月末だし企業的には年度がわりなんで
自分的にも仕事はバタバタしてます。
混乱を予期して、ある程度早めに自分の仕事の納期は早めているのだけど
それでも31日ギリギリだ~。
今回の更新は「昭和の奇獣シリーズ」14、
いつもよりさらに超極北系でユルさ全開です。
マルサンオリジナルのバンカー星人とそのライバルヒーロー、
ウルトラサターン(黄色いギリシャの神様風のヤツ)、
怪傑透明ウルトラA(マントの方)。
以前旧ブログの「バンカー星人」の記事で彼らは紹介しております。
旧マルサンが版権怪獣以外に自社オリジナルの怪獣・ヒーローソフビの市場開拓を
模索している時に生まれた怪ソフビたち。
新生マルサンヒーローとして加わったアストロミュー5といっしょ。
なんだか時期柄もあって、戦闘シーンというより花見で浮かれている酔っ払い
みたいにも見えます(笑)
友人がバンカー星人の画像を以前見たときに
「この時代にカーミット(マペットショーのカエルのキャラ)っていたっけ?」と
鋭いことを言ってました。まあたしかにキョトンとした目が似てるかな~。
造形としての出来不出来はもう別次元ですね。
昭和当時でないとこういうユルいテイストは狙っても
なかなかかもし出されないですね。このユルさは見る者の魂を
固定観念「よく出来たもの=洗練・絶対」てな束縛から、ひとたび解放する。
マルサンオリジナルは時にガラモンもどきとかメフィラス星人もどきとか
イカルス星人もどきとか、円谷作品の怪獣たちに似せた一群の怪獣ソフビを
自社のマルサンオリジナルに混入していました。以前は元ネタの番組を
提供していたブランドメーカーが作ったパチということで、
なんともおおらかな、同時に商魂あふれる時代だったのだなと
今にして思います。
残念ながらテレビの魔力は強いもので、マルサンオリジナルは
版権怪獣ソフビの人気に肉迫することはかないませんでしたが。。。
そのうちの一体である「パレール星人」。
キャプテンウルトラのメタリノームにそっくり。
ちょっと傾いてますがなんだかいっちょまえに侵略星人としての
尊大さを漂わせてますね。
仮にも40年以上も世界の流れといっしょに経年して
ソフビとしての生を過ごしてきた貫禄でしょうか(笑)。
新規造形のマーミットビニパラベビー版メタリノームもすっかり汗、です。
パレール星人「指人形はこうやって遊ぶんだ!」
メタリノーム「なわけねえだろ!ちょっと表へ出ろ」
パレール星人は地球の大気とは著しく異なる環境で
生きている宇宙人なので円盤の外には出れないという
設定があったりします(「怪獣新聞」に記載)セブンのぺガ星人みたいですね。
まあ、今見るとなかなか味わいがあるんですが。
やはりちょっと見、「テレビに出てるのみたい」な感じで
レジを通過するというパチのアビリティを備えた
その一瞬に賭ける戦略的星人、
(なんてニッチな侵略なんだろう。ケロロ小隊並み)うさんくささが
全身にあふれてます。あまつさえ販促?用の大里玩具風指人形まで
もっともらしくあるんで、これは「本当にテレビに出てるの」かと
みまがうまぎらわしさが漂います。
造形的には足が偏平なので、似た形の脚を持つトルトス海人と同じ
原型師氏が担当したアイテムであると思われます。
そしてブルマァクも第二次怪獣ブーム復活までの期間、
怪獣ブームを持続させようと「チビラくん」「ウルトラファイト」などの
帯番組を展開する円谷プロのバックアップとして怪獣ソフビの製品
展開を進めていたのですがマルサンオリジナル同様にブルマァクも
オリジナルというべきヒーロー(宇宙人?)ソフビの開発を模索していました。
その一体が上のキングウラヌス。
メタルナミュータント風というか、パルプ雑誌に出てくる宇宙人風というか
とにかくアメリカンなSF書籍の中の宇宙空間のイラストにでも居そうな
デザイン、なんですけど、一言でいえば
標榜するテイストに造形力が追いついてない。。。
ネット上にも画像がない。奇特なヒトがいるかもしれんから
この機会に載せときます。実はキングウラヌスってこんなのなんですよ。
「お手上げ!」両腕をトレンチコートの男が持ったら
円盤が墜落してCIAに捕まった哀れな宇宙人みたいです。
そこはかとないヒューララ感覚(相原コージ)が漂ってます。
気が付いたら家のオモチャ箱にあった不気味なソフビで、
親戚のおさがりでいただいたのかな?と記憶しています。
でも足裏に「ブルマァク」と刻印(マークではない)
があるだけで、名前も書いてないのに子供の頃から
どうして今まで「キングウラヌス」という名前を知っていたのか
自分でもわかりません。譲渡されるときに
当事者の親戚の兄貴にでも教えてもらったのでしょうか?
兄貴は自分に譲り渡すまで、キングウラヌスなどというこのソフビの名前を
おぼえていたんでしょうか?そもそもこのソフビがキングウラヌスとして
語り継がれているのが前提になっているんですが、
本当の「キングウラヌス」というソフビが存在している可能性
だってありますね。じゃあこの彼はどこの何者なのだ?そんなところも不気味です。
この画像がキングウラヌスとしてネットで伝わると、
やがて本物がなのり出てくるかもしれません。
キングウラヌス以外にジュピターキング、キングビーナス
というソフビも開発されていたようですが自分は未見です。
なんだか太陽系の惑星を基にした命名が数年後に発売された中嶋製作所の
アストロミュー5にかぶっている気がしますね。
そういえば、このソフビで当時遊んだ記憶もあまりありません。
なぜ遊びたがらなかったかというと
第一に自立しないからです。足の造形がすごくて、
腰のところから分割しているんですが、画像を見るとわかるように
途中のもものあたりから左右の足がくっついて成型されている。
こりゃ立つどころじゃねーっす。
こうやって壁に立てかけてみると、御琴おねえさまにつれなくされて
愛を打ち明けるチャンスを逸し、しまったああと思わず頭をガンガン壁にぶつけて
悔やんでる黒子みたいです。(って知らんがな)
こういうアイテムを見ると去来するのは
成田亨デザインのウルトラマンの存在がいかに偉大かということです。
オリジナルになると海外の宇宙人イメージをもってくる、あるいは
マルサンオリジナルのウルトラサターンみたいに西欧神話方面の
パン神みたいなモチーフを持ってくる、といった手法で裏付けられるのは、
ウルトラマンを相克できるような独自のミリキを備えたヒーローを
メーカー自力でクリエイトすることはそうそうかなわなかったという事実です。
ウルトラ怪獣の影でメーカーがひっそりとデビューさせた
裏ヒーロー、そして怪獣ソフビの立役者である本家メーカーが自ら作った
有名怪獣のパチソフビたちは、どこか時代がブーム便乗から
メーカーを血迷わせ作らせた存在ゆえのはかなさが漂っています。
ソフビファンがそんな当時の華やかな怪獣ブームの混沌の中に咲いた
アダ花のような不思議な怪獣・ヒーローに
惹かれるのも、隠花植物の開花を静かに見まもるようなひそかな楽しみ
ゆえ・なのかもしれません。
撮影をしていたら、いつのまにか近所の公園の桜も満開に。
すっかり全国的に花見シーズンになりましたね。
カメラに映る日差しもすっかり春めいた輝きを増してきました。
そしてその光は余すことなく、名も知れぬ彼らのような
パチ怪獣たちにだって当たるわけです。
つ【Outer Space Man】
コメントをいただいたうにさんからのご指摘で
キングウラヌスの正体というかオリジナルが判明。これか!
http://www.youtube.com/watch?v=Ut00idO4yn4