KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

アキバ戦記60

2014年03月19日 | インディーズソフビ



タコの庭で採れたゆず。しかし勝手に路上にこれが落ちて世間的にゆずを見た事のない
市民たちを「謎の怪物体Xコロリン」として得体の知れない不安に陥れていたのだった。
ある日ご婦人が家の前で路上のこの実を傘で「これはなに!」とつんつくしていたので、危険はないと説明したうえで、差し上げる。

「近所のヒトたちに見せまふ!(飴をあげたのでもごもごしてる)」とか言って
「ゴジラ対ヘドラ」のヘドラの丸い核を両手に持ったゴジラみたいなスタイルで
ゆずを手にしたポーズのまま山を越えてもっていかれました。
次に奥様がやってきたときはげふんげふんとか咳をしていたので、ちょうどまた家の前に立っていたタコは(いつも家の前に立ってるのかいな)こないだのゆずがまだ飾ってあると言ってたので「表面を削ってお風呂に入れるとぽかぽかしますYO」と言ったら「やってミマス!」
と張り切っていた。そんなとりとめのないこともちょっとタノシイ、



春近い陽だまりの下の午後。3月、春ももうすぐ。
適当に近所の人と紅茶の会をやったりマッタリしてます・人生ALLイベント空間。



地下鉄末広町駅構内の表示板イラストがレトロ。
80年代頃の「家電の街」のイメージをいまだ引きずる感じのビジュアルアイコン。



だらけさんで目撃。全編見たい見世物感覚満点な昭和の紙芝居「牛娘」!
コミケに居る、ホルスタインむすめとかではない。



ヨノナカにはふしぎなものが霊気を携えて何処かに眠っているものだ。
タコ的にはそういうものに出くわすのがたとえようもない快感、なので。

こちらはどこからか出土した、おそるべき緻密な張子でつくられたケースに入った
木製の鯛。

張子の内張りは昭和の演劇のチラシやポスターなどを細かく切って生地に使用して
いたりと絶妙にシアトリカルなオブジェとなっている。

だらけのヒトにおねがいして撮らせてもらった。たぶん地方の演劇か何かで
使われたのではないかとのこと。しかし小道具職人の手腕は見事すぐる。
そして、モヤモヤしているうちに結局売れてしまう。。。
木の鯛は絵に描いた餅のようにはかなくも再び好事家の手にわたり、
目につかないところへと消えていくのだった。
しかし自分が手にしていても結局
同じことだろう。やはりしまいこんでそのままだろう。

ヨノナカにはそんな、どこまでもはかない存在の物があるのだ。











今年初めて行った江古田のコスモナイトアルファさん・店内。薄暗い店内に鳴り響く昭和の特撮DVDのBGMや効果音。このときは「悪魔くん」がかかってました東映ボーカルショップの女声コーラス「♪エロエムエッサーム~ウウウウ アー!」
(で、そのままとりとめのないおもちゃ話や特撮のエピソードなどをダベりながら6時間も観てしまう営業ボーガイ。。。)昭和にタイムスリップ。
LEOそふび坊やさんの異形のプロダクツ「偶像怪獣」1期がデスメナーゴとともに鎮座。









「カレイドスター」「たまゆら」などの人気作の生みの親、佐藤順一監督の製作の
ひみつに迫る展示会。18日まで中野ブロードウェイ2階で。





3月の連休に販売するだらけ限定コスモスエーリアンハワイカラー。




高円寺の街中で発見したユニコの看板イラスト。
店員さんが昭和のアニメファンなのか。




連休だけど初日からわしはしごとだー。



ラムちゃんの設定画。しかもビューティフルドリーマー!





占い師さんのONE PIECEコスプレ。









一番星さん限定の怪獣軒キングジョー。色使いがリアル系で
現物はもっときれいでしたYO。









さらに一番星さんのおとなり、STAR CASEさんの宇宙コンボイシリーズ、
ガルマイヤー軍団のゲスハンター。前回掲載時にはボックスアートだけだったけど
彩色品があがってきたので撮影させてもらった☆
これは某賞金稼ぎの息子版で、
次回の2期カラーでは複製ロボットに戦闘パターンを提供した
某おとうさんのほうに彩色されて販売される予定。
インナーヘッドが某装甲騎兵の最低野郎たちのヘルメットになっているのも
ちょっとしたサプライズカナ?


【想い出の糸車/三田村邦彦】

テレビ朝日系ドラマ「新・必殺仕事人」エンディングテーマ

http://www.youtube.com/watch?v=ORXZIY59caI

【あざみの如く棘あれば/茶木みやこ】

TVドラマ「横溝正史シリーズⅡ」エンディングテーマ

http://www.youtube.com/watch?v=aPXD915n2IE



デザインフェスタVol.38ソフビ①

2013年11月03日 | インディーズソフビ



あす(3日目)もデザフェス2日目があるのでそこそこに寝ないときびしいのですが、
できるところまで写真を掲載しておきたいと思います。このエントリではソフビ関係の
メーカーさんを訪れて撮影したものを中心に紹介します。
2日目に会場にくる方もいると思うのですが、jここに挙げたメーカーさんはほぼ
全社2日目もブースをとっているようです。そふび道ブースのメーカーさんは全社
出席すると聞いています。気になるモノがあったら会場を覗いて
みてください。今回はデザフェスも抽選になってうからなかったところが結構出ている
ようです。そのためかソフビメーカーも前回よりやや減った印象です。




だんだん頭が増えていく。。。WOMBAT TOYSさんの三頭魔人。
C-310ブース。



サンガッツさんの松茸和尚ガチャポン。完売御礼。



PICOPICOさん。大怪獣サロンの新商品、怪獣たすきをもってポーズ。
ナチス帽をかぶると「大鉄人17」の敵キャラ、チーフキッドみたいですね。









ヤモマークさんのスタンダード新作、カーネル星人に操られる鶏怪獣ザンギラー。



こちらがヴァイアグラス。キンギョザウルスの頭を新規頭部で変更して
凶暴性をアピール。



BLObPUSさんのブース。サラマンダージョーのカラフルなブロッパスカラー
カスタムが開場時にあったのですが、自分が着いたときには売り切れていました・




BLACK RABBITさんのブース。







ソフビ道近くのPP.PUDDINGさんのブース。



そしてPPさんのこれは新作?原型写真。PPさんの場所はそふび道の並び、
KARZWORKSさんのお隣です。



One up.さんのブースにあった魚怪獣コイジャラスの原型。
PICOPICOさんが原型を担当。





ドリームロケットさんのブース。怪人シリーズの蓄光タイプと
ゴロネコオネを販売。



One up.さんの商品だったっけな。ドリロケさんが原型を担当した
KAMIKAZE。









バイオメカノイド系カスタムペインター、
トッド・ロバートソン氏来日!
MAXTOY総帥のマークナガタ氏も午後到着。





KIKKAKEさんのブース。ピエロヘッドの小鉄猿の彩色版と黒い小鉄猿をリリース。
2日目も別なカラーを持ってくるのだそう。
C-322ブース。





とにかく色鮮やかなカスタムが集結したRampage toysさんのブース。





おなじみアキバ系あみぐるみメーカー、ドル・ロッフォさんのブース。
映画が公開された時節柄、「あーあれはQべ(●!」と白くて耳の長い
あみぐるみの一体が通りすがりの女の子たちにウケていました。



オリジナルの猫ソフビをリリースしたメーカーさん。
奥さんの描いた飼い猫を絵本化し、そのキャラを自身で製品化したのだそう。
会場でソフビファンの知人に教えてもらい、ブースを訪問。
ちょうど通りすがりで声をかけてもらった怪獣少女の原型師・アベさんも同伴してくれて
一緒に見に行きました。アベさんもメディコムトイさんのソフビの原型のお仕事で
今年末に向けてMAXでいそがしそう。でも今日は息抜きというか、
楽しそうに会場を見て回ってました。



大阪からあやってきたキャンディーのようなキレイ系ふわゆるお菓子系ソフビメーカー、
Refreshmentさん&Popsodaさん。ハロウイーンはすぎちゃったけど
トリックオアトリート気分。なんと猫ちゃんが戦車に載ってます(驚愕)。



サンガッツさんのブースで発見したモテグリン。鈴木製作所さん製。ひさびさの
復活。さかさにすると別な怪獣になる奇妙なデザインのオリジナルモンスター。



カニフライ怪獣サプライズが新色登場した、Chima Groupさん。
2日目も参加しているとのことです。Cー342ブース。





念願の天狗ソフビをリリースし今回はカスタム品と通常品とを販売した
てんぐアートさん。一個一個に作者による天狗愛のこもった筆使いが施されています。
C‐220ブース。女の子たちがてんぐストラップのおみくじをひいてました。

帰ってきて取り急ぎの現場報告になりましたが、
ソフビ関係のブースはC-303~307番台がそふび道さんで比較的周辺に集まってます。
2日目も初日出展してないメーカーさんが出ているようなので、ちょっと遊びに
いってきます。。。現場で合ったらよろしくね。

今回タカタカさんと初めて話したにゃー・よく考えたら今までイベントとかで
よく顔合わせてたんだけどね。THREE A関係のコミュのヒト達もソフビ系の
ファンが多い様子ですね、こけしやケシキャスト等に商品への関心が拡散するなど、
ソフビ界のお客さんの層も他ジャンルとミクスチュア的になってきた感じだなー・

(皆さま1日目おつかれさまです 文章作成中。。。)

資本社会ポディマ

2013年02月03日 | インディーズソフビ




インディーズソフビムーブメントもいつから始まったというのを定義するのは
個々の目線で異なると思うが、要は作り手として熱くなった時期、買い手として
ムーブメントに注目したときがそのはじまりとしたなら、
ブログの筆者である自分にとっては、インディーズと呼べるオリジナル系の
ソフビが登場して専用の消費者とウォッチャーを創出する
マーケットのようなものを形成してから、
すでに10年が経過するくらいの地点にあると思う。

ここにきて、個人製作としてのクリエイティビィティで見ると
かなり風変わりかつ異端な、作り手が平坦でどこまでも続く日常に
穴を開けるべく弓を引くようなインパクトを持ったソフビが
人知れず誕生している。

ソフビ界もメーカー数のクラスターが分岐して、すでに個々の趣味人の中で
括られた「シーン」が存在して進行しているので、全体に通定した
進行状況の把握やなにが売れ線かなどといった分析はもはや誰でもできないし
無意味だ。
ソフビを手にした個人個人の価値が優先される評価基軸が本来インディーズ
ムーブメントというコアな分野を支えてきているパトスの源泉なのだから。

そして、いつしか
「自分が作りたいソフビ」が
「自分がインディーズソフビ界で承認されたいソフビを作る」という
先達の成功したプロダクツの造形や販売スタイルの定形の鋳型に
自分を押し込めるようなインディーズという言葉に似つかわしくない状況さえも
時に出てきている。

その中にあって、自分にしか出てこない発想、他の誰にも作り得ないデザインや造形で
「自分はこれをやりたい」というオリジナリティを明確に横溢させた
ソフビを生み出すというのは
作り手にとっては手がける強度も高い、モノの周囲に纏う燃焼温度も高い、
真にエキサイティングな状況を生み出す結果になるといえるだろう。

今回のように「ポディマ」のようないかにも異端の強烈なプロダクツが出てきて
好事家の元で人知れず愛好されるアングラな雰囲気と濃密さを共犯的に持続させながら
シーンのテンションを維持している状況こそが、インディーズソフビ界が
本来あるべきカタチである、といえそうだ。

インディーズソフビは本来資本的な目線とは異質な、送り手と受け手の側の
個人同士によるパーソナルな「作りたい」「欲しい」という濃度が
存在してはじめて成立する商品文化であると思うからだ。

そしてこれだけ情報化の時代が進行してモノの情報がネット上に溢れていて
なんでも検索すれば情報が出てくる状況にあっても、多くのヒトが目撃していない
得体の知れないソフビというのがこの世にはいくつかある。
その存在はあたかも妖怪や未確認生物の目撃情報や、都市伝説のようだ。
2012年末に密かに都内で1期カラーが販売された、この「資本社会ポディマ」もその一体。

「資本社会ポディマ」は上の状態が通常の置き位置にあたるようだ。



手にとったヒトの目線で自由にポージングして、あなたの想像する「資本社会」を
ポディマで表現してほしい、と付属のライナーノーツにしたためられている。
そう、ポディマはこのセカイの「資本社会」を作者がイメージした
ソフビなのだ。

作者によると「文明社会を妖怪や怪物に例える作風で、このポディマは
2つの顔が成功者と敗北者とを生み出すことで成立する資本社会のルールがもたらす
ヒエラルキーを創出しないと成立しない経済システムの矛盾と
資本経済が常に強者と弱者を生み出す残酷な様相をカタチにしたソフビ」という。



「ポディマは陰と陽の表情を持っている。

勝者と敗者の関係が表されている。

現代の資本社会の成り立ち。

弱者の痛みを知り、勝者に導くだろう」

(付属のライナーノーツより)。



「変形するポディマ

 ポディマは様々な形状にて、何通りもの立ち位置があります。

好みの位置を見つけ出し資本社会の位置づけ同様、紐解いてもらいたい」

(同)。



このライナーノーツの説明から推察するに、ポディマの2つの顔が
資本社会の闘争の歴史の中から躍り出た成功者が資本主義の法則に則り
敗者を生み出すプロセスを1体のソフビの中で表現している、ということのようだ。

怪物は文明社会が、人間のココロの中の闇が生み出す。

ポディマの作者に間接的にだが聞いたところ、

「都市伝説的な目線で現代に妖怪が存在したら、ということでデザインと造形を
模索してきたが、形のとらえどころのない、その姿を見るヒトによって変える
存在としてソフビにしてみたいと考えた」のがコンセプトの最初期にあった。

いわゆる人間型の怪物ではなく、形も自由に変えられて手にした者のイメージに
合わせてかん着を動かしてこのポディマのカタチの中にイメージを見出してほしい」、
というのだ。



聞くところによると昨年末に都内のある店舗で販売したさい、特に事前告知等も
しなかったのだが、最初のこのラット・フィンクのようなカラーのポディマは
クチコミとたまたま来店したお客の範囲で完売したのだという。
特にアート系の目線のヒトがこの不思議なカタマリである
妖怪とも怪物ともつかないソフビに関心を示してくれたという。



作者については自分もポディマをデザインするまでの経緯をさらっとしか
聞いてないが、80年代以降の都市伝説ホラーやゲーム的な目線で描かれた妖怪の
ルックスにインスパイアされた気配がうかがえる。



妖怪への目線が、古寺や墓場ではなく、地面が土でなくコンクリートに覆われ、
夜でも街に灯がともる都市空間に舞台が移った頃の妖怪ーー

「ゲゲゲの鬼太郎」で例えるなら、85年オンエアの
3期頃に慣れ親しんだ視聴者世代のイメージした妖怪なのではないかと思う。
ソフビを作った作者の世代が作ったキャラクターの中に刻みつけられるもので、
妖怪が昭和から平成にリニューアルされ都市空間に跋扈するようになった頃の世代の
生み出した新しい潮流を繋ぐプロダクツではないか、と興味深いものを感じた。



ポディマの足の根元というか腹に当たる顔は笑い顔のろくろ首のような
長い頭部が漆黒の虚空を漂うのを2本の足で支えている。
腹の顔が笑い顔を支えていることでポディマの通常の体勢=体制は保たれる。
その均衡が崩れたとき、ポディマはまた別の容貌を見せることになる。
1体の怪物の中にある満ち足りた表情の怪物の顔、虐げられた怪物の顔が
拮抗して成立するその姿にあなたは何を見出すのだろうか。



ポディマの佇む姿に自分が見出したのは「バランスをいつ崩すかもしれない
資本社会のあやうさ、はかなさ」だ。そして一度、今ある日常が崩れた時に
ヒトビトは自分の崩れた日常に異界の裂け目を、自分にしか見えない妖怪の姿を
見出すことになるのかもしれない。

あたかも存在自体が都市伝説のような謎のソフビ「資本主義ポディマ」。

思うに、我々が日頃日常で刮目しつつ多数のメーカーの活動動向を見守っている
インディーズソフビムーブメントというステージの存在を思い起こしてみるといい。
そこにはイリーガル&アンダーグラウンドマニアックな場所。

隠花植物が生息する淫靡なセカイのような一般社会と隔絶された場所で
ステージが進行する中、送り手と受け手が売買を行っている。
ソフビのセカイはあたかも資本主義のシミュレーション。作ることを欲するものと
手にすることを欲するものの間に発生する欲望が往来することで成立する
カリカチュアライズされた資本社会そのものではないか。
そんな場所でこそポディマは実体化を果たしたと言えるだろう。

アンダーグラウンドな世界観に蠢く人間の欲望の潮流の中に
ポディマは存在し、異形の姿でその姿を見た者、
手にした者にヒトのあはれを鏡のように映し出す。ポディマの浮かれたような上の顔は
実は生きることの悲しみをも背負っており、
苦悶に満ちた表情で佇み自らの全体の均衡を生ける門柱のように支え、
保っている下の顔は生を繋ぐ強い欲望の意思を表している。
ポディマは誰の心にもある成功や収奪からくる慢心や虚栄、欺瞞と
伴う自らの苦しみとを一人の人間の中でギリギリのバランスによって
拮抗し、コントロールすることでヒトたらしめしている姿そのものをソフビに
したのかもしれない。



怪物は人間の存在を映す虚構の鏡。「資本社会ポディマ」という怪物。

ポディマは我々の生の律動を支えている欲望の構造そのものをカタチにした
怪物なのだろう。その姿に不安を覚えるとしたなら
あなたのココロの中にもいるポディマの姿に目にしたということなのだろう。

昨日、そして明日、ヒトビトは何処にいくのか、そして我々は一体何者なのか。

震撼すべきは怪物にではない。人間の持つ自分自身さえも時に捉えようもなくなる
ココロの闇にだ。それは公害怪獣のように、ヒトがこの世に存在する限り
この世からは消えることはない存在だ。作者は妄想の末にこのポディマを
ソフビとして具現化させた。
ポディマは人間の震撼すべき人間のココロという怪物を
カタチにしたソフビなのだ。誰のココロの中にもこのポディマは佇んでいる。








鬼城/OLLIE×怒羅鬼

2013年02月02日 | インディーズソフビ




節分特別企画というか、ソフビの虫干し。
節分の時期になるとお雛様のように鬼モチーフのソフビを飾ってみたりして
鬼の押し出し。

ZOLLMEN 怒羅鬼&製作メーカー不明の鬼の子供ソフビ。



そしてMVH OLLIE 1期Velocitronカラー。
ジャンボマシンダーみたいにデカい。
自分なりに咀嚼された「鬼」のイメージをカタチにしようとした
外人さんのソフビへの夢がこもっている。



手がスパイク状に腕と同化しているのが殺傷力高そうでナイスアレンジ。







1期は蓄光バージョン。背中の塗装が桜のモンモンみたいで
絵人間状態。銭湯やプールでお断りされそう。



ソフビを作り始めた頃のアイテムなのでややラフさが目につくが、
かえって荒々しいミリキも漂っている。今、同じ作者がこのOLLIEを作るとどんな
仕上がりになるのだろう。
思えばこのOLLIEは、外人のカスタムペインターがある程度のサイズで
製作したというなら、モニュメント的なソフビではないか。
















怒羅鬼はドラゴン+鬼がモチーフだろうか。
首飾りや日本刀や鬼スパイク(金棒)など手にしている武装は
タコが勝手につけたもの。



最初に発売された赤鬼カラーと青鬼カラーの怒羅鬼についていた
人面落武者犬君。豪放磊落な表情の怒羅鬼の横に置くと
なんとも心もとない表情と佇まい(元ネタは主人の好きなレコードに聴き入っている?
某レコードメーカーの犬?)がたまらない一品。

















眉毛が稲妻風にディティーリングされているので
鬼というよりは雷様の子供だろうか。
虎皮パンツはタコが自作して履かせたもの。
実際の商品はビニールか何か樹脂のパンツを履いていたのだろう。



怒羅鬼の連れている鬼の弟子みたいな感じで一緒に飾っている
謎の鬼の子ソフビ。
餓鬼たちが蠢く地獄のアミューズメントパーク内を地回り中。






というわけで鬼は外。

STARCASE ハーロック

2013年01月31日 | インディーズソフビ



高円寺のSTAR WARSをフィーチャーしたTOYショップ、STARCASEさんの
宇宙スーパーコンボイシリーズ第3弾「ハーロック」。
先にセカンドカラーがリリースされました。






このハーロックから宇宙スーパーコンボイシリーズは受注販売になった。

店長「国内外からのいろんなお客さんの反響に驚きつつ、欲しいお客さんが
より確実に手に取れるように今回より受注に踏み切りました。
毎回手に入ったソフビでたっぷり遊んでもらえたらこれに勝る喜びはない」とのこと。
実際、STAR WARS人気の昭和当時の空気を思い出しつつアリイのパチプラモシリーズの
再来として楽しんでいるSWファンのヒト、
パチキャラクターソフビとして楽しんでいるインディーズソフビファンの双方の
ファンが盛り上げてくれて、層の厚い支持者を獲得したソフビシリーズとなっている
様子です。





元ネタビンテージのアリイプラモ「宇宙スーパーコンボイシリーズ」は
STAR WARSキャラをイメージしつつも
腕にドリルがついていたり妙~な等身バランスだったりと
アナログな仕上がりかつ表現上の自由度が高かった当時のTOYマーケットの目線で見ても
かなりのユルめなアレンジが入った仕上がりのプラモシリーズだったのだけど、
STAR CASEさんの「宇宙スーパーコンボイシリーズ」では
そのテイストをリスペクトしつつ受け継ぎ、オリジナル同様にユルさと愛嬌を持たせた
シリーズに。
アリイプラモのソウルを受け継いだ平成の新訳プラモシリーズといっていだろう。



「インディーズソフビ界では緻密に仕上げられたいろんな商品が出ている
中、ここまでユルさを追求してはみたが、当初ははたして
受け入れてもらえるのかとじつは思っていたんですが、
元ネタのプラモのイメージの延長として現代に新訳したということで
お客さんにもノって集めてもらえているのも嬉しい。
STAR WARSファンの一人である自分にとっても楽しめる商品を
手がけることができた」
との話。

「海外のSTAR WARSファンのヒトたちも昭和日本のブートレグプラモの再来的な
意味合いで毎回仕上がりを楽しみながら手にとって楽しんでもらえている様子で、
反響の大きさとSTAR WARSファンの興味の間口の広さに感心した」という。







これからのシリーズでは、オリジナルのアリイプラモで発売されたキャラクターが
あと3点あり、
これもSTAR CASEオリジナルソフビとして新たなアレンジを入れた製品を
続投していくとの話。チラッと聞いた話ですが、新作もオリジナルSWをリスペクト
したニヤリとするようなネタが新たに追加されているようdeath.
そして年内には続編作からのキャラクターもこの宇宙スーパーコンボイシリーズの
一体として(つまりオリジナルプラモに存在していなかったキャラクターとして)
お目見えさせたい、との熱意を表明している。

「当時宇宙スーパーコンボイシリーズがどんどんラインナップを増やしていっていたら、
という仮想の元に未製品化キャラクターも妄想力をふくらませてソフビ化していきたい
ので引き続きお付き合いのほど、よろしくお願いいたします」との話。
昭和の版権怪獣未ソフビ化商品の補完と同様の熱い気炎がSTAR CASEさんの中で
沸き起こっているようだ。



近日中には第3弾カラー(いつものアートボックス入り仕様)
が販売を予定。第3弾には第1弾・第2弾の武器が付き、さらに第3弾専用の
ニューウェポン(店長曰く、「ユルい光線銃です!」)が付く豪華仕様に
なるのだとか。





RAMPAGETOYS STUDIO

2013年01月30日 | インディーズソフビ



SOFUBI,KESHI RESIN,ILLUSTRATION,AND MORE!



日本在住のソフビ&キャストメーカー&カスタムペインター、
RAMPAGE TOYSさんが自宅にスタジオをOPEN。
カスタムケシ、レジンフィギュア、キャラクターアート、そして
オリジナルソフビ。

驚異、未来の駄玩具「ケシキャスト」とは何だ?!

和風のスタジオに集結したそうそうたるソフビメーカーさんたちによる
RAMPAGEカスタムアイテム。
RAMPAGE TOYSさんの作風を映したキュートでカラフルなソフビとフィギュアの
発信基地をちょっとのぞいてみましょう。。。



1月中は仕事の行き先で新年の仏閣詣りを続けているタコ。さっそく鬼子母神に
お参りしながら週末までエキシビジョンウィーク中のRAMPAGE STUDIOSを訪ねた。

場所は雑司が谷の観光名所、鬼子母神の真ん前だ!
RAMPAGE STUDIOSの住所は東京都豊島区雑司が谷3-14-9。
最寄駅は早稲田始発の都電「鬼子母神前」下車が近い。




























ケシキャストは日本の塩ビ人形のように柔らかいキャストで成形された
ケシゴムタイプのプラスチックフィギュアだ。
ゆで先生リスペクト風味なオリジナル超人・怪人の
ケシキャストが続々登場。海の向こうでは熱いファンにより、
怪獣ソフビだけでなくキ●ケシも
オリジナルワールドを展開するようになっているんですネ。
ケシキャストバトル専用のリングを製作しているメーカーまであるらしい。

今回このスタジオに製品を提供したメーカーさんの数を見ても、
ケシキャスト専門でクリエイト活動をしている
作家さんもたくさんいるみたいです。今回のレセプションでは
RAMPAGEさんがカスタム塗装したケシキャストも販売。
ケシキャストが日本でも新たな立体素材としてこれから浸透するか?
見守りたいところDeath.







今週末までレセプションを開催。イベント以外の普段の日は
奥の四畳半は見れないらしいのでこのスペースの使用画像はレア。
ストローマット(畳の松本零士的表現)の部屋で外人さんが生活している
と「ベルリン忠臣蔵」とか、日本文化を取り込んだ外国映画を見ているみたいで
楽しいです。古い日本家屋をRAMPAGEさんのご夫婦で買い取って
RAMPAGEさんが自分でスタジオ用の内装をレトロフィッティングしたのだとか。
自分だけの隠れ家にしないで、今後は自分と仲間たちのソフビカスタムイベント
などの場所に提供、みんなにも楽しんでもらいたい、とのこと。
RAMPAGEさん「出してないけど、じつはコタツもあるんですよ!」
日本びいきなヒトですネ。















2匹いる愛猫。この子はちょっと人見知りするタイプ。でも美猫だねえ。
だんだん近寄ってくれるようになったけど。
お客さんたちに慣れるまで、RAMPAGEさんの傍らを離れませんでした。



そしてこの子がとにかくデレデレでびっくりでした。
初日に遊びにお越しになったウアモウさんがすっかりこの猫たちに
とりこじかけのあけくれになったとか。わかるわかる。

RAMPAGEさん「ねこカフェも開こうかと思っています」いいかも。
猫たちはRAMPAGEさんの敏腕なメイド兼営業担当になりそう。



UAMOU×RAMPAGE TOYS.



RAMPAGE TOYSのメインアクター、
アグリーユニコーンのPOPSODAさんカスタムペイント版。











お店の外観。外人さんが日本に住む時に、古い日本の家を自分の生活に
合わせて手を入れるといったライフスタイルを見る意味でも
RAMPAGEさんは興味深い風景を見る者に提供してくれる感じです。

彼はソフビという独自の日本文化に接しながら、日本人の生活に憧れ、日本に住み、
日本語を流暢に話し、今ではすっかり溶け込んでいる。その生活風景を前にすると、
日本人のくらしが本来持つささやかさや楽しさやつつましさといったものを
われわれ日本人のほうが逆に気づかされる瞬間もあることだろう。

そしてソフビがインディーズムーブメントを通じて日本から発信されて
各国の好事家へと広がり、やがて海外でもソフビを作るヒトたちが出てきて
逆に海外産のソフビに日本での愛好者が増えるような状況になっていくのも
同じ目線で語ることができるのではないか。
海外から自分の作りたいソフビを作って発信しているメーカーは
日本人のソフビに慣れ親しんでいる我々もまだ気づいていない角度から
ソフビのもつミリキに気づいていて、作る上でそれを咀嚼しており、
日本に居る我々のほうが彼らの作ったソフビの
新鮮さに驚かされる瞬間がこれからもっと増えてくるのかもしれない、ということだ。

細身の彼が日本家屋を改装したスタジオの一階と二階を高い階段を通して
パタパタと行ったり来たりしていると
「アメリカン忍者」の一場面みたいで微笑ましい。
RAMPAGE STUDIOSはソフビ忍者屋敷だっ!
しかし多くが洋風のソフビやフィギュアなのに、置いてみれば、
妙に日本的な佇まいにしっくり合いますね。
彼は自分の趣味に合った居心地のいい空間づくりで何かをつかんだ感じです。
3月には、このスタジオでone up,さんなどで活躍中のソフビとマシーンとの融合を
追求するバイオメカノイド系カスタムペインター、トッド・ロバートソンを
フィーチャーしたソフビカスタムイベントを開催する予定だそうです。



タコは前々からこの前段にあるGRUMBLE TOYさんの猫のソフビ「チャビー・タフ」が
欲しかったのだけど、なかなか日本では見る機会がなかった。
今回GRUMBLEさん本人の塗装による一点ものがあり、入手できました。

量産版のオレンジのアメリカ猫風カラーもあったけどもう売れちゃったんですよね。
でも結果オーライでこいつもカワイイ。
なんというかカワイイっていうんでもないのだけど、得も言えない表情と
手足のデフォルメ感が効いていてこれはうれしかった。
成形がミウラのパチ怪獣ソフビみたいでカチカチ
かん着がギコギコなんだけど海外の工場で一生懸命作ったんだろうな、
作りにアナログ感漂うところもまた好感DEATH。
こんなユルい猫がハリーハウゼンの人形アニメみたいな動きで
自分の後をちょこちょこ付いてきたら萌え死んじゃいます。
GRUMBLEさんのデザインはkeyさんが原型を担当したマンモラーやワームラーも好み。
あと、イリスだっけ、あのラルゲユウスみたいな鳥も持ってます。



2月2日より、お店からSPLURRTさんとのコラボアイテム、
「屍少年」(サイボーグ?フランケン?ver.)
のRAMPAGEカスタム版を発売予定。

Oneup.私のいじったネゴラ展2

2013年01月29日 | インディーズソフビ



また週明けから雪かも?との天気予報が出ていたので足止めされないように
バタバタと週末から仕事を先に進めていたんですが
ありゃー、降らんかったわ。

んなわけでOne up. さんアキバZONE店でただいま開催中の
「私のいじったネゴラ展」、先週日曜に物販が行われたMAXTOY総帥の
マーク・ナガタ氏とマシンモンスターカスタムの帝王トッド・ロバートソンの
カスタムネゴラ展の模様もタコブログで先日紹介しましたが、
第二部として、今回はネゴラを常日頃こよなく愛するファンのヒトたちが
カスタムペイントしたネゴラたちが一堂に会しました。

SFスペースヒーロー風あり、ファンタジックなプリンセス装束あり、
RPGで戦士を待ち受けるモンスター風あり、やんちゃな下町のドラねこ大将風あり、
怪獣と戦う光の国のヒーロー風あり、ファンシー系とばかりにあみぐるみを着ていたり
全身スワロフスキーでキラキラに飾られれていたりと
アキバという場所柄、ネゴラたちもあたかもコスプレイベントに
張り切って参加しているといった面持ちです。

そういえばOne up.さんのファンによるカスタムコンテストは中野店で恒例で
開催されていたTOUMAさんのスキャットルカスタム大会が懐かしいですが、
久々にそのノリての開催とあいなりました。

アキバZONE店の展示ブースに集まった力作の数々をさっそくのぞいてみましょう。



































































ウツギヨ怪神ギーヨ×怪神ゲブー

2012年12月15日 | インディーズソフビ








前の記事にも書いたけどこの時期タコは
年末作業の変則下で半突貫工事状態の作業をバタバタやっとるのだった。
といってもいったん坂道を登りきると少しラクなんだけど~・
ふだんはユルくしか廻ってない脳みそを無理矢理稼動させるのがヘビー。
のび太がやかんとまくらを抱えて大変だ大変だって言って
走りまわってるシーンがあったでしょ、あんな感じだ。

こんな一年で最もあわただしいときに持ち主の脳のドライブがエンスト寸前だからと
使ってるブルーレイレコーダーまでが突然起動しなくなって
ビビッたりなんか。おいしっかりしろ持ち主の真似スンナ

多忙な時に身の回りでよく使ってる機械の故障なんてのが上乗せして
起きるもので・酷使しないよう用心はしていたのだが。
もともと前の機種の故障部品調達がまあまならないことで
メーカーさんから格安でご提供いただいた品だったので、
まー、そんなもんかいなと思っており録画したデータもあきらめ半分でいたのだが。
しかし、いらっしゃった出張スタッフさんの弁によると
どうも部品がハズレの機体だったらしい。

冷却ファンの交換のみで解決するとの診断(補償期間中)、HDのほうは交換せずに
済みました。まだ観てない録画が全部消えることはなくなってほっと一息というところ
なのですが。。。
てなわけでどうにかこうにか乗り越えたい年末だったりします。



そうそう、大阪で開催予定の「ドキドキソフビ万博」でインディーズソフビメーカーの
ウツギヨ(名前は漢字で宇次庸、と書くらしい)
さんが久々に復活していて、友人にもギーヨってどんなソフビ?と尋ねられたので
ちっと載せてみることに。出してきて固まってたマントをドライヤーで
直したりしてたら懐かしいヒトに会ったみたいな気分になりました。
2011年秋のスーフェスで購入した怪神ギーヨとゲブー。

この時に販売したのはクリア素体にツヤ消し塗装したタイプ。
ギーヨは背中にまとっているマントもクリアビニールを使用してます。
ゲブーはその名のとおり亀の怪人らしく背中に甲羅を背負っていて
やや猫背の前傾姿勢です。
イメージするところは昭和レトロな「怪人二十面相」とか「月光仮面」などに出てくる
怪盗や怪人のマスクみたいなビジュアルモチーフでまとめたことがうかがえる
キャラクターであります。




当時イベント会場でご本人から聞いた話を羅列すると、
このギーヨとゲブーはいわゆる神獣の朱雀(鳳凰)と玄武(亀)にあたるキャラで
東西南北に配置されている怪神らしい。
つまりあと虎、竜にあたる怪神のキャラクターが設定上存在するとの話。





普段ウツギヨさんは深い山にこもって立体作りの修行を積んでいる
(今はどうかわからない)。ちなみにスーフェスでの販売時には3人の
スタッフさんがいたのですが、それぞれのヒトが話をしてくれたのはよかったが
タコが聞かなかったので、どの人がウツギヨさんなのか結局わからなかった。

双頭の怪物、ツイル人は4体の怪人とは別の物語設定で存在する
キャラクターらしい。。。とか。
HPにある、怪人たちが額縁に入ってる写真は設定上で何か意味があるらしいのだけど、残念ながら忘れてしまった。



ウツギヨさんはこの3体のソフビをリリースすると同時に
2011年の原発事故にインスパイアされたらしき「プペル人」「フルアーマーロボ」なる
ソフビや、ミニサイズのツイル人ソフビの製品化を目指して原型を発表しているけど、
未製品化のようですね。その活動といい、謎の多いメーカーさんではあります。








よく考えたらウツギヨさんが活動開始してから
(最初にスーフェスに出店してその後は活動が停まってたようですが)
もう1年半経ってるんですね。早いもんだ。思うにプペル人も原発事故をイメージした
ソフビシリーズを目指していたようだし、2011年はソフビ関係の創作家にとっても
大きな非日常のインパクトをもたらした年だったのだなと改めて思う次第です。
今回大阪で復活した奇妙な怪神たちはどんなインパクトをもたらすのでしょうか。

RESTORE/DEBRIS JAPAN

2012年12月03日 | インディーズソフビ




今年のソフビ今年のうちにレビュ~シリーズその1.
RESTOREさんのソフビフィギュア第1作「DEBRIS IAPAN」。
次回作となる「KINGDOM MIND」がさきの紹介になってしまったんですが
こちらも手堅い造形力とアレンジの妙からRESTORE流の魔物を創造。
鬼ともゴブリンともつかないオリジナルクリーチャーとしての仕上がりを
アピールしています。

このブルーパープルの成形色のDEBRISはファーストカラー。
顔に張られた護符と鈴、ふんどし、石切包丁が付属しています。

護符は一本角にかける分と目をふさぐ分と2つが用意されており、
一枚一枚手書きで呪文らしきものが筆書体で書かれており
驚異的な丁寧さで製作されている点がなんとも恐れ入ります。
そしてその手作り感がフィギュアの枠を超えた
作家による工芸品的な精緻をもいかにも極めている仕様となっています。








久々に「獣の檻」にてロケーション。
あらぶる怪物が犯罪博物館に収監されているタコのイメージで撮ってみました。









顔にお札?護符?が貼られてその強大なモンスターとしての
チカラをセーブされているかのよう。筋肉表現のリアルさをアピールするDEBRISを
あえて静の表現として護符の封印状態にしていることで、
たたずまいにもし護符が外れたら?と想像させる得もいえない緊張感がありますね。

動かすときには腕に付けられた小さな鈴が鳴ります。
もしDEBRISの護符が外れて動き出したら!と
いうまさかの時のための措置なのでしょうか。








DEBRISは発売されて結構たっているので、解禁してもいいだろうか。
これが護符をはずした状態の素顔。

想像していたよりもつぶらでピュアな感情をうかがわせる瞳ですね。
KINGDOM MINDもですが、RESTOREさんの作る怪物たちはどこかピュアな
表情で、異形の者として恐ろしげではあるものの、不思議と邪悪さは
感じさせないのが印象に残ります。










付属の石切り包丁。地獄で鬼が亡者を切り刻む包丁を想像させます。
80年代以降のホラーキャラクターフィギュアの時代に感受性を強く刺激させつつ
立体製作者としての腕を磨いてきたRESTOREさんは現代ならではのホラーキャラクター、
クリーチャーワールドを立体作品として模索しているということなのでしょうか。



露出狂の方みたいなはずし方ですまなんだ、なんですが、
そしてこれがふんどしの下の〇〇〇〇.色が!



鬼を造形モチーフに取り入れたソフビは最近各社で多くみうけられるのですが、
このDEBRIS JAPANはミドルサイズのボディの中に、キャラクターの物語を想起させる
多彩なアイテムや造形表現により、手にしたヒトそれぞれがストーリーを想起することが
できるユニークな仕上がりとなっています。

フィギュアにありがちなリアリティによる完成度だけで押し切らずに
受け手の感性にゆだねつつストーリーをうかがわせ、自由に妄想可能なつくりに
しているあたりは創作者としての演出力や懐の深さを同時に感じさせるところですね。







自分はどちらかというと昭和的なレトロ造形がもたらすイメージの可塑性を
支持する向きではありますが、RESTOREさんの作品は現代的なフィギュア方向から
くるリアルさに根幹のアイディンティティがありつつも、それだけで押し通さずに
キャラクターの物語としてソフビという素材の特性を生かした、
バックボーンをも想起させるつくりが確実に伝わってくる点を
評価したいと思います。

ソフビ素材の可能性から表現できるキャラクターも多様性を示している昨今、
RESTOREさんはその点に先見を見出しつつ動き出しているメーカーさんでは
ないでしょうか。





昨今は商業原型師として「ドロヘドロ」のガチャポンフィギュアの原型製作など
でもその見事な腕を発揮。
異形の者を精緻に、かつシャープに仕上げる腕前は多様な製品のプロデュース上で
生かされそうです。
RESTOREオリジナル2作目のKINGDOM MINDは「可動」に着眼し
複雑なポージングや表情の自由度を実現するチャレンジャブルなソフビフィギュアを
生み出しました。
またホラー系フィギュアが国内であまり多くない昨今、クリーチャー系キャラクターに
対する造形的関心を持っている点も頼もしいですね。
RESTOREさんの立体製作者としてのスキルは
さながら封印されていた護符が解かれるように、
これから発揮されていくことでしょう。

RESTORE/KINGDOMMIND

2012年11月01日 | インディーズソフビ



RESTOREさんのソフビフィギュア第2作、
KINGDOMMIND(キングダムマインド)ヘッダー。




「こいつはいったい何者なんだろう?」とじっくり思案していたソフビがある。
購入してから出来の緻密さやプレイバリューに驚嘆しつつも
記事には載せないでしばらく手元に置いて眺めていたソフビがこのKINGDOMMIND。
可動の形式や個別に成形されたアイテムパーツなどを見ても
ソフビ人形というよりはソフビフィギュアに近いですね。
送り手にしてみれば、これは「動かして遊んでほしい!」と望んでやまない
ところでしょう。
生々しい髑髏の顔を持ちバロック風の荘厳な教会を思わせる建物を
冠のように乗せている。
KINGDOMMIND、彼は自分を手にした人間にいったい何を説こうとしているのか?
それは全身に込められた多彩なギミックによっておそらく
明かされるところになるだろう。
そう、新しい領域のソフビTOYが誕生した。



手にしているのは左手に賢者の鍵、そして右手には片方の表紙にドーマンセーマンの
マークが描かれ、もう片方の表紙には「MIND」とタイトル?が記された本。おそらく
カバル的な錬金術系の魔法の書と見ていいだろう。

とにかく強大なチカラを手にした怪物なのだろう。その表情は老獪にして、
経験と達観からすべてを知り得た者ならでは到着した、
険しくもただならぬ内面を睨まれた者にうかがわせなくもない。







首、腰、腕と手首も動きます。ポージングにより、多彩な表情が生まれます。
顎に手をあてて思案に暮れるといった、けっこうコミカル目な表情もつけられます。








リアビュー。マントも少し伸縮自在な素材を使っているので、
持ち上げると伸びてここちよいです。
背中も胸と同じでミイラのようながりがりの痩身がむき出しになっています。




カンチャクではなく、ボールジョイント形式で胴体とはめ込まれた
首と腰、両腕が可動します。ソフビフィギュアと分類できる
製品としたのはこのため。しかし人体と同じでこのボールジョイントによる
可動を選択したRESTOREさんの意向はこのキャラに非常に合った的確な
ものであり、特に首の動きはリアルに骸骨のジョイント部のようにグリグリと
動かすことが可能になります。



付属のアイテム類もボールジョイントにより自由に脱着が可能。
キーの回す部分や本の腹の部分、頭に載せた教会は
緻密な彫刻が施されておりリアル系フィギュアやガレージキットの作りこみぶりでは
定評のあるRESTORE造形魂がここぞとばかりに注ぎ込まれています。
そして鍵には「RESTORE」と刻印。



魔法の書にもボールジョイントの凸球体が付き、
これを右手の平の凹部にはめ込む形式になっています。あまりはずすことは
通常のディスプレイ時にはないと思いますが、双方の部品にペイントされた
塗料が融着してしまうかもしれないので長期の保存ではパーツをはずしておいた
ほうがいいかもしれませんね。

頭部の教会の尖塔裏手の部分にも魔法系のディティール。
そしてスカートの下(底部にも)これは錬金術系カナ?の図像が
いっぱいに彫られています。






教会のようなカンムリ部分を取り外し可能。冠の端についた装飾で
はめこむ感じです。冠を外した頭部内には、
ドールアイの目が内側から取り付けられています。
ドールアイは可動し、でっぱりを指でグリグリと動かして
目の向きも自由に変えられます。



ちょっとファビョッたような表情もこんな感じで再現できます。
頭部に手を突っ込んで動かすというモンド風味満点なギミックではあります。

また下アゴも別パーツで口が開いた状態と閉じた状態が再現可能。
ずいぶんカクカク小気味よく開閉するので、つられて遊んでいる自分まで
口をパクパクしてあぶなく鍔関節症になりそうです。

とにかくソフビアイテムとしてはできる可動をすべて盛り込んだという感じで
全身のあらゆる箇所の表情が多彩に変えられるのが、作り手のモチベーションの高さを
アピールします。





KINGDOMMIND、脳みそパカン状態。
美食王のハンニバル・レクター博士が愛するクラリス・スターリングとすごす
ための夕食会のメインディッシュとしてつかまり、
生きたまま脳みそを取り出されて料理されてしまった
クレンドラーFBI捜査官のおぞましい最期を思い出しました。

立体解剖図的に各部位で遊べるソフビですね。
このようにいろいろポーズを変えたりしながらKINGDOMMINDのプレイバリューを
楽しんで思ったのですが、デザインと造形からイメージできたことがあります。




賢者の鍵と魔道書といった魔法にまつわる神話的なアイテムで武装して
強大な力を手にしてしまった者なのでしょう。そして頭部に教会という自分を律する
絶対的存在を冠する=理性であると。彼の佇まいは
本能と理性という二律背反したバックボーンの均衡下で
手にした強大なチカラを発揮する者の
バランスの物語という寓話性をも込めたかのようにも見えます。




もちろんRESTOREさんが製作時にどのようなイメージを意識して製品を作ったのかは
わかりませんが、作り手の意向が本人も意識し得ないところで答えを出している
のが造形物というものの面白さであり、またオソロシサでもあります。

先日紹介した、ターゲットアースさんの「双頭原人」の頭部がトンスラだった点や
双頭巨人のBEMON BALLの意味について自分なりの感想として触れたのですが
ストリートソフビに端を発したインディーズソフビムーブメントには
強大なチカラの象徴としてまずキャラクターがあり、そのチカラのコントロールに向けた
神話的要素がディティールとしてキャラクタライズされていることが
製品としてしばしばミリキを放つことが興味深いところではあります。

それは手にした者はソフビを所有することで、
一種の象徴交換として、あたかも強大ナチカラを供されたかのように
怪物たちを自由に動かし、それを制御できる神として
TOYに大して行使できる立場という自己イメージを
ひとたび味わうことができる・ということなのでしょうね。

そうだ、思いおこせばRESTOREさんの1作目「DEBRI JAPAN」は鬼というか
ゴブリンのような怪物の強大なチカラを、顔に貼り付けた護符によって
制御しているといった仕様ではなかったですか。

またRESTOREさんがソフビ製作以前に手がけていたガレージキットには
マッチョな風貌の男性キャラクターがBONDAGE的な服装でその身を
封印されているといったネオベイガニズム的な作風のものがあったのですが、
そこに共通して読み取れるテーマには
「チカラの制御」にまつわる神話の描出があるということです。
その演出上で、可動のないガレキから、さらにソフビというより可塑性の高い素材での
表現へとRESTOREさんが新たな領域拡大を今般果たしたのは当然の流れということ
なのかもしれない。




個人性の高い創作物であるインディーズソフビを楽しむという行為の背景にあるのは
そういう作り手の込めたキャラの内面やバックボーンの物語を造形から
たどっていくことなのでしょう。

ソフビは他の表現手段、たとえば小説のように文章でわからせるモノではありませんし
映画のように音楽も聞こえないし、セリフや俳優の演技で物語を伝えることが
できないのでそれをほとんど製品の造形のみで果たします。
そして作り手のコンセプトが明確に造形に反映されたときに、受け手が手にしたときに
造形物から読み取れるキャラクターの文脈とも呼べるものが背後に
明確に存在しているのだと思います。そしてその作り手の造形という「作劇」が
明確に伝わる製品こそが「よくできたソフビ」なのでしょう。

このKINGDOMMINDは作り手のスキルとキャラクターアイデアが合致して
ひとつのキャラクターのドラマを明確に浮かび上がらせています。
そしてそれを鍵や魔道書を駆使するかのようにして
読み取っていくのは個々の所有者=マスターによって果たされる、
ということなのでしょう。




RESTOREさんのHPにおけるKINGDOMMINDのページを見ると、
「新しいことに挑戦する」宣誓ともとれる言葉が表明されています。

先人の作りあげたものを超えて、「自分の意志で世界を想像することが大事だ。
造られ、与えられたキングダムマインドから
オリジナルキングダムマインドへ」(HPから抜粋)。

その挑戦からKINGDOMMINDは今まで誰も作ったことのない、もちろん
誰も見たことのないソフビフィギュアとして今回、第一歩を踏み出してします。
KINGDOMMINDの手にする鍵は、作り手が今なお標榜し続ける
自らの新たな造形領域へ向けた扉に挿すための鍵であり
製品を手にする者もソフビ表現の新局面へと共にいざなってくれる
パスポートなのではないでしょうか・


ランブルモンスターズSEVEN

2012年10月25日 | インディーズソフビ







WINDOWS8の発売を控え午前零時のカウントダウンを控えベルサールでも
おおがかりなプロモーションイベント中。テンションあがる夕刻のアキバ。
電脳街の夜はテクノロジーを手にしたヒトビトの進化への想いで路上も熱い空気に
包まれる!

そしてアキバカルチャーのメッカ、AKIBAカルチャーズZONEもこのたび1周年!
早いもんだな~。
One-up.さんも記念イベントで限定品を28日に販売する予定Death。
その準備に沸くお店におじゃましてきました。
波乱万丈、疾風怒涛ザブングルじゃないソフビ界!
ちょっと静かになったかと思ったらいろいろプログレスしてるみたいDeath!
MAXTOYさんの豆ネゴラガチャポンも第二弾発売に向けて鋭意準備中でしたYO。
スタッフさんがヘッダーシートやガチャポンのミニブックを
裁断しておられました。









何がビックリしたかって、ランブルモンスターズさんが今週発売した
完全新作、SEVEN。

今回は「バリアブル」とのお触書がランブルモンスターズさんのHPにもあり、
当然ロボに変形するんだろうな、とは思っていたけど、
これから何機か発売されてそのパーツの組み換えで合体とかカナ?とか思ったら
ところがどっこい、
単機でこのとおりカワイイ人型戦闘マシンになっちゃうんDeath。

ソフビのカンチャク可動によって、まったく部品の差し替えなしで
ガッチリタンクからロボにトランスフォームしちゃうじゃないですか。
これはたぶんインディーズソフビ界初の完全変形ロボ、カナ?
あっぱれDeath。タコも購入してきました。

お店に来たヒトだけに当面公開する情報として「変形後のロボモード」が
店頭展示されていたのですが「これはカワイイので、お店もイチオシ、
撮影してもIIYO!」とてんちょさんに許可もらったので。
でも実際に何も知らなくて買って届き、お客さん各自でギコギコ変形させて
気づいたほうがビックリしたんだろうな。。。





タンクモード。80年代ころの特撮とアニメがミクスチュアされた同人界とそこから
プロ作家になった漫画家が好んで描いたシンプルな線のコロコロメカを思わせる
ルックス。イイラインを狙ってます。あと「日本沈没」のケルマディック号の
ような無骨な昭和特撮メカ的でもあるカナ?タンクモードもいろいろ見立てが利く
好デザイン&フォルムになっております。
ロボモードもドルバックのパワードスーツ的というか、SF3D風味というか
ロボット好きのランブルさんらしいなと思わせる仕上がり。
タコ的に今回はサイコスピナーFirstカラーと同じ55ブルーで
ランブル変形メカソフビがそろってのが嬉しいDeath。









てんちょさん的には10月28日に販売される限定ミニサーティーンを載せて、
ガンダムでも最近流行りのベースジャバー風突撃シーンなんか演出して楽しんで
ほしいのココロ!との話。あっ たしかにこれはカッコいい。
機体上部の空間が開いてるのはほんとにこうやって他のソフビをお立ち台状態にして
遊ぶためにあるのかも。

リディ「可能性に殺されるぞ!そんなもの、捨てちまえー!!」

宣伝上手、っていうものではない、このSEVENがてんちょさんも
心底お気に入りみたいで、
ショーケースを前に、はじめてランブルさんに原型画像を
見せてもらったときからこのソフビにはワクワクするものを感じる商品だった、との
話。今回販売できるのがショップ冥利につきるというか、うれしかった様子。
つまるところ一人のファンモードでソフビ語りしておられました。
















こちらは28日にアキバZONE1周年で販売するヤモマークさんの
蓄光1周年記念限定ヤモバズーカ。



ヤモガチャもスーフェスには間に合わなかった購買意欲を喚起する
バックシートが完成、販売に向けて準備中。
ミニソフビがしばってあるのがいかにも昭和の怪獣ケシゴムガチャポンぽくて
ワイルドですネ。



ガチャポン豆ネゴラ第2シリーズは何種類発売されるんですか?とうかがったの
ですが、このミニブックの状態だとなにがなんだか。。。ものすごくいっぱい
出るということなんでしょうか。何か恐ろしいアソートに見えます。
蓄光タイプが混入されることとメカネゴロンが
入っているのは確かなようです。
コスモスのガチャを意識して、よくわからないフレーズを入れたり、わざと
版ズレもしてるように作ったとのこと。お店サイドもネゴラの販売に
自分たちも楽しむ、遊び心をいろいろ織り交ぜている様子です。
前回の販売ではお客さんが勝手に店の前でダブり交換会を展開したり、ほとんど
自治でおまかせだった豆ネゴラ。今回は前回の反省を踏まえていっぱいMAXTOYさん
が用意してくれそうなので、ガッチリコンプしてください!との話でした。



右上の珍走団のスプレーアートみたいな当て字が昭和っぽくて泣ける。。。
「バイキン軍団」で金型改修してバイキンたちを無理やり別商品のバイクケシゴムに
乗せた「暴走編」シリーズとかあったのを、ふと思い出しマシタ。







上が今度の第2弾、下が第1弾のガチャポンバックシート。マーク・ナガタ氏が
ノリノリで描いてくれたネゴラのイラスト
てんちょさん「彼は昭和日本のプラモパッケージ
アートにも造詣が深く、いかにもそれっぽい色調やタッチで描いてくれます。
もちろん洗練された今風の怪獣イラストも描けるのですが、自分でアートのセンスを
コントロールして、皆が思わず注目してくれる昭和の駄玩具的な濃い絵柄で
描いてくれたりするんです。マークは常に趣味人の視点で
観るヒトを楽しませる、そして自分自身も描いていて楽しめる絵を描いてくれる
アーティストですね」。

しかし今週はネゴラのイラストを担当したこなつさんが自身でプロデュースする
新規のネゴラ原型とライバル怪獣のシバラの原型を発表して、ビックリしたな~。
この件はちょっと避けるのも違和感があるので触れてみます。

なんといっても今回の事態になによりビックリしたのはMAXTOYのスタッフさんと
マーク・ナガタ氏ご本人ではないでしょうか。これは寝耳に水というヤツでしょう。
TWITTER等での双方の発言を見ていく感じでは、
こなつさんサイドからは
そのような同じ名の製品を展開する打診が残念ながら事前にMAXTOYさんサイドに
なされていなかったようにうかがえます。

(記事作成後、マーク氏に連絡し承諾を得ているとの発言が
こなつさんのTwitter上にありました。
失礼しました。)

じつは以前、ネゴラ的な怪獣キャラクターをこなつさんサイドからも
展開するという話はタコも聞いたことがあったのですが、それがシバラだったと
思います。しかしすでにMAXTOYさんから製品化している「主役」のネゴラまで
こなつさん自身のイラストのタッチそのままに
立体化した新規造形でソフビ製品化することになるとは
思ってもみなかったのですから。

新規造形のネゴラを造形・製品化する点にはどういう意図があるのでしょう。
こなつさんご本人にうかがってみないことにはわからないですね。
ここを起点にこなつさんのネゴラにも関心がわいてくるということです。

ネゴラは本年、もっともインディーズソフビでの関心を集めた怪獣ソフビのひとつ
と言って異論はないと思います。
そして作り手サイドもここまであるかとは思えないくらいの
反応があり、ゆえにすべてをコントロールしえない部分で
関わったヒトたちの中でいろんな考えというか思惑が生じており、このように
こなつさんサイドから新規で、そして以前からネゴラを展開してきたMAXTOYさん
サイドからもこれまで通り「ネゴラ」という名を冠するキャラクターのソフビが
展開されていくという異例の事態となりました。
11月のデザフェスでもMAXTOYさん、こなつさんとそれぞれのブースから
まったく別のネゴラが販売されることになります。

ネゴラというキャラクターを通し表現される世界観が広がり、それぞれの作家さんに
よって展開されます。しかしどちらがオリジナルというのでないし、
本家ということでもないのでしょう。

つまるところ、ファンは面白いソフビを求めていて、キャラクターが新鮮な展開を
見せてくれることを祈っていることでしょう。そして各人のバックボーンに
どういう意図があるにしろ、きちんとお客さんに娯楽供給を果たした者こそが
「本物」となることでしょう。そしてそれは場合によって、両者のどちらもが
「本物」になることもあります。

しかしひとついえるのは、マーク・ナガタ氏もMAXTOYのスタッフさんも真摯に
お客さんへの娯楽供給を果たそうと、自分たちがクリエイトして育成してきた
ネゴラというキャラクターの世界観を広げてきたし、原型師のTTTOYさんも
ネゴラを立体物としてクリエイトし、他のサブキャラを作り上げた立役者に
ほかならない。ネゴラにこれまでにない女性にも好まれるキャラクターを
クリエイトし、また日本のおもちゃ文化の中で現在ポピュラリティの高い
アニメキャラクター的なセンスをソフビのスタイルにとりこんだ斬新さは
MAXTOYさんの流れから生み出されたように見受けられます。

そしてMAXTOYを主宰するマーク氏の依頼でネゴラのコンセプトイラストを
描いたこなつさんもまた同様で、イラストという手法でネゴラのバックボーンに
従来にない怪獣キャラクターのクリエイトで味付けをしてくれたと
いえるところです。そしてマーク氏と各作家さんとの間に入ってコンセンサスを
まとめてきたMAXTOYのスタッフ氏、それぞれの持ちうるアビリティが作用して
「皆で知恵を絞って作ってきた」ことから今のネゴラシリーズの人気があるといっても
過言でないと思います。
著作権的な根源をたぐる意味とは別に見るなら、誰(一人)ではなく、
これまでネゴラのクリエイトや
プロデュース作業に関わった方いずれもが「生みの親」といえるでしょう。
そして各人に展開していく喜びがあって今の人気があったというのも確かです。

つまるところ、ここまでネゴラにかかわったそれぞれの方たちが生みの親で、
「ネゴラ」というキャラクタープロジェクトの娯楽供給者の一翼を全員が
担ってきたことは間違いないはずです。

しかしネゴラ自体はインディーズソフビの分野では広い幅による反響を得て
お客さんに迎えられる一方、今回のことは各人もコントロールしえない部分にまで
ネゴラというキャラがすでに自走しつつある
ということの証左として、関わった各人が思わざる方向に進んでいっているとしても
そのことを今は認めざるを得ないところなのでしょう。

しかし、インディーズソフビにもニッチながらこのような異例の状況が起きたことは
驚きだし、まだまだこのマーケットがキャラクター人気によって関わったスタッフで
違う製品を作るような活気を帯びていること、お客さんから観ると
新鮮さや熱さを提供できるジャンルであるという面で、今回の件を反応を見ても
良い意味で「この分野には送り手、受け手双方の濃密さが依然たゆたっている」
との認識を自分も新たにした気がします。

「ネゴラ」の世界観は2メーカーさんを通してこれから広がっていくことでしょう。


※後注。。。こなつさんのTwitterを、この記事を作成した後(26日午前1時半)
に拝見したところ
「ちゃんとマークさんに相談してご承諾いただいた上でネゴラ作ってます」
との発言がありました。このツイートがこちらの記事を受けての発言かは
わかりませんが、ご自身から説明いただきありがとうございます。
上記記事中においては失礼しました。お詫びして訂正します。

※後注。。。MAXTOYさんのスタッフ氏からその後26日午後にコメントをいただき、
「相手を非難する意図はない」としたうえで、
「MAXTOYでは事前に先方の打診を受けて、承諾するといった話し合いの機会を
得ていない」とのご発言をいただきました。


※後注。。。29日午後にこなつさんからコメント欄のほうに
今回の「製品化の承認」についてご指摘をいただきました。

「私はマークナガタさんが本国にいらっしゃる時に
直接ご本人とネゴラの製品化について
メールでやり取りをさせて頂きました
もちろんマークナガタさんとやり取りをした
メールも残っています。
その他にも権利的なことについての
確認などを互いにしています。

その中のやり取りの一つとして
こなつオリジナル画に基づいた
ネゴラの製品化に付いて了解を頂いたのと
ネゴラのライバル怪獣の製品化に付いても
お話し致しました」

ロボットゴリラ×双頭原人

2012年10月16日 | インディーズソフビ



これぞ
驚 天 動 地。

ターゲットアース×メディコムトイのコラボレーションソフビ、
「双頭原人」のヘッダー。

いったい何が生み出されたのか?!








そしてもういっぴき。。。いやもう一機。

これはヒトも通わぬ怪奇な南の島で戦場カメラマンが撮影したおそるべき映像である。

島全体が原爆にでも吹き飛ばされたように灰色の岩が転がる、南洋の
奇怪なモンド島。波濤が低く静かにいけるいけとしこの島に住む棲む者たちを
怒り、糾弾する荒波が打ちつける白い終末の浜辺にて、
今、鉄の怪物の目に灯が点された。

島の中央に極東の都市のモニュメントである東京タワーを形どった
建造物が据えられている。
そう、鉄の怪物の生みの親は、最初の攻撃目標を東京と定めていたのだ!



悪い科学者がついに完成させたサルの姿をした巨大デストロイマシーンの
テストが開始された。その震撼すべき性能を
各支部の部下たちや、各地から集まったシンパのテロリストたち、
極秘で招かれた得体の知れない商社から派遣された
死のセールスマンーーといった面々に披露する。

戦闘機による攻撃テストでは、頭上を飛行する戦闘機がいともたやすく
巨大なマニュピレーターによって瞬時にわしづかみで捕縛された。
目元をマスクで隠した招待客たちから、戦争まがいに繰り出される
攻撃に対し発揮される鉄のサルの防衛・攻撃能力に驚きのどよめきが上がる。



そしてテストの最終段階は、危険な陽電子ミサイルによる国家への脅迫。
つまりは実戦投入だ!
鉄のサルの拡声器を通して
悪の科学者のアジテーションと哄笑が島内に響く。
「ふははは ついに完成したぞ これぞ鉄の要塞・ロボットゴリラ!
ついに我がセカイ征服の野望が実現へと近づいた!!
われわれと鉄のサルはセカイのすべてを、そして我々に荒ぶる何もかもを
容赦なく破壊し、殺戮する!!
この灰色の島はヤツにプログラムしたWorld Sacrifice Tour終了後の
セカイの風景そのものだ!!」




ターゲットアースさんの暗黒魔道大戦シリーズの延長にある怪獣ソフビシリーズ、
ロボットゴリラとメディコムトイさんとのコラボレーションオリジナル怪獣ソフビ
第一弾、双頭原人!

発表時から明記されているのはメディコムトイの赤司竜彦社長が
「双頭原人」のキャラクター原案で、
ターゲットアースの佐藤元将氏が造形製作を担当したこと。

ソフビファンにとっては「双頭」「原人」などと聞くと
インディーズソフビ界で過去に登場している
インパクトの強いアンダーグラウンドマニアックスな
ソフビキャラクターたちのハードコアレベルを示すキーワードとしての意味合いが
いやがおうにも想起されるところだ。

そういった名を記号として冠することで、そのアイテムはざっくばらんに
言ってしまうなら、
「過去の人気商品へのブツケ的アイテム」と称される。



この「双頭原人」ははたしてそのブツケ怪獣ソフビなのか?
ソフビ界の成功したイメージを動員したいわゆる「いいとこどり」製品なのか?

なぜ彼は生まれたのか?
実際にソフビファンを「驚天動地」させた彼(双頭なので彼ら?)
の誕生した深層の部分を実際に製品を間近に見ながら検証してみたい。

再度、明記しておくべき前提がある。

「巨人」「原人」などと聞けば濃度の高いソフビファンには
いやがおうにもすでにあるソフビキャラクターたちのイメージがつきまとう。
あえてその名を冠したところにソフビ怪獣商材に本来あるパチものとしての
猥雑なミリキが発動した気配は見受けられるものの、
そこに果たしてオリジナリティは獲得できるところなのか?

結論からいえば、おそらくそのもくろみは成功した気配だ。



ソフビのモチーフとして国内外でのグローバルスタンダードといえる
「巨人」=ジャイガンタスにアイコンとして単眼(サイクロプス)、人形アニメの
モンスター映画で多用される双頭を加え、怪獣ソフビにおける異形の巨人として
浮かびうるアイテムをあたかもごった煮大サービスのように
猥雑ながらもすべて一体に詰め込んだ「双頭原人」。

全身にはびっしりと体毛が生えており、海外で今でも人気がある
昭和の国産怪獣映画「サンダ対ガイラ」の人食い怪獣ガイラの体表イメージなども
取り込んだ気配がうかがえる。
(そういえば「サンダ対ガイラ」の主役怪獣2匹はアメリカで「ジャイガンタス」=
巨人とまんまの呼称で呼ばれている。そしてサンダとガイラは同じ細胞から
成長したいわば双生児だった)。

「双頭原人」のボディプロポーションは海外の人形アニメを使用した怪獣映画に
出てくる猿人や巨人的な印象がある。というかおそらく造形上でそれを狙ったのだろう。
可動箇所が多く、パーツ分割の都合からかもしれないが
頭部以外に腰なども動くことで、いかにも人形アニメでぎこちなく不気味に動く
巨大モンスターのようなイメージで表情たっぷりにポージングできる。

オリジナル怪獣ソフビは作り手の脳内で製作・再生された自分だけの怪獣映画を
立体物にしているようなところがあるのだが、多くは作り手が意識しないような
領域の所作だろう。
この「双頭原人」が作り手の脳内で動いている時の映像表現手法は
おそらくは「キグルミ」ではなく「人形アニメ」ではないだろうか。

手元にある双頭巨人と比較したときに思うのは、双頭巨人はポスターアドなどにも
多用されている「仁王立ちする静のミリキ」が最大の武器となっているが、
この「双頭原人」は「双頭巨人」と同じモチーフを記号的な範囲で導入しつつ、
「より怪獣的な部分をメインに打ち出した」
巨人のソフビTOYとして造形の独自性を持たせる一方で
過去の巨人系怪獣映画の多彩なテキストを一体に盛り込もうとした
気配がうかがえる。そしてそれによりオリジナリティを獲得しえたと。





文明の負の要素が生み出した業獣である
公害怪獣たちさえもはだしで逃げ出す、これぞ驚天動地
「きゃー。」






リアビュー。双頭巨人と違い全身毛むくじゃら。ここが
アイディンティティであり、同時に野に放たれた獣としての
凶暴性を無闇にアピールすることに。







あわせてターゲットアースさんが春に発売したロボットゴリラも紹介。
処刑場の、流刑の地ともいえそうな灰色の死の島でロボットゴリラが起動。
悪い科学者の偏執狂のような研究が禁断の実を結ぶ!
「ロボットゴリラ1号!まずは東京を攻撃だ!」





ロボットであることを明示する記号である鋲などをあえて表面につけなかったので
きわめてシンプルな仕上がり。しかし少し現物を眺めているとパチ玩具メーカーの
ミニマムでストレンジなビジネスストーリーが頭に浮かんでくる。

ターゲットアースさんの製作意図がどのようなところにあるのかわかりませんが
あくまでタコ個人の抱いた「ロボットゴリラがもし昭和の時代に出ていたら」という
イメージバックボーン。。。

(ポワポワ)昭和の漫画原作の名匠・梶原某による●ングコングメディアミックスが
沸いている当時に南村原画のアニメロボットゴリラを息子の持っていた漫画雑誌の
グラビアで目ざとく見つけたパチ玩具メーカーがポリ人形で作り、
無版権で●ングコングのアニメ放映頃にあてこんで発売した
ポリロボットゴリラ。ヘッダーも「よいこのおもちゃ」
系のユルいヤツ。ただしパチ玩具メーカーの社長は
このロボットゴリラがレギュラーで登場すると思いこんでおり、主役の●ングコングの
パチは版権のがれで発売しないで脇役のほうだけの売り逃げとなり、
結局子供たちはマルサンのジャイアントゴリラを「主役」として、このロボットゴリラを
戦わせて遊ぶことになる~(ポワポワ)。。。といった

妄想バックボーンがふと頭に浮かんでくる。当時の背景を考えると
パチ業者が南村イラストのロボットゴリラをパチッたとしたら、
実際にこのようにシンプルなディティールのロボットゴリラの
おもちゃになったことだろう。
同時に当時でこのカラーだとマルサンメカニコングのパチ玩具にもなったところで
しょう。












廃墟のような孤島で出会った、鉄のゴリラと荒ぶる双頭の怪物の戦い。
孤島で眠っていた双頭の怪物は爆発の轟音で目覚めたとき目の前に現れた
自分と同じ大きさの敵にいつにない親しみを感じていた。
ただし、自分と同じ「怪物」「戦うべき敵」であるという点でだ。
血とオイルとが交じり合い、誰もいない灰色の島の覇権を血みどろで争う
ぶつかりあう狂気!

そして鉄の怪物と異形の怪物の戦いをあたかも神の采配で行われる
祝祭の儀式であるかのように歓迎する悪い科学者。「戦え!東京襲撃の駄賃に
まずはその得体の知れない化け物を血祭りにしろ!」
地下のシェルターに一時退避した戦争商人たちは
モニターに映る双頭の怪物と鉄のサルの予期せぬ戦いの行方を
値踏みするように見つめながら
世界中の戦争がしたい為政者により高く売るための商談を
悪い科学者と開始する。。。

このセカイを絶望や破滅の坩堝に追い込みたがっている者、
そしてヒトビトの死と絶望の瞬間に金儲けをしたい者以外の人間が誰もいない
この死の島で、セカイを滅ぼす猿のマシーンを止めることができるのは
双頭の彼らしかいなかった。。。異形の怪物である彼らはそのとき本人たちが
たくまざるところでたった一人のセカイの守護者となっていた。

大伴昌司氏・文、南村喬之氏・画の黄金コンビによる昭和マガジングラビアで
いつか観たような風味な奇想のSFスペクタクルモンスター絵巻を
ソフビで再現してミマシタ。





いきなりロボットゴリラが乱入しましたが、
ひきつづき「双頭原人」にまつわる深層をたぐってみたい。

ソフビの巨人についてストレートに語りたいなら、
表題にはないがこのアイテムを画面に出したほうが話が早いだろう。

ルーツオブ双頭、
これがすべてのはじまりとなった
SOFT VINYL HARDCORE/BEMON双頭巨人。
額の両脇に2本のツノをもち、DEMON=「悪魔」としての風貌が強調されている
BEMON双頭巨人。

双頭巨人と双頭原人を見比べると、作り手の意図したことが
造形で明確に打ち出されていることに気づかされる。

ターゲットアースさんの「双頭原人」の工夫どころとして、
面白い、というか
ここは見逃すべきでないといえるのは、頭部が中世ヨーロッパで
僧侶の頭髪としてポピュラーだった頭頂部の頭髪をそぎ落とす
「トンスラ」という宗教上のヘアースタイルに造形されていることだ。
中世の宗教裁判をテーマにした洋画「薔薇の名前」や
時代劇でのポルトガルやスペインの宣教師が登場するシーンなどでも
ご覧になったことがおありだろう。



これは何者かがかつて「双頭原人」を迷える者として、
「一度は敬虔なキリスト教徒としての立場に帰依させ自らの罪を自覚させつつ、
本来与えられるべき自罰の意識を持たせた
過程があった」バックストーリーを想像させるものだ。

「双頭原人」がトンスラの頭部になっているのは、
作り手が「BEMON双頭巨人」との明確な精神的傷痕の対比として
意図的に配置することでキャラクター性を打ち出しオリジナルとの
差異をつけようとした気配がうかがえる。

双頭原人は、想像するに、一度は敬虔な信者としての洗礼を受けながらも、
そのあと生来の野獣としての凶暴な本能のままに解き放たれてしまった、
あるいは狂信者によって怪物としての暴虐のダークサイドに結果として取り込まれて
しまった、いずれのような過去が存在するのではないだろうか。
そんな「良心の呵責に翻弄された異形の怪物」というバックストーリーが
浮かんでこよう。

ジョージ秋山作品でもたびたび描かれていたが、
「アシュラ」や「アマゾンくん」が性癖の人肉食を
心ある宗教者や文明人によってセーブされ、
禁欲の果てに人倫のセカイへと福音される過程が物語のクライマックスに置かれていた。
そしてこの双頭原人も暴虐のはてに、
何かの契機から自らを断罪した過去があったものの、
再び忌むべき獣のセカイへと回帰してきた過去があったのではないだろうか。
造形の中にたんなる立体物としての枠を超えたストーリーが沸き起こってくる。

それはあたかもソフビを相手に犯罪心理分析捜査をしているかのようで
奇妙だが同時にスリリングでもある。




かたや、BEMON双頭巨人の力の象徴であり、
ビジュアルアイコンとして注目すべきは
ソフビでない異素材であるプラスチックで製作された付属物の鉄球=BEMON BALL 
が片手を繫いでいる点だ。

これは武器のようなありながら、双頭巨人のトンスラにあたる、
「巨人の持てる威力を拘束しセーブする」バランサーだろう。







このBEMON BALLは双頭巨人にとって最大の武器でもあり、
同時に彼(双頭なので彼らか?)が生来持つ強大なパワーを
鎖でつなぐことにより減衰する、重い手枷として作用している鋼鉄製の鉄球だ。
あらゆるロットで鉄球の付属するソフビ「BEMON双頭巨人」の仕様から読み取れるのは、
双頭巨人をセーブする何者かが存在し、その暴虐的なパワーの発動の
コントロールに関与しようとしているよう気配があることだ。






それにしても、巨人の偶像はなぜこうもさまざまな作り手に
よって作り継がれ、多くのファンにコアなソフビジャンルとして
消費され継がれてきたのだろうか?

つまるところヒトは罪深きチカラの象徴である巨人たちの姿に心惹かれ、
その偶像に欲望し、自らの中の悪や罪、自罰の意識を反映・化体させた
絶対的存在として偶像視することで自らの象徴交換の対象とする。
巨人の姿をした偶像はいわば自らの
精神的インナースペースにある悪や欲望、セーブできない怒りやパワーの象徴だ。
この2体のソフビでは、それが頭頂部の剃髪されたトンスラのディティールや、
暴虐なチカラへの重石である鋼鉄の鉄球という部分から巨人をとりまく
強大な力を支配・コントロール・抑圧する神話が
バックボーンで明確に語られているーーといっていい。

それでは、そこに込められたものは一体何だろう?

仮託された力=行使される父権的ファルスとして生成されるものと仮定すると
異形の巨人(のソフビ)たちは作り手は異なれど共同幻想としてみれば共に
目的を同じくした異母兄弟的関係にあるといっていいのかもしれない。

そう、巨人ソフビが好まれる深層にあるものは、何かというと、あたかも
「強靭な巨人を作る神の立場を行使される送り手、そしてそれを所持する者」が
共有する「巨人に仮託される強靭な力を手にしてコントロールする」
神のようなものへと近づきたいといった心的構造が作用してるといえよう。
巨人をめぐる寓話としてメジャーな例を挙げるなら
今夏、「特撮博物館」でも新作特撮映画が上映された宮崎駿のキャラクター
「巨神兵」も膨大な力を持つ巨人の制御不可能な
チカラをめぐる物語として画面上に畏怖すべき存在として
シンボリズムを見出すことができるところだ。



インディーズソフビにおける「巨人」という存在は
深層心理下で強大なチカラへのコントロール欲求に
つながっているものと捉えてもよさそうだ。
そしてこれからもヒトの心の中に「強大な力の象徴である巨人の存在」が
あるかぎり「巨大なゴリラ」「巨人」「原人」といった
ヒトならぬ、しかしヒトをモチーフにした大括りではギガンティックな存在の
パチ怪獣ソフビが引き続き人気ジャンルのひとつとして
連綿と語り継がれていくことになるのだろう。

【Lost: All The People Who Died】
誰かこのナンバーで「Final Dead」シリーズの最新作「~Bridge」までの
全シーン集めたMAD作ってホシイのココロ。

http://www.youtube.com/watch?v=69OXRew7v0I

アキバ戦記21Oneup.英雄

2012年09月03日 | インディーズソフビ


















































【英雄/doa(ウルトラマンネクサス1stオープニング)】

今日もなんだかやる気がおきないなんてーあまえづくしの自分がきらいでー♪

http://www.youtube.com/watch?v=2ih6PMRx3gU

【Revolution/仮面ライダー龍騎 挿入歌】

たぶん「英雄」という言葉の意味に最も言及した特撮番組。
英雄であることに執着する東條サトちゃん=タイガとデストワイルダーの
ファイナルベントは結局仲間相手の闇討ちにしか通用しなかった。


http://www.youtube.com/watch?v=sdxYEaCl_NY&feature=related

【Thrill Injector(タイガのテーマ曲?流用曲)】

サトちゃんがクリスタルブレイクを決めるときの曲。
他番組のナンバーだったんですね。


http://www.nicovideo.jp/watch/sm10750681

アキバ戦記15水棲生物

2012年08月05日 | インディーズソフビ











P.P.Puddingさんのキノヘルちゃんならぬタコヘルちゃんとアクアリウムロボ。
今回は水辺の生物テーマなのでタコネタの作品が多かったりするのだ。

今日は昼間から雨が降ったりして空気がかきまわされて涼風まじりの
空気でしたので、いくらか外出が楽でしたね。毎日、きょうみたいなスコールが
来るといいニャー。

故障したパソコンの修理が終わって受け取りにアキバまで行ったので、
アキバZONEのOne-up. さんにもちょっち立ち寄ってミマシタ。

今月は「水棲生物」をテーマに掲げ、おなじみ造形家さん各氏の作品を展示販売中Death。

今回はソフビというよりは、完全新規つくりおこしによる作品展示という色合いが濃い
内容でした。さながら今回のOne up.さんによるショーケース展示は怪獣たちの
遊弋する異星のアクアリウムといった奇妙な興趣をただよわせつつ、お客さんが
覗き込むのを迎えておりました。






PICOPICOさんもサンショウウオの怪獣を新規に作りおこして大・小とサイズを
そろえて販売。タイトルは「山椒魚戦争」。





サンガッツさんの作品。クイーンユリシスを使用したカスタムアイテムは
タイトルが「海浜公園」。頭が砂浜と公園になっていて頭部でヒトがなごんでいる、と
サンガッツさんのブログで作品の詳細が記されています。



Rampage Toyさん。新作のサイクロプス恐竜ミニソフビを使用した
限定カスタム品も。一つ目にアレンジされているけどグリプトドンは
(リアル系のフィギュアとかを除いたら)世界でも初ソフビ化ではないですか。
この恐竜ソフビ、ミニなのに腕とかも別パーツで可動するんですよ。








BLObPUSさんと、美食怪獣ジュポンの生みの親、塙さんも派手なカラーリングの
触手系モンスターソフビのカスタム品を展示販売。

このほか、Uky Daydreamerさんやガムリアンズさんなど
このイベントの常連出展メーカーさんもこのイベントのために作りおこした作品を
発表していました。

















こちらはランブルさんのチェイサー新色「Animated Green」。
さきの個展で評判だった、サンガッツさんの怪獣ソフビ対応ビルヂングや
ソフビ対応戦車部隊も再入荷しておりました。









エヴァQ公開に向けてぼちぼちグッズが出回りだす、おなじみ、
エヴァタイアップではテレビ時代からの先発にあたるUCCのエヴァ缶も
アキバの路上にお目見え。またわれわれはいつか過ごしたあの
最後の夏をやりなおす。そして今度はどんな終末が待っているのだろう。








先週あたりは路傍で異星人の干物みたいにぶる下がってた
このデカくて奇怪なタコクッション、
気がついたら姿を消してた。。。結局完売したのだろうか。





パーツ通りの露店で食虫植物のハエトリソウ売ってた。



最近いろんな露店でよく見かけるスティーブ・ジョブズのフィギュア。



末広町のマニアは知ってる模型店・レオナルドがいつのまにか閉店してた。





今宵もアキバの街に電脳の光が灯る。。。
ビルの谷間に林立する露店にも灯火が点き
夜のアキバを路上に輪郭付けていく。夕刻、訪れた人々がそれぞれ異なる
自分だけのサムシングを求めて、熱い夜の電脳街で狩りが開始される時刻だ。




路上の客引きメイドさんも最近増えたけど、一方でこうしてファンに惜しまれながら、
卒業もしていくんですネ。





電機街のケンタッキーおじさんが先週から夏休みをもらってリゾート中。
メッセージカードでケンタッキーさんに書中見舞いを贈れるようになっています。



【映画「ダーティーハリー」OP】

ドン・シーゲル監督の乾いた演出が貫かれたカッチョイイ不朽のコップムービー。
サンフランシスコの陽にじりじり照らされた街の活写もすばらしい。
夜景ロケをふんだんに行った凶悪犯さそりとの取引シーンも
スリリング。何度見ても飽きない映画の一本。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm3943734


【Dirty Harry Do You Feel Lucky Punk? ( HD )】

「ダーティハリー1作目冒頭。朝食のホットドッグをほうばりながら
銀行強盗相手に情け容赦なく強力なマグナム44を撃つハリー、名シーン。

http://www.youtube.com/watch?v=8Xjr2hnOHiM

リンデン 妖怪さざえ鬼

2012年08月04日 | インディーズソフビ



夏のワンフェスも終わりましたが、まだまだ暑い夏はつづきます。

今日はいきなり夕立が来てびっくりしたな。タコはワンフェスの疲れが今頃来て
本日は朝からちょいヘタってたんですが。
バテてたけど、メールなど見たら、当日ワンフェスに行き現地でも
お会いした方から今回のイベントの感想とか、タコブログに載せた展示品の
話など、何件かありがたくもいただきました。

一様に、今回のワンフェスはソフビ関係でも久々の大イベントなので
期待も大きかったということがうかがえます。

そんなわけで、せっかくだから買ってきたばかりのソフビ談義的なことをして
みたくなりました。

ワンフェス2012夏のリンデンさんのブースでリリースされた版権ソフビ。
水木しげる「ゲゲゲの鬼太郎」妖怪ソフビシリーズ第3弾・
さざえ鬼Death。シンプルなデザインの妖怪ですが、実はシンプルなラインほど
造形ポイントをハズさないで作らないといけないので、難しいのではない
でしょうか。このさざえ鬼はよく水木漫画独特の描線を捉えています。



さざえ鬼は実は昔から伝わっている妖怪画(栄螺鬼・さざえおに)で、
鳥山石燕による妖怪画集・百器徒然袋にある日本の妖怪の一つとして
描かれており、着物を着た胴体にさざえを模した顔という異形の姿をしています。



今回リンデンさんが立体化したのはさざえ鬼があたかも貝のように
その身を隠している(そして漫画の中で活躍している)
活動用の外身、義体ともいえる部分にあたります。
本体のさざえ鬼は、足がなく上半身のみの姿(絵では霊のように尻尾が
ついて飛んでいる姿)です。



さざえ鬼はこの、口の中から出ている舌の一つ目の部分が実は本体だったりします。
鬼太郎と戦う上で妖怪画のさざえ鬼は格闘シーンなどを描きにくいので
水木先生が自作した仮の胴体を考えたのでしょう。

鬼太郎自身も片目がなく(目玉のおとうさんが鬼太郎の目に入って
その役割を果たしたことがありましたが)いわば片目のみが本体から分離している状態、

敵妖怪の「手の目」も顔には目がなく手にあり、
このさざえ鬼も今回ソフビ化された外身の部分は顔が半分髪の毛で覆われていますが
目がなく、舌についている一つ目が視覚の役割を果たしているようです。

前回ソフビ化されたエロモドキも、オカマの姿の時についていた首はダミーで、
実は腹のほうに目や口がありました。
このほかにも妖怪「尻目」は尻に目があり、頭部には顔に本来ある器官がなく
ぬっぺらぼうです。


水木先生がクリエイトした妖怪たちの目の配置を見ていくと、目の位置は本来ある
顔の部位になく他の器官に配置している=目の位置を体の別な場所にスライドさせる
というデザイン処理事例が多くないですか。

この独特のキャラクター造形の癖というか配置の妙には注目したい感じですね。
水木先生のことだから描いていた当時は強く意識していたかわからないですが。
そしてソフビになったりするとその「ずらし」感が立体としてまた
シュールな視覚的快感をもたらすことになるのです。

たぶんリンデンさんも水木ソフビを作るうえでその面にも潜在的に注目しつつ
ソフビ化で立体映え、キャラに沿ったパーツ構成の妙から
ソフビになったときの可動の面白さを増すよう、そして
「ソフビ化するモチベーションを感じる妖怪」をよく
煮詰めて毎回キャラのセレクションをしているのではないでしょうか。

部品でいうと、目だけではありません。
サンガッツさんのソフビ化した「あの世の案内人」を見ても、手と足のみで
構成されているデザインですが、元絵にシュールレアリストのデザインが
あるとはいえ、やはり水木先生のキャラクターのシュール感アップを標榜した
デザイン的な嗜好を読み取ることができます。

しかし水木妖怪はゆっくり妖怪図鑑などを見返してみると、サイクロプスの
キャラが多いですね。
リンデンさんはそのうちの特にキャラが立った3体、
土ころび、エロモドキ、さざえ鬼を製品化しています。いずれも鬼太郎との
戦いはかなり異様なシチュエーションが展開している、ファンも名勝負に
挙げそうな敵妖怪ばかりですね。
今後リンデンさんが製品化する妖怪もこうしたいくつかのポイントから
「今度はいったい何をソフビ化するか?」予想してみるのも楽しいかもしれません。




前に食玩で「鬼太郎VSさざえ鬼」というスバラシイアイテムがありまして、
それについていた「大きな皿に載せられて今にもさざえ鬼に食われそうな鬼太郎」
があります。ここぞとばかりに稼動の時Death。このシリーズはなぜか、鬼太郎の
ヤラレシチュエーションのヴィネットのものが多く、ほとんどVSになってないですが。

リンデンさんの造形で感心するポイントというと、胴体のイボイボというか
フジツボが出ているようなディティールですね。ここは本来の絵のさざえ鬼では
当時のアシスタントさんによる例の水木点描でうっすらと体表が表現されて
いるわけですが、ソフビにしたときに、よりシンプルでかつ点描を簡略化する
ディティールとしての配置をよく考えてあり、製品を見たときの
ファーストルックで効果大となっています。そして外身の部分でも
「さざえの妖怪」を想起させる上で効果を上げています。






鬼太郎がさざえ鬼の海のアジト「天狗岩」を発見して殴りこみ、さざえ鬼が
鬼太郎に化けて罪もない人魚たちをさらって町で人間に売りさばく悪行を
止めようとします。
このエピソードは「鬼太郎」全話中ではごく典型的な悪い妖怪退治、
勧善懲悪話なのですが、冒頭部分でにせ鬼太郎が人魚をかかえて町に売りにやってくる
シーンがシュールで忘れがたいです。

海の妖怪と鬼太郎が戦うエピソードは別にこの話に限らなく何篇かありますが
昭和の風景である、魚の行商が不老不死を与える人魚を売りにやってきたら。。。という
奇妙なシチュエーションがこのエピソード全体を海辺への郷愁を漂わせ、
本筋以外のところで妙に「磯の香り」が漂う印象を残します。




上はサンガッツさんの鬼太郎ソフビを使って町に行商にやってくるにせ鬼太郎を
再現してみました。

鬼太郎(偽)「人魚の子はいらんかね~刺身にして食べたらおいしいよ~」

ねずみ男「ありゃー、鬼太ちゃんもすっかり変わったねえ~」




劇中にはないですが、さざえ鬼が鬼太郎をじか食いしようとする・みたいな場面。
さざえ鬼はナイフとフォークで鬼太郎をバラバラにして食べるんですが
洋式の食卓なのがおかしいです。こういう絵的な面白さに関して水木先生は
勘が働くみたいで、シュールさやユーモラスさで絶妙なサジ加減を発揮していますね。

しかしワンフェスルポのリンデンさんのブースの紹介上にも書きましたが
リンデンさんのソフビ化してきた鬼太郎妖怪たちはいずれも鬼太郎の神通力
(この言葉、古臭いけどいいな~言葉で骨董と呼べるような響きがありますね)
を狙って鬼太郎を食おうというどん欲な妖怪たちばかりですね。

鬼太郎の体を食べるとその能力を受け継ぐというのが連載の中ではいつしか
妖怪たちの周知の事実みたいになっている気配で、鬼太郎は人間のための
妖怪退治をしている中で同時に自分の能力を狙われているわけで、
いささかリスキーな戦いを強いられることが多いです。
しかし鬼太郎は人類から報いられることも少ないですね。
だから最終的には妖怪退治に疲れてしまい、南方に移住したりしちゃうんだろうな~。

鬼太郎の肉体は妖怪たちにとって人間が不老不死の効果を持つと珍重する
人魚の肉と同じような価値に置かれているのでしょう。







リンデンさんはエロモドキ、さざえ鬼といずれも
元からある妖怪画のいやみやさざえ鬼でなく
水木先生の「素」で描かれた完全創作にあたる部分を
立体化しているというのがちょっと面白いですね。






どちらかというとエロモドキとさざえ鬼は、デザイン的には
水木先生が話の展開上、そのページを描く段にデザインされたふしがあり、
非常にキャラクター造形としてはラフな存在の妖怪に見えます。
もっとも多忙な時期に描かれた鬼太郎の中で、これらの水木オリジナルデザインの
妖怪はほとんど本人の意識床下から即興で生まれたビジュアルをもつといって
過言でないと思います。

反面、そんな肩に力の入ってないデザインゆえ、こうして几帳面に作られた
ソフビになり、手にとった瞬間に2次元が3次元になった視覚的な快感を
惹起されるのではないかと思います。







土ころびは妖怪イラストとして描かれたカタマリとしての「静のミリキを放つソフビ」。
続くエロモドキとさざえ鬼は漫画内の線画として発揮される、水木キャラの奔放な
勢いのある描線のミリキを忠実にソフビ化した「動のミリキを放つソフビ」といっても
いいのではないでしょうか。
それは妖怪画の中から絵に描かれた妖怪が実体化して紙から
ひょっこりと出てくるような光景ですね。

静から動へ。
リンデンさんの鬼太郎妖怪ソフビは水木デザインを立体物として満喫できる
シリーズとなり、これからもそのミリキを存分に伝えてくれることでしょう。


【高音質】ゲゲゲの鬼太郎 60's+70's BGM集/いずみたく(1/2)

7曲目の「悲運の涙」なんてシンプルながら昭和アニメの泣かせメドレーでは
トップのデキだと思う☆
10曲目「鬼太郎大活劇」の戦闘ナンバーで苦戦系のスコアは
「チャージマン妍」の有名なキチガイレコードのフレーズにコード進行が似てる。
そう指摘してる人が居ないが、鬼太郎のこのナンバーを参考にしたんじゃないか?と
前から思ってんだが。

http://www.youtube.com/watch?v=ZW3zhWMPIA8