KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

パレール星人×キングウラヌス

2010年03月30日 | 当時物ソフビ


月末だし企業的には年度がわりなんで
自分的にも仕事はバタバタしてます。
混乱を予期して、ある程度早めに自分の仕事の納期は早めているのだけど
それでも31日ギリギリだ~。

今回の更新は「昭和の奇獣シリーズ」14、
いつもよりさらに超極北系でユルさ全開です。

マルサンオリジナルのバンカー星人とそのライバルヒーロー、
ウルトラサターン(黄色いギリシャの神様風のヤツ)、
怪傑透明ウルトラA(マントの方)。
以前旧ブログの「バンカー星人」の記事で彼らは紹介しております。
旧マルサンが版権怪獣以外に自社オリジナルの怪獣・ヒーローソフビの市場開拓を
模索している時に生まれた怪ソフビたち。



新生マルサンヒーローとして加わったアストロミュー5といっしょ。
なんだか時期柄もあって、戦闘シーンというより花見で浮かれている酔っ払い
みたいにも見えます(笑)

友人がバンカー星人の画像を以前見たときに
「この時代にカーミット(マペットショーのカエルのキャラ)っていたっけ?」と
鋭いことを言ってました。まあたしかにキョトンとした目が似てるかな~。

造形としての出来不出来はもう別次元ですね。
昭和当時でないとこういうユルいテイストは狙っても
なかなかかもし出されないですね。このユルさは見る者の魂を
固定観念「よく出来たもの=洗練・絶対」てな束縛から、ひとたび解放する。

マルサンオリジナルは時にガラモンもどきとかメフィラス星人もどきとか
イカルス星人もどきとか、円谷作品の怪獣たちに似せた一群の怪獣ソフビを
自社のマルサンオリジナルに混入していました。以前は元ネタの番組を
提供していたブランドメーカーが作ったパチということで、
なんともおおらかな、同時に商魂あふれる時代だったのだなと
今にして思います。
残念ながらテレビの魔力は強いもので、マルサンオリジナルは
版権怪獣ソフビの人気に肉迫することはかないませんでしたが。。。



そのうちの一体である「パレール星人」。
キャプテンウルトラのメタリノームにそっくり。



ちょっと傾いてますがなんだかいっちょまえに侵略星人としての
尊大さを漂わせてますね。
仮にも40年以上も世界の流れといっしょに経年して
ソフビとしての生を過ごしてきた貫禄でしょうか(笑)。
新規造形のマーミットビニパラベビー版メタリノームもすっかり汗、です。



パレール星人「指人形はこうやって遊ぶんだ!」
メタリノーム「なわけねえだろ!ちょっと表へ出ろ」

パレール星人は地球の大気とは著しく異なる環境で
生きている宇宙人なので円盤の外には出れないという
設定があったりします(「怪獣新聞」に記載)セブンのぺガ星人みたいですね。

まあ、今見るとなかなか味わいがあるんですが。
やはりちょっと見、「テレビに出てるのみたい」な感じで
レジを通過するというパチのアビリティを備えた
その一瞬に賭ける戦略的星人、
(なんてニッチな侵略なんだろう。ケロロ小隊並み)うさんくささが
全身にあふれてます。あまつさえ販促?用の大里玩具風指人形まで
もっともらしくあるんで、これは「本当にテレビに出てるの」かと
みまがうまぎらわしさが漂います。

造形的には足が偏平なので、似た形の脚を持つトルトス海人と同じ
原型師氏が担当したアイテムであると思われます。




そしてブルマァクも第二次怪獣ブーム復活までの期間、
怪獣ブームを持続させようと「チビラくん」「ウルトラファイト」などの
帯番組を展開する円谷プロのバックアップとして怪獣ソフビの製品
展開を進めていたのですがマルサンオリジナル同様にブルマァクも
オリジナルというべきヒーロー(宇宙人?)ソフビの開発を模索していました。

その一体が上のキングウラヌス。
メタルナミュータント風というか、パルプ雑誌に出てくる宇宙人風というか
とにかくアメリカンなSF書籍の中の宇宙空間のイラストにでも居そうな
デザイン、なんですけど、一言でいえば
標榜するテイストに造形力が追いついてない。。。

ネット上にも画像がない。奇特なヒトがいるかもしれんから
この機会に載せときます。実はキングウラヌスってこんなのなんですよ。



「お手上げ!」両腕をトレンチコートの男が持ったら
円盤が墜落してCIAに捕まった哀れな宇宙人みたいです。
そこはかとないヒューララ感覚(相原コージ)が漂ってます。

気が付いたら家のオモチャ箱にあった不気味なソフビで、
親戚のおさがりでいただいたのかな?と記憶しています。
でも足裏に「ブルマァク」と刻印(マークではない)
があるだけで、名前も書いてないのに子供の頃から
どうして今まで「キングウラヌス」という名前を知っていたのか
自分でもわかりません。譲渡されるときに
当事者の親戚の兄貴にでも教えてもらったのでしょうか?

兄貴は自分に譲り渡すまで、キングウラヌスなどというこのソフビの名前を
おぼえていたんでしょうか?そもそもこのソフビがキングウラヌスとして
語り継がれているのが前提になっているんですが、
本当の「キングウラヌス」というソフビが存在している可能性
だってありますね。じゃあこの彼はどこの何者なのだ?そんなところも不気味です。
この画像がキングウラヌスとしてネットで伝わると、
やがて本物がなのり出てくるかもしれません。

キングウラヌス以外にジュピターキング、キングビーナス
というソフビも開発されていたようですが自分は未見です。
なんだか太陽系の惑星を基にした命名が数年後に発売された中嶋製作所の
アストロミュー5にかぶっている気がしますね。

そういえば、このソフビで当時遊んだ記憶もあまりありません。



なぜ遊びたがらなかったかというと
第一に自立しないからです。足の造形がすごくて、
腰のところから分割しているんですが、画像を見るとわかるように
途中のもものあたりから左右の足がくっついて成型されている。
こりゃ立つどころじゃねーっす。

こうやって壁に立てかけてみると、御琴おねえさまにつれなくされて
愛を打ち明けるチャンスを逸し、しまったああと思わず頭をガンガン壁にぶつけて
悔やんでる黒子みたいです。(って知らんがな)



こういうアイテムを見ると去来するのは
成田亨デザインのウルトラマンの存在がいかに偉大かということです。
オリジナルになると海外の宇宙人イメージをもってくる、あるいは
マルサンオリジナルのウルトラサターンみたいに西欧神話方面の
パン神みたいなモチーフを持ってくる、といった手法で裏付けられるのは、
ウルトラマンを相克できるような独自のミリキを備えたヒーローを
メーカー自力でクリエイトすることはそうそうかなわなかったという事実です。

ウルトラ怪獣の影でメーカーがひっそりとデビューさせた
裏ヒーロー、そして怪獣ソフビの立役者である本家メーカーが自ら作った
有名怪獣のパチソフビたちは、どこか時代がブーム便乗から
メーカーを血迷わせ作らせた存在ゆえのはかなさが漂っています。
ソフビファンがそんな当時の華やかな怪獣ブームの混沌の中に咲いた
アダ花のような不思議な怪獣・ヒーローに
惹かれるのも、隠花植物の開花を静かに見まもるようなひそかな楽しみ
ゆえ・なのかもしれません。

撮影をしていたら、いつのまにか近所の公園の桜も満開に。
すっかり全国的に花見シーズンになりましたね。
カメラに映る日差しもすっかり春めいた輝きを増してきました。
そしてその光は余すことなく、名も知れぬ彼らのような
パチ怪獣たちにだって当たるわけです。

つ【Outer Space Man】
コメントをいただいたうにさんからのご指摘で
キングウラヌスの正体というかオリジナルが判明。これか!
http://www.youtube.com/watch?v=Ut00idO4yn4

ロボット刑事K×マザー

2010年03月29日 | 特撮・SF

マーミットさんのビニパラミニヒーロー
「ロボット刑事」シリーズがあと終盤登場のバドーロボ数体で
完結間近。10年越しのロングリリースだったのだけど
まずはめでたい。怪人やロボのシリーズで全部出るなんて
めったにないですからね。
ロボット刑事は当時も敵バドーロボどころかマザーも発売されていなかったので
思わず手にしてしまったリアルタイマーのKファンもいるのでは。
劇中ではよく戦闘シーンや爆発シーンでミニチュアのバドーロボが多用されていたので
プロップ的な面白さもありますね。



「マザー」!!
敵との戦いで傷ついたKを迎えるマザー。
少し前に届いたマーミットさんのマザーなんですが、
現物はディティールが精密で北欧とかにある
女神像みたいな繊細さが見事なデキ。




当時もしマザーが出ていてもこれだけの仕上がりに
なったかどうか。(そういえばマザーは当時、
パチのソフビはあったんですよね。ちょっと
イナズマンみたいな顔なんですけどあれはあれで
よく出来ていた。チャレンジャブル
な業者が居るもんだなあ。)




自分的にオキニなバドーロボセレクト。
ナナツマン、ロッカーマン、ドクガスマン。
ナナツマンはボディがちょっと女性的な
スレンダーなフォルム。滑らかな動きで警戒厳重な場所に潜入する
劇中での活躍にぴったりでした。
密室殺人用のロッカーマンは人をボデイに
放り込んで分解してしまう描写が怖かった。
ガンガンKにけっとばされてたロッカー部分が
凹んでたショットがちょっとかわいそうだった。
ドクガスマンはイナズマンのデスパーロボに
漂っているようなミリタリージェノサイドな
ルックスがミリキ。
当時、テレビマガジンの懸賞でナナツマンや
コワシマンのキグルミプレゼントがあったのだけど
あたった人います?




代理殺人や暗殺、代理強盗、社会不安の醸成、テロや破壊活動全般をつかさどる
黒い商社であるバドーらしく、全身黒で固めた面々をピックアップ。
ミサイルマン、ガンリキマン、デンネツマン。
ちょっとインダストリアルパンクテイストの
近未来バイオレンスSF映画とかに出てきそうな
ヤツラです。ガンリキマンは胴体がブラックスーツで
固めていて、人間社会への偽装度が高かった。
ハマキでたばこを吸いながらクライアントと
商談している姿がキュートでした。
目からの閃光で相手の戦闘力を奪う。
Kが一回戦で学んだ対策としてフィンガー5のアキラみたいな
トンボの目サングラスをして戦ってたのがかわいかったです。
ミサイルマンは当時も子供に人気のあったバドーロボ。
下半身を戦車に入れて戦ったりもするんですが、そちらも別パーツみたいな
カタチで立体化してほしかったな。
デンネツマンは80年代頃のアンダーグラウンドなクラブとかに
オブジェとして立ってそうなデザイン。




石ノ森章太郎原作のコミック、「ロボット刑事」。
時代を超えて今読んでも十分面白いオートマトンポリスノワールの傑作。
ロボットとして生まれながら人間としか思えない感情を持ち、
時には盲目の娘に優しくされ恋愛感情を抱いたり、科学捜査の担い手でありながら
犯罪の中に人間の不条理を見出し計測不能なヒトの存在に自らも心を揺らがすなど、
人間以上に人間らしい行動を取るKは、
犯罪組織バドーが立ち上がる時に不要であるとして棄てていった
設計図から起こされたロボット刑事だった。「キカイダー」と同じで
ピノキオシンドロームがその根底に根ざしているともいえるK。





しかし、バドーロボのビジュアルがテレビの
ファニーな面々と比べるとリアル志向で、とにかく地味!

上の犬型ロボとかネコ型ロボとか蚊のロボとか、ブリキのカカシみたいなのとか
人間の皮で偽装した鋲が顔に打ち込まれてる鉄仮面のようなロボとか。
犯罪組織のロボならそんな日常に偽装しているほうがリアルカナ。
それはそれで味だけど、当時テレビでユニークなバドーロボのみなさんを見てた
おともだちたちは、漫画を見て「コレジャナイ!」と思ったかも。



そして漫画版はラストも、能天気に終わるTV版と違って
超ペシミスティックな結末を迎える。
バドーのボスと、マザーの中にいる
Kの真なる母・バドーのボスの姉のすれ違いは
止めどない悲劇の終幕を迎え一人ぼっちになったKが絶叫する…のだが、
絵的に巨大ロボ同士の再会でそれを描いているのが
どこか唐突すぎていささかオマヌーになって
しまった気がする。(80年代頃に不条理ギャグを
描いてた頃の吾妻ひでおが「生き別れの
おねーさん!」とかいってラストで兄弟や姉弟が
双方同型のロボに乗って再会して戦ったりして
結局爆発するヤケクソうやむや気味なラストで締めくくる
パターンが幾度かあったように思うが
この漫画「ロボット刑事」のとってつけたような結末のパロディではなかったのか?



TV版より。おやっさんを気遣って
危険な現場から外し、結局バドーロボを
逃がしてしまったのがバレて
大目玉、ショボーン。



捜査に行った先で警官に逮捕されちゃうK。
まだまだロボット刑事の存在は全国の部署に
まではいきわたっていなかったのだった。



石ノ森氏の漫画にもあった詩を書くシーンが
TV版でもリアルに再現されている。実写で見ると
お茶目さが倍増。
















暗躍するバドーロボたち。
商談風景はソファで丁寧な口調で契約を取り交わしてたり
クライアントが入金を渋ったり通報したり等で裏切らない限り
現場の判断でユーザーフレンドリーと顧客満足を徹底したり、
時々見せる犯罪集団の営業マシンとしてのプロ精神も楽しい。
「ターミネーター・サラコナークロニクル」で
冷酷な戦闘マシーンにして美少女アンドロイドのキャメロンが
時折見せる奇妙なユーモアシーンを30年以上前に
すでに先取りしている部分もある。





予算と相談しながらコマいミニチュア特撮で見せるバドーロボの犯罪シーンや
Kとのバトルシーン。Kの特撮現場はジョーカーの飛行シーン以外は
特撮班は組まれていなかったのであろうが、奥中監督回は特に、本編班の撮影範囲内で
こういうミニチュア特撮をなるべく入れることにより戦闘シーンを面白く見せ、
視聴者に「特撮番組である」ことを印象づけていた。
テナガマンが背中のタイヤを起動して走行し
裏切ったクライアントを追撃するシーンなど、
アナログ特撮なのだけどイマジネイティブギミックが楽しめる。
まるで悪のロボコンって感じですな。
マニア目線ではこれらのミニチュアシーンの精神的再現として見れば、
ビニパラミニヒーローが出たところにたくまざる製品としての
遊び心があったように思うハズ。



すでに製品の原型も仕上がっていると
マーミットプラスにも記述がある、
最終回登場の最強バドーロボ、ハグルマン。

Kよりも優れたロボットとして生まれながら
月面での死闘の末にブローアップ/完全な戦闘機械と化した
Kに破れ、自分の存在価値を見失って、
バドーのボスと共に滅ぶ。プライドが高い一方で
一度は戦闘能力に優れているKを認め、バドーへ来いと
誘う辺りに、同じ開発者から生まれた兄弟としてKの事を
救いたかった様子もうかがえ、いかにも
石ノ森ワールドのロボット同士の情感描写らしく印象に残る。



無事、事件も解決した平和な日。
ビヤガーデンでビールを飲み干す一同。
おやっさん「おい!K、おまえ」
K「え?ああ~」
自分でも気づかなくなっているくらい、
すっかり人間らしくなっているK。


おまけ。WOMBAT TOYSさんから昨年リリースされた
ジャンカーVのリアリー・ヘッドver.
パチサミで発売されたんですが、このボディカラーを見て吹き、
パチっぷりの高さに思わず入手。
オリジナルロボで森かつらver.でロボット刑事カラーって。。。カオス。

K「ぼくのおふくろに何をするんだ!やめろジャンカー!
君はぼくと兄弟じゃなかったのか。
なんでそんな意味ありげなおそろしいフィンガーアクションで
おふくろを指差すんだ!」



このジャンカーVはKと並べると仮面ライダーゾルダと
契約した召還モンスターのマグナギガみたいです(笑)。
最近製作の番組だったら、Kも愛車のジョーカー以外に、シーズンのテコ入れで自分を
ビッグサイズにしたような、こんなサポートロボが味方についたかも
しれなかったような。。。

そういえば原作漫画の「ロボット刑事」を、石ノ森キャラのアニメーター
としては作者本人が動かしてるのかと思うくらい似せて描ける紺野直幸氏が作画して
アニメ化する話が数年前あったような気がするんだが、デマかタコの幻聴だったのか。

東京国際アニメフェア2010

2010年03月26日 | コミック・アニメーション


今回もアニメ方面の話。「東京国際アニメフェア2010」が東京
ビッグサイトで開幕。(3月26日から28日まで)
春以降の新作アニメの宣伝や製作発表が行われ、
まだまだフロンティアスピリッツの気概をたくわえた
日本のアニメ界の盛況ぶりを強く印象づけました。
4月以降スタートするアニメ・特撮の新番組も勢ぞろいです。



チェブラーシカと「くまのがっこう」のジャッキー。
みんなでいっしょに記念写真をとってました。



ちびまるこちゃんの20周年記念ブース。







CR牙狼のブース。本編で使用した、牙狼の装備や敵・ホラーの
プロップが多数展示されていて、雨宮慶太ファンなら必見。



7月よりスタート予定の「黒執事Ⅱ」の紹介ブース。
ファンの女の子がいっぱいいて盛り上がってました。





先日最終回のレビューをした「ソラノヲト」のブース
(アニプレックスのブース)。リオが劇中でもっていたのと
同じモデルのトランペットが展示されていました。




アニメ、ゲーム(プレイステーションポータブル
専用ソフト)とメディアミックスで展開している
「咲-SAKI-」の宣伝ブースにいたコスプレの咲と和(のどか)の
おねいさんたち。



「レールガン」などの作品を紹介していた
ジェネオン・ユニバーサルのブース。



4月10日よりBS11でスタートする
「迷い猫オーバーラン!」のヒロイン、
芹沢文乃のコスプレをしたおねいさん。
とうとうNHKもいわゆる萌えアニメを普通に放映する
ヨノナカになったんだな。。。



東映アニメーションのブース。「アバター」の技術を導入した
フルCGガイキングのデモ映像を公開。
巨大ロボットとしての重量感がものすごかったです。
このほかにも「キャプテンハーロック」のフルCG映像も披露。



ゼブラーマン2の劇中使用スーツ。




西尾維新プロジェクトのブース。
放映中の「刀語」の劇中リアルプロップも展示。



4月以降、2クールに突入する
リアルな池袋を舞台にした青春アクション
ミステリーアニメ「デュラララ!」の紹介ブース。



昭和のTBSの人気アニメ「まんがはじめて物語」の
キャラクターきぐるみ。
旧作のDVD発売なのか、新作でアニメを作るのか聞いたんだけど
よくわかりませんでした。。。



4月からスタートする「大魔神 カノン」の紹介コーナー。
これ、個人的にちょっと楽しみにしてます。
昨年、妖怪系アクションヒロインドラマでは
スマッシュヒットとなった「古代少女ドグちゃん」に続いて
特撮番組で快作が続くといいですね。


今回一番びっくりしたジョージ秋山原作
アニメ「アシュラ」の製作告知ポスター。
東映アニメーションのブース。

まだどういう形式でオンエアするか等は
決定していないようなのですが、
「アシュラ製作委員会」も組まれているようです。
あの衝撃度の高いオリジナルに近い形で製作・発表できたら
これは画期的な作品になりますね。
タコはこの漫画を小学生の時に読んだときのショックが今も忘れられません。

ただ、ジョージ氏の作品はひとたび人の持つ
業や欲望の暗黒部分や人間が生み出しえる地獄のようなセカイを
見せ付けながらも、最後には見る者を浄化する自浄効果というか
バランス感覚をもっており、そこは計算の行き届いたプロの仕事。
手加減なく忠実にやればそれだけ人の感動は
呼び覚ませられるのかもしれませんね。そして
クリエーターさんのセンスしだいでインモラルなシーンも
描ける部分が広がるでしょう。
松山ケンイチ主演で実写化したドラマの「銭ゲバ」も
それを実証していました。このアニメ「アシュラ」も肩を並べる
ジョージ印の作品に仕上がるよう、続報が楽しみです。

ソラノヲト・タケミカヅチ

2010年03月24日 | コミック・アニメーション


「誰かが、セカイはもう終わりだと言っていました。
でも私たちは楽しく暮らしています。
第1121号要塞…この、時告げの砦で…」。



つーわけでソフビ以外の記事もたまには。
「メカ列伝」。
アニメとかロボ系なら通常のソフビ同様に
守備範囲が近い人も居るかと思います。
2日前に終了したアニメノチカラ・「ソラノヲト」。
セカイに10機残ってない、ドックにあるだけで動かない
多脚砲座「タケミカヅチ」がついに
戦場の上空を飛んだのを君は目撃したか!








これ、12話完結なんで動かないメカの起動まで
描けるのかな~と半信半疑だったのだけど
さすが良い意味でマニアあがりの吉野弘幸(脚本)、そこは心得ている。
「紅い眼鏡」のプロテクトギア(一作目)みたいに
「そこに在ることで主人公たちの精神の象徴たる存在」として
決して動かないものと思っていたら9話で台風の中、三角州に取り残された
クレハたちを救う命綱を撃ち込む砲台として機能。そして10話では
いつの間にか脚まで付いた本来あるべき状態となって
最終回の戦争を仕掛けようとするヘルベチアの急進派率いる
多脚砲座たちとの戦いでは砲門が吼え、巨大なアンカー状の脚で
ガンガンドツキ合うガチンコバトルに加え
ホバリング?機能でガシガシ戦場のど真ん中にとんでっちゃうし。

マクロスフロンティアの最終回もそれまでの構成のグダグダが吹っ切れるように
「愛は流れる」越えを目指しゴーストV9まで登場した
超ハイスピード大ドッグファイト&マクロスアタック大会を展開。
それまで「ああ、だめだあ~」とかリアルタイムで
見てたお客(タコ含む)を黙らせたんですが、
本作もお客の「最終局面でこれやるよな?」をきっちり見せたのは好評価。

1月の放送開始以来、
お客の大方の見方は「なんだか色々過去に見たようなものを貼り付けてるけど
ナウシカなんだか、けいおん!なんだかはっきりしろ~」でしたね。

結局昨年のけいおんブームの後に
間髪入れず、「なんとなくそれに見えるアニメ」を送り込んで
きたところにお客が過敏すぎる反応とヒット作品へのブランド信仰から
「いや、そこまでおのぼりじゃねえよオレたち。
元ネタのほうのアニメの消費するのにいそがしいし」と
大方の人々がナチュラルに拒絶していたような感じがあります。
(けいおん!はこの春から第2シーズンがスタートしますしね)
あたかも、パチ怪獣のソフビがおもちゃ屋の軒先に吊ってあって
おばあちゃんが「これ欲しい?」とマゴに聞いたら
マゴがワクワクモードから瞬時に素に返り
「それじゃないの!」つってる感じ。





一兵卒の少女たちがラッパの訓練してたり、
本部からの年に一回の通話確認の電話番で
ひたすら受話器の前に居ておしっこ漏らしそうになったりとか
何も起きない村の警備をし続ける淡々とした物語。

作り手の商魂むき出しな身もふたもないパチモン好きのタコ的には
「ここまでけいおん的なムーブメントに乗ってあざとく搾取をもくろむなどと
パチとしていい根性してんな」と知人が一人二人と視聴を止めていく中
生暖かく見守っていたんですが。

主需要層の昭和世代のお客がどんどん高齢化していく
怪獣市場と違い、企画に美少女を
主人公にするという前提で、下の世代の可処分所得ゲットだぜ!と
まだどうにかもっているのが
アニメ業界の現状。しかしフックとなるキーワードというか
対象が、怪獣でない美少女に代わっただけで
特撮同様に決して潤沢な予算で回っている分野とも思えない。
アニメはDVDが5000本売れればペイとか、よく聞くと思います。
また製作サイドにとっても中間搾取が苛烈で
現場にお金が廻ってきにくい(らしい)市場であるという話。

元々アニメの市場は昨年ヒットしたアニメが一本でると
ほとんどその作品とキャラクター配置か色設定の同じアニメが
翌年のラインナップにはごろごろしている、パチの精神にあふれる
商魂たくましいセカイ。その玉石混交の中から
自分が見て波長が合ったりつくり手の電波の出力の高い
鉱脈を自由な解釈で各人が楽しくサルベージするのが
お客目線としては面白い市場なのかもしれません。
ある意味、過去のアニメは評価も定まっていない
膨大な遺跡のようなものなのかも。

「ソラノヲト」は友人のミリタリーオタのひととか怒ってたなあ
「設定といい話といい中途半端だ!」と。ところが
ただゆるゆると楽器弾いたり、只の軍服少女たちの
日常のドタバタ成長物語ではなかったのがわかったのが7話。
それまでのストーリーと趣を異にして
作品内で描かれる世界が一度「戦争により破壊されすぎて
再生するにはもう終わってる」こと、人類の未来・文明はどんどん先細っていることが
廃墟に転がる死霊のような兵士に告げられ、番組の空気は一変。





7話で登場したのがタケミカヅチの前世代機
らしい多脚砲座「アラクネー」と謎の生物「天使」(これについては後記)の
夕焼けの市街地で繰り広げられる壮絶なアルマゲドン風景。
人類滅亡の宵闇が迫る。ここまでの回でロボットシーン的には
諦め半分だったメカファンも、ほんの数ショットだったけど
「まだ何かやってくれるカモ?」と思えた、気合の入った
CG映像で多脚砲座の小隊がブンブン動くシーン。


やっと設定資料が出周り始めた。
コミック電撃大王付録のソラノヲトノートより
(本誌しか要らないつって友人がくれた、サンクス)
7話で描かれた、初年兵のラッパ卒のサポートとして
多脚砲座に載っていた頃のフィリシアの設定画。







目の前で敵機撃墜のラッパを吹いていた同僚が機体に潰されたのを見て、
憔悴しながら戦場をさまようシーン、
死霊となったミイラの兵士にセカイの終わりを告げられる
場面、そして現在、果物を剥いている時に手をナイフで傷つけた
時に悪夢のような戦場の記憶がフラッシュバックするシーンが
この番組当初からのほのぼのテイストの中にいきなり
カットインされてくるのは強烈。



フィリシア「セカイが終わるなんて!そんなこと言わないでください。
私生きてます!生きていたいです」



上はタケミカヅチのレストアをする天才エンジニア・ノエルとタケミカヅチ
の設定画(脚のない状態)。「けいおんで、綾波なんですよ!」
とプレゼンしているスタッフの声が聞こえてきそうな(幻聴)デザインのノエル。
性格設定も、いかにも綾波風味の無口な壁の花系キャラ。
1121部隊のタケミカヅチはこの設定画の
自走できない砲台状態のままで物語の大半を過ごす。

「その威力は歴史に名を刻むほど」と書いてあるが
作画スタッフもその機動力を映像で見せなくてはならず
その最終回の動きは、ムキになってるのか?と思うくらい
アシダカグモのようにとにかく敏捷に動いてた。




7話で精霊流しをする一同(皆、戦争で
誰かを失っていることがわかる)の中で
ノエルだけが流し船をしなかったのは
最終回で判明する(彼女は流し船がいくつあっても
とても流し切れないのだった)
こうして見ると番組自体、結構伏線も途中で
適度に張っており、最終回で閉じている。
良質なパチといえるのではないか。






上はローマ軍側の多脚砲座。下はかつてヘルベチア側の
「見えない死神」を起動した
戦争の仕掛け人ともいえるホッピー大佐の部隊機。
この作品に登場する多脚砲座は電装部品を搭載したハイテク機のようだが、
近接機同士の連絡は兵士のラッパにて行う。このへんの
ギャップは設定があるのか演出的に狙ったか?




最終回「蒼穹ニ響ケ」。
耳の利くカナタが歩哨に立った時に
「休戦の合図」が聞こえるがすでにローマと
ヘルベチア共和国は開戦寸前。「人類は戦争により進歩する」と
新たな戦争を起こしたい軍人たちの思惑がからみ
セーズの町に迷い込んだローマ兵の少女が撃たれる。
軍靴の響き、味方から銃を向けられ
監視下に置かれる1121城砦メンバー。
休戦を前線で伝える=戦争を止めるるために
睨み合う両軍の多脚砲座群の中に割って入る、
弾痕にまみれ機章も判別しにくいほど傷ついたタケミカヅチ。
カナタのラッパから流れる「アメージング・グレイス」が、
両軍の兵隊たちが向き合い一触即発の戦場に高らかに鳴り響く。




ヘルベチアの皇女としての身分に戻り、ローマ教皇との休戦を取り付け
タケミカヅチを救いにやってきたリオの乗る
赤い機体の多脚砲座。(クシャナっぽいなあ)

友人と話していて「なんだか劇中で描かれる、この先細ったセカイってのは
シュリンク基調なアニメ業界への風刺みたいにも見えるな」
という話で意見が一致した。昨年旧ブログでコミケルポを
した時も書いたのだけど、来年からアニメは番組数が半分になる、と。
ソラノヲトはその最前線に送り込まれたコンテンツ。
過去作品のパッチワーク、ヒット作のテイスト踏襲など
前線でそれらの十字架を背負いつつ作られた、そしてゆえに
同時代の空気をしっかり吸い込んだスタッフが作った
ライブ感のドラマとしても楽しめるのではないか、と。

ところで初期話と11話でクジラみたいな化石、最終回で
その存在が明確に示唆された「天使」ってのが居るんですが、
(セカイの全てを3日で破壊した巨神兵みたいなの、らしい。
途中まで「あいつら」とか複数呼称でしか呼ばれず
結局、終盤明確に存在が浮上する。人為的に作られたのかどうか不明)

ああ、「ソラノヲト」も「レールガン」みたいに
隠れ怪獣モノなんだな。
神の鉄槌みたいな生物なのでセカイを滅ぼした
相当に邪悪で鬼畜でインモラルで忌まわしい存在で、
天使の名のもとにとにかくすさまじいんだろうな。
妄想好きのタコもどんな姿か脳の演算処理がもはや
追いつかないよ。終盤にこんな設定出すなよ~ 怪獣好きとしては
気になってしょうがないだろ。戦争の恐ろしさをイメージした
幻想みたいなものと思ったけど、設定として劇中にきちんと居る存在らしい。
(ただ、この記事を書いた後、聞くところによると
番組の製作時点で設定画とかなさそうな気配だ)



それから天使とは別に居る、究極の生物兵器らしい「見えない死神」。
ノエルが幼い頃にホッピー少佐にそそのかされて
つくっちゃった邪悪な何か。
その威力はノエルが上官に自分がヘルベチアの魔女=
生成に関わった存在であることを仲間の前であかされて、
良心の呵責でヒキツケ起こして一瞬で心が壊れたくらい
(どうもパンデミック系の生物兵器みたいな存在らしいですが)



天使は、見返したら、ほんの3秒程度で
7話の市街戦において廃墟と化したビルの窓に
鳥が羽ばたくような効果音と共に
巨大な黒い羽根のようなものが映りこむ。直後に閃光とともに街と
ヘルベチアの多脚砲座群を地平線まで一瞬で焼き払い、
まがまがしいチカラをアピール。
爆発のタイミングがナウシカの時、庵野くんが作画した
例の巨神兵の口から波動砲のショットまんまなんですけど(わらい)。
その姿はホムンクルスか天使系?

タケミカヅチだけでも「動くの?動かないの?」と
気を持たされ映像としてなんとかケリをつけてくれたが
そんな不在のキャラや設定をさらに出されても~。
「そんなの卑怯よ!」(ウルトラマンネクサスのダダ副隊長風)責任持って
続編かOVAでもあるのならちゃんと描けよな!、と
ここはツンで締めときます。

映像化されてない本家ナウシカ原作版の
巨神兵の復活後(7巻あたり)をうまく本作でパチったら
あれだ、カナタのラッパに天使が同調してとか、そんなの見てえなあ。蛇足か。
ソフビのセカイを見てても思うのだけど、
「パチでしか作れないもの」もありますものな。


3話でリオがカナタに始めて機体から
アメイジング・グレースを聴かせたシーン。
まだジャンクの状態。






9話で台風の下でセーズの街の住民たちに引っ張られて
砦の上に立ち、人命救助に活躍したタケミカヅチ。
ノエルが操縦、フィリシアが砲台に立った。



10話冒頭のレストアがほぼ完了した状態の
タケミカヅチ。クレハとカナタが手伝っている。
本来あるカタチになって感情を表に出さないノエルもうれしそう。






12話の1121小隊出撃シーン。「炎の乙女たちの伝説」通り、
傷ついた死神になぞらえたローマ兵の娘を載せ、
一触即発状態でローマとヘルベチアが睨み合う荒野へと赴く。
フィリシアの「行くわよ、わたしのあなたたち!」は7話の
回想シーンでフィリシアの上官が部下のフィリシアたちに
出撃時、かけた台詞そのままだったりする。
クレハが砲手、カナタがラッパ兵。
過去の呪縛を解き放ったフィリシア、
そしてノエルもレストアが完了したタケミカヅチを操って、
己の過ちを断ち切る=戦争を止めに赴く。きりっとした表情で
主役メカを操縦してるとノエルが主人公に見えるな。



一人も死なさずに戦争を回避させた1121小隊。

タケミカヅチですが、それを模したパチとかでなく版権品の
ソフビが欲しいなー。奇特な、マイナーメカ系に強いメーカー様で
どこかがソフビ化してほしいっす。夏のワンフェスあたりどうです?
痛戦車VER.とかキャラクターのステッカーつけて売ればばっちり。
でも設定どおり、セカイに10機限定販売とか
わけわかんない「大人の事情」ってヤツをかぶせて売るのはカンベンね(笑)。

つ【ソラノヲト 2~11話予告】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9969361

つ【Anthem / Cryin' Heart】
日本のハードロックバンド・アンセムの4作目に収録。
ジプシーという異色のコンセプトで練られた
スピードナンバーが情感多彩で、今も色あせない。
http://www.youtube.com/watch?v=iGnbavYLsbU&feature=related

ゴルバ×ピッピー

2010年03月23日 | 特撮・SF


最近のお買い物。ぶたのはなさんの新作からゴルバとピッピー。

この「チビラくん」シリーズもチビラ・ガキンコファミリー
双方からゲストの宇宙人・怪獣までも登場し、マイナーな番組の
キャラのソフビ化という面でメーカーさんの本気度が
うれしい展開になっています。
造形的には番組のキャラクターにある程度忠実な一方で
ぶたのはなさんのまったりとした造形テイストが
キャラのかわいらしさをMAXに引き出した
ある意味、新訳的要素も出てきている。

劇中カラーと違うカラバリも最近は続々リリースされていますが
ぶたのはなオリジナルとして楽しめる要素が
さらに加わってきたように思います。
特にこのピッピーは右のFirst colorが劇中オリジナル
カラーなんですけど、左の新カラーも駄菓子的宇宙人風というか
ビビッドなカラフルさで今までのチビラくんアイテムの中でも
ぶっとんだ仕上がりになっており、一目で気に入った次第。



ガキンコのお父さん、ゴルバ。
「おっちうえ!」(ガキンコは舌ったらずにこう呼びます)

ぶたのはなさんはゴルバの亡き妻オク、
息子のガキンコとゴルバファミリーをとうとう
全部立体化してくれました。賢婦であったのだろう
オクが隣にいてゴルバもうれしそう。
ガキンコが生まれる時にオクが亡くなったように
思うので、ソフビとしてとうとう家族3匹で
すごすことが出来て、シアワセかも。
劇中でもゴルバは在りし日のオクの姿を
夢に見たり、時には心が折れそうになって
泣いたりしてました。


タコはオクを買ってから、
ゴルバが届くまでオクは開封しないで
待っていたのでしたので自分自身もようやく
三匹そろえて並べたところ。

見ての通りオクはブースカ。本編では
ブースカのきぐるみを付けまつげ、ピンクのケープを
巻くことで女性の怪獣としてアクセントして
まんま流用しています。「チビラくん」は低予算番組なので
過去の番組の主役格のキャラのスーツさえも迷わず
導入したということカナ?まあ作り手としては
過去の人気番組のキャラを導入して友情出演というか
お客への顔見知り効果も期待した気は少ししますね。

ゴルバとガキンコが親子喧嘩をしていたりすると
家の額?(鏡?)に常時佇んでいるオクの肖像が
ケープの端を目に当てて泣くしぐさをしたり
体を揺り動かしたりする場面がたびたび
出てきます。たぶんゴルバが男やもめで必死な想いでガキンコを
育てている時に、時々亡くなったオクにささやいたり
すがりたい気持ちになる時に
肖像のオクが自分に反応しているように見える、という
演出なんでしょうが…。



はたしてこんな難しい演出が
子供には理解できたのでしょうか?なにしろチビラくんの本放送は
朝の8時前後なのでどう見てもこの時間帯では
未就学児か幼稚園の子しか見ていないと思います。
自分も幼児の頃に時間帯から推察して
再放送で見た記憶があるのですが、
当時は内容がまったく理解できませんでした。

近年ケーブルで放映したときに見てみたら、
侵略宇宙人や宇宙からの来訪者がカイジュウ町を
騒動に巻き込み、チビラたちと関わるうちに
どこかで共存や和解の余地があるのに、結局保守的な大人である
パパゴン、ママゴンやゴルバが町の平和をお題目に
よそ者として言い分も聞かずに追い出すようなストーリーパターンが多く、
要はセブンのペガッサ星人の回やノンマルトの使者のように
ピリリと風刺が利いているエピソードがいくつかあるということですね。

おそらくは当時のメインユーザーである
子供たちにはちょっとハイブローすぎて
話が理解できなかったんじゃないかと思います。
おまけに1日5分で一週間オンエア(×6話)
で1話終了形式ですからどれだけ内容が把握できたかというと、
毎日細切れじゃ無理がありすぎだろう、と。
ゆえに最近のケーブルオンエアまで、この放映形式がネックになって
リピートもなかったので、番組の詳細は知られずじまいでした。

たとえば「イワタニの企業キャラクター・ゴキドンが出てくる」
説もあり、それは「怪獣怪人大百科」にも登場怪獣として
ゴキドンの写真が載っていたからなのですが
見てみると結局そんな場面はなかったり。
(放映当時の怪獣ショーイベントで
チビラファミリーとゴキドンが共演したショーがあり
それで資料上、誤認されていた説が濃厚)



だいぶラインナップが揃ったので
ジオラマ風に並べても楽しいですね。

ゴルバは時々ママゴンにモーションをかけます。
それはママゴンが好きなのも確かでしょうが
ライバルのパパゴンに対するデモンストレーション
もあいまっての行動なのでしょう。

そのママゴンの誘惑場面が子供番組と思えない感じなんですが、
パパゴンと不和になったママゴンに言い寄ったり、
ヒドイとママゴンに変身してパパゴンとの仲を
裂こうとしたり。またママゴンもパパゴンと不仲の時は
平気でよろめいたりする。
しかもパパゴンとママゴンが仲直りするとゴルバを執拗に排斥したり。
アメリカのソープオペラ並みのドロドロな愁嘆場が何度か描かれていました。
キグルミで三角関係や男女の痴話げんかをやってると
人間が演じてるよりも戯画化され、生々しくもあり
見ていて何か脳がくらくらしてきます。

ちなみにゴルバは変身能力があり、
初期話数は胴体のみが人間のプロポーション(これが気持ち悪い)
のカウボーイとか警官に化けたりしてチビラファミリーに
近寄ったりします(演出的には、顔がゴルバまんまなのに
チビラたちは気づかない)。

後期はウルトラ怪獣の
きぐるみが数多く流用されるようになって、
プラチク星人の体の装飾が取れた状態のきぐるみを
流用した変身体になって、チビラの家で開かれた
パーティーを邪魔しに現れたりしたこともありました。

しかしママゴンはもてます。こういう顔立ちが
カイジュウ町では美人なんでしょうか?ゴルバのほか、
ハレハレにも誘惑されていましたのでパパゴンも
気が気ではありません。



以前発売されたウー、エレキング、アギラーも
たびたびチビラくんの冒険に行った世界に生息する
怪獣役とか、カイジュウ町の住人として登場。



さてピッピー。
旧ブログのピッピーの記事でも書きましたが
ピッピーのキグルミはチャメゴンの頭部部分の耳を
切り取って、タイツとマントをつけた胴体と合わせた
円谷お得意の予算にやさしい出来合い衣装系の宇宙人。
それにしても頭でっかちでシュールです。
このピッピーの話の数回前に、カイジュウ町の住人役で
チャメゴンが普通に出ているので、そのあとキグルミが耳を
ぶったぎられて改造され最後のご奉公をしたのでしょう。ナムー…。

とにかくブースカだろうがチャメゴンだろうが使えるキグルミは
必勝鍋に食材をおしげなくくべるように
ガンガン改造しては劇中に投入していた当時の円谷プロ。
そしてクタクタになった怪獣キグルミが荒地の赤土にまみれたり
海岸の潮風にさらされたり過酷な屋外の環境で
擦り切れるようにひたすらバトルを繰り広げる
「ウルトラファイト」…。「帰ってきたウルトラマン」の
スタート前夜、第二次怪獣ブーム前夜の潜在人気を帯番組で
体を張って支えた一期ウルトラ怪獣たちの最後のご奉仕風景が
この「チビラくん」でも垣間見ることができます。


ぶたのはなさんのこの新カラーピッピーは
ぶたのはなさんのオリジナルソフビ「S隊員」を思わせる
色センスでまとめられており、
ソフト焼き玩具始動前夜の同社の作品と地続き感も
感じられる出来です。よく見ると頭部と胴体の成型色が
変えて作ってあるんですね。



ピッピーは文明が発達した宇宙のユートピアと称される
チドレン星からパパゴンが呼び寄せた、
チビラの家庭教師だったのですが、彼は子供の少なくなった星から
他星の子供たちを誘拐する使命を帯びた密使であったという
北朝鮮の拉致事件を先取りしたような
ショッキングな設定。一度はチビラもガキンコもうるさい
親たちから離れられるとピッピーの誘いに乗り気だったのですが
誘いが実質誘拐であることを悟ったチビラがピッピーに
裏切られたと思い計画は頓挫して、ピッピーは
パパゴンたちに捕まりトラベルマシーンで
本星に強制送還されてしまいます。
他星の親子の絆が崩壊したところに甘い誘惑で
切り込もうとしたピッピー。
パパゴン「子供は親といっしょに暮らしたほうがシアワセなんじゃよ」
ピッピー「君たちもボクと来たほうが絶対シアワセになれるんだよ~」
最後の懇願が悲しかったピッピー。




劇中ではピッピーがまるで人間標本を集めているダダのように
さかんにチドレン本星の上司らしき人物と連絡を取っていたのですが、
新カラーの駄菓子屋スペーシーなピッピーは
その画面には登場しなかった
セブン上司ならぬ「ピッピー上司」とか脳内設定にしてます。
あと、前に青線のウルトラの星の市民がぶたのはなさんから
出たから、この新カラーピッピーも「チドレン星の市民」とか(笑)

ぶたのはなピッピーの服はどこかタイツというよりは
ムームーみたいですね。
「チドレン星」は大人もこんなムームーみたいな
服を着ているのでしょうか。

キュートな姿で、レギュラーで登場していたら
番組に華を添えていたであろうに
あっという間にカイジュウ町から去り、
1話分しか登場しないハレハレ、ピッピー。
ともにはからずもカイジュウ町から排除されてしまう存在ですが、
チビラくんやガキンコたちと共に住人として
暮らしていたらどんな大騒動が・・・。

劇中キャラクターとしては、中盤から登場しカイジュウ町に定住、
たびたび話に絡んでくる頭部が電子頭脳に改造された物知りおじさん、
ナンジャーさんがいるのですが、「ハレハレがもしカイジュウ町にいついたら
こんな感じでチビラくんやガキンコを示唆する
年長者のキャラクターになっているのでは?」と思える存在でした。

実は映像作品「チビラくん」のストーリーそのものも
元々はまったく完成したものとは違うものとなる予定でした。

放映開始当初は子役の女の子・ユミちゃんを主役に
カイジュウ町にやってきた騒動記として
キグルミたちと子役の物語が描かれる
予定でした。視聴者目線風に女の子を据えたのでしょう。
そのせいでユミちゃんの出ている初期は幼児番組的要素が色濃いです。
番組前に作られた当時のグッズ類には
チビラたちといっしょにユミちゃんらしきスペーススーツの女の子が
描かれたものもあり、このキャラクター配置で行く予定だった
ことがうかがえます。

ブースカとは真逆に怪獣のセカイに人間が闖入して
きたら?という設定ということですね。そのはずが
ユミちゃんの子役があまりに幼児なため
演技やセットに入る際の精神的コンディションなどで
どうにも無理があり、(要は撮影中にたびたび泣き出したりとかで)
結局数話で降板。(本編上では書置きを残し
いなくなるというあわただしい処理)
急遽、キグルミカイジュウたち
メインのストーリーへと変更になったそうで、
製作時点の現場の混沌さやスタッフの紆余曲折ぶりが
うかがえるところです。

思えば、「チビラくん」は完成したフィルムが
本来ある姿ではなかったということですね。とにかく子役の降板を
「なんとかする」必要に迫られたスタッフが
従来から作りなれたウルトラシリーズ的な方向で「とりあえず」と
ハーフビターな風刺劇という豊穣な「実」を持たせてしまったというか。
路線が定まらない中、手馴れたスタッフたちも
子供をあやしながらヒヤヒヤ作るよりはSFブラックホーム
コメディとして毒をまぶしたりして作るほうが
作り手として知的好奇心だって沸いたことでしょう。
まあ子役の降板がはからずも作り手の暴走を引き起こすトリガーになり
アダ花を生み出したという感じカナ。

ある意味、「カイジュウ町から子供を排除したら出来た子供番組」
といったら過言か。

時間が経って見れば、ウルトラの変奏曲ともいえる風刺劇として、
また第一次と第二次怪獣ブームをつなぐ昭和感の横溢した怪獣ドラマとして、
大人にとっては寝かしておいたワインのように楽しめる番組なのだけど、
企画通りでいけば本来の子供が無邪気に楽しめるような、
「普通の子供番組」になっていた可能性が高かった、ということでしょうね。
「チビラくん」のキャラクタービジュアルだけを見ると
屈託のない幼児番組となっていたほうが自然だと多くの人が思うでしょう。

昭和の朝の時間帯に帯番組で放映されていた
SFブラックホームコメディ番組「チビラくん」。そして現代、
ぶたのはなさんがカイジュウ町の住人を次々と製品化していることで
チビラくんのおはなしは、すでに完成している物語の
くびきを離れ、ソフビを手にした人それぞれが
好きに組み立てて屈託なく楽しめる
「本来あるべき子供番組のキャラクターになる」
機会が初めて得られたといえるのかもしれません。


つ【Unlimited Sky Full Version】
最終決戦のアーチャーアリオス出撃シーンでこの曲がかかった時、
ハレルヤにピーリス中尉と呼ばれて
「マリーでいい」はグッと来たな。
TVが終わってもう一年経ったのか。いろんなシーンが
同時代的な混沌とした状況につながっていて頭を離れない作品。

http://www.youtube.com/watch?v=-tPZAYeEQc8

つ【旧ソフビブログ ぶたのはな/ピッピー】
http://pink.ap.teacup.com/kadomiumtank/247.html

ダイオウグソクムシ男

2010年03月21日 | インディーズソフビ


巨大な出目金・キントト大王、三つ目の妖怪鹿、合成動物・犬鮫や熊猫象。
人知れず都内に存在する公園。
PVCの表皮を持つ駄菓子屋の軒先の住人のような
世にもファンシーな人工動物たちが
戯れるその公園には、謎の怪人たちが潜み、人々をフアンに
するという都市伝説があった。

彼ら怪人はその謎動物たちの細胞が融合して生み出されたという
説もあったがその関連は定かでない。
生物同士の細胞が交じり合ったもの、
機械と生物が融合したもの、植物が知性を持ち移動し捕食するように
なったもの、また他の生体をあたかも機械や
兵器のように扱うものなど、人括りにはできない存在。
バイオスフィアで突然変異したような
奇怪な怪人たちが今夜も公園を跳梁跋扈する。。。

最近その存在が明るみになった、恐怖のクサヤガンを操る一匹は
その名もダイオウグソクムシ男と名乗っていた。



つーわけで(どんなわけだ!)ヤモマークさんの
ダイオウグソクムシ男。ワンフェスで入手して以来
袋入り状態で楽しんでたんですがようやく開封。
原型段階を目にして以来、手にしてからも
自分的に久々にワクワク感の持続するソフビです。

今回は、以前からチョロチョロとフリマや
中古店で収集していたノンブランドの
どうぶつソフビたちにサポートアクト
になってもらって掲載。
ヤモマークさんがリリースしている
例の発見金型から起こした恐怖の改造動物でない
のですが、雰囲気は近い、ユルーイ感じのものが多いです。

昭和頃に作られたものですが、現代までなんとか
残ってきた彼らには駄菓子屋のデッドストック品を
たまたま袋詰めでセール品になっているのを
見つけた一群もいます。いわば昭和のPVC動物の
箱舟といったところでしょうか。


そして主役のダイオウグソクムシ男は、マニアックな甲殻類を
ソフビ化した、名前だけでもすでにブッとんでいる
ユニークな怪人ソフビ。

今回の自分の撮影セッティング上では
彼は悪の組織?に加担していながら
自分の存続である公園の森羅万象、
PVC動物たちを守る番人でもあるというところでしょうか。





サイド&リアビュー。背中の甲羅部分と多足生物である腹部に
ヤモさんの昆虫フェチズムが横溢。
リアの蛇腹状の甲羅も無骨ですが、強烈な自己主張で
造形面で動物大好きなヤモマーク氏の
好きこそモノの上手なれを体現したつくりです。

このFIRST VER.は本来自然に生息するダイオウグソクムシの
カラーに準拠したリアルネイティブカラーとなっています。



武器のクサヤガンを構える。
鉄砲魚を生体兵器としててなづけて使用している設定。
シリアスな怪人ソフビとして本体は比較的リアル志向で
作られているのに、腕のクサヤガンがおもちゃの銃のようで、
お茶目感を発揮、相殺して適度にファニーなイメージを
乱反射させています。



公園でたむろし陽光を浴びながらのんびりと昼食のコンビニ弁当を
味わおうとしていたサラリーマンのおじさんたちが
3怪人に襲撃されている!
お決まりの文句「この公園はおれたちが占拠した!
今からおまえたちは森の奥の基地に連れて行かれて
おれたちのどれいだ!」

サトシヤマモトサラリーマンズ「どれいなんてやだー、
助けて、ニッケル仮面!!」
人々の和やかなランチタイムを防衛してくれ!!



ダイオウグソクムシ男「今からクサヤガンで
おまえを、愛する娘にいやがられるような強烈な臭いのする
恐怖!クサヤ人間にしたてて家庭不和にしてやるぞ!
このにおいは漁村で臓物職人のおじさんが三代にもわたって
受け継いだクサヤの干物の芳醇な香りで、
1㎞先からもおまえが匂っているのがわかる。
そして、臭いは一生とれないんだ。どうだ怖いだろう!!」
サトシヤマモト「うわーん!!ウチは家族円満で
今時、日曜も娘にせがまれて仲良くショッピングに行ったりしてるのに!
たのむ、それだけはゆるして~」

ダイオウグソクムシ男「善良な家庭ほど支配しがいがあるのだ!
さあ鼻が曲がるほど臭うのがいくぞ~!」

ニッケル仮面「まてぃ!!」



ニッケル仮面とダイオウグソクムシ男の
行きづまる死闘が昼下がりの公園内で展開!

ダイオウグソクムシ男「うっ、もしかして
おれたち衆人環視で戦うのか?はっはずかしい!」

サラリーマンズ「ニッケル仮面まけるなー
どっちもまけるなー、もっとやれー!!ヤンヤヤンヤ」
「やっぱり怪人もヒーローも素材はタイツでないと」
「どっちが勝つか賭けようか!」

ニッケル仮面「お、おれもこのギャラリー状態は
シルバー仮面のあの、夕方の買い物客でにぎわう商店街での戦いみたいで
ものすごく恥ずかしいんだけど」

ダイオウグソクムシ男「羞恥プレーだ、ワクワクする、
じゃない 助けてー」

昼下がりの公園は毎回怪人が押しかけてきてはヒーローが
救いに現れ、連日ほのぼのアトラクションショーの様相に。
退屈な日常を過ごす人々にとっては、
わざとつかまって怪人たちに支配的な言葉を浴びせられたりと
ランチタイムの昼下がりは「おはよう子供ショー」の
怪獣においかけられるゲームみたいな
格好のスリリングなプレーゾーンと化していた。

そう、いつしか怪人たちは人々をフアンならぬファンにしていたのだった。
サラリーマンズ「明日も捕まえにきて~」



シリアスに怪人らしく見栄きりポーズ。
ヤモマーク怪人、次はどんなマニアックな生物が
ヤモマーク的アレンジで登場するのか?



公園のバイオスフィアに棲むPVC人工動物たち。
オレンジのゾウはインドのソフビです。

ヤモマークさんの謎動物はおそらくつくりから見て
昭和40年代前半頃に作られたソフビ金型なのではないかと
思います。作りが民芸品風で自分が持っているセール品の動物たちより
ヤモさんのシリーズは市場に出たのが何世代か前のような気がします。
自分が持ってるこのソフビたちの多くは
この種のどうぶつソフビにつきものの
笛機能がついており、腹を押すと「プー」とか「ピー」とか鳴きます。
怪獣ソフビとは山脈の違う市場として作られたファンシー系
ソフビ。子供たちのお風呂のお供になったり、
水場やプールの遊びなどで活躍したりしていたのでしょう。

象のソフビや熊などはヤモマークさんの発掘金型の
象や熊と見比べてみるとポーズや顔の造形など
つくりが似ているので、もしかすると過去に作られた
アイテムの記号を受け継いで別の業者でも作ったり
していたのでは。

昭和の駄菓子屋の店頭をにぎわせたチープトイである、
ビニールの爬虫類や宇宙人人形のように
当時の職人さんはそう意識はしていなかったでしょうが
その造形的記号は長年にわたって継承されてきたものかもしれない。

つ【本物のダイオウグソクムシ映像】
http://www.youtube.com/watch?v=Izw5ZTa3PaQ

つ【クイーン&エリザベス LOVE WARS】
今まで東映ラインはハロプロの独壇場だったのだが
とうとう秋元ラインが食い込んできた。
フィリップくんっ こっ、これは事件よ!(探偵長)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9957267


ギガラメカオス×ブロッパス

2010年03月20日 | インディーズソフビ



この月曜日が祭日に当たり仕事の締め切りが早まったので
いまだバタバタしてます。天気がいいのは何よりだけど。




またまたタコがよく撮影に使う、「終局の浜辺」で。
海の怪獣ウミゴンなんてカラーも昔ありましたが
タコのモンスターにはふさわしい場所ではないかと。
カオスも野菜の超人ですが、ある意味フナムシ風でもある
キャラですしね。

新年にリアルヘッドさんのカイジュウブルー展示で
発売されたギガラメタイプのカオス。
ふんだんにPVC材料にラメは盛り込まれたことで
光に当たると赤、青、緑の箔がキラキラしてて
得もいえぬゴージャス感の漂うアイテムとなっています。



このギガラメカオス、こうして見ると
パチ怪人ソフビとしての元ネタ?
フランケルゲのフナムシ的な見立てがより
強くイメージできそうなカラーです。
ギガラメは甲殻類とか表面のヌラッとした
タコやイカのような軟体動物系怪獣ソフビの
成型色にぴったりですね。もちろんウアモウさんの
ウアモウのような、ファンシーなイメージを持つソフビを
際立たせる成型色としてもミリキを放つし、
元のソフビがキュートでも、不気味でも
イメージを拡張できる成型法といえるでしょう。
そうそう、やたらに何周年とか創立記念みたいな
「お祝い感」もかもし出されますしね。




これまでもリアルヘッドさんではラメ仕様のアイテムを
出しているものの、このギガラメカオスはラメの混入度
MAXと以前聞いたことがあります。

先日BLObPUSさんの5周年福袋に封入されていたブロッパスが
このギガラメ仕様でさらに森氏が塗装考案
(塗装は後藤彩色所さんが担当)すると聞いて
気にはなっていた。福袋はすでに他のカラーで
もっているアイテムばかりだったので
とくに申し込んでいなかったのだけど、
その後運良く単品で見かけ、
現物でギガラメの導入も効果として生きていると思い入手。

数年前は怪獣軒さんのアントラーやSKULL HEAD BUTTさんの
トルエンマンなどでも登場した「REAL HEADカラー」
BLObPUSってヤツですね。
でもREAL HEADカラーってどんな色?って言ってもメタリック
グリーンだったりメタリックレッドだったり、特定の色調という
のは別に存在していないのだった。
なんだろう、作り手の気迫とか気力みたいなものを体現した
渋さ、鈍みを漂わせた色とか思っています。



インディーズ怪獣ソフビムーブメントの黎明期に登場した
REAL HEADとBLObPUS(当時はムニェーニェ・マデーリと
名乗っていた)はメーカーとしてスタート当時も
一度イービルとブロッパスで
パーツ変えをしてコラボレーションしたことがあり、
今回はたぶんそれ以来の共同作業ということになりますね。
当時のこれからどんなアイテムが出てくるかわからない
ムーブメントそのものが持っていた
心地よい混沌の頃を思い出します。

この森さんによるカラーのブロッパスはよく
BLObPUSさんがヘッダーでCG表現している、
海の底に潜むブロッパスのあのどよんとした水の中の
淀みやあぶくを身にまとっているかのような
カラーを立体として再現した、キャラクターイメージを
よくとらえた指定になっていると思います。

ギガラメって実は単体でも十分強烈なインパクトを
放っており、ギガラメカオスの未塗装段階のものも
見せてもらったことがあるんだけど、それを見て
思ったのは猛烈に成型時点での
自己主張が強く、ともすれば塗装は邪魔になりかねない
ということ。今回、森さんはそれもおそらく考慮に入れた上で
ギガラメブロッパスの表面にふき取り塗装で
最小限に色を載せることでアクセントをつけ
軟体生物としての質感を付与し、工夫どころがしのばれます。



初期のブロッパス、メタリックブルーと
パープルで腕のドクロが張り付いたマーダーブロップはクリア。
このカラーはいわばブロッパスのスタンダードカラー的に
位置づけられると思う「GEM」との邂逅。




撮影してハッと気づくと上、構図がライオン(笑)。



偽アギラ×角ゴジラ

2010年03月18日 | 当時物ソフビ


昭和の混沌が生み出したヘンテコソフビを紹介する
「昭和の奇獣」シリーズ13回目です。
先日載せたポリ製のパチバラゴン、
バゴランに続いて今回もパチ怪獣ソフビ。

どうしてもレアなソフビとかよりは、今でも現存数が
多い=当時の業者が無版権で流通させ、怪獣ブームにうまく
乗っかろうとして結局ダラダラゆるゆると玩具店の軒先に
長期にわたり放置されたあげく自爆したようなアイテムの
紹介が多かったりするんですが、それはタコの物好きさから
来てイマス。

なのでコレクション的にこれは素晴らしい~、みたいな推奨感は
ゼロです(笑)。実際そういう箸にも棒にもかからないような
モノのほうが、自分はよどみなくおもしろいと思っているんですが。
そこはシャレということでよろしく(まあ~そんな思い違いする
奇特なヒトもおらんかー)。

今回はアギラもどきと角ゴジラ。
上は、そう、ソフビをある程度集めてるヒトなら
おそらくは見たことがあるであろうアギラもどき。
遠目で見るとアギラのようだけどトリケラトプス、
トリケラトプスなのに2本足、
2本足だけどアギラじゃない…。
彼を見ると思考がループしてきます。



時々ポイッ!って投売りコーナーのかごに
この困ったような顔で入っててて
ゾッキソフビの行き場所のなさ加減に
ヨノナカの切実さすら感じちゃう
いわゆるワゴンの常連さんです(…のはずだったんだけど
最近はお店のショーケースなんかに収まって
それなりの値段で売ってるのも見るんだよなあ)

困ったような顔がミリキの二本立ちトリケラトプス風というか
きっとブルマァクのアギラを見ながら
ゾッキソフビ会社の社長さんが、
「これを見た感じ、恐竜みたいにうまくデッチUPして
版権元が目を留めないうちにさっさと裏ルートで流して
売り抜けるんじゃ」といいながら
出入りする原型師氏にハッパかけてる声が
時空を超えて聞こえてきそうな姿をしています(幻聴)。

精悍な表情でセブンのいい助っ人になりそうな
ブルマァクのアギラくんとボディカラーが似ているので
少なからずそれを見て作ったような気配もあります。



偽アギラくんは「スーパー怪獣シリーズ」なる
社名無記名のパチ怪獣シリーズのヘッダーがついた
袋詰め品のデッドストックが確認されているので、
以前旧ブログで紹介したプリーカと同じシリーズで
あることがわかります。この「スーパー怪獣シリーズ」には
ほかにもペギャオスがあり、どれもそこそこ造形には
見るべきものがあるのですが、そこはしょせんというかパチはパチ。

プリーカもこの偽アギラくんも、足裏は無記名で
そこには砂漠の上に風が吹いてできる波状の斑紋のような
変なディティール(足型?)がモールドされています。
おそらくは怪獣名もないし会社名なんか明記もできないので
苦し紛れに波模様を入れたんでしょうけど、

すべては強風にあおられるごとに変わりゆく
砂上の足跡を辿るかのような空疎さ。。。
怪しいゾッキソフビメーカーも
いつのまにか昭和の遠い過去に消えていったのだ!と
はぐらかされているみたいで
足裏の波紋を見るたびにやるせない諸行無常感を感じます。



ミウラのアボラスもどき「オレがパチ怪獣としてオリジナリティが
ないソフビだと、聞きづてならねえな!
ハンパなおまえと違って版権品そっくりで
流通してるオレこそパチソフビのパンクスターだ!
マゴのためにとおばあちゃんにつれられてレジを通過するまでに、
パチとバレるかバレないかの瀬戸際ギリギリ感
こそクール!あれこそパチソフビでなきゃ味わえないエクスタシーだぜ!

それに比べおまえなんか、何の人気怪獣にも見えないじゃんか!
体表ディティールの適当さ加減なんかどうなんだYOー」

プリーカ「なんだともんくあっかー!オレの
背中の華麗なスプレーワークを見ろ!!勝負してやる」

偽アギラ「まあまあ!おたがいパチ怪獣なんだから
ここは喧嘩両成敗さ、2人ともちょっと頭をひやせよ」

偽アギラは目じりが下がっていて、世渡りで苦労が絶えなく
いつしか自己流の処世術と調停術を身に着けてしまった
中間管理職のオジサンみたいなえもいえぬ味がかもし出されています。
基本、事を荒立てない。無難なストッパー系なキャラで
揉めてもこいつはまあ~きっと止めてくれるだろう、と
仲間内でそれとなく重宝されそうな顔立ちですね。



そしてこちらは角ゴジラ。80年代に入って直後の
キングザウルス頃に作られたという説があります。
「世紀の大怪獣シリーズ」という強気な表記の
イラストヘッダーでとめられて袋入りで売られていました。
ヘッダーにもこの角ゴジラそっくりな怪獣が描かれているので、
当初からこの原型が出来ていて、その後ヘッダーを作ったという
証左となっております。

角ゴジラは本当にゾッキソフビらしく、カンチャクを廻す時に
独特のシュコッという擦過音がするけど
肝心の周動がさっぱり追いつかないでギリギリ、ミシミシと
カンチャクに無理がかかっているのがわかる。
おまけに胴体もベコベコした感じで、金型の都合か胴体の巾も
ぺっちゃんこで不恰好。

現代に生きていながら、現行品のソフビでは
こんな感触は味わえない。いかにもゾッキソフビの作りだと
いう拙速さからくる触感が存分に味わえるソフビです。
(そんな偏向をきたした触感を味わってどうするんだ!)

角ゴジラは口を突き出してて
しゃべりだすと停まらない近所の主婦の人とかに
いそうな顔立ちです。(当時もののパチ怪獣って何か近所に
似たような人がいそうな妙な身近さがありますね)



角ゴジラ「ちょっとちょっと!!聞いてよ!
困ったわねえ~。またごみの収集日を
守らない人がいるのよ。きっとあの怪獣荘の学生だわ!
からすが来るって誰か行って文句言ってやってよ~」

ミウラのアボラスもどき「オレがひとつ
ガッンと一発言っといてやるよ!」

プリーカ「しょう~がないなあ~。来年3月には
卒業してアパートも引き払うんだろうけど、
アイツだって一応は町内の回覧板廻ってんだろ?
じゃ町内会に所属してるカウントになるよな。
一応アイツにもごみ当番もしてもらったらいいジャン?」

ミウラのアボラスもどき「片付けるのは
自分がいいかげんに出したごみか、笑えるな」

角ゴジラ「そんなの言えないわよ~困ったわね~

飲み会やってもテーブルクロスに載ってた飲み物の
ペットボトルも、残った食べ物も分別しないで
そのまま風呂敷包みみたいに結わえてごみに出してんのよ~
今までどんな育ち方してきたのカシラ。まあ~信じられないワヨ~。

そうだ!思い切って、ここは大学に通報しようカシラ」

…みたいな、この角ゴジラのそこそこ付き合い上手なんだけど
行き過ぎた几帳面さがトラブルに巻き込まれがちな
表情(どんな表情だよ)にはそんなパチ怪獣同士の
物憂げな会話が聞かれそうです。



旧ブログのプリーカや大協の恐竜ソフビの記事にも書いたんですが、
パチ怪獣は作っている現場のゾッキソフビの製造・販売という
スーパーニッチな業務に従事するおじさんたちの
アフター5に赤提灯をくぐって一杯やらずにはいられないような
アイロニーが生み出した。それはプロダクツの表情や佇まいにも
それとなく刻印されている。
ある意味、作り手のライブ感が横溢する
アイテムであるといえるでしょう。

そんなメーカーサイドのおそらくは青息吐息であったであろう
日常の空気がソフビのつくりや雰囲気に漂ってなどいても
当時の子供たち……、華やかな円谷や東宝・大映怪獣のスターたちに
思いこがれる彼らにとってはまったくどうでもいい
どころか迷惑な付加価値だったことでしょう。
「コレジャナイ!もっとTVに出てる怪獣みたいな
カッコいいの作れないの?」と。

しかし、奇特な好事家にとってはそのカッコわるさは
時を超えれば目線の違う意味での
娯楽供給、大人目線の付加価値創出となります。

そう、せちがらい一日をすごした夜半、眠れない夜に
怪獣ブーム下にひっそりと路地裏で流通され
いつの間にか忘れさられた無名のパチ怪獣たちの
アイロニーあふれる表情を眺めながら
当時あったかもしれないパチ怪獣の現場
メイキングやサイドストーリーを
タイムスリップ・インタラクティブに夢想しつつ
いっぱいひっかけるってのも、
またオツかもしれませんね。




偽アギラ「まあまあ、そこはおさえておさえて
ねっ?反省してるんだから、
そんなにおこらないであげてよ」
プリーカ「なんだ君は マアマア主義なのか」

ああー(笑)。
やっぱり彼はどう置いてみても止め役だー!

(後記…うわー、バックに置いてある緑のほうのスフラン、
撮影してから2日半くらい経って
現場に置き忘れてたのをハッと思い出して
飛んでったけど、まだあった~。
人通りが多い場所なのに世間的にはナンジャコリャなんだろうな。)


つ【ここにいるよ/72(なつ)】
この冬場はよく聴いてた曲。
ドラマ「アンタッチャブル」(仲間由紀恵主演)の主題歌。
街や荒野を漂う、自由だけど主のない
孤独な犬のプロモ映像が歌詞とシンクロしてて好み。

http://www.youtube.com/watch?v=9qTml5pMBhU&feature=PlayList&p=CBDC36C6E070CE91&playnext=1&playnext_from=PL&index=9


MISS MYSTERIOUS

2010年03月17日 | モンド・トラッシュ
うぎゃー、もう夜中になるのにさっぱり
仕事が片付かない~。
せいぜい「おねがいランキング」見て
寝ようという計画だったのに
それが「聖痕のクェイサー」に変更になり、
この進行度じゃ「おはスタ」見て寝るになりそうだよ。
勘弁して~。ここはウサバラシで
ちょっと軽めにだけどブログ更新しちゃおう。

ソフビ系で最近のオキニアイテムっていうとコレです。
ほとんど置物で動かして遊べるとかでもないんですけど
髪をなでる、とか整えてあげるっていうドール系の
遊びはできるか。もしかしたら、業界でも稀な
分野に踏み込んだ、これぞ「特殊萌えソフビ」とでもいうのか。



恐怖の体育座り、Miss Mysterious(ミス・ミステリアス)。
とにかくアングラな存在感はむやみにあります。
なんかいいとこ突いてきたな。
ストリート系ソフビという人気維持面では激戦マーケットで
老舗にしてピリッと辛いサンショウみたいなアイテムを
打ってくる研究熱心なメーカーさんですね。

タコブログでは珍しいな、SECRET BASEアイテム。
精力的に購入しているというわけでは
ないのですけど、実はちょこちょこ買ってます。
なんかちょっと手元に置きたいザッカゴコロを突いてくる
アイテムが多いですよね。




長いソバージュヘアーの毛を掻き分けると
そこにはドクロの顔が。服はなんとなく
女囚とか更正中で拘束されている不良少女みたいです。

(関係ないけどガンダム00第2シーズンの
3話、アレルヤ救出作戦でアレルヤのついでで
救出されたマリナの囚人服がなんか好きだなあ~。
茶色で肩のところが濃い色調になってるんだけど
この囚人服を着てるマリナはいつもに増してイケてない。
ただでさえ「貧乏姫」なんて言われてるのに。

囚人マリナは「カレカノ」で究極の外ヅラ人生を過ごしてる
女子高生、家に帰るとすっかりユルくなって
眼鏡にジャージのさえない姿ですごしてる
宮沢雪野みたいで、同人やってる
娘がコミケあわせの原稿で必死になって部屋にカンズメになってる
みたいな感じ。そう、全然囚人に見えないのが萌え~。
で、セツナが助けに来たのにモジモジしてるし。
作り手こういうとこ狙ってるなあ。ただ、ねらいどころが
複雑すぎてタコみたいな変なヤツしかひっかからないんでは。)



髪を下ろすとほとんど貞子か呪怨か心病んだ人って感じです。
でも初見で視界に入った時にドキンとするスカムさで
行くと、このアイテムは非常に計算しつくされている。
あと首がかなりいろんな方位にキコキコ動くんですけど
それに合わせてヘアースタイルをたばねなおして
やるとけっこう楽しい。黒いブラインド袋に入って
販売しており、詳しいヒトによると、シークレットで
赤髪・赤成型色や黄色髪・黄色成型色のアイテムなんかも
入ってた模様。でもこれは通常カラーの黒が存在感一番ですね。

ちなみに今はアメリカンショートなちょっと
ウェーブかかった金髪のミス・ミステリアスが
販売されているみたいです。こちらはちょっと
見た目明るいヤンキー娘…ってな風貌です。



こういうアイテムはマインドグッズとでも言うんかな。
80年代後期~90年代のいわゆるシブヤ系のムーブメントが
出てくるちょい前頃は渋谷の街などの朽ちたようなテナントビルに入ってる
輸入雑貨とかで変な人形とかエロザッカ、海の向こうの
変な雑誌なんかを売ってるお店が結構あったんですけど、今では
よりライトなセレクトショップや
フィギュアショップにそれがとって変わられた感じ。
そんなあやしいお店の隅に転がってそうなアイテム。インディーズソフビの
ムーブメントに期待する分野として、そういう
得体の知れないアイテムの売ってる、
藤子不二雄A氏描くところの怪奇やみたいな
ミリキを発揮するブツってのがあるんですが、
このMiss Mysteriousは得体のしれない作り手不明な輸入雑貨の持つ
悪夢再生装置的存在感を放っており、ヤラれたって感じですね。

NERDONE ステレゴン

2010年03月15日 | インディーズソフビ




(上はMAXTOY/マーク・ナガタ氏画・ステレゴン)

なんとかブログも引越ししたんですが、このGOOはGOOなりに
いいところもいっぱいあれば旧Teacupでは
まったく気にせずにできたことがうまくいかなかったり
融通が利かない問題もいくつかあります。

そうそう、アクセスカウンターが壊れたので
よそからひっぱってきたんですが、更新したら
その記事が消えてしまった(アチャー)。昨日の
マークナガタ展最終日の記事がなんだかそそくさ
しているのはそのせいです。
2時頃にバシッと更新直後に消去され
半泣きで更新。思い出すも悪夢だったわ。。。

相性の悪いブログパーツをつけると
その周辺で更新してるデータが消えるのは怖いっす。
まあ、行った先でも「いつのまにか別のブログに引っ越してるのねー」なんて
声もかけていただき、気づいてくれて感謝デス。
精進したしますので今後とも何卒よろしう。

マーク・ナガタ展やREAL×HEADさんのイベントで都内を
あちこち行ったりその間にショップもいろいろ見に行ったりしてたので
楽しかったけど疲労もそれなりで、この月曜日はおでかけがあったのだけど
立ち上がりはしんどかったでした。
今日は調査に行った先で引出物に水天宮のどらやきが
出されまして、その後いつも仕事をもらってる会社の社長と
打ち合わせをした時にお茶といっしょに食べました。
ほとんどノリは隠居のじいさんばあさんの集いですね。

でもいいどらやきって本当にそんじょそこらのどらやきとは
味が違うのね。皮も柔らかいし、アンもコクがあって。
ソフビのセカイも成型、彩色などでわれわれも常日頃そういうものに
出くわしているのだけどこれぞ職人の仕事というんでしょうか。
本物ってヤツです。
さ~仕事を月末までにまとめナイト。

その前に少し夜更かししても
コイツは扱っておきたい、あいまみえたい
というソフビがあったのdeath。



NERDONEさんのステレゴン。先日のマーク・ナガタ展で
なんとかギリギリで購入できた一品です。
先立つワンフェスではゴジラブルーのFIRSTカラーを販売。
やっぱりFIRST カラー押さえたい!てヒト多いっすよね、ソフビのセカイ。
で、その横にこの赤の素体が次回予告的に飾られていたんですが、
手に持っている棍棒にアグレッシブさアップ!てな感じで
シビレたので「あえて、この赤に色が
付いたヤツをひとつ待ってみよう」と思った次第。

出来上がったその赤素体の製品はブルーメタリックが吹かれ
ちょいインダストリアルでかつプリミティブな生命力も漂わせる
メタルビースト、ってな感じで
このSECOND カラーが気に入りました。



頭部の眼に当たる部分がステレオのスピーカーになっている。
以前、怪ZINEのNERDONE氏の連載「マイクロジック」では
このステレゴンがソフビになるまでをリアルタイムでレポートして
いるのですが、ステレゴンは公害怪獣的要素を加味しているという
表記がある。抜粋すると(006号より)「公害怪獣っぽい響きで
『双音怪獣』です。ヘドラを筆頭にあの手のTOXIC怪獣にはガツンと
刺激されたので、無性に公害怪獣系を作りたかったんですね。
トータル的にボクが影響を受けてきた80年代のガキムーブメントと、
今現在のオレムーブメントをサンプリングした怪獣という感じです。

結局、ダジャレの固まりみたいですが、怪獣って言ったらダジャレが
王道っぽく思えませんか」(NERDONE氏のコメント部分)
読むと、グレンラガンに出てくるガンメンの
イメージも加味してあるとか。で、このカラーなのね!(微笑)
なぜ自分が根拠もなく赤を待ってたかわかった気が。

うーん、偏在するテキストから
自分の好きなモチーフを集めてきて怪獣が生まれたっていうことで
昭和から平成に至って産業廃棄物みたいに表現ノセカイに横たわる
いろんな気持ちいいディティールを拾い集めてカタチにしていくという
当世のキャラクターづくりの雛形をこの一体に見れるような感じ。

昭和の公害怪獣的なエレメンツに今風のハイテクモチーフとか
80年代の駄菓子・駄玩具カルチャーをうまくテキスタイルのように
はめ込んで出来た怪獣、ということで妙に目に馴染む。何か怪獣作りの
本質としてある山脈に直感的に近づいて登頂した
成果がこのステレゴンなのかもしれぬ。しかも作り手の
脳内からまっすぐジャックインしてカタチになっている気配があり
出来るまでに到達点までで発生しがちなブレも感じないプロダクツに
見えているのだと思う。それは「ソフビで初作」であるということも
味方しているのだろうか。




公害怪獣的、という創作面での標榜が刻み付けられたリアビュー。
背骨やエアインテークのようなメカニックパーツが
岩上の皮膚の中に見え隠れている。インダストリアルな
生物の不気味さを演出しているけど、でもやりすぎてない
ところがレトロタッチの造形としてもなかなか見所のある
抑制の効いたディティール表現ではないか。
今後カラー変えした時に各カラーでこの辺りのディティールが映える
塗装表現がいろいろ見れそうで楽しみ。





こちらはワンフェスで展示されたときのFIRSTカラーゴジラブルー。
怪獣ソフビの三原色のひとつである
ゴジラブルーを採用し、マニアのハートをくすぐる。
切り出した岩の峡谷のような皮膚に残雪のごとく
ラフに吹き付けられたシルバーが映え
ソリッドなモンスターであると印象付けている。



そして上は「怪ZINE」マイクロジックに掲載されていた
2007年頃にNERDONE氏の脳内でどろどろと生命のスープの
ように形作られ生み出されたPUREな状態のステレゴン。



完成したステレゴンと比べると、あくまで個人的印象だが
ややデザイナーズ系というかポップなキャラ的な
イメージがある。
ワンフェス2008でのこのアーリースカルプチャーの
反応としては「iPODとつなげられるようなカスタム
とかできたら面白いね、とか、背中にカン着があるので
貯金箱にもなるね、率直に ほしい、と言ってくれる人が
いたり、好感触な感想をいただき、ますます製作意欲が燃えて
きました」(2008年007号より抜粋)と記されている。

ステレゴンはこのレジン段階の原型で
ソフビ関連の人たちの目に触れ、森かつら氏や
マーク・ナガタ氏などさまざまな先人のアドバイスや
応援を経て今の怪獣らしいマッチョでスパルタンな風貌に
なった「完成形」に近づいていったらしい。。。ことが
この連載に読み取れる。

森さんにアドバイスが得られた後の記述を追ってみると
「パーツ構成は森さんのアドバイスもあり、頭2つ、
腕、上半身、下半身と6パーツ構成。
全身約12cm、ミニサイズと比べると1・5倍くらい大きくなって
ます。

原型製作も初めての大きいサイズということもあり、
かなりてこずっている状況です。
粘土の量もすごいのですが、簡単に作れば大味になるし、
かといって繊細に作りすぎると別のジャンルになってしまいそうで、
うまい感じが出ずなかなか難しそうです。」(2008年・009号)
確かに完成したステレゴンの体表を
解読してみれば、そこには繊細な部分もあり、大胆さもあり、
バランス配分はすごく気を配っている感じ。
腕の長さとか、体表のクランキーなディティール表現の加減とか。
見て気持ちイイものをよく追求してる。ミュージックでいえばそれは
ここでこういう音のハズレがあると、
ノイズが入ると、ものすごく気持ち悪くなって気持ちイイよな~とか
編曲で楽しんでるというのが伺える。まあ、産みの苦しみも
脳の演算処理上では快楽になってることってあるように思いますから。

それまでのレジンによるキャラクター表現から(レジン方面も
タコはものすごく好みなのでまた続けてほしかったり)
ソフビとして作る過程が、リアルタイムで「怪ZINE」という
フリーペーパーのデビューサポートとして、ファンに
モニターというかスピーカーから発信されていたという
興味深い流れ。
あたかも宇宙から届いた混沌のノイズが実体になり、
ステレゴンはようやく一匹の怪獣ソフビになった。
その双音の頭部スピーカーから流れる新たな音は
ソフビノセカイにどんな振幅をもたらすか。
引き続き耳を傾けたいところだ。

つ【どっきゅん☆ハート/右代宮朱志香&右代宮真里亞】
アニソンだって日々進化してるけど、「アニソンて
どうせこんなんだろ」とヨノナカ一般に決め付けられるような
ステレオタイプな曲を現行でわざとやったのがコレ。
聴かすとノイジーでバカバカしく
大概は人払いになる曲だが不思議と何度も聴くと病みつきに。
http://www.youtube.com/watch?v=EZdVqW9POy0

マーク・ナガタ展最終日

2010年03月14日 | イベントルポ




いよいよ最終日の3日目を迎えた「マーク・ナガタと怪獣仲間」。

友人と待ち合わせる予定があったり、展示が終わる限定品を
受け取りに行く用事もあるので足を向けたわけですが、
いわば作家さんの脳内で製作・公開されている
怪獣映画のセットやプロップを眺めている
みたいで飽きない。

結局前回と同じで会期の3日とも見に行ってしまいました。
皆勤賞~。あっという間の3日間デシタ。

てなわけで最終日、撤収を迎えてどこか名残惜しさも漂う
中での写真ルポ、すでに紹介した作品も
まったり腰を据えて撮った背面ショットとか
レアアングルなど集めつつぜしぜし
再見いただきたいと思いマス。以下駆け足となりますがドゾ。



エレガブさん自身によるパペット星人原画。














ガンチェンさんもこの作例はもっと見たいカナ?
昨日も貼ったけど逆柱さんのワニガッパと「無名」、おかわりドゾー。



NERDONEさんのステレゴン。展示品を3日目、少し
早めにお客さんが取りに来たので、代わりに
カーキグリーンの素体が展示されていました。




MIKE SLOBOT氏のオリジナルエイリアン。セカイの
どこかで目撃されたようなリアリティと
パルプSF的な想像力がほどよくミックスされている格好。



ガムリアンズさんのクリーチャー群。
デザイナーズ系ソフビ勢が日ごろの記号的な作風と違い
「怪獣」直球で作ったプロダクツたちが
そろうのもこの展示会ならではというところか。



KAIJINさんのムシュベルカスタム一品物「The Outside」。
超越的なチカラを秘めたアシュベルに近づこうと
ムシュベルが集結・合体した存在だが
アシュベルまでには至らず、新たな別なチカラを得ようと
森を漂っている存在、という設定のようです。



ボブ・コンジ氏の異形系デザインセンスがよく表出されている
クリーチャー群。



jukiさんの「ハンザケラ」。



AGLYBOY。



シラハマ・バイキン氏の有名ソフビカラーワークキューピー。
名づけて「キューギラ」。



ドリロケさんの作例なのに昨日のルポで、ここまひさんの
ものとして紹介しておりました。スミマセン。
だってここまひさんの人形が樹の下に立ってたからてっきり。。。
でもストーリー性のあるジオラマって面白いですね。









この作例は細かい設定付きです。
SHIN TANAKA氏の作品。
ある惑星に自生する生物ののRNAを注入し
爆発的に増殖させたDNAプラント。
発生直後は無害なものの、最初の変体直後は有毒性を示し、
変体を繰り返すことでプラントは膨張期を示し、
やがて死に至る。SF的でしびれます。








このファラオスは岩石怪獣カラーとのこと。



やっぱ飽きねえ。エロゲルゲの狂った背面もドゾー。



タコフェバリットなマンモラー(造形はアマプロKEYさん)。
バックのイラストは GRUMBLE TOYのヒト作?
この色がマンモラーのオリジナルカラーなのか。。。




レッドキラー。これはなかよしさんのソフビを
見ながら書いたんだな。
もしかしてこのチャイルディッシュな絵も
マーク氏が描いてたりとかしたらオモロイけど、
そこまではまさかしないか。

てなわけで2011年・来年の第3回開催告知も出てました。

本格的にオリジナル怪獣をフィーチャーした
造形のお祭りとしてかめばかむほど味が出る感じで
楽しめた。出入りする皆様、ほんとに多彩で
いろんなコミュニケーションができました。

みなさまお疲れさまです。
次回も今度は原宿どころか
日本沈没!くらいのテンションでお願いします。

REAL HEAD×ウアモウ

2010年03月14日 | イベントルポ


休日のぽかぽかした陽だまりを浴びる小学校の校舎、
白い砂を敷き詰めた校庭、コンクリートの島、
水のないプール、永遠の休校、
断続的に迎える新学期は自由発表の時。
いつも文化祭のように
華やかで訪れた者の気持ちを高揚させる空間、
永久運動のように繰り返され続ける前日の開催準備、
校庭に停まるマシンは永遠不朽のプラスチック製、
動力はアクセルを踏む者の想像力とモチベーション、
過去と未来を行き交う極彩色の疾走感。
ポリのバイクがいざなう、ここは表現空間。

台東デザイナーズヴィレッジ・3月13/14日
リアルヘッド×ウアモウ下町大行進
開催中























マーク・ナガタ展2後編

2010年03月13日 | イベントルポ




というわけで「マーク・ナガタと怪獣仲間2」のルポその2
いってみよ~。上はパチモン大王唐沢なをき氏の版画。



上はドリームロケットさんの作品。
コンセプトアートって言うのかな、トリさんのような
生物が未知の枝ぶりの樹上で戯れる下に女の子が佇む
上の作品はどことなくセカイの終末の静謐を漂わせる。
作例には「人間は地球の時間の中で所詮はほんのちっぽけなものに
過ぎない」といったメッセージが添えられて、地球の長い午後の
風景を想像、立体化したといったところか、非常に意味深です。
色がついた状態で見たいですね。



「赤い靴くらぶ」で知られるここまひさんの立体化作品。
あのロボットコングやハニージャンキーな黄色いクマさんを
思わせるパチソフビをリリースしている、ほのぼの風なようでいて
けっこうきわどいネタでソフビを作ってたりするメーカーさんです。
なにやらソフビ用の原型っぽいモスマン君が展示されていました。

2日目も東京に出る機会があったので
再見とあいなりました「マーク・ナガタと怪獣仲間展2」。
メーカー関係の人やアーチストさんなど他のイベントでも
見覚えのある顔ぶれが出入りしマーク・ナガタ氏や
スタッフさんたちと親交を深める
中、のぞいてみれば、昨日よりも展示がいろいろと
そう30%以上も増量されておるではないか。
ギリギリ開催に間に合ったカスタム作例や限定品も追加されて
にぎやかになり、タコも行ってムダではなかったと思いマス。



この土曜日、台東デザイナーズビレッジで
REAL×HEADさんとの共同個展を開催した
ウアモウさんの出品。奥のほうであやしく光り輝いているのは
ヘドモウ、手前のちょっと怖い目つきになったウアモウはバケモウ。
ウアモウのミュータント・珍種というところでしょうか。





出品してすぐに売約済みとなったTOUMA氏のGOON。
タコのほうにも「画像ない?」って聞いてくれたヒトがおり、
人気ですね。TOUMA、T9G、KAIJINと
デザイナーズ系の人気どころ揃い踏みでにぎやかでした。



HARIKENさんのMAD PANDA REAL。
TTTOYさんが塗装をしたのとまた別のアナログな趣がありますね。
夜中にキャラクター創造で頭をひねっていた
ハリケンさんの枕元に現れたMAD PANDAはきっと
こんな姿をしているのでしょう。


MATT WALKER氏は昨夜紹介したスタンダードドラゾランや
トライパスのほかに、ミニのMAXTOY怪獣たちの
ペイントも。凝った塗装で見栄えがしていました。





何度も見ているんですが、
このカエルくんの名前がどうしても思い出せない。。。
今回のペイント手法はリアルな生物感ですね。


ポケキンと並ぶ PAUL KAIJU氏のデザイン・
造形・ペインティングによる奇っ怪で
どこかお茶目なオリジナルキャラクター。
手前の肉人間みたいなのはエイリアン・メレ、
奥のキバゲルゲ風はストレートな名前だな、
ウンコ(ウンチョ?)マンというそうです。





ゆたりさんの宇宙甲殻獣・ディガンマの写真追加。
昨日、記事に載せたらリアビューも見たい!という声があったので
再撮影してきました。顔が尻尾の先にもある
デコラティブな井口リスペクトなデザイン・造形。





アイゾンがロボット化?「ZONEYE」
(MATT DOUGTHY氏の作品)。

この一品モノを眺めていたら品田冬樹氏がお客として
ちょうどいらしてたので
「これは品田さんが手がけていた
バイオマンのメカジャイガンとかメガスみたいですね!」
と話しかけてみたら、品田氏が東映のバイオマン~フラッシュマンの頃に
手がけた敵キャラクターの造形の話をいろいろ聞かせてくれて
とってもうれしかったです。カメカンス、ご自身も好きらしいん
ですが自分もインパクトあったな~。メカジャイガンは飛行形態とか
別プロップで出てきて燃えました。タコはあとアンカーカンス、
カノンメガス、バトルメガス、サタンメガス、
スーパーメガスあたりが好き。宇宙獣士はガブー、バルルカ、ギザン、
ジェラー、ダブンあたりが好きかなあ。
造形家の方も皆、一個一個の作品をじっくり見て
怪獣展を楽しんでいるようでした。





上は2日目に間に合った限定品のトイグラフ製スペーストルーパース。
ワンフェスでも販売したクリアボディのトルーパーは蓄光の
内臓パーツを内部に詰めていましたが今回は彩色した成型色の
ものに変わっています。ご意見無用の隠密潜行部隊
宇宙のブッチャー・DEATH13はこのときすでに売り切れていました。

下はデザイナーズ系の限定品(アシュベル、SKUTTLE、
ヘルパー)3種揃い踏み。アシュベルは
マジョーラカラーで光が反射するとプリズム状に表面が
鈍く輝いて見えてこのキャラに似つかわしい
大地にしっかりと佇むような重厚感にあふれていました。
ヘルパー君は今回クリアボディでボディカバーをクリアで
下の顔を塗装するとか、内臓パーツを仕込むとか
いろいろとカスタムし甲斐があるアイテムではないかと。

そうそう、写真がなかったけど中野の
セレクトトイショップ・One-UPさんのKAIJIN
新機軸、ドリームハウスモンスターも販売。
今回はイエローの未塗装バージョンでした。
タコも知人の薦めがあって買ってみましたが
タラップのような尻尾とか
別パーツで動く煙突と煙、取り外せる屋根の中には
トリのような顔があるなどミドルサイズのボディに
ギミック満載でフォルムがシンプルでもある楽しいソフビですね。
今後の展開も要注目ではないかと思います。



うわー、スペトルを剣をもつ闘士とか
フラゼッタの絵みたいなヒロイックピカレスクワールド風に
カスタムするアイデアをタコも持っていたけど見事、外人さんに
先にやられちったよ。でもこんなにカッコイイんじゃ
ブーたれる気にもならんなあ。いろいろ追加された
展示が多くて2日目も新鮮です。



会場に届く前に破損してしまったらしい
エリック・スケアクロウ氏の作品。
写真を見る範囲でもかなりカッコイイだけに
この錚々たる展示ラインナップの中で見れないのが残念無念~。
何か設定のみで未登場の怪獣が居るとか、4号機は出たけど
間の3号機は起動時に自爆して本編に登場せずみたいに
知らされてモヤモヤする気分です。



これも2日目に追加出品・展示されていた
PICOPICOさんの諧獣ベッコスソフビ人形原型。
ワンフェスの時に見たより作りこまれて
表面処理がより細かくなっており
ボリュームも追加されたようで
手がけるPICOPICOさんのノリが見えるようです。
6月6日のパチサミあたりでお目見えカナ?



MISHKAのブギーマンを使った作品。
自家製のブートっぽいヘッダーに
クシャクシャシワクチャの袋で封入されたMISHKAブギーマン。
「パッケージに入ったソフビの経時によってかもし出される
神話性・伝説」を演出したユニークな作品。
製品そのものもパッケージングも
ソフビという仕様についての
インテレクチュアルな風刺が効いてておもろい。



てなわけでデザインフェスタギャラリーの近くにある
MISHKAのショップにも足を運んでみました。
ショーウィンドウにいきなり巨大な怪物のような
クマ(ミーシャ)の生首が晒されておりました。
このへんがいかにもMISHKAらしいです。
ソフビの展示も少しですけどされてたど。
何日か前にはベロシトロンの力氏が新作・GHOULの
販売をしていたらしい。
先日うちのブログで紹介したBOOTLEG KAIJUも展示。
すだれヘアー装着、全身に赤と青の静脈が走り
戦慄度が増した暴力原人(NAGNAGNAGさん)の
新カラーの展示もされてました。
カラフルなスケーター風カスタムのザゴランも展示されており、
限られたスペース内に先鋭的なアイテムの展示が見られ、
オープンまもないですがむやみにテンション高いです。

マークナガタ展1日目はソフビ系の
自分より若いひとたちに連れられて
SECRETBASEとかBOUNTY HUNTERとか
EROSTICAとかひとりでは普段行きつけない
裏原系のショップ探訪などできて
ナウい気分の午後を過ごしました、ちゃんちゃん。
いろんなヒトに会えて楽しかったよん。

(「マーク・ナガタと怪獣仲間2」は
14日・日曜日まで原宿デザインフェスタギャラリーEASTで開催しています)

マーク・ナガタと怪獣仲間2

2010年03月13日 | イベントルポ





原宿ぶっこわす!

「マーク・ナガタと怪獣仲間」に行ってきました。

マーク氏は上の写真の通りハイテンションでお客さんをお迎えして
くれました。例によってマーク氏は気さくというか親しみやすすぎてこっちが
ほんとに恐縮しちゃうくらいなんですけど、話しかけるお客さんたちと
終日楽しいソフビ話、怪獣の話題を繰り広げていました。



しかし展示のほうはハードコアかつ情け容赦なく
怪獣たちが訪れた者を取り囲んで、足を踏み入れた者は
恐怖の怪獣魔境に間違いなく情報酔いになるぞ!




ぜひぜひお近くのヒトは会場でじっくりカスタムの数々をじかに目撃することを
おすすめしたいイベントです。海外怪獣立体家のネット上でしか
これまで見たことのないキャラクターも現物がいっぱい見れるぞ!
14日(日曜日)まで開催。

まずは展示会の一部をごらんあれ。会期中なので
サラリといきたい。。。ところだけど紹介したいパッションが
止まらない。てなわけで抑え目にですけど軽く
ルポいきます。「怪獣仲間」と称するだけあって
タコもイベントを見終わった後も怪獣ソフビ関係の知人と旧交を温めたり
できたのだった。アリガトウ!



ワンフェスでデストロキングを発売したゆたりさんの
オリジナル怪獣がお目見え。



BLObPUSさんのラストカイジュウ、かと思ったけど
何か顔面がエロチックでないのかいキミは~
てなわけでさっそく売約済に。



NERDONEさんのステレゴン。先日のワンフェス冬
でのゴジラブルーのアイテムリリースについでの
SECONDカラーが早くもお目見え。このイベント後にも
このカラーの販売予定はあるようです。



T9G氏のランジアス。レジン?製のミドルサイズ
子ランジアスが登場。これは2個セットで20万円の
高価なカスタム一品モノ。



エレガブさんの新作怪獣イラストも多数展示。
上は先日抽選通販を行い盛況となったトンネラン。





BLObPUSさんとモンド・ビザール度を競うかのように
前回のこの展示会にも出展した某FRP立体作家氏による
エロゲルゲ。今回は2匹で、ネオへドロンチックな彼のほうは
2007年のワンフェス登場時よりもさらにクレイジー度を増している。
こういう困ったちゃんというか
イカレた系はちょっと多めにアップ。


SUIKOちゃんというとこのデザインフェスタギャラリーでは
おなじみのサンガッツ本舗さん。スタンダード版ユリシス星人は
パチサミでのお披露目を経て今回ブラック基調のカラーで
初売りとなった。なかなかボリュームあるです。







限定品はファラオスを販売したランブルモンスターズさん。
上はカスタム品で、「オーラロードがひらかれた~♪」な
CHASER BBN VER.とカモ柄のNINEが。あいかわらず遊び心満点です。
ランブルさんはロボットアニメ好きなんだな。いっぺん
それ系の話をさせていただきたいトコロ
(ってタコはオタ濃度が高すぎて気の毒?)



逆柱いみり氏の新造形、というかビリケン商会さんで展開している
脳内怪獣リゾート怪獣計画でもソフビの付録についてる小冊子に
登場している未ソフビ化の「ワニガッパ」。密漁ロボ・ブルガンの
ライバルであるギャーゴンともども、
彼もいつかソフビ化してほしい一匹。



同じく逆柱さんのカスタム(非売品)の「タイトル無名」。
脳内観光モード満点で世界観が伝わってくる一匹というか
一艘というか。本展はどこを見てもいろんな人の「怪獣」にまつわる
妄想の現在進行形を目撃できます。



開場してすぐに売り切れた「ジャンピングブレイン」。
これを買いに来たというツワモノ氏も最後の一個を
ゲットできたらしい。よかったネ。
何かデイヴィッド・クローネンバーグ監督の映画に出てくる
怪生物みたいなインパクトがあります。



TTTOYさんの新作マクローサ。タコ系モンスターの
新機軸、どの角度から見てもまったく違う怪物に見える。



ぺこりんさん、まだ会場行けそう?
念のため速報で写真撮ってきましたよ!のアメーバギョロロ。



写真中央・PAUL KAIJU氏のHPでその奇怪な姿がイラストで紹介された
不気味な雛鳥状の生物「ポゲケン」についに接近!
日本のソフビファンも未知な海外の奇怪な
クリーチャー立体物が原宿に勢ぞろい。



DEAD PRESIDENTS・MATT WALKER氏ペイントによる
MAXTOYキャラクター、ドラゾランとトライパス。



CLAP MONSTERSさんの謎インディーズオリジナル怪獣ザラン。
写真は展示品の一品モノカスタム。
限定品としてもブルーメタリックカラーで久々お目見え。



海外のオリジナルイマジネーションによる
新訳公害怪獣アイテムも展示。
この方面での限定品ではタコ的には前回、
スカム系パチヘドラ風の指人形「HEDO」と
脱力系悪魔人形「GODAMINT」をリリースした
KILL!氏の新作フラットウッズ
(FLATTY PHANTOM OF THE FLATWOODS)を
入手できたのが大戦果。



PICOPICOさんのコーナー。このルポ最初の写真で
マーク氏といっしょに戯れている(中のヒトは脱出中であったが。。。)
きぐるみベッコス君のほかPICOPICOさんの怪獣立体や
イラストが多数紹介されています。

てなわけでまだまだ見所が満載の怪獣祭り、
カスタムの参考にも、脳内の怪獣図鑑強化にも密度たっぷりっす。
ぶらっと、この休日に足を踏み入れてみては?


シシゴラン×カイマンダー

2010年03月11日 | 特撮・SF


夜は凍て付くように寒かったり昼間はポカポカ陽気だったり
上着を脱いだり着たり忙しい感じ。
今日は珍しく休みがとれたのでお雑煮を作りました。
結構正月でなくても雑煮を作るクチでして、
トリとしいたけでじっくり煮込んで
だんだん味を整えていく過程が作り手としては
醍醐味です。(料理の話なんか書くと、メーカーさんとか
カスタムペインターのヒトに「一遍食べさせてよ!」なんて
言われたりしますが。ホントたいしたもんじゃないっすけど、
丁寧に作るんですよ~煮込みとか、居酒屋メニューばかり
とか身近な人間には言われますけど)




今回も前日に掲載した
スパイラー×ワルギルガーに続くコンビで戦う超獣。
正月もすでに遠くになりけり…なんですが旧ソフビブログの
元旦のご挨拶でも写真を載せたシシゴラン君に
正式にボスの超獣といっしょに記事に出てもらいました。
超獣シシゴランはマーミットさんから昨年リリースされたんですが
つい先日、注文しといた相方の超獣カイマンダーも
ようやく届いたので紹介。
というのも、この2匹のソフビがそろって掲載されているのって
実はマーミットさんのHP上でもなかったりするわけで
晴れて、というところでしょうか。


郷土玩具が怪獣になったような、
企業貯金箱とかがかもし出す和のイメージが
前面に押し出された怪獣ソフビで
妙な味があります。

コンビやタッグ系の超獣はこうやって間髪入れずリリース
してくれると気分も盛り上がりますね。
(ハッ、そういえばファイアーモンスは発売
されたけど、操っているファイアー星人は!)。




偶像のカイマ様に超獣細胞が作用して超獣化した
カイマンダー。背中に車状の飾りがついてたり、体の各部に
炎のような装飾が施されていたり、中世の仏神像的な
面白さがあります。生物であるドドンゴと違って
物体に憑依して怪獣になった付喪神的キャラクターカナ。

結構渋めなカラーリングながら本編のカイマンダーにも近いし、
いいカラー指定だな~と思います。
このほか後期の超獣では弦楽器超獣のギーゴンも
同じような付喪神系といえるでしょう。



カイマンダーに操られるシシゴラン。
子供が獅子舞を生業とする父親の獅子を頭から
かぶって「怪獣だぞー」とか言って遊んでたら
獅子が外れなくなり、一体化して超獣に…という
物語なのですが、ほかの「A」の話で牛の鼻ぐりを
盗んでブレスレットにしていたらそこから毛が生えて
顔つきも牛の様になり。。。というカウラのエピソードと
フォーマットはそう変わらない感じですね。

このソフビは着物を着ているようなシシゴランの
立体化しにくい肘からの袖のようなフリルや
背中のトゲトゲの出たいかにも超獣らしい
背部もうまくソフビとして立体化翻訳して
作られていて、ソフビのレトロタッチをよく分かっている
つくりにも見所の多い良作だと思います。
眼も筆の尻の棒打ちで入れる例の手法によるものですが
棒打ちによりタマシイ(眼)を入れるのが
これほど似合う怪獣も居ないだろう。






A後半は石堂淑朗氏のシナリオ参加で土俗的・豊穣説話
イメージの作劇が増量されて、初期の市川森一氏の
キリストの復活伝説を下敷きにした作劇と
奇妙な対峙と一方で相溶性が生じ、
あたかも多神教的なファロスが
物語の多様性をより引き立てることとなりました。
物語が当の昔に完結している作品である上での
後付けと断りながらも言えば、単に超獣の造形が
デコラティブになっているだけでなく、
川北紘一特技監督らのテンションの高い
AやTACと超獣の攻防戦も加わって、そして作劇も。
Aこそあらゆる側面から
見て「過剰な物語」であったといえるでしょう。
そしてあらゆる物語が消費されつくして
平坦さが普通となった現代で高度消費時代の
終焉で新たな怪獣ブームの創造を図るべく
多作なためより番組の見た目が過剰さでアピールして
いかざるを得なかった
第二次怪獣ブーム後半の怪獣番組の諸作は
現代の眼で見ると類まれな強度を放つ物語として
新たに価値付与される機会を得られたといっていい。

ウルトラに限って言っても、
新作シリーズでAのモチーフやドラマツルギーが
援用されていたり、Aの超獣がソフビで次々と復活して
当時世代に愛好されているのもそれを裏付ける証左と
いえるのではないでしょうか。



Aの本放送当時、怪獣ブームが息切れしていなくて
こんな変化球的な佇まいの
後期超獣たちも新マンの怪獣たちのように
淡々と話数順に製品化されていたとしたら
なんというか、怪獣ソフビの世界は、そして
当時のおもちゃ屋の店頭は実際以上にカオスだったでしょうね。

「A」の番組放映、第二次怪獣ブームからゆうに40年近く
経ってしまったのですけど
現在はそんなIFのセカイがフィギュアブームを経由し
インディーズ怪獣ソフビブームなどと歩調をあわせつつ
実現しているわけです。