KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

エア花見

2011年05月02日 | モンド・トラッシュ




4月はほとんど更新できなかった。写真は撮っていたりしたのだけど。
てなわけで1カ月遅れの2011年花見ルポ。といってもゴタゴタしてる中で
ぶらぶら現場に居ただけなので、実質エア花見。

















ネコ「原子力に頼らなくても電力はまかなえるんニャー!」
カトチャンみたいなおじさん「なーるへそ、
国と東電が自分たちの利益の都合で原発は必要だって
必死になって言いはってるだけなんだね」

わかりやすいな、この説明。
街頭のモニターだけじゃなくてテレビで流したらいいのに。



































仕事で浅草に行ったので隅田公園に花見を見に行ったら、
これがおどろいたことに4組しかいませんでした。
平日とはいえ開花真っ盛り、隅田公園でですよ。
咲き乱れる櫻の園の中でブルーシートを引いた人たちがぽつんと4組だけいる、
芝居の書き割りのような奇妙な花見風景。



管理職風のおじさまお二人
「やけ酒だよ HAHAHAー!!」



流しがやってきた「何も~イイことが~なかったー
この街で~♪」いやがらせみたいで萌え。。。









花見にまぜてもらった。妙に海産物のおつまみが
充実している宴の席だなぁと思ったら水産会社の人たちだった。
恰幅のいい社長さんが今後の日本近海の汚染水による影響がいかほどか
今後について非常に憂いていた。
いただいたホタルイカがものすごく美味かった。








本来ならこの時期満杯になり収拾場を一日に何往復もするハズだった
空き缶回収リヤカーも動かない。ミニマムなセカイの経済危機。
回収のおじさんたちもしまいにタワー前の河原に陣取って酒を
酌み交わす始末。ここで死んで花実が咲くものか、桜の樹の満開の下。
ここは賽の河原だったのか・・・。

























つ【川田まみ/Eclipse】

http://www.youtube.com/watch?v=XC_xoRw_Swg

マーミット×長谷川集平トリゴラス

2011年05月01日 | 特撮・SF



マーミット、今度は絵本のセカイから3Dのセカイへ。
人々の記憶の中に生きてきた有翼の大怪獣をソフビで召喚!
スーフェス56で参考展示されたトリゴラス。



1枚目写真に続き、まさに絵本からトリゴラスが飛び出してきたイメージで撮影!
(ばんそうの「とびだす絵本世代」なんですよ~)

絵本作家の長谷川集平氏描くオリジナル怪獣・トリゴラスが2011年、
マーミットの魔法により二次元から三次元の存在へとその身を変え、
都市を飛翔し破壊を開始した。巨大な漆黒の翼がはばたいたその先には?

昭和から人々に親しまれたファンタスティックな都市寓話に「鳥を見た」!



これが長谷川集平氏・作「トリゴラス」(文研出版刊)。
赤松氏もこの本に出会ったのは10年くらい前のことだという。
78年に文研出版から発売され今も重版を重ねるロングセラー。
昔子供の頃に買ってもらったり、図書館で出あったりした
一冊の記憶ほど強烈なもの。ましてページをめくった時にそこに
怪獣大暴れが展開していたなら…!「トリゴラス」は当時世代には
そんな一冊なのだ、と赤松社長は説明する。

当時世代にはトリゴラスはかなり思い入れのある一冊になっているらしい。
いわばトラウマ怪獣絵本というところか。



本の中でのトリゴラスはシリアスなあたかもキグルミ等身の怪獣として
描かれているかと思うと、上のページのようにアップ時などは
コミック的に風貌がカリカチュアライズされている場面もあったりと
枠に囚われず作者のイマジネイティブのおもむくままに描かれている。
怪獣の凶暴性が自由な表現で描かれMAXに破壊力を発揮しているという
ところか。

タコ「80年に入ると一時期怪獣映画が分断された一方で、
テレビのお酒のCMなどに怪獣が記号的に登場したり
怪獣の出番が徐々に舞台を移していく頃。

泉昌之さんが畳の部屋にごろ寝してくつろいでいるウルトラファミリーを描いたり、
みうらじゅんさんが登場して昭和の怪獣映画についてサブカル的に語るなど、
怪獣映画のサブカル的目線からの評価が始まる少し前ですね」

赤松社長「たしかにこの絵本は怪獣ブームがひと段落した頃の
空気もうかがえて、そこが今見ると新鮮ではないかと思います」

昭和の第二次怪獣ブーム終焉からウルトラマン80が始まりゴジラが復活する
84年までのミッシングリンクに、子供たちの目の触れる機会の多い絵本で
自由に暴れて、人々の怪獣への渇望を支えていたといってもいい
不思議な存在感を放つ、トリゴラス。

赤松社長「このトリゴラスについて、自分がおもしろいなと思ったのが、
マニアよりも一般のヒトのほうがよく知っているということなんですよ」。

なるほど。灯台もと暗しってヤツでしょうか。
そんなトリゴラスが今、突然30年間人々に静かに読み継がれてきた
時間を破って立体の、ソフビの怪獣として平成の街に現れた!

彼は何を告げに311アフターのこのセカイに飛来したのか!!

マーミットでの原型製作は、ページごとにタッチの変わるトリゴラスをどう
扱うかで暗中模索状態が続くかのようだったが、幸いにして、
原作者の長谷川氏が怪獣に思い入れの
ある人だったそうで、作品中のビジュアルから抜き出した
イメージの範囲で自由に作れることが幸いだったとしている。
そこでいろんな角度から絵本の中のトリゴラスの表情を抜き出して
イメージを集約しつつ原型製作作業を進めていった模様。




赤松氏「(上のページを見せてくれて)ほら、ここのところに
見覚えのあるヒーローと怪獣らしきものが描かれているでしょう。
長谷川さんも怪獣が好きだったんですね」ほんとだ。
しかし市民の部屋に家具といっしょに怪獣人形が置かれている風景が
絵本の中に出てくるのは一ソフビファンとして、ミョーにうれしい。

雑誌「宇宙船」時代から
活字や漫画の中に出てくるキャラクターの立体化作業を続けてきた
赤松社長がこのトリゴラスに魅了されソフビにしたいと思ったのも
よくわかった気がした。




自由度の高い原型づくりが可能になったことで、マーミットさんでは
いろんな代表的な既存の怪獣のモチーフをこのトリゴラスの造形の中に
とりこんだという。たとえば目の下のほうはギャオス、
目と鼻までの輪郭には怪獣王ゴジラ、羽根はペギラ。。。といった感じで
CGで各要素を取り込んでいくように造形。
製品を手にとってみると各怪獣のモチーフがくっきりそこに刻まれていることが
よくわかるハズ。






劇中には飛行シーンもあり、夜の街を疾駆するトリゴラスが
生命力たっぷりに描かれている。
黒ベタ一色で塗られ雨が斜めに降りさらされて
泥のように眠る街は、悪夢のように深層心理に訴え、一度見ると忘れがたい。
往年の「ガロ」風な力強くワイルドな描線が効果を上げている。
トリゴラスのソフビも表面の処理が絵本のキャラクターという事実から
逆算していかにも絵画的にディティーリングされている。現物を手にとると
独特の手触りに作り手のこだわりがいかにも見いだせると思う。

空から街を行き来して人々を襲うトリゴラス。怪獣による都市襲撃を
活写している点にも大いに注目したい。

タコ「飛行バージョンのソフビとかもあったらいいですね」
赤松氏「足を後方に曲げるとちゃんと飛行ポーズにもなるように
プレコンバーチブルに作ってあります!」目の前で足をまげて見せてくれました。
サスガですね。



本の中にはこの通り、どうみても昭和29年の最初のゴジラとしか
思えないアングルで暴れるトリゴラスも。




部屋の壁をぶち破って女性キャラクターをつかむトリゴラス。
ダイナミックなシーン。
これは「キングコング対ゴジラ」の1シーン風ですね。
このように、いろんな怪獣映画の名場面や造形的アイコンを切り取りつつ
自分なりに咀嚼して各シーンを形成しているところが
怪獣ファンの嗜好をまたくすぐる一冊となっている。




そしてこれが一般人向けの絵本として作られていることが、マニア対象に最初から
造られたコンテンツにありがちなバイアスなどとは自由に飛翔して
イマジネイティブを発揮できている作品になっている、という言い方もできるだろう。
80年代はまだ怪獣が社会的に認知されていなかった頃なので
マニア的目線から鮮度を今まで保っていた怪獣であったという指摘もできそう。

そんなタコもいままでトリゴラスの名前は聞いたことはあったのだけど、
実際に本を手にとったことがなかった。
それがまさかマーミットさんからソフビ化されるとは。
トリゴラスのほうが怪獣ファンの自分のところに飛んできたかのような感じだ。
自分も俄然、この「トリゴラス」のふしぎな存在感、面白さに魅了されてしまった。



赤松社長「今年になってやっぱりどうしてもトリゴラスが気になって
資料を調べなおしていたら、なんと去年の12月に32年ぶりの
続編「トリゴラスの逆襲」が出版されていたのです。
それでもう絶対このタイミングしか無いと思い、
すぐに長谷川さんに連絡したところ
快諾してもらえました」

昨年発売された「トリゴラスの逆襲」なる続編の絵本。
トリゴラスへの関心度が世の中で高まり、作者にも共振して、当の長谷川氏も
30年近い時間を経て続編を書かせるに至ったのだろうか。
タコも続編でトリゴラスがどんな活躍をしているのかまだ未見だ。
それはトリゴラスのソフビが製品化されたころに確認したいと思う。

マーミットのトリゴラスは現在発売に向けて生産や販売形態などを
調整中だそうです。