KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

ワンダーフェスティバル2013冬ソフビ②

2013年02月10日 | イベントルポ












コスモナイトαさん、午前中のオイル怪獣リスペクトカラーに続き
午後の悪魔遊星魔人遊星より●をこめてカラー。















ガーガメルさん。盾が顔のキャラクターは池田直哉氏のデザインした
オリジナル魔界戦士(なのカナ?)。近日発売を予定している
オリジナルファンタジーキャラクターシリーズとのこと。











NERDONEさんの新作ソフビキット、コナミのゲーム、
「ワイワイワールド」の主人公とヒロイン。





FIGーLABのドン氏に見せていただいたサンプル。
PAUL KAIJU氏とBLObPUSさんのコラボキャラクター。海産物のモチーフを
取り入れたダークヒロイン風?
名前はメモっておかなかったんですが、「脊椎(脊柱のある)動物」を
意味する英語をそのまま名前にしているそうです。



















ゴジラ関係のメモリアルアイテムとソフビ永遠のシンボリックタワー、
東京タワーが林立していたマルサンさん。

























MAXTOYさんのブース。昨日「私のいじったネゴラ展」の表彰式に出席する
ために日本で合流したトッド・ロバートソン氏とMAXTOY総帥マーク・ナガタ氏が
一日中席におり、ファンと楽しそうにコミュケーションを図っていました。
トッドは新作でキャスト製でカスタムペイントに使用している
アンモナイトをソフビ製のミドルサイズで販売する予定。
ネゴラ関係ではTTTOYさんの新規原型も披露。とうとう「ネゴラ戦車」までが
登場します。今回のワンフェスでは趣を変えて日本が誇る漫画新旧人気美少女
キャラクターのソフビを三連打。「よつばと」のよつば、「あずまんが大王」の大阪、
「ゲゲゲの鬼太郎」(マガジン版)の猫娘が登場。表情が素晴らしいので猫娘を
買ってきました。









(文章作成中。。。)

アキバ戦記37

2013年02月08日 | 日記



2月に入ってようやく仕事のスケジュールが決まったので、
タコもスロースターターとなりましたがバタバタしております。

お仕事でギフトショーに。
版権ビジネスのPRでアニメ、漫画やゆるkィヤラ、ご当地キャラ、ゆるキャラなど
いろんな映像コンテンツ会社がキャラクターのPRを展開してにぎやかでした。
仕事の合間にちょっとのぞいてみました。
上は手塚プロダクションで見かけたMAWSコラボアトム。



円谷プロのウルトラマンも初代マンがお客さんをお出迎え。
幅広い年代のヒトたちが群がって、記念撮影でウルトラマンに
スペシウム光線のツーショットをお願いしていました。



HOTTOYS。これから発売されるマーベルコミックスの映画化キャラや
DCコミックスの人気映画キャラのリアルアクションフィギュアの展示を
たくさん観ることができました。
別ブースでマーベルコミックスさんのブースでもスパイダーマンやアイアンマンなどの
版権商品が大量に展示されていて、アメコミ好きにはしばらくお楽しみが続きそうな
気配。



「こしぱみゅぱみゅ」のきぐるみさん。カワユス。



このギフトショーで一般デビューしたニューキャラ、「だいぶちゅ」。
観光キャンペーンなどで活躍するご当地キャラ的な売り方にとどまらず、
大仏をイメージしたゆるキャラとして幅広く展開していくのだそうです。



大人気で記念撮影をする女の子たちが絶えなかったリラックマ。



ガチャピン。生誕40周年記念でプロジェクトを展開中。



千葉テレビの朝のバラエティアワー「ハピはぴモーニング」にも
出演しているゆるキャラのニューフェイス、セバタン。
セパタンの活動で出た売上の一部は
エコ活動に寄付されるとの話。





チェコアニメキャラクターのブース。近くにはこの分野では先輩キャラにあたる、
チェブラーシカのブースもありました。
時代を超えたミリキを放つ素朴な表情、アルチザンテイスト漂う
チェコのアニメキャラクターたち。
ヨゼフ・パレチェクの「ちびとらちゃん」とヨゼフ・チャペックの
「ペイセクとコチュカ」をフィーチャー。
こんなにカワイイキャラがいたんですね。
「ベイセクとコチュカ」は戦争中の市民生活が厳しい時代に描かれた作品だとか。
これから日本でも版権商品の展開をしていきたいとの話。





同じくチェコの子供たちがおやすみ前にテレビで観ているという
森の妖精「アマールカ」。見た目ふわゆるお菓子系のようですが、ブースの
おねいさんによると本編ではけっこう毒舌な一面も持っているヒロインらしい。
赤ずきんちゃんのような女の子はアマールカの人間のお友達らしい、
でも70年代に作られたの?と思うくらい時代の経過を感じさせないタッチですね。
現地で当時作られたアマールカのアニメは15話あるそうです。
現在、原宿キディランド1階でアマールカのコーナー展示と関連グッズ販売が
行われています。グッズではアパレルやぬいぐるみなども展開しているようです。
この記事で紹介した3作のチェコアニメの国内での版権業務は
アットアームズさんが行っています。

ブルマァク モグネズン×メシエ星雲人×ロボネズ

2013年02月04日 | 当時物ソフビ



現行品インディーズ怪獣とパチ怪獣系の記事が多いタコブログだが
当時物マルブルソフビにもフェバリットなアイテムはあるのです。

つーわけでブルマァクの当時物と復刻取り混ぜて語ってみたい
「帰ってきたウルトラマン」のメシエ星雲人とその尖兵ロボネズ、
つい最近ブルマァクさんからファン期待の復刻かなったマグネット怪獣改
毒ガス怪獣モグネズン(MATカー付き)。



あの昭和のパチ怪獣ソフビに激似、と一部のディ~プなマニア・コレクターの間で
かねてから考察の対象となっているモグネズン。実際にどのくらい似ているか
今回はじっくり2体並べて初検証だ!

昭和のソフビ現場で一体何があったのか?



ロボネズのほうは当時物ヴィンテージで随分前に割とやすく手に入れたもの、
メシエ星雲人はブルマァク復刻品。メシエは
ダークグリーンで新マン本編のカラーを再現しています。
当時発売されたのはもっと薄い明るめのグリーンでした。



50年代~60年代のアメリカSF映画の宇宙人にいそうな姿のメシエ星雲人。
このウルトラマンワールドに一見似つかわしくない、違和感がまたミリキな一体。
思い起こせばスーパービジュアリスト・成田享氏もウルトラQのM1号をアーリー
デザインではレトロモダンな宇宙人画からインスパイアされた昆虫宇宙人に酷似させて
描いていましたが、メシエ星雲人はそれ以来にウルトラワールドが海外SF的な
ビジュアルのキャラクターを登場させた事例と言えます。




このメシエ星雲人はマニアに言わせると「頼りないのがミリキ」。
本編ではロボネズとの戦いで傷ついた新マンの
足の弱っている箇所を反則技の連続で徹底的に痛めつけていた
凶暴かつ狡猾なメシエ星雲人でしたが
この話のスーツアクター氏はあまり怪獣の演技に慣れておらず
(戦闘ではズレたマスクを顔に手をやって直したりする瞬間が
映像でもハッキリ確認できたりする)
どこかアトラクションショーの怪獣バトルを観ているような愛嬌も放っていました。
巨大化して倉庫街に登場時の腰振りダンスのようなファイティングポーズや
ウルトラマンの一撃を顔に喰らいプルプル震えながらその場に佇むなど、
スーアク氏独特の解釈から生まれたとおぼしき妙な動きが随所に見られる戦闘シーンも
楽しい。
そしてこのメシエ星雲人のブルマァクソフビは本編のキャラをよく捉えて、何か
ヌボーッとした雰囲気をそのままスタンダードサイズにうまく取り込んでいます。

メタルナミュータントのような大きな頭部に日本の神様・恵比寿様のような福耳を
つけるなど、イメージの和洋折衷感も漂うエイリアン。



背中には羽根のような不思議な物体がついています。
大きな頭部を支えるバランサーか、他天体での活動を補助する呼吸などを
促す外部的な器官のようなものなのかもしれません。



ロボネズ。背中の装甲部分にはシルバーとブルメタが吹き付けてあります。
残念ながら自分の個体は過去の持ち主により
遊びたおされているせいかほとんど塗装が飛んでしまっており
味噌色の成形色がむき出しで、あまりロボット怪獣という感じではないんですが、
この時期の新マンソフビの造形が持ついい仕事ぶりがむしろよくわかります。
扁平な足の造形など、適度なデフォルメ感と本編のロボネズのイメージの
中間的なところをうまくまとめたソフビです。



メシエ星雲人はこの復刻版を初めて手にしたのですが、
過去にタコにはこの2体のソフビたちに思い出があります。
新マンがオンエアして何年も経ってからですが
夏の盛りに田舎の親戚の家に行ったとき
木造家屋のおもちゃ屋の軒先のストッカーに
このメシエ星雲人とロボネズのソフビがクタクタになって袋も汚れた状態で
何個かぶる下がっていたのを思い出します。新マンオンエア終了後の発売で、
まだ怪獣ブームの残り香が残っているような時期だったのでしょうが
この2体はあまり子供たちの購買欲を
そそる存在ではなかったのでしょう。



さらに80年代の「特撮大会」でフリーマーケットがあり、この頃タコは
ディーラーとして友人のバキュームフォームキットの売り子をやってたんですが
(18歳未満でした。何歳からマニアなんやろ、わし)
向かいの卓にダンボールに一杯入ったメシエと
ロボネズのソフビが大量に投げ売りされていたのを思い出します。

つか、買っとけばよかったにゃ。友人は買っておりましたが。
たしかその頃でもちょっとプレ値だったような
記憶があります(1000円くらいだったか)。
すでにマニアヴィンテージ物ビジネスが
華やかなりし時代を迎えつつあったのですが、マルブルでもそんなバンダイソフビ
みたいなお値段で袋入り状態のアイテムが買えた時期があったんですネ。





新マン終盤の怪獣までかなり頑張って製品化してくれた
当時のブルマァクですが、この「郷秀樹を暗殺せよ」本編冒頭数分のみの
前座的な活躍にとどまったロボネズまで製品化してくれていたのは
ウレシイですね。当時喜んだマニアックな子供が多かったのかはわかりませんが
マニアには現在、ロボネズもミドルレアな扱いのちょっとムズムズする
一体になっているようです。
今回ブルマァクさんではメシエ星雲人と一緒にロボネズも復刻されています。

ブルマァクのロボネズは無理やりバランスをとれば2本足立ちにもできるので
本編の倉庫街での野戦でNATの集中砲火に猛り狂いながら前進する
ロボネズをイメージして飾ることもできます。

ロボネズは今見ると動物の改造怪獣=サイボーグ的なデザインで、相方の
メシエ星雲人はレトロSF映画の宇宙人風デザインと、主人と手下の怪獣で
ウルトラワールドに今まで見られなかったタイプのキャラクターが登場したという
意味でも(本編では同一画面に登場して新マン相手に
タッグ戦をしたりはしませんでしたが)
興味深い2体といえるでしょう。
ロボネズや腕がブーメランとして飛ばせるレッドキラーなどは
次番組の兵器化された怪獣=超獣のプロトタイプとも
見れる特徴を持った改造怪獣と呼べる存在です。

メシエ星雲人のほかにも、新マン終盤の回でレッドキラーを操っていた宇宙参謀
ズール星人もアメリカのレトロSFな甲殻宇宙人をイメージしたビジュアルデザインで
まとめられています。
こちらはマーミットさんによって補完的にスタンダードソフビ化を果たしています。
メシエ星雲人と共にいわゆる「成田デザイン的なライン」とは異質な
デザインコンセプトでまとめられた円谷宇宙人といえます。

思うに、終盤の「新マン」に宇宙人のエピソードが集中したのは、
ナックル星人のような強豪の宇宙人も地球侵略に
失敗し、外宇宙は治安が混乱しており今まで活動が目立たなかった
侵略星人たちが次第に勢力を増して地球を目指すようになってきたのではないかと。
そしてメシエ星雲人やズール星人のような宇宙人が
SF小説やレトロSF映画の宇宙人に似てるのは、彼らが何百年も昔の過去に
世界各地に偵察に来た時に目撃されて、姿かたちが宇宙人のイメージとして
ヒトビトの間で映画や小説のイラストなどの中に伝承されていたからではないか。

メシエ星雲人は同じブルマァクが当時発売したオリジナル(ではなくアメリカの
TOYにインスパイアされて作った)宇宙人ソフビシリーズの
ウラヌスキングなどにも姿が似ている点も考えてみるとちょっと面白いですね。

メシエ星雲人とロボネズを2体並べてみると
日本の怪獣をイメージ付けた円谷プロという製作会社が
傑作デザイン・造形を生み出した後の過渡期にあたり、
ウルトラワールドに新たなデザイン的潮流を模索しようとしていた
時期のキャラクターとして検証すると、また楽しいのではないでしょうか。



モグネズンは浅草花やしきのブルマァクショップに遊びに行ったときに購入したもの。
遊園地や行楽からの帰りに怪獣ソフビを買ってニギニギしながら帰ってきた思い出を
追体験できる場所が都内にでき、そこから運んできたソフビでありんす。

やはりソフビには買ってもらった時の思い出がバックボーンにあると
愛着が増すものdeath。それは現行品のソフビでも、イベントなどでの購入に
おいて個人個人の思い入れ次第で現代でも対象との間に芽生えることが可能な
感情ではないでしょうか。




このモグネズン、昭和に発売されたときは右手の平に
マグネットを装着しており磁石遊びができました。
当時、マグネット怪獣シリーズは、このモグネズンとゴーストロン、シュガロンなど
が発売されていました。
今回はマグネット部分にカンチャクが付いており、MATカーが装着され、
車を手に持ってヤンチャぶりを発揮する怪獣という昭和的なおもちゃの佇まいを
より強調させた楽しいアレンジが加えられての復刻となりました。





岸田隊員一家に忘れたい祖父の黒歴史を思い起こさせる
旧日本軍に遺棄された猛毒ガスを口から吐く習性を身につけた忌まわしき地底怪獣

。。。なんですが、普通のブルマァクスタンダードサイズよりも肉感的な造形で
表情もソフビとして愛嬌のあるモグネズンになっています。
今回の復刻ではMATカーを持たせたことで店頭のディスプレイ人形的な
華やかさも加わりました。
しかしウルトラ怪獣の当時ものソフビはメジャーな怪獣、マイナー怪獣問わず
一匹一匹が当時は「怪獣」というスターだった、ということがソフビからも
伝わってきますね。







そしてもういっぴき。。。
パチ怪獣のコレクターで、「どうもマグネット怪獣シリーズに似てるように見える
のだが」、と指摘する向きもいるのがこの火吹き怪獣(フーセン怪獣とも呼ばれる)
通称「六本角」。
彼は昭和の無版権パチ怪獣を乱作し売り逃げを繰り返したメーカー、
三浦トーイの作とされるが、今のところ明確な物証は存在しない。
現存する火吹き怪獣のヘッダーには製造メーカー名は明示されていないのが
複数のマニアにより確認されている。

六本角、モグネズンにそんなに似てるかねえ。
誰も今までやったことがないだろうし
せっかくモグネズンと六本角がこうしてタコの手元に揃ったので、
並べてじっくり両者を見比べてみるとしましょう。判定するのはあなただ!



うーん。ま~、確かに造形のポイントが要所要所で似てないことはないっすね。
モグネズンも頭にヤマアラシ的なトゲが出てるので造形的な近似値は
こうして並べて見るといやがおうにも高まるのだった。

まあ六本角怪獣はこのモグネズンだけでなく、
全身ウロコに覆われている点で見てみると、
同じマグネット怪獣のラインナップであるゴーストロンにもけっこう
似ているんですけどね。







マグネット怪獣シリーズと六本角は原型師が同じじゃないか、という
指摘さえもあるけど、じゃ
「六本角」=大協のザゴラ=ブルマァクのマグネット怪獣の原型師ってことか?!
版権怪獣の原型を先に手がけて、パチ怪獣のソフビも手がけたんですかねぇ。
その道のマニア、インサイターさんのブログでのパチ怪獣のページ、六本角の項目に
こんな一節があるんですが「新マンに登場しても違和感のない正統派怪獣」と
確かにいわれるが所以ですね。






サイドビュー。似てるわ、腕の曲がり角度とか。
でも同じ原型師氏の作なのかな?その辺はまだ断言できないところ。
仕上がりに同じヒトならではのクセって出てきますしね。
でもモグネズンはウロコのある怪獣ではないのでザゴラと六本角ほどには
似ているとは言い切れない。



そしてリアブー。

ああ、しっぽのウネリ加減とか、原型師が同じヒトの担当と言わないまでも、
こりはマグネットモグネズン見ながら作ったようにしか。
関係ないヒトに「同じシリーズの怪獣人形death!」と言って見せたら
疑いを持たなさそう。





というとこういう↓流れで六本角は生まれたのか?

。。。ポワポワーン☁(妄想開始)

ブルマァクのマグネット怪獣発売→三浦トーイの社長「怪獣ブーム再燃で
いっちょここはウチも波に乗って、ブルマァク風で遊べるギミック付きの
怪獣ソフビを作ってブツケでパパッと売りさばくんじゃ(至上命令)」→
社員、「イー!」つきあいのある原型師のところに行き
「ブルマァクのマグネット怪獣のモグネズンとゴーストロンを
買ってきたんで、これを資料に、なんか混ぜたようなのを作ってくだへい」→
原型師氏「やってみやしょう」ザゴラを作った例の腕の立つ原型師氏、
マグネットモグネズンとゴーストロンを資料として横に並べて見つつ
脳内で二体の造形的特徴を混ぜ混ぜ,赤提灯に行く時間を気にしながら
粘土して六本角をデッチUP

ポワポワーン(☁妄想雲が消える)。。。という流れか。

いや、あるいは同一の原型師氏だったなら。
過去に自分がブルの仕事で作った製品を横に置いてデッチUP、という
ことも。大協、三浦トーイを渡り歩いた名もしれぬ流浪の傑作パチ怪獣ソフビ原型師が
ヤクザなパチ怪獣ソフビ稼業と正規版権怪獣ソフビ稼業を行きつ戻りつしながら
双方のソフビを手がけたという、ワイルドな昭和パチ怪獣マーケットの実態を
垣間見るような推測もなりたつところだ。




パチ怪獣、版権怪獣を分かつのは実は造形ではない。

生まれついたバックボーン、
テレビ作品という陽のあたるセカイの身元を、守られた版権の下で作られたか、
バックボーンも何もないところではおもちゃ屋の裸電球の下で
そそくさと売りさばかれるはかない隠花植物のような存在の無版権パチ怪獣であるか、
という事実が両者を分かつのみだ。

その証拠にこうして二体を並べてみれば、怪獣たちのバックボーンを
知らないヒトはもちろん、知っているヒトでさえも、
出自が明確な版権怪獣のモグネズンがパチ怪獣のように見えてきたり
イリーガルな存在で売りさばかれたはずの六本角がテレビに登場した立派な版権怪獣
に見えてきたりする。どちらも怪獣を象った造形物としては
優劣がつけられない出来だからだ。




いわば生まれたときから違う境遇で育った異父兄弟のような存在の
パチ怪獣と版権怪獣の出生に関わったのが同じ親=原型師なのかどうかは
今となっては誰にもわからない。しかし、2匹の怪獣人形は出自は違えど、
同じ昭和の混沌から生まれた怪獣ソフビとして
現在では好事家に愛好され、共に時代を超えた名造形として光を放つ存在となっている
のである。

題して。。。帰ってきたウルトラマン「版権怪獣とパチ怪獣の間に」。

(2月5日付記。。。この件にこだわりのある知人がさっそく連絡をくれて
資料を貸してくれるそうなので、
この「版権怪獣とパチ怪獣ははたして他人の空似か論」は
彼の提供してくれるであろう証言と豊富な物証とを見比べて
より詰められそうです。
真偽はともかく、パチ怪獣ファンとしてタコもこの件は興味深いところなので
近いうちに検証の機会を新たに持ちたいと思います。)


【家なき子 カネゴン】

http://www.youtube.com/watch?v=R2IUwlWbUGw

【家なき子 悪魔の館】
これは当時怖かった。 家政婦を演じた深浦加奈子は名脇役女優だったのだが
もう亡くなってる。。。
この番組に出たあと、MATの加藤隊長(1の病院の先生役)ムラマツキャップ(2の
大財閥の庭師役)も亡くなってるんだったな。「ゴジラVSビオランテ」のヒロインも
演じた田中好子(すずの母)もだ。
思えば昭和名特撮俳優のおわかれ会みたいな番組だった。

http://www.youtube.com/watch?v=XxGAWj0l5lM

資本社会ポディマ

2013年02月03日 | インディーズソフビ




インディーズソフビムーブメントもいつから始まったというのを定義するのは
個々の目線で異なると思うが、要は作り手として熱くなった時期、買い手として
ムーブメントに注目したときがそのはじまりとしたなら、
ブログの筆者である自分にとっては、インディーズと呼べるオリジナル系の
ソフビが登場して専用の消費者とウォッチャーを創出する
マーケットのようなものを形成してから、
すでに10年が経過するくらいの地点にあると思う。

ここにきて、個人製作としてのクリエイティビィティで見ると
かなり風変わりかつ異端な、作り手が平坦でどこまでも続く日常に
穴を開けるべく弓を引くようなインパクトを持ったソフビが
人知れず誕生している。

ソフビ界もメーカー数のクラスターが分岐して、すでに個々の趣味人の中で
括られた「シーン」が存在して進行しているので、全体に通定した
進行状況の把握やなにが売れ線かなどといった分析はもはや誰でもできないし
無意味だ。
ソフビを手にした個人個人の価値が優先される評価基軸が本来インディーズ
ムーブメントというコアな分野を支えてきているパトスの源泉なのだから。

そして、いつしか
「自分が作りたいソフビ」が
「自分がインディーズソフビ界で承認されたいソフビを作る」という
先達の成功したプロダクツの造形や販売スタイルの定形の鋳型に
自分を押し込めるようなインディーズという言葉に似つかわしくない状況さえも
時に出てきている。

その中にあって、自分にしか出てこない発想、他の誰にも作り得ないデザインや造形で
「自分はこれをやりたい」というオリジナリティを明確に横溢させた
ソフビを生み出すというのは
作り手にとっては手がける強度も高い、モノの周囲に纏う燃焼温度も高い、
真にエキサイティングな状況を生み出す結果になるといえるだろう。

今回のように「ポディマ」のようないかにも異端の強烈なプロダクツが出てきて
好事家の元で人知れず愛好されるアングラな雰囲気と濃密さを共犯的に持続させながら
シーンのテンションを維持している状況こそが、インディーズソフビ界が
本来あるべきカタチである、といえそうだ。

インディーズソフビは本来資本的な目線とは異質な、送り手と受け手の側の
個人同士によるパーソナルな「作りたい」「欲しい」という濃度が
存在してはじめて成立する商品文化であると思うからだ。

そしてこれだけ情報化の時代が進行してモノの情報がネット上に溢れていて
なんでも検索すれば情報が出てくる状況にあっても、多くのヒトが目撃していない
得体の知れないソフビというのがこの世にはいくつかある。
その存在はあたかも妖怪や未確認生物の目撃情報や、都市伝説のようだ。
2012年末に密かに都内で1期カラーが販売された、この「資本社会ポディマ」もその一体。

「資本社会ポディマ」は上の状態が通常の置き位置にあたるようだ。



手にとったヒトの目線で自由にポージングして、あなたの想像する「資本社会」を
ポディマで表現してほしい、と付属のライナーノーツにしたためられている。
そう、ポディマはこのセカイの「資本社会」を作者がイメージした
ソフビなのだ。

作者によると「文明社会を妖怪や怪物に例える作風で、このポディマは
2つの顔が成功者と敗北者とを生み出すことで成立する資本社会のルールがもたらす
ヒエラルキーを創出しないと成立しない経済システムの矛盾と
資本経済が常に強者と弱者を生み出す残酷な様相をカタチにしたソフビ」という。



「ポディマは陰と陽の表情を持っている。

勝者と敗者の関係が表されている。

現代の資本社会の成り立ち。

弱者の痛みを知り、勝者に導くだろう」

(付属のライナーノーツより)。



「変形するポディマ

 ポディマは様々な形状にて、何通りもの立ち位置があります。

好みの位置を見つけ出し資本社会の位置づけ同様、紐解いてもらいたい」

(同)。



このライナーノーツの説明から推察するに、ポディマの2つの顔が
資本社会の闘争の歴史の中から躍り出た成功者が資本主義の法則に則り
敗者を生み出すプロセスを1体のソフビの中で表現している、ということのようだ。

怪物は文明社会が、人間のココロの中の闇が生み出す。

ポディマの作者に間接的にだが聞いたところ、

「都市伝説的な目線で現代に妖怪が存在したら、ということでデザインと造形を
模索してきたが、形のとらえどころのない、その姿を見るヒトによって変える
存在としてソフビにしてみたいと考えた」のがコンセプトの最初期にあった。

いわゆる人間型の怪物ではなく、形も自由に変えられて手にした者のイメージに
合わせてかん着を動かしてこのポディマのカタチの中にイメージを見出してほしい」、
というのだ。



聞くところによると昨年末に都内のある店舗で販売したさい、特に事前告知等も
しなかったのだが、最初のこのラット・フィンクのようなカラーのポディマは
クチコミとたまたま来店したお客の範囲で完売したのだという。
特にアート系の目線のヒトがこの不思議なカタマリである
妖怪とも怪物ともつかないソフビに関心を示してくれたという。



作者については自分もポディマをデザインするまでの経緯をさらっとしか
聞いてないが、80年代以降の都市伝説ホラーやゲーム的な目線で描かれた妖怪の
ルックスにインスパイアされた気配がうかがえる。



妖怪への目線が、古寺や墓場ではなく、地面が土でなくコンクリートに覆われ、
夜でも街に灯がともる都市空間に舞台が移った頃の妖怪ーー

「ゲゲゲの鬼太郎」で例えるなら、85年オンエアの
3期頃に慣れ親しんだ視聴者世代のイメージした妖怪なのではないかと思う。
ソフビを作った作者の世代が作ったキャラクターの中に刻みつけられるもので、
妖怪が昭和から平成にリニューアルされ都市空間に跋扈するようになった頃の世代の
生み出した新しい潮流を繋ぐプロダクツではないか、と興味深いものを感じた。



ポディマの足の根元というか腹に当たる顔は笑い顔のろくろ首のような
長い頭部が漆黒の虚空を漂うのを2本の足で支えている。
腹の顔が笑い顔を支えていることでポディマの通常の体勢=体制は保たれる。
その均衡が崩れたとき、ポディマはまた別の容貌を見せることになる。
1体の怪物の中にある満ち足りた表情の怪物の顔、虐げられた怪物の顔が
拮抗して成立するその姿にあなたは何を見出すのだろうか。



ポディマの佇む姿に自分が見出したのは「バランスをいつ崩すかもしれない
資本社会のあやうさ、はかなさ」だ。そして一度、今ある日常が崩れた時に
ヒトビトは自分の崩れた日常に異界の裂け目を、自分にしか見えない妖怪の姿を
見出すことになるのかもしれない。

あたかも存在自体が都市伝説のような謎のソフビ「資本主義ポディマ」。

思うに、我々が日頃日常で刮目しつつ多数のメーカーの活動動向を見守っている
インディーズソフビムーブメントというステージの存在を思い起こしてみるといい。
そこにはイリーガル&アンダーグラウンドマニアックな場所。

隠花植物が生息する淫靡なセカイのような一般社会と隔絶された場所で
ステージが進行する中、送り手と受け手が売買を行っている。
ソフビのセカイはあたかも資本主義のシミュレーション。作ることを欲するものと
手にすることを欲するものの間に発生する欲望が往来することで成立する
カリカチュアライズされた資本社会そのものではないか。
そんな場所でこそポディマは実体化を果たしたと言えるだろう。

アンダーグラウンドな世界観に蠢く人間の欲望の潮流の中に
ポディマは存在し、異形の姿でその姿を見た者、
手にした者にヒトのあはれを鏡のように映し出す。ポディマの浮かれたような上の顔は
実は生きることの悲しみをも背負っており、
苦悶に満ちた表情で佇み自らの全体の均衡を生ける門柱のように支え、
保っている下の顔は生を繋ぐ強い欲望の意思を表している。
ポディマは誰の心にもある成功や収奪からくる慢心や虚栄、欺瞞と
伴う自らの苦しみとを一人の人間の中でギリギリのバランスによって
拮抗し、コントロールすることでヒトたらしめしている姿そのものをソフビに
したのかもしれない。



怪物は人間の存在を映す虚構の鏡。「資本社会ポディマ」という怪物。

ポディマは我々の生の律動を支えている欲望の構造そのものをカタチにした
怪物なのだろう。その姿に不安を覚えるとしたなら
あなたのココロの中にもいるポディマの姿に目にしたということなのだろう。

昨日、そして明日、ヒトビトは何処にいくのか、そして我々は一体何者なのか。

震撼すべきは怪物にではない。人間の持つ自分自身さえも時に捉えようもなくなる
ココロの闇にだ。それは公害怪獣のように、ヒトがこの世に存在する限り
この世からは消えることはない存在だ。作者は妄想の末にこのポディマを
ソフビとして具現化させた。
ポディマは人間の震撼すべき人間のココロという怪物を
カタチにしたソフビなのだ。誰のココロの中にもこのポディマは佇んでいる。








鬼城/OLLIE×怒羅鬼

2013年02月02日 | インディーズソフビ




節分特別企画というか、ソフビの虫干し。
節分の時期になるとお雛様のように鬼モチーフのソフビを飾ってみたりして
鬼の押し出し。

ZOLLMEN 怒羅鬼&製作メーカー不明の鬼の子供ソフビ。



そしてMVH OLLIE 1期Velocitronカラー。
ジャンボマシンダーみたいにデカい。
自分なりに咀嚼された「鬼」のイメージをカタチにしようとした
外人さんのソフビへの夢がこもっている。



手がスパイク状に腕と同化しているのが殺傷力高そうでナイスアレンジ。







1期は蓄光バージョン。背中の塗装が桜のモンモンみたいで
絵人間状態。銭湯やプールでお断りされそう。



ソフビを作り始めた頃のアイテムなのでややラフさが目につくが、
かえって荒々しいミリキも漂っている。今、同じ作者がこのOLLIEを作るとどんな
仕上がりになるのだろう。
思えばこのOLLIEは、外人のカスタムペインターがある程度のサイズで
製作したというなら、モニュメント的なソフビではないか。
















怒羅鬼はドラゴン+鬼がモチーフだろうか。
首飾りや日本刀や鬼スパイク(金棒)など手にしている武装は
タコが勝手につけたもの。



最初に発売された赤鬼カラーと青鬼カラーの怒羅鬼についていた
人面落武者犬君。豪放磊落な表情の怒羅鬼の横に置くと
なんとも心もとない表情と佇まい(元ネタは主人の好きなレコードに聴き入っている?
某レコードメーカーの犬?)がたまらない一品。

















眉毛が稲妻風にディティーリングされているので
鬼というよりは雷様の子供だろうか。
虎皮パンツはタコが自作して履かせたもの。
実際の商品はビニールか何か樹脂のパンツを履いていたのだろう。



怒羅鬼の連れている鬼の弟子みたいな感じで一緒に飾っている
謎の鬼の子ソフビ。
餓鬼たちが蠢く地獄のアミューズメントパーク内を地回り中。






というわけで鬼は外。

アキバ戦記36Oneup.スイーツ

2013年02月01日 | イベントルポ





もう2月に入りました。
アキバZONEのOne up.さんで2月1日にスタートした「スイーツ」展。







ZENITHさんの大作オリジナルバイナル「ZENITH」も今回で3個目の販売。
店長さんによると
前から作りたかった大作ソフビなので1個1個をじっくり売っていきたい、との話。
塗る面積が空前絶後というか、この大きさゆえ半端でないのですが、
いろんなソフビメーカーさんがこれを塗装したいと挙手してくれているとか。























ここから下は今週掲載した「私のいじったネゴラ展2」で置き場所が撮影困難だった
場所の補完です。普段タコブログにコメントをいただいたり、ブログをされている方の
出品が多かったのにもびっくりしました。楽しんでカスタムしたんだろうなと
思います。リアビューも各作、気合が入っていますね。










特殊観光2/中野棄境

2013年02月01日 | ジャンク





さすらいビトの荒野・中野棄境。。。
逢魔が刻の中野、建物が消えては建ち、建っては所有者が変更されて
存在の帰属が常に書き換えられる、解体と再生とがめまぐるしく行われ
姿を変える町。
いつか見た風景を消滅する前に忘れないよう網膜に焼き付けて
記憶しておかなくてはならない。



手描きの海賊船団が描かれた飲み屋ストリートのカンバン。
何か絵の内容に由来はあるのだろうか。
下の3時を指した時計やケーキとの関連は描いた本人以外には不明なあたりが
下町の自由気ままさをそのまま表現しているかのようだ。



再々開発で消えゆく通り。消えゆく大蜘蛛タランテラの根城。
タランテラも既にこの地を後にしているようだ。
ヒトビトは自分だけの隠れ家,シェルターを求めて爆心地のような場所を漂う。
あたかも自分の夜のあいだ、つかのまの帰属を搜し求めるかのように。



何処から届いた郵送物が地図にない家の紅いポストを満たす。
しかしすでに主は居らず、灯りが灯されることはなく、
家もただ生命力を失ったいきものののように解体の刻まで沈黙している。
中野無常。



解体が終わった更地の真ん中に踏みとどまっている錆に覆われ朽ち果てた家。
元はここも商店だったのだろうか。





再々開発で囲みの塀ができた、なんとも潤いのない通り。
長い通路をまっすぐ歩いて行ってももはや店を選択する余地がなく、
果てにぽつんと立っている一軒の店?に入るしかない。
純粋飲食街、これは定義するなら一種の路上観察物件、トマソンと呼んでいいだろう。





「私は猫ストーカー」という映画があったが、上の純粋飲食ストリートに
佇んでいた猫を追けてみた。
彼の寝床はどうやらここらしい。昔飼っていた猫に、猫の会議が
深夜に行われるか人間は決して覗いたりしてはいけない、と教えられたのを思い出した。








夕刻になるとサブカル系の若者グループがよく吸い込まれていく雑居ビル。
最近アニメカラオケのお店ができて盛況らしい。
古い歓楽ビルも若者向けのコンテンツが入るとにわかに建物全体が活気を帯びるものだ。





この町は雑多なカルチャーが流入しているがゆえ、
昼間から初音ミクの金属的な歌声が流れてくるアニメカラオケと
昭和スタイルの営業である、八代亜紀そっくりのママが居る店も
時には客を取り合うことになる。
さらに中野監督の怪獣が接客する店、大怪獣サロンや
アキバ大手チェーンからの中野エリア前線基地となるメイド喫茶なども
この戦線に加わる、ここは夜の社交の激戦区。
少し前にはジオン軍御用達のコスプレ喫茶もあった。



レコードコレクターの修羅場が見れる場所。ここはソフビではない
もうひとつのVINYL JUNKIEたちの戦場。







昭和的な金物屋の軒先。モルタルの灰色の背景にポリ容器の発色が美しい風景。





中野ブロードウェイの脇の道路で写真を撮っていたら、
路上観察系なのだろう、フットワークの軽そうな元気のいいアンチャンに
「本当に楽しそうに撮ってますね!」と感心された。

彼が「せっかくだからちょっとうんちくたれますよ!」と教えて
くれたところによると、このあたりは
戦後すぐは連れ込み宿が多かったらしい。たしかにそんな色使いの淫靡な
佇まいでヒトの目を引き寄せる、二階建て洋風建築の店が多い。
建物の造りがトタテグモの巣の入口のように近づく虫たちをほのかに誘い込む、
建物としてのフェロモンのようなもの、独特の媚態を放っているのだ。
横浜の有名な黄金町の通りと同じで、下で飲み、
上に客を連れ込んでいたすようなシステムの店が昔は多かった、
その名残りなのだろう。



白昼堂々、緊縛されたアダルトショップの看板。



この町の逢魔が刻に、通りに出されるガチャポンは大人にしか見えない!



1年の厄災=鬼を除けるべく、恵方巻を嗜む季節になりました。

















魔境に相応しく、中野ブロードウェイ2階で「ベルセルク」劇場版公開記念
イベント開催中。