●つーわけで東日本大震災から13日が過ぎて早いものですね。
またまたゆるゆると日常の雑記みたいなものですが。
タコもカスミ食ってるわけでもないからもちろん
仕事もしないわけにはいかず、あちこち都内をウロウロしてるのだった。
いろいろ顔を出したいところもあるのですが、
計画停電もあって下手すると泊まり先の停電タイムにぶつかると
帰れなくなるのでなかなか思うようにいかないのだった。
どうもスンマセン。
●数日前だけど
いきつけのところで好物のタコ焼きもひさびさに食べたな。
20日目ぶりくらいか。しかしなんでか行った仕事先で食べ物や水を
もらうことが多く、とってもひじょうにすごくありがたいのだけど、被災地でもないのに
なんとなくタコは食料も調達できないように見えるんだろうか(苦笑)
もっと食べ物が入手できない環境に立たされているヒトに申し訳ない感じ。
でも上司も合流したら、どこでもらったのか行き先でいただいたコメ袋提げてた。
わしらは托鉢か。。。
●ネットを見ているとそろそろトゲつき肩パッド調達しないと、バギーに
乗りかえないと、美容院の店頭にモデルさんの写真でふつうにモヒカンのヘアー
スタイルが貼られないと、なんてネタもあちこちで見るわけだけど、実際に
買い占めヒャッハーしてるのは、いわばふみにじられる側である
種もみじいさんくらいの世代の高齢者の人がけっこう多いように見えるんだが、気のせいか。
まあ、彼らは早起きするもんなあ。朝起きぬけに見ると物資の不足を報じるテレビ見て
ヒャッハーに食べ物を奪われないうちにかわいいマゴの分も!!とかいって
思わずはりきっちゃうのかもなあ・
主婦層もまた然りというところで。皆不安になるのも無理はないですね。
しかし、もう物資の供給だってそこそこ回復してきたから
そんなに必死にならないでもええだろうに。
しかしスーパーに特売でもないのに朝からヒトが並んでるってのはすごい光景ですね。
今日はさらにミネラルウォーターパニックも加わって争奪戦なんでしょうけど、
毎日日替わりで買うトレンドが出てきて忙しいな。
ほんとにヨウ素が日常的なレベルでヤバくなったら水をミネラルウォーターにする
くらいじゃ済まなくなるってのにな。
なんとなくですが、インディーズソフビが週末になると
あちこちで物販イベントをやってた、需要も供給も異様に旺盛だった
頃をふと、思い出してしまいました。
しかし思うに数年前は何の不足もなく
日本もそこそこ多くのヒトがそう感じ取れるくらい、
あれは平和とよぶべき光景そのものだったんだな、と思った次第。
●思うに古もののソフビって体に悪そうな化学物質が時間を経て
化学変化を重ねているような臭いがしません?
なにしろ公害あたりまえ!の時代の産物ですからね。
こないだ上司と話してて、公害都市(70年代当時)の川崎で幼少を過ごしてたと
話してたら自分もだ、とか言ってて昭和頃の大気の汚れ具合は半端でなく
空もスモッグでまっ黒くて工場街の向こうが見えなかったし、
道も塀も煤煙で黒かった、てな感じで当時の恐ろしい街の風景について話してた。
まあ、異常な光景だ、あれは。
でもこまったことにそんな危険な状態だった昭和の街も今となっては
懐かしさすら感じるくらいだ。IKBの公害怪獣のソフビも昔、
買うお客もおらずさびれた商店街のおもちゃやの軒先に
袋入りで怪獣ブームがすぎてから何年もぶる下がっていたのを思い出す。
なにしろ大昔は怪獣映画の中でしか
イメージングできなかった「核」や「放射能」「放射性物質」といった
キーワードが、今の日本のリアルタイムでは
ごく身近なところに(しかも目に見えない存在として)
確実にたたずんでいる日常を過ごしているんだから。
妙な言い方ですが、良くも悪くも「ふつうに生きていられる」ことの濃密さを
強く実感できる時なんでしょうね、日本がこの現状となっては。
見えない脅威というのはヒトの不安を扇動する。
2010年製作のSFアニメ「ソラノヲト」で
前世紀に人類に忍びより、数日で壊滅的打撃を与えた伝説の「死神」が
目に見えない、姿も持たない、しかも科学の発展の末に人間が作った生物兵器だったと
判明するのと同じような不気味さはある。あらゆるSFは現実のメタファーとして
現実以上の強度を持ちヒトの心を揺るがす時がある。
今はいわば原発のトラブル、拡散しているのかもしれない、と
情報が先行する放射性物質拡散の恐怖といった事象自体は
もちろん実存の恐怖、危険として実在するが、
その前に「情報の恐怖」という人間のココロの中に潜む巨妄として、
あたかも怪獣のような存在となり、市民生活を疲弊させたりおびやかしている。
居るのかどうかもわからない怪獣の出現情報が先行して流れ、
市民が恫喝されてパニックになり都市機能に支障をきたす、
「ウルトラマンティガ」の「蜃気楼の怪獣」という寓意に満ちたエピソードを思い出す。
今は現実が虚構の強度を時に突き崩している、
いまだかつてない状況、それは虚構世界の産物である、怪獣が現れたのと実質同じ状況だ。
怪獣はヒトのココロの中に居る。
むしろこれまで、東北のような遠隔地に原発を建てる政策から
市民は知らず知らずの上にそういう危険を遠ざけて
暮らしてきた日常生活に慣れているところにとうとう
現実の生命のリスク、危機が迫ってきた、という見方をするほうが
謙虚なのだと思う。自分たちは(ああ、自分は、だな)屈託もなく日常を過ごしていて
いろんなことを知らなさすぎたんだろう。
電力にしても、日々の食事にしても、
われわれはしょせん整備されたインフラ上で生かされてきた
だけの存在だったのだろうか。
だから建前でなく、今ある、現在可能な生活を維持するために
極力、自分の住んでいるセカイの範囲で
ささやかに残された日常を維持しつつとにかく自分のやれることを
していくしかないと思っている。
●ビッグサイトのイベントも軒並み中止に。
気になるといえば、幕張メッセで開催予定の夏のワンフェスですけど、
当日版権品の申請は今回しないことになったようですね。
本日ワンフェスの公式ホームページにて明らかにされたのですが。
主催の海洋堂も現状から夏までの社会の復旧状況はすべてがそのままに、とは
思っていない様子で、版権先との連絡も今後難しくなると踏み、早めに
発表したのでしょうね。
でも、もともと版権申請をじかに版元とやっている
ガレキメーカー、ソフビメーカーさん的には通常の商品同様に申請することに
なるので、ワンフェス限定の版権アイテムがないだけで、
一概に版権モノがほとんどワンフェスの会場に置かれなくなるということでも
ないとは思っていますが。
にしてもオリジナルキャラクターや動物とか妖怪とか、
作者の意向で版権の要らないキャラクター中心であえて開催される
ワンフェスというのも造形イベントとしてはけっこう草の根的な感じがして、
このなんでも版元ありきのご時世にあって、かえって
新鮮なイベント風景になるかもな~とふと思ったりなんか。
オリジナルソフビにとってはアピールの好機に転じるかもやしれません。
それよりワンフェスそのものが中止にならないかが心配ですよ、
幕張メッセと周辺の交通路の体力や
避難民の収容地としての任が夏まで延びれば開催も厳しくなるでしょうからね。
ワンフェスもですが、コミックマーケットも数日前に書きましたが夏ごろの
電力供給状況次第ではかなり厳しい感じがします。
年に2回の大きなお祭りが核になってトイムーブメントも動いているような
ところがあるので、やはりそれは大きな求心力を失うわけで、サビシイですよね。
●浅草の新モニュメント、新東京タワーも12日完成の工程を
見事達成できたものの、大地震発生のせいで地元でもすっかり空気に。
仕事で浅草に行ったらお客である現地のヒトが「完成したんですよ、一応。
634メートル=ムサシってことで。もう存在忘れてたでしょ?あれ
遠くから来たのなら、写真撮ってやってよ」
と指さして苦笑いしてました。なにしろ建ったばかりというのにこの地震のせいで
「新東京タワーの安全度も確認へ」が一般に向けてアナウンスされた
最初のニュースでしたものね。あまりの祝福感のなさ。
昨日の新タワーも霞をかぶって「ここに居るんだ、居るんだよ~!」と
叫んでいそう(擬人化)。あんなに観光客も地元のヒトたちも
完成前はタワーをバックにしての記念撮影を
街角のナイスポジションからはりきって撮影していたのに。。。
来年のオープン頃にはすこしはマスコミの話題上でも
にぎにぎしく触れてもらえることになるんだろうか、あれだけ
張り切って墨田区もプロジェクトを立ち上げていたので、不憫じゃのう。
●中野ブロードウェイのトイショップ・One-upさん、
被災後の休日もお店を閉めていたので何かあったのか?と
思っていたら、もともと3月中旬に同じブロードウェイの4階に
ソフビ専門の第3店舗を開店する予定で着々と準備していたところ、
いきなり地震が発生して、目論見がくるってしまったのですと。
ようやく余震もおさまったのでぼちぼち
新店舗へのソフビカテゴリーの移転を始めることにしたとか。
第3店舗はあつかっているソフビをじっくり見れる
ショールーム的な店舗構成になるとの
話でしたので、スタートしたら是非見に行ってあげてくらさい。
中野のショップ関係も被災当日は電車が動かずに
帰宅難民になったヒトが出たとかで
暖をとれるお店に泊まり、商品をくるむプチプチを
毛布代わりにして寝ていた店員さんも
いたとか。いきなりの出来事でそれぞれのヒトにドラマがあったのでしょうね。
自分もかなり当日は歩かされたけど、泊まる場所があってもいきなりはキツいわな・
おつかれさまでした。。。
全体にお客さんの出足も3連休の最終日あたりはさすがに皆、
暇をもてあましたのか回復していたようです。消費鈍化が心配されていますが
人間は唯一文化的娯楽を必要とする生物ですからね、そのへんは本能的な
レベルで出あるきをまったくしなくなるということはなさそうDEATH。
こないだルポしたけど地震後の節電に励む萌えの街、秋葉原。
雨の夜に通ったのでまた街角の風景を撮ってみたりなんかしてみました。
いやー、ダークですよ。パチンコやとかドンキホーテとかセガが
これだけ電飾を稼働させてないと、真っ暗。ゴッサムシティみたいっす。
2週間前はジョエル・シュマッカーの撮ったゴッサムでしたが
今週からクリストファー・ノーラン監督にバトンタッチしました、みたいな差。
夜間になると各店とも節電のため、照明を暗くしているので、
あの毒々しくもきらびやかなアキバのイメージはすでにない。
心なしか某現行アニメの腹黒魔法キャラのPOPが多くなってる。
街のダークな空気を読んでの登板なのでしょうか・
こないだのルポでけいおんのごはんはおかず!売ってたお店も
売り切れたのか、今はドカッと普通のコメを並べて売ってました。
アキバにラジオのパーツじゃなくてコメをさがしに来るって、もはや闇市みたいですね。
でもテレビのワイドショーとかがぼちぼち節電下のアキバをネタに扱い始めたので
先週時点でいろいろ写真でお見せしたような電池やサバイバルグッズといった
アキバならではの調達力を発揮した物資もすでに払底している感じ。
買い占めを煽る原因てやっぱりテレビの報道じゃないか。
それにしてもこうして見ると
昔の裸電球の下でパーツを売る、もっとほこりっぽく
ごみっとした雰囲気の15年くらい前のアキバのイメージにちょっと戻ったような
印象も。これはこれで本来のアキバというか
かつてジャンク街として醸しだしてきたあの独特な
オリエンタルイメージではないですか。
ちょっとトイショップに入るとレッズ経由で販売してた
マーミットさんのビニパラとか売ってそうな感じ。
ハリガミで「スポーンのフギァー」とかマジック書きしてありそうな。
そうか、電飾も派手についてないジャンク街の名残を残す90年代中頃に
ストリートフギァーブームが起きてアキバの露店にもオモチャがおかれ、
探す楽しみがあったのは。今のような暗めな店頭の段ボールをあさって
自分だけのお宝を無心で探すライティングの演出力も
どこかで手伝っていたのかもしれない。
角川映画が大張りきりな頃、ブレードランナーにしびれた
映画人が大量発生してた80年代後期の日本映画に出てくる
近未来の街のセットみたいに見えないですか?「花のあすか組」とか。
雨もここ数日はなんだかリアルに人体にヤバい成分を含んでそうで、これぞまんまやなあ。
いや、怖いよそれは。
とにかくこんなディストピアなアキバの風景は今じゃないとなかなか見れないですよ。
出番がないのにセットに来てしまうレプリカントのプリス=
ダリル・ハンナみたいな気分。
ヒトも少ないしね。まあ、この暗黒のアキバの風景が、やがて
地震の時はそんなこともあったなあ~と言えるくらい
本来の明るさをまた取り戻してくれるといいのですけどね。
●最近仕事場に行って寝ていると、コツコツと朝、きこりのヒトの作業のような
木を叩くリズミカルで小気味良い音がする。
これがきつつきのモーニングコールだったりする。
まさか東北があまりの事態なので本能的に彼らも南下してきたのか?と思ったけど
調べてみたところ、関東でもふつうにみかける種類のきつつきでした。
それにしても街が静かなので、木をたたく音がコツコツとこれがよく響き渡るんですよ。
つ【Soundgarden - Jesus Christ Pose】
http://www.youtube.com/watch?v=Tn5OIo4FuPc