KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

アキバ戦記23サンガッツ百鬼夜行

2012年09月07日 | イベントルポ



ちょっと涼しくなってきたような。この週末はアキバに妖怪たちが集結して
霊場になっているからでしょうか。
One up. さんのAKIBAカルチャーズZONE店では「サンガッツ百鬼夜行展」開催中です。
上は妖怪画に描かれているオリジナルようかいぶよぶよ!





サンガッツさんのオリジナルようかいシリーズ、水木漫画キャラクターも集合して
怪気炎を放っております。ただいまアキバの街はブリガドーンに包まれたような
状態Death 。
街にたたずむメイドさんもしょうけらや一つ目小僧だったりカラカサだったり
しないか。あっ 蛇骨ばばあが(おっと)




これから発売するようかい・どうもこうも。
外科手術の腕は抜群だけどうっかり者だった医者二人にまつわる怪異なエピソードが
こんな双頭のようかいを生み出しました。



黄粉坊。以前発売したKINAKOちゃんのお父さんです。




今回の限定品のひとつ、ようかいぶよぶよ。



これから発売する悪魔くんシリーズの原型写真も見られます。
「魔力絶対零度!!」悪魔メフィストがとってもカッチョイイですね。
チョコレートとコーヒーをお供えしたくなる感じ。
「俺はカフェインが脳にしみこまないと妖怪退治のいいアイデアが浮かばないんだ」
子供時分、このメフィストのセリフでコーヒーの味に目覚めたのだった。
マントもビニールのをつけるみたい。
これぞ水木メフィストの決定版といえるアイテムになりそう。
頭部のシルクハットもとれるのだろうか・
貧太の表情も水木漫画テイストにサンガッツさんの作風が加わって
イイ感じですね。楽しみ。



悪魔くんシリーズは百目の子も新発売。体中の目もきっちりマスク塗装されてます。
口元とか水木漫画の雰囲気がよく出てます。うっかり妖怪の封印を
解いてしまったり、怪物を街につれてきてしまったり、適当な呪文を使ったり
随所でドジを踏んでいましたが憎めないキャラでしたね。
彼はメフィストの友達である魔女に連れていかれた妖怪のセカイで
一人前の百目になれたのでしょうか・



サンガッツ水木シリーズの原点ともいえる「大海獣セット」も奇跡の再販。
この機会にお見逃しなく。今回のおまけ鬼太郎ソフビは大海獣の血を山田に注入されて
突然変異する途中の変身過程をカラー再現したもののようです。



こちらはOne up.さんの店頭カウンターにおいてあったメカネゴラ。
今後発売予定の模様。ガチャに入るのカナ?
もうすぐアキバZONEのビルは1周年。早いものですね。

One up.さんも記念イベントを開催計画中との話。東京のソフビカルチャー
発信基地としてサブカルタウンのアキバから新たなファン層を拡大している
同店、ソフビの盛り上げに引き続き一役買ってもらいたいところDeath。

アキバに行ったらぜひ立ち寄ってみてください。何か新しい発見があるかも
しれませんよ。


アキバ戦記22黄金の秋

2012年09月06日 | 日記


仕事でビッグサイトにて開催中のギフトショーへ。

訪問先が多くてめまぐるしかったっちゃ。
メディコムトイさんも出展していてNEWカタログを配布していました。
(上は手塚プロダクションのブース)



万レベルの人手でにぎわったお台場フジテレビ
夏のイベントブースも解体中。。。こんな光景を前にすると開放感と喧騒に満ちた
夏の終わりをひしひしと実感しますよね。
カラフルで巨大なイベント用の建物が夏休みの宿題でつくった紙工作のように
建設機械たちによって崩されていきます。
しかしお台場海浜公園の湾内には夏の名残を見出したいかのように
カラフルなヨットやクルーザーがいくつも波間を漂い、やがて夏の捜索を
あきらめたように波止場へと戻ってきます。
9月に入って関東も夕立が多くなって気温が少しずつ下がり
いくぶんかすごしやすくなりましたネ・
蝉の声が秋の虫たちのコーラスへといつのまにか入れ替わっていきます。




特別出演、マック赤坂さん。原宿の街頭で演説中。いつ見ても元気が
いい方ですね。



ライダー新番組、仮面ライダーウィザードのスタートを記念して中野の本屋さんで
人気投票。見えにくいかもしれないけど電王とWがダントツ。組織票か?
ハードな展開が根強い人気の555も票が多くてウレシイ。平成1作目のクウガも
投票が多いな。やはりここはファーストの威光か。
劇場版でオーズと共闘した暴れん坊将軍も健闘(笑)。
タコはここであえてキックホッパー、パンチホッパーの
地獄兄弟に投票「俺と一緒に地獄を見よう。。。」「行こう、アニキ」
「ここか、祭りの場所は」王蛇もエントリー。朝倉は悪のミリキたっぷりということで。
「カッコイイなあ、俺」モモタロスもしっかり票が入ってマス。女の子に人気だもんね。
東條サトちゃん=タイガとかダディアナザン、アナザーアギトにも投票できたら
よかったんですが。



かごを薔薇で飾られたゴージャスなママチャリ。



8月30日、アキバでは初音ミクの誕生日を祝っております。
前田敦子より存在感あるんではないですか。



ギフトショーでUAMOUさん(高木綾子さん)の製品をアピールしている
ブースを見つけた。
今度は布製マスコットキーチェーンが大手ノベルティメーカーさんから
発売されるそうです。



ピンク一色なきゃりーぱみゅぱみゅのブース。



ガイナックスさんのブース。版権キャラクターが勢ぞろい。
グレンラガンやアベノ橋商店街、トップをねらえ1・2、ダンタリアンの書架、
PANTY&STOCKING、
古いところではDAICONⅣオープニングアニメーション
のキャラクター版権をアピールしていました。9月以降の新作は
1期ラストでちょっと登場していた13人組の13人(サーティーン・パーティー)と
の戦いに突入する「めだかボックス」の2期と、
ネット配信によるヒーロー作品「ネギマン」(実写作品)があるそうです。
タコは最近のガイナックスさんのコンテンツでは、
夏前までオンエアしていた実写での戦隊オマージュ作品
「エアーズロック」が気に入ってます。





きぐるみが多くていやされます。
ひらけ!ポンキッキのガチャピンが来年で40周年。盛大にイベントが
開催されるのだとか。



夕立の後のアキバ。地平線から空が赤くなりしだいに暗く帳を落として
夜の街へと表情を変えていきます。そして夕刻から夜へと風景の変わる
時間は実質ほんの数分です。







ガチャピンじゃなくてガチャポン。
こちらはAKIBAカルチャーズZONEのOne up.さん。
豆ネゴラのガチャポンが人気。全13色だそう。



サンガッツさんの青泥田坊と青悪鬼がショーケース入り。
ただいま受注中だYON。
「英雄」展も終わって、サンガッツさんのオンリーイベントもスタートします。


ゆたり 電子恐獣ガロボーグ

2012年09月04日 | 特撮・SF


ワンダーフェスティバル2012夏のゆたりさん、「ソフビースト」ブランドの
新作。「流星人間ゾーン」登場の電子恐獣ガロボーグ。

頭部が脳みそ丸出しというビジュアルインパクト満点の重厚な
サイボーグ恐獣のソフビ化を実現。

とにかく東宝はゾーン放映当時、映画からTVへと怪獣の活躍ステージが移ったことで
後塵を拝すまいと「ゾーン」では全身武装した強力な怪獣ならぬ恐獣を続々と映像化
して毎回、子供たちの視聴意欲を煽りました。残念ながら2クールで終了してしまい
ましたが、普通の特撮番組では考えられないキャラクタークリエイトの濃密度と
主人公ゾーンファイターと世界を代表する有名怪獣ゴジラとの友情、共闘など、
娯楽に徹した怪獣ヒーロー番組として見せ場が豊富で、
今なお怪獣好きたちのココロをつかんで離さない不朽のコンテンツDeath。

第二次怪獣ブームストライク世代は当時、「TVマガジン」をはじめとする
ゾーンに関する巻頭グラビアカラー記事を見ては
ゾーンファミリーの味方である地球怪獣ゴジラの登場、ウルトラマンAの超獣に迫る
ディティールがインパクトを放つ恐獣軍団の出現、ガイガンやギドラなど東宝系
宇宙怪獣も戦線に加わり、そして決戦ーー
といった事前情報の数々に心ときめかせました。

とくにゴジラの登場は今でいう東映劇場作品の現行ヒーローと宇宙刑事ギャバンや
宇宙鉄人キョーダインとの共同戦線といったコラボ展開に通じる興奮を子供たちに
もたらしたことでしょう。

多数の製作プロダクションがニューヒーローを繰り出してきて一週間に
何度も地球が怪獣や宇宙人により危機に陥れられる、百花繚乱の
第二次怪獣ブーム当時。
「流星人間ゾーン」はその中でも華やかなお祭りのような立ち位置にある
番組ではないかと思います。
ガロボーグも初登場が13話。いよいよゾーンファミリーとガロガバラン星人との
戦いが激化してきた1クール終盤を飾りました。

「ゾーン」本編映像に登場したガロボーグと対比しつつ
ゆたりガロボーグのミリキに迫ってみましょう~。












ゆたりさんのガロボーグは、巨大な脳髄を擁する頭部と、
機械化怪獣としての胴体部分をバランスよく造形し、
じつはスレンダーで動きも活発であるこのキャラクターの
プロポーションを再現しています。
こうして本編の活躍映像と比べて見ると、おそるべき再現力でソフビ化している
ことがわかります。

巨大な右手のロボットアームや尻尾など、部分部分では、ゆたりさん自身が
「ゾーン」の大ファンであることでマニアとして初ソフビ化というステージで
ファンを納得させたいと思ったのか、絶妙なさじ加減を発揮しつつ造形しており
本編のガロボーグのかっこよさをよりアップさせている印象。

今回はジキロで見せたロボット部分の造形と、スパイダウロスで見せた
怪獣造形の部分の両方の要素が入ったキャラクター。これまでのスキルを存分に
生かしたうえでこのガロボーグを製品化した様子がうかがえます。










リアビュー。「この尻尾の一節一節についている突起の再現で成形が困難だったの
ですが、いろいろ試行錯誤した結果1パーツでの抜きを可能にすることができました」
とゆたりさんがワンフェスのブースで話してくれました。
ゾーンの恐獣は怪獣史を覆す極限ともいえるデコラティブなキャラクターぞろいで、
ソフビの造形スキル面から見ても完成製品は原型師さんと成形現場の
匠の技ともいうべき一発抜きの見せ所を満喫できますね。










全身に電流が流れているガロボーグ。ゾーンファイターも苦戦を強いられます。
戦いの中で、足を伸ばして地団駄を踏んだり情感の豊かさをうかがわせるポーズも
意外にあったりするガロボーグ。
頭部の巨大な脳はもしかすると情動の豊かな巨大生物のものなのかも
しれません。ガロボーグは海外のレトロSF映画に出てくるキャラクターのような
一見、無機質でシリアスなルックスなんですが、ゾーン本編を未視聴だったヒトも
こんなキャラクターだったのか!と劇中で見せるコミカルな表情に驚くことでしょう。





ゾーンが本気で仕掛けてきてアタフタするガロボーグ。



転んでくやしいのか?足をバタバタさせるガロボーグ。



ちょっと待った~ってなお手上げポーズのガロボーグ。







目のフードは劇中、戦闘時にゾーンファイターの攻撃で右のがとれちゃいます。



ゆたりさんのガロボーグは目というか脳のフードが別パーツになっているので
ゾーンとの戦いでとれちゃった状態および、25話における再登場時のフードがない
仕様も再現可能Death。







手の巨大なメカアームはゾーンファイターを挟むと激しくスパークを発し、
ゾーンファイターをじりじりと苦しめる。ガロボーグ最大のメインウェポン。
スタンダードサイズのゾーンファイターの首もこのしっかりかかります(微笑)。







ゾーン全エピソードでもマニアに数えられる珍シーンのひとつ、
ゾーンファイターが脇の下で木をゴシゴシこすって静電気?を起こし、スパークした
木をガロボーグの頭部に投げつけて電撃システムの要となる電子頭脳にダメージを
与えるシーン。この場面で爆発とともに頭頂部についている制御?部品が外れて
ポーンと飛んじゃいます。







エンジェルとジュニアの乗るスモーキーから繰り出す殺獣光線と
ファイターの伝家の宝刀・ミサイルマイトの同時攻撃を食らって
両わき腹にビリビリと裂け目が入るガロボーグ。






爆発四散するガロボーグ。爆殺カポックマニア向けにガロボーグ
爆発人形の静止画ドゾー。



勝利のシャウトを晴れ渡った硝煙の浮かぶ青空にとどろかせるゾーンファイター。


ハカイダーやガッタイダーなどを見ても思うんですが、脳がむき出しで戦闘を
する怪獣や怪人て、センスオブワンダーなのだけど、設計的にMUCHAだと思いますね。
そうだ、ハカイダーは人質に光明寺博士の脳を移植した頭部を見せて
キカイダーを威圧する必要があったか。
このころは変身サイボーグのようなクリアタイプの玩具が子供たちから好評を
博していたので、脳がむき出しスケルトン、なんてキャラには大いに嗜好を
そそられたものと思われます。

しかしなかなか当時の成形技術では脳をフードで覆った怪獣のリアルな
ソフビ化なんてことはなかなか果たせなかったでしょうね。
ゆたりさんのソフビーストシリーズにはそんな「当時は困難だった」怪獣
を実際にカタチにする夢がつまっているように思います。



全身に避雷針のような突起が出ており、スパークする火花でゾーンを攻撃している
ところから見て、巨大な脳で生成された高圧の電気で戦う恐獣なのでしょうか。
敵との肉弾戦や近接戦闘にはあまり向かない恐獣のような気がします。
ただ劇中ではゾーンに馬乗りになって苦しめるところまでは
もっていってるので、脳を守りつつ戦うある程度の戦闘力も持ち合わせている。

ガロガバラン星人の繰り出す恐獣の中では、戦闘力はあるけど生体部品も使用
しているため、巨大な脳髄部分の維持やメンテナンス面で問題があったりする
扱いの難しい恐獣だったのかもしれません。
ガンダムワールドのMSでいえば「Z」のころのバイアランみたいな一撃離脱にしか
向かない系の兵器なのかも。

それこそジキロのような完全なロボット怪獣ができるまえの旧戦力だったのかも
しれませんね。25話・恐獣連合軍のエピソードで再登場していますので
ジキロと同じである程度量産されたタイプの恐獣だったのかもしれません。

今回のガロボーグがソフビ化されたことで、恐獣連合軍のジキロ、スパイダウロス、
ガロボーグがスタンダードソフビ化されたのですが、残る2体ーーもゆたりさんの手で
製品化されるのでしょうか。

どの恐獣であっても流星人間ゾーンをこよなく愛するゆたりさんの手で造形された
ソフビとして「どう仕上げるのか」ぜひ見てみたいところです。
そこには「流星人間ゾーン」という作品のコアなミリキを共有したファンの目線から
作品を新たにソフビ化することにより語り継ぎたいというこのメーカーさんの
こだわりがうかがえるからです。
今回のガロボーグに続くゆたりさん渾身の新作ソフビが何か、
早くも気になってきますネ。(うーん、そうだなー タコ的にはドロラ。。。ボソッ)







おまけの蛍タソ。今回は蛍がエンジェルとして活躍するシーンが少なめ。
スモーキーに搭乗してゾーンファイターに加勢するシーンのみなのです。

アキバ戦記21Oneup.英雄

2012年09月03日 | インディーズソフビ


















































【英雄/doa(ウルトラマンネクサス1stオープニング)】

今日もなんだかやる気がおきないなんてーあまえづくしの自分がきらいでー♪

http://www.youtube.com/watch?v=2ih6PMRx3gU

【Revolution/仮面ライダー龍騎 挿入歌】

たぶん「英雄」という言葉の意味に最も言及した特撮番組。
英雄であることに執着する東條サトちゃん=タイガとデストワイルダーの
ファイナルベントは結局仲間相手の闇討ちにしか通用しなかった。


http://www.youtube.com/watch?v=sdxYEaCl_NY&feature=related

【Thrill Injector(タイガのテーマ曲?流用曲)】

サトちゃんがクリスタルブレイクを決めるときの曲。
他番組のナンバーだったんですね。


http://www.nicovideo.jp/watch/sm10750681

妖怪ソフビ祭り ぬっぺっぽう

2012年09月02日 | 特撮・SF



「かっこいい!妖怪シリーズ」。ベアモデルさんが90年代に発売した
妖怪ソフビシリーズのヘッダー。ミニ3点セットを2シリーズ、ミドルサイズで
ぬっぺっぽう、うんがいきょう、このほか強大な海外妖怪のダイモンなどをリリース。

このシリーズ、当時のインディーズ怪獣ソフビムーブメントの多様さをそのまま
あらわしたような製品でした。「かっこいい 妖怪シリーズ」はレトロ当時風を
標榜したのか、非常にそっけない造形なんですが、そこがまたありそうな
デキで親しみやすく、当時ものの妖怪ソフビの横においても違和感のない仕上がりに
なっています。ラインナップ中でタコはひょうすべと青坊主、海ぺろりんが
好きですね。TOMY×マルサンさんの食玩ソフビとあわせると、映画「妖怪百物語」の
メインで活躍する妖怪たちはだいたい製品化してくれたので、
当時はまだ妖怪のソフビ化が少ない中でファンの渇きを癒してくれたと思う。




深夜の更新・前回のサンガッツさん悪鬼×如意自在に続いて、
「夏の納涼妖怪ソフビ祭り」シリーズ、その2~。

カチ・カチ・(人寄せの拍子木)

最近入手したソフビで地味にかなり気に入っているのがこのぬっぺっぽう。
マーミットさんが妖怪絵の第一人者・鳥山石燕画の描線に忠実なぬっぺっぽうを
いきなり!ソフビ化した一品。

江戸時代、ある夕方に徳川家康領の敷地にぶらっと現れた肉人ともいうべき
奇怪な物体。警備の者たちに裏山に追い出されたという伝聞が残っていますが、
いまだ正体がわからないこの物の怪を、いつしかヒトビトは「ぬっぺっぽう」と
呼ぶようになりました。
この妖怪に関する記述はネット上にも多くいかにポピュラーな妖怪かがわかります。
特に人間に危害を加えないとの説明が多いのですが、いきなり家の敷地にこんな妖怪が
夕方に無言でたたずんでいたら、やはり怖いですよね。



有名な鳥山石燕による妖怪画「ぬっぺふほふ」。
荒寺にたたずむ肉の塊のような、目も鼻も口もない不気味はいきもの。
寂寥感と諧謔味とを同時に漂わせる異形のものの姿を描出した妖怪書画の名作。




これまでぬっぺっぽうのソフビ化というと昭和の妖怪映画として著名な
大映の「妖怪百物語」に登場するぬっぺっぽうのソフビ化がベアモデルさん、
TOMY×マルサンさんが行っているのですが、いずれも昭和当時の映画公開
で日東科学さんからリリースされなかった妖怪たちの
補完リリースのようなものでした。マルサンさんのソフビは製品の仕様を
日東科学さんのソフビの雰囲気に近づけている、という点をパッケージで表記
していました。

さらにさかのぼると80年代中期の鬼太郎リバイバルアニメ化の際に
鬼太郎の仲間の妖怪として「ぬっぺらぼう」の名でミドルサイズの
ソフビが発売されています。比較的造形がしやすいキャラクターだからか、
ケシゴムやお菓子のおまけ、ソフビ化などの機会に恵まれていますね。








今回のマーミットさんのぬっぺっぽうは「当時の妖怪画の再現」を目指したようで
表面にはいったシワやたるんだ肉のディティール処理も手にとってじっくり見ると
何気に細かく、肉玉のような不気味でつかみどころのないぬっぺっぽう
という妖怪の特徴を非常によく捉えた製品化といえそうです。

特にこの腰の引けたサイド、リアビューのポージングはキグルミ的なプロポーション
としてもありそうなテイストをかもし出しています。
成形色もホワイトで少しブラウンを吹いているだけのシンプルなものですが
ぬっぺらぼうの肉の感じがソフビ素材によりよくかもし出せている仕上がりと
いえます。




鬼太郎「あっ!何匹もいるのか」
笑っている顔に見えるシワが表面に刻まれている肉襦袢のような
不気味なぬっぺっぽうの群れが鬼太郎と情報やを次第に取り囲む。。。



コミックの鬼太郎「朝鮮魔法」のように群れで襲ってくるぬっぺっぽう。

ベアモデル、マーミット、TOMY×マルサンぬっぺっぽうの競演Death。
90年代から怪獣ソフビのムーブメントに参加していろいろなソフビを買ってきた
ヒトはこのいくつかあるぬっぺっぽうソフビのいずれかをお持ちではないでしょうか。

ベアモデルさんのぬっぺっぽうはミドルサイズ(画面肌色のもの)とミニ(黄色)の
ものがありミニのほうは青坊主、ひょうすべとセット品で販売されていました。
ミドルサイズのぬっぺっぽうは肌色成形色のほかに蓄光ホワイト成形が存在します。
当時のベアモデルさんはイベント販売も多く、今もときどきこれらのシリーズを
イベント会場の軒先などで見かけることがあります。









水木先生の少年マガジン連載「ゲゲゲの鬼太郎」の一編、「朝鮮魔法」。
鬼太郎が、村民が次々と急激に老化する怪現象を解決しに朝鮮に行く。
アリランの歌に乗って襲い掛かる肉玉のような妖怪の群れ。
ぬっぺらぼうが群体で襲撃してくる。そして山ほどもある巨大ぬっぺらぼうも
出現する怪エピソード。実はこの話、じっくり読むと
H・P・ラヴクラフトの「ダンウィッチの怪」を
下敷きに描かれている気配があることがわかる。
水木ぬっぺっぽうはじつはクトゥルーの尊属なのダ。

この火にいぶされたりすると妖怪があわてて飛び出るシーン「鬼太郎」の
漫画ではよくある場面なんですが、擬音の「ぴょん ぴょん」ていうのが
水木先生ならでは、たまらなくツボな音感ですね。









昭和の大映映画、「妖怪百物語」のぬっぺっぽう。
不気味だがコミカルさも持ち合わせた名造形。ぎこちなくちょこちょこ動く姿が
無骨キュート。
ぬっぺっぽうの立体物はこのキグルミの存在を知りつつ作られたものが
多いんではないかと思う。

この映画で感心するのは「ぬっぺらぼう」(着物を着たヒトの姿をしてて顔だけがない)
とこの肉人ともいうべき「ぬっぺっぽう」の双方を別々に登場させて、両妖怪の
区分を明確にしていることですね。

この映画のほか、実写作品では70年代のTBSドラマ「笛吹童子」に
笛吹童子を助ける妖怪としてキグルミ表現によるぬっぺらぼうと油すましが出てきます。




東映60Sアニメ白黒版鬼太郎に登場するぬっぺっぽうならぬ、ぬっぺらぼう。
原作コミックでは朝鮮が舞台だったが、沖縄に設定を変更。
80年代に発売されたバンダイのソフビぬっぺらぼうはこの白黒版の設定画を元に
造形した気配がある。



2001年にフルタが販売、海洋堂プロデュースのボックスフィギュア
「百鬼夜行妖怪コレクション」に入っていたぬっぺっぽう。
荒れた寺の背景も緻密で、今の目で見てもすばらしい逸品。
ぬっぺっぽうの夕方、さびしい場所に
たたずんでいるという習性を7cm四方のヴィネットで表現。



フルタ×海洋堂により2002年に発売した「フルタ妖怪根付 百鬼夜行コレクション」
に入っていたぬっぺっぽう。けだるい感じで座っている姿はこの立体物が初。
リアルたれパンダ風味のユルさですね。
この「百鬼夜行」3シリーズは造形総指揮にあたった竹谷隆之氏の存在感が
大きかったですね。



こちらは「妖怪大全鑑」のぬっぺっぽう。
アレンジの少ない忠実な造形。



妖怪映画の第一人者にして継承者でもある原口智生監督が90年代に
メガホンをとった「さくや妖怪伝」には
クラシックスタイルの日本妖怪たちが多数登場。ぬっぺっぽうもさくやの味方
キャラとして登場。
この映画好きですね。さまざまな妖怪討伐の旅を繰り広げるストーリーに加え、
最後は樋口眞嗣特技監督によるVFXで
巨大松坂慶子が大暴れとか、サービス精神旺盛な1作でしたね。
きぐるみや操演、デジタル特撮のバランスが程よくかみ合っていて妖怪乱舞シーン
などは「妖怪百物語」への良質なオマージュとなっていました。

もう引退してしていますが、主演の安藤希は数年間の芸能活動の中で、
ガメラヒロインからGOTH系ホラーに富江、
妖怪モノのヒロインまでとディープで幅広い芸歴を持っている。歌もいいっすよ。



たぶんぬっぺっぽうの銀幕登場では本作が最新になるのだろうか。
三池崇史監督の「妖怪百物語」に出てくる、クリーチャーナイズされたぬっぺっぽう。
顔の造形がなんともセンセーショナル。









シンプルなデザインですが、映画、アニメ、妖怪画の再現とテイストの違いで
それぞれ味のあるぬっぺっぽうが製品化されています。

都会には暗闇がなく妖怪たちの居場所が徐々になくなっている、とよく妖怪趣味、
怪奇趣味のあるヒトビトは口にしがちになっているのですが、
じんわりとした土俗の香りや逢魔ヶ刻のヒンヤリとした気分、どこかにユーモアを
漂わせるのにはソフビという素材と妖怪との相性もまたいい、
妖怪たちが現代でヒトビトにその存在を
知らしめるべく活躍するのにソフビはうってつけな素材ではないでしょうか。

ぶたのはなチビラくんゲバゴロー

2012年09月01日 | 特撮・SF











8月も終わり。猛暑ももう少し続くカナ。
なんとか乗り切りたいですネ。
関東圏はお盆からここまで雨もほとんどなかったのですが
夕立が降ってきたりと1日目から涼しげになりそうな予兆も見られます。


ぶたのはなさんからこのほど夏のソフト焼き玩具ニューアイテムとして
リリースされた快獣シリーズ「チビラくん」に登場した
ゲストキャラクターのゲバゲバロボット・ゲバゴロー。

そして今回は新カラーも含む5点の新製品がリリースされましたので
タコが買った分を紹介していきます。











ゲバゴローもこれまでに発売された「チビラくん」シリーズの
ソフト焼き玩具同様に、ぶたのはなさんのおおらかな造形テイストが
非常によくハマっています。

今年春にビリケン商会さんの大宇宙人展や
みたりさんのスーフェスブースで置かれた
ぶたガチャのミニソフビで見せた造形表現をおぼえているファンの方も多いことと
思います。
「エス隊員」などでのリベット打ちした宇宙服のボディや
レトロSFチックな輪郭など、ぶたのはなさんの得意分野である
クレヨンで描かれたような、まったりとしてどこかなつかしさの漂う
造形面での表現力がこのゲバゴローソフビでも存分に活かされています。

本編画面ではセット撮影なため、あまりよくは見えない足元のディティールなども
きっちり入っています。どこか「がんばれロボコン」にも出てきそうな、
パストフューチャーな家電ロボット的なテイストも漂っていますネ。

版権ソフビでありながらぶたのはなオリジナルといってもいいユニークなポジションの
ソフビがまたソフト焼き玩具のラインナップに加わりました。

しかし、昭和当時の「怪獣怪人大百科」のチビラくんの登場怪獣ページにも
うつむき加減な一枚の写真といっしょに簡単に紹介されているものの、
映像本編での活躍がどんなものか知られていなかったゲバゴロー君。
そこで登場エピソードを見ると今回のソフビに愛着もより増してくるかと思います。
ぶたのはなさんの「チビラくん」ソフト焼き玩具の製品化は久々。
タコも楽しみだったのでじっくり語りたいと思います。

パパゴンの開発したトラベルマシーンで昭和にタイムスリップ。
キャラが立ってるわりにはネットにも情報が少ない存在なので
劇中ほとんどのゲバゴローの登場シーンをキャプチャしてみます。
本編で大暴れする暴走ロボット・ゲバゴローの雄姿を見てみましょう・














映像に出てきたゲバゴローはこんなヤツDeath.










優れた発明家であるパパゴンが失敗を繰り返しながら、
また新しい発明品を実用化しようとしていた。
今度は「機械を自由に外部からコントロールする装置」を開発。

その装置が、劇中に映る小道具がアポロ1号の着陸船のおもちゃに
パーツをいろいろゴテゴテとくっつけただけみたいなのですが。
こんなところも予算面でありものの小道具の流用が多い
「チビラくん」の見せ所だったりします。









番組も2クールに突入してますます苛烈になっていく
パパゴンとゴルバ両家の確執。

こんどは「機械やロボットを自由に外部からコントロールする装置」を
開発したと聞いて、優れた発明家であるチビラの父、パパゴンに負けまいと、
ゴルバも何かをせっせと開発していた。そしてライバルのパパゴンにもアピールするため
パパゴンの息子・チビラのペット、ポチポチも同席させ
上機嫌で完成品を披露する。
完成したのはシルバーの機体に、男爵を思わせる髭をたくわえた
「ゲバゲバロボット ゲバゴロー」!

ゴルバが作ったロボットは、ゴルバのプログラムミスがあったのか
方言をしゃべり、自由気ままに権勢を振るい、自分を作った主人に
ゲバルト行為を発揮して奴隷のように扱う、恐るべき暴走ロボットだった!

完成を喜ぶゴルバが起動スイッチを入れ少しすると、
横柄な口を利き始めるゲバゴロー。あろうことか、停止する間も与えられないままに
造物主と製造品である立場が逆転して
奴隷状態にされ、こきつかわれてしまうゴルバと息子のガキンコ。

ゲバゴローのキャラクターボイスはイカルス星人の人間体である
怪しい隣人の男役でもおなじみの山本廉氏が担当。
「なんだ?オラにさからうなんて、なーにかんがえてんだっぺや!」
そういえばこの回は「怪しい隣人」の鈴木俊継監督担当ですね。



ガキンコの友達、チビラもはじめは静観していましたがガキンコたちがかわいそうに
なり、奴隷になっているふりをしながらじっとゲバゴローの様子をうかがっています。







ゴルバ家がロボットのゲバゴローにのっとられる、悲惨な光景。








この回はとにかくゴルバとガキンコがゲバゴローに責め立てられて
土下座ばかりしてるな。ガキンコに優秀なところを発揮し、
親としていいところを見せようとしたのにまったく裏目に。
しかし父親にあきれ半分ながらでも、そんなゴルバの傍らから離れないガキンコは
よい子ですね。
チビラとガキンコはいつもそれぞれの父親のプライドをかけた争いを
達観したスタンスで見ており「親から学んでいる」様子で描かれます。
将来大人のカイジュウになったら、共に立派な父親として親交を結んでいくことに
なるんじゃないでしょうか。



例によって苦境に立つと、亡妻であるオクの遺影に泣きつくゴルバ。
でもどうにもならない。このエピソードではオクの遺影は動かず
キグルミが額の向こう側で演技していなく、等身大の写真で登場のようです。
「チビラくん」や「トリプルファイター」頃になるとウルトラ第1次時期に
比べてもスーツアクターさんの人数が一作内で限られた予算の範囲の中で
演技をしています。
今回はゲバゴロー役にスーツアクターさんが廻ったんでしょうか。








どういうわけかゲバゴローはポチポチが気に入り、ご寵愛に。
ポチポチ以外の快獣は奴隷扱いなのに、ポチポチだけは
愛でるゲバゴロー「おまえ、めんこいな、おまえだけはゆるす よしよし」








眠るポチポチの傍らにやってきて体をなでたりするゲバゴロー。完全にお稚児様
あつかいDeath。ほとんど「おれの子供を生め!」みたいな勢い。
キグルミ劇でこんなあやしげな場面をやっているので、
一層キンキー&ストレンジな構図になっております。
製作スタッフはどういう目線でこんな展開にしたのでしょう。
現在なら腐のヒトが思わず二次創作本を作っちゃいそうな設定Death。

そういえば、サブレギュラーキャラのタツノオトシゴみたいな魔女・ドロンに
「ポチポチさん、スキよ。。。」と毎度コクられて逃げるシーンが
パターンギャグ描写になっているポチポチ。
また、他の回でカモ柄のアギラ(♀)を助けてポチポチが
異種族間でちょっとイイ仲になった回もあったな。
初期話数で地球から来たユミちゃんがなついたのもポチポチ。
ポチポチは違う種族に好かれる属性でもあるんでしょうか。







ゲバゴローに異様な関係を迫られて悩んじゃうポチポチ。
でもゲバゴローからの特別扱いにはまんざらでも
ない様子もあったりして、どこか心揺らいでいます。

「おら、おめといっしょにしあわせにくらすんだ~。
でもあとのやつらはどうでもかまわなっぺよ」

ゲバゴローのぶっきぼうな口調がジェノサイドを想起させてコワイ。。。

今回、ぶたのはなさんからゲバゴローといっしょにポチポチの新カラー(ピンク)が
同時発売されたのはおそらくこの劇中の展開からくるシーン再現用として
なのかもしれません(決め付け)。



自分が好きな機械油を「おめえも飲め!」と強要されるポチポチ。
ゲバゴローはマシーンなので、歯車のようなパーツや機械油を食べ物にしている
ようです。もしかしてナノマシンなのカナ?
パパゴンが別の話で人工知能の作り方を話していたときに
液体燃料で動かしている、と言ってました、このカイジュウ町の世界は
地球人とは別の進化を遂げたことで、科学的に秀でた分野がまた違う形で
ロボットの制御などを行っているのかもしれません。

自分の気分のままにふるまうゲバゴローに、ご寵愛を受けている身でありながら
ポチポチもけっして安穏とはしていられません。
すでにこの狂ったロボットにカイジュウ町の住人たちはみな、監禁されているからです。
このお話も、ウルトラよりはもっと下の年齢の視聴者を対象にした
番組とはいえしっかり円谷SFになっていますね。





ゴルバの爵位を奪い、愛するポチポチを引き連れてカイジュウ町の
リゾートへと気ままに繰り出すゲバゴロー。

といっても近所の公園でブランコに乗っているだけですが。







さらにカイジュウ町の森林公園の川に行って優雅にフィッシングをたしなむゲバゴロー。
傍らにはポチポチがつきそう。

といっても(たぶん)撮影所に近い、地場世田谷区の川なんでしょうね。











自分が作ったロボットに反逆され、思うがままに支配されるゴルバ家。。。
奴隷のようにこき使われ、家から縄梯子を伝って逃げようとする
ゴルバとガキンコですが、ゲバゴローは無駄に猜疑心が強かったりして
すぐ見つかり、何度もひどい目に遭う。思うにゲバゴローは
製作したゴルバに人格というか快獣格というか、ロボット格?が似ている気がしますね。





ゲバゴローのリアビュー。ぶたのはなさんは表面のむき出しになった
メンテナンス用パネル部分やリベットなども正確に、ときに
自分のテイストでディティールアップしてソフビ化しています。










劇中ではゴルバ家に伝わる貴族の王冠とマントを奪い、ゴルバのプライドの元である
爵位まで横取りするゲバゴロー。
王冠とマントを着けた状態のリアビューはこんな感じ。



なんとか山に落ち延びたゴルバとガキンコ。背の高い白い花の
ハルジョオンが咲き並ぶ、昭和の空き地の風景。
チビラくんはシュールでチャイルディッシュなキグルミキャラのドラマ
としてだけでなく、こうして時々ドラマの間に映るいかにも昭和らしい
のどかな風景にも心なごませられます。








パパゴン ドアの開閉音がしたので、仕事をしながら後ろを振り向かずに
   「チビラ、ゴルバ家のきちがいロボット(本編ママ)はどうなった?」

ゲバゴロー「あ?誰のこといってるっぺ」
     後ろにはゲバゴロー

パパゴン「(驚愕)アッ!!」

ゴルバ家を制圧し、とうとうカイジュウ町の頭脳たるパパゴンの家にまで
おしかけてロボットの覇権を広げようとするゲバゴロー。

開発者であるゴルバの「パパゴンを圧倒する」目的はここで一応は
達成しています。しかしこの時点でゴルバは自分の家庭を破壊させて
ゲバゴローのゲバゲバロボットとしての恐るべきスペックを実証している
というじつに皮肉な流れとなっています。
「闇金ウシジマ君」よりも怖いですね、ゲバゴロー。

ゴルバの対抗心を受けても余裕綽々でいたパパゴン、静観し
のんびり構えていたのですが
ゲバゴローに押しかけられたら、さすがのカイジュウ町一の
インテリ快獣もしどろもどろです。








チビラ家もたちまち大パニックに。

おびえるママゴンに「べっぴんさんにはオレ、何も悪いことしねっぺ」
妙な漢気を見せるゲバゴロー。
ゴルバも若い頃はメロメロだったし、ママゴンはこの世界観では
ロボットも認める美人カイジュウなんだな。

パパゴンとチビラが一計案じ、
冒頭に登場したコントロール装置でゲバゴローを外部から操作し盆踊りの
ような踊りをさせたりなどさせて時間稼ぎをしながら、
ゲバゴローから得もいえない愛情と信頼を得ているポチポチが
必死の熱演でゲバゴローをトラベルマシーンに誘導。

ポチポチ「ここにはいるとね、夢のような国にいけるんですよ~」
ゲバゴロー「なに、ほんとか。いってみっぺ」






トラベルマシーンを通じて超未来に送り込まれたゲバゴローは、
どこか未来の廃墟のような場所で枯れ木につるされたような姿であわれ
バラバラのスクラップに。カイジュウ町をロボットが侵略する脅威はこうして去った。

ゲバゴローも恐ろしいが、自分たちの生活圏内に現れた異物や異端者を
サイロに放り込んで排除してしまうトラベルマシーン、おそるべし。
番組の3クール以降は本来の目的である、遠方の星への宇宙旅行や
過去や未来へのタイムトラベルに使用されるようになる万能さを誇るトラベルマシーンは
劇中でも珍妙な開発が多かったパパゴンにとって最大の
発明品ではないかと思われます。

しかし1~2クールで劇中において時おり描かれている
トラベルマシーンの開発過程では、カイジュウ町にやってきた侵略者や時間旅行
をしてきてカイジュウ町をのっとろうとする敵を、
未来や過去に廃棄もしくは追放し存在を消してしまう機能として
使われることが多い。あたかもモルモットの実験です。

そういえば1話で完成したトラベルマシーンによる空間旅行の実験には
ペットのポチポチを使ってたんだった(しどい)
パパゴンはマイホームを重視しながらも科学者としてはかなり冷徹ではある。

自分らの平穏に都合が悪いヤツはみな消滅・排除。
ピッピーやハレハレの回はゲストキャラにも事情や主張があったのですが
カイジュウ町にとっては排除される外部者にすぎない。
スタッフもそこはあきらかに「社会でありがちなこと」という
外から来た者を自分たちの日常が変わることをよしとしないで
排斥してしまう、コミュニティが時に外来者を相手に刃を振るう
風潮への風刺をこめて描いています。
低年齢対象の子供番組という体裁をとりながらブラックですね。
おまけに本作品はキャラクターの90%近くがキグルミによる番組なところに
映像として風刺性が倍加しています。

ゲバゴローはデザインもレトロチックなブリキロボット風で、作品の映像を
離れても楽しいロボットソフビとなっています。しかし、元の映像に出てきた
ゲバゴローのデザインをしたのは誰なのかな。池谷さんっぽいデザインだな~と
思うんですが、美術の方でこういうレトロメカのデザインに長けていた、
いまだマニアの間でも名前の知られていない方がいそうですね。



円谷流れでいうとゲバゴローは平成ウルトラセブンに登場したダイテッカイとか
「猿の軍団」に登場した人間の砦を保全する
ガードロボット・チップなどの先駆的キャラクターに見えます。
なんの根拠もないんですが、ゲバゴローはタコ的には、
この回用に新規で製作したキグルミなのカナ?と
思っています。もう一体、別の回に登場するパパゴンが開発した
鳥のような頭部をした勉強ロボット「ゲゲババ」も
見たことのないロボットのデザインで、ちょっとこの回の前に
なにかの映像作品で使われた感じのしない奇妙な姿なので
新規のキグルミのようです。
ゲバゴローの全身のデザインは統一感があるので、
何かロボットのキグルミを首挿げ替えしたりしたスーツではなさそうですね。

チビラくんはメインのパパゴン家、ゴルバ家以外のキャラで、
ナンジャーさんやハレハレなどのようにこの番組用にキグルミを製作したのかどうか、
本編映像を見ただけではわからないキャラクターも多いですね。

一方で、宇宙人のピッピーのようにチャメゴンの頭部を大胆に改造したキャラは
流用であることが一目瞭然なんですが。

さらにオクなんてブースカのキグルミにケープを巻いただけですからね。
イカルス星人の郵便やさんやアギラの配達夫、ぺロリンガ星人を銀色に
塗っただけの侵略宇宙人なども居ました。
キグルミの流用であるとしても、子供向け番組のキグルミを倉庫から出してきて
脚本を見ながら現場で流用キャラをうまくアテていったのでしょうか。
「チビラくん」の製作過程は今もって謎が多いです。

でも、そのなけなしのコスト対策から当時行ったキグルミの流用を
のちのち特撮・怪獣マニアたちが作品のコンテンツとして満喫している
アンビバレンツな状況。ヨノナカ、何が幸いするかわからない状況ではアリマス。



幸い本番組にメインで製作に参加していた安藤監督らもご健在で、作品への愛着から
当時のこともよく覚えておられ
自作「トリプルファイター」の舞台裏についてもここのところ、公式の場で
面白いエピソードを明らかにしておられます。
同様にかかわりの深かった「チビラくん」の撮影現場についても
細かい証言をお聞きできる機会が今後得られるとマニアの立場からはうれしいのですが。









今回、初の立体化となるゲバゴロー。つみきキングジョーやガメロットなど、
ロボット系キャラクターのソフビ化では定評のある
ぶたのはなさんならではの、キャラクターとの造形的相性も抜群な
仕上がりとなっています。

トラベルマシーンにより、未来に消滅してしまった
マイナーロボットキャラのゲバゴローですが、
キャラクターをよくつかんでくれるソフビメーカーさんとの出会いで
2000年代に素敵なソフビとして再び再生することができ、
カイジュウ史にようやくその形とともに名を残すことになったのではないでしょうか。

(ぶたのはな チビラくんシリーズ新作②につづきます。。。)


【ぶたのはな ピッピー】

http://pink.ap.teacup.com/kadomiumtank/247.html

【ぶたのはな ハレハレ】

http://pink.ap.teacup.com/kadomiumtank/226.html#comment


【ウルトラファイト 悪鬼ウーの狂乱】

http://www.nicovideo.jp/watch/1233713719

【ウルトラファイトBGM集】

アップロード主に感謝。
後半には砂浜ロケ編で多用されてるおなじみの珍妙ナンバーが集まってます。
能天気なグラムロックとかガレージサイケ、ウクレレミュージックとか、
かなり発狂風味、ぶっつけ本番でスーツアクターーもクタクタな
バトル映像。思わず脳内物質がダラダラ出てきつつ
ロケ地である下田の宵闇迫る夏の白い砂浜が脳裏に浮かんできたりしてイイ感じDeath。


http://www.nicovideo.jp/watch/sm1147082