする。





一回目DZ40に続いて出品。
クレイマンさんの洗練されたフォルムで仕立てられたマジンガー。



永井御大に泣きながら「コレジャナイ!」と嘆かれる栄誉を得た
コレジャナイロボのマジンガー版も。







メディコムトイさんの限定品、復刻版権ソフビデビルマンと
「世紀の大怪獣」シリーズ・ブートレグソフビデビルマンも好評を受けて新色で再登場。



そのヘッダー、これは蛭田充?っぽい描線のデビルマン。
ダイナミックプロ内で当時、アシスタントをしていた作家さんが描いたのだろうか。



こちらもブートレグデビルマンのほうのヘッダー。
何やらシレーヌが桜田吾作?っぽい絵柄。
オリジナルのブートレグデビルマンのヘッダーとバックシートには
デビルマンとは全然関係のない得体のしれない怪獣が何匹か描かれており、
同一のブートレグ業者により、いろんなパチヒーローソフビ(ライオン丸、
ウルトラマンA、アマゾンライダーなど)の販売時と
ヘッダーとバックシートの仕様が兼用されていました。





会場を賑わせる、ハンサムタロウエムさんのグッドロボとホルモラーを素体に使用した
一品ものカスタム。非売品。今回はレアなリアビューも撮れました。












P.P.PUDDINGさんのデビルマンロボとマジンガーロボ。
キノヘルちゃんもそれぞれデビヘル、カブヘルとして新パーツでお目見え。
2世代で親しめそうな癒し系ロボアイテム。
こちらも量販商品なので会場で受注を受け付けています。



FRENZYさん。今回は満を持して会場でもお目見え。新規となるAMONカラー。



サンガッツさん。シレーヌちゃんも透明ケース入りで緑と肌色の2色ありました。







そしてREAL×HEADさん、アトムAアマレスラーさん、ミロクトイさんの
コラボデビルマントリオ。今回は森かつらカラーのレッドでお目見え。
ミロクトイさんのデビルマンはやはり原作後半に登場した佛に帰依して
悪魔に魂を乗っ取られなかった僧侶のデビルマンがイメージソースなのだ
ろうか。ミロクトイさんの独自な発想、柔軟さを持ち合わせたキャラクター
クリエイトの動向は今後も見守りたいトコロ。



今回はプロトタイプとしてアンペイントで販売された
新造形による「永井豪版マジンガーZ」。永井御大の描くマジンガーZは
鋼の魔王ダンテとも呼ぶべき禍々しさ(おじいちゃんの兜博士も超天才だけど
実質半き◎がいでしたしね)で、1~2話では暴走気味で街を破壊して
回るなど、エヴァンゲリオンじゃないけどまさに悪魔でした。







そんなより原作コミックにあった強大さ、ヤバさを持ち合わせた永井スタイルの
マジンガーがついにスタンダードソフビ化。
インディーズソフビマーケットにもいろいろ新鮮な話題を振りまいてくれる
イベントですね。





Mo GraphixxさんのCG映像が会場でオンエア中。コミカルな動きのこの
デフォルメアレンジマジンガーも販売中です。



二日目に追加されたデビルマンアイマスク。パンクドランカーさん作。











物販とカスタム品は1階に。7階にはモード、イラスト、スタチューなども展示。
明と了をイメージしたパーティー(デビルマンを憑依させるあのサバト用?)ドレスも。
デビルマン、マジンガーZを読んだり見たりしたヒトにはイマジネイションが広がる
楽しい展示ばかりでした。



そういえばプレゼント品になっているとの表示があったけど、
例のレトロ造形によるスタンダードシレーヌソフビの実物が会場で見たかったっす。



今、マルイメンさんでは衣類の最終セールを開催中。お手頃お値段の
ものが多かったので、イベントを見ながらウィンドショッピングしても楽しそう。
ちょっとした気分転換になるんじゃないカナ?
開催は2月3日まで。

Oneup.私のいじったネゴラ展

2013年01月19日 | イベントルポ


数多(あまた)のソフビよ!もしそなたにそれが叶うなら、我がココロの奥底まで
鬱勃たるパトスを完全に燃やしつくし、ケシ炭のようになるまで
その存在で我を融かし切ってみよ!それがうぬの果たせることであるなら。










まだまだ店頭でも雪が完全に溶けきれず白いものが路上に残るアキバ。
それでもアキバは今日もヒトビトの欲望の律動に共鳴して日々ラジカルに
新しいサムシングを求めてあくことなく脈動している。
そしての地下回廊にはデッドサーキットが敷設され、2つの勢力により
おそるべきマシナリーアニマルたちの戦闘ショーが繰り広げられていた。
その戦いは今から12時間後に開始される。。。







雪の底から見える都市の本来の貌(かお)。
雪の下に覗ける、欲望の、野望の、チカラの真皮。。。
ネゴラの表皮が剥がれて毛皮の奥底に見える真皮はメカ!
ここ電脳都市・不夜城のディストピア・アキバで
MAXTOYのカイジュウバイナル・ネゴラは新たな進化を遂げる。
それは誰もが未だ目撃したことのないバイオメカニカル化したマシンネゴラ、
アメリカンヒーローとしての特殊能力を身につけて結束し躍動する
ピカレスクヒーローネゴラたちだ!

マーク・ナガタとトッドロバートソンの繰り出す異能のキングネゴラカスタム群、
ミュータント化した巨大ネズミとネオペイガニズムのとりこじかけのあけくれとなり
マシンとして転生、マシンオイルと血が混じり合いエキゾーストノイズを
掻き立てながらラウドなマシンネゴラたちのアキバの地下なお暗い
電脳ダンジョン内で繰り広げられる終局戦争〈アーマゲドン〉の行方を目撃せよ!














「何もかもなぎ倒し、踏み潰し、蹂躙して突き進め!その先にあるのは
狂気に行き着いたものだけが体感可能なゴールの快感(エクスタシー)」
ラット・フィンクばりに巨大ミュータントネズミによって操縦される
MAD MAXTOY マシンネゴラ!もはやヤツは地獄の神でも
制御(アウト・オブ・コントロール)不可能!夜空を見たらヤツを思い出せ!






アメリカンコミックヒーローに扮したネゴラ。
ヤツラは果てしない死闘の末に何を見出すのか?!









背中の真空管がヤツのトレードマーク、心臓!いつ破壊されるかわからない
刹那、ギリギリの生をアドレナリン分泌MAXでシと隣り合わせで駆け抜ける快感。
トッド・ロバートソン作によるマシンネゴラ!

「この俺がセカイの全てを錆び腐らせてやる!さあ来い!ヤーリーまくるぞ~!」
(怒号と轟音ののち疾走、セカイはレインボーノイズと共に砂画面になりGAME OVER)


















ダイゴミやブロッパスもトッドによりバイオメカノイド化。
ダイゴミはメカナイズドされた部分と、この怪獣本来のスクラップ部分の
オリジナルよりもメリハリが付いて、よりスパルタンでイイ感じデスネ。










思うにオリジナルネゴラシリーズに「メカネコロン」なるメカ怪獣キャラが
新設定としてすでに盛り込まれている背景から考えて、
メカネコロンはいわゆる純日本的発想のメカゴジラやアニメロボ的なセンスで
ロボット化したネゴラをTTTOYさんがクリエイトしたものといえる。
そして今回披露されたトッド・ロバートソンの「マシンネゴラ」は
欧米的なSFセンスから有機的フォルムで提示されたロボットネゴラのイメージと
いえよう。同じメカ化表現でもカスタムペインターや原型師氏のアイデアで
全く違うコンセプトのキャラクター表現が可能ーーその妙を楽しむべき場面といえよう。
多彩なキャラクター表現の器として可動するネゴラ=モンスターブギシリーズ。
これからどんなクリエイターによるアレンジメントがシリーズに新たな突然変異
(ミューテーション)をもたらすのだろうか。
モンスターブギシリーズはクリエイターの自由なキャンバスとして新たな役割を
帯びつつある。さらなるセカイへの拡張はディストピアのデッドロードを疾走する
バイオメカニカルマシン同士のDEAD HEAT、その先の目撃者も未だ存在しない
すべての者たちが融合することによってのみ果たされるのだ。


アキバ戦記33

2013年01月18日 | 日記


そしてもういっぴき?新たなソフビが届く2013年初春。
今年最初に手にしたソフビは何でした?
自分はスーフェスで購入した、鈴木製作所さんの彩色版サイコウビでした・









まだスーフェス61ルポも途中なんですが、今は1月で
タコの業務は得意先が予算決めの真っ最中なので、入札制じゃないけど
仕事先をウロウロして参加する気満々にしてないと
おしごとにありつけないのだ~。
てなわけでもうすぐでそれも落ち着きそうなのでちょっと待たれい。
しかし早いね、1月ももう後半だ。
本日、ビッグサイトにおしごとで行ったら
まだまだ雪が積もっていてビックリしました。





One up.アキバZONE店にトッド・ロバートソンからカスタム品が
ザクザク届く。カスタムしたのはMAXTOYさんのネゴラ関係。
ネゴラ大カスタムまつりが19日から開催です(販売は20日DEATH)





すでに総帥マーク・ナガタ氏のアメコミカラーのキングネゴラが
アベンジャーズのクライマックス大戦闘シーンのように集結中、
ショーケースに緊迫感が漂いマス。



アキバの焼き芋やさんのトラック。焼き芋の銘柄も
萌えヒロインの名前みたいですね。








お次は中野。
寒いせいか、夕刻から夜にかけて中野ブロードウェイも
人出が少ないのだった。ゴーストタウン状態でタコ貸切りの
買い物空間みたいでしたよ
(それはおおげさ)
子供さんは元気だにゃあ。ゲームにいそしんでおりました。



まんだらけ中野店スペシャル館5(昨年新装オープンした
2階のアメトイ、インディーズソフビ系の店舗です)さんの
2013年最初の限定品がこれだっ!
節分にはまだ早いのだが、鬼をフィーチャー!
BLObPUS×MVH OLLIE!「紫閻魔」が1月20日に販売。スタッフ様によると、
シークレットも有りらしいっす。
2013年も閻魔に続く限定品を計画中なのでぜひご期待を!との
SP5担当氏のお話でした。



ペコちゃんの晴れ着に続く1月新コスプレ、今回はストロベリーテイストの
ときめきパフェ装束。植物怪人チックでステキ。
路上観察とぶらぶらショッピング、臨時で店番(どこでやってんだよ?!笑い)
など、ゆるゆるほのぼのと冬の日の夕刻を過ごしました。