KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

ロボット刑事K×マザー

2010年03月29日 | 特撮・SF

マーミットさんのビニパラミニヒーロー
「ロボット刑事」シリーズがあと終盤登場のバドーロボ数体で
完結間近。10年越しのロングリリースだったのだけど
まずはめでたい。怪人やロボのシリーズで全部出るなんて
めったにないですからね。
ロボット刑事は当時も敵バドーロボどころかマザーも発売されていなかったので
思わず手にしてしまったリアルタイマーのKファンもいるのでは。
劇中ではよく戦闘シーンや爆発シーンでミニチュアのバドーロボが多用されていたので
プロップ的な面白さもありますね。



「マザー」!!
敵との戦いで傷ついたKを迎えるマザー。
少し前に届いたマーミットさんのマザーなんですが、
現物はディティールが精密で北欧とかにある
女神像みたいな繊細さが見事なデキ。




当時もしマザーが出ていてもこれだけの仕上がりに
なったかどうか。(そういえばマザーは当時、
パチのソフビはあったんですよね。ちょっと
イナズマンみたいな顔なんですけどあれはあれで
よく出来ていた。チャレンジャブル
な業者が居るもんだなあ。)




自分的にオキニなバドーロボセレクト。
ナナツマン、ロッカーマン、ドクガスマン。
ナナツマンはボディがちょっと女性的な
スレンダーなフォルム。滑らかな動きで警戒厳重な場所に潜入する
劇中での活躍にぴったりでした。
密室殺人用のロッカーマンは人をボデイに
放り込んで分解してしまう描写が怖かった。
ガンガンKにけっとばされてたロッカー部分が
凹んでたショットがちょっとかわいそうだった。
ドクガスマンはイナズマンのデスパーロボに
漂っているようなミリタリージェノサイドな
ルックスがミリキ。
当時、テレビマガジンの懸賞でナナツマンや
コワシマンのキグルミプレゼントがあったのだけど
あたった人います?




代理殺人や暗殺、代理強盗、社会不安の醸成、テロや破壊活動全般をつかさどる
黒い商社であるバドーらしく、全身黒で固めた面々をピックアップ。
ミサイルマン、ガンリキマン、デンネツマン。
ちょっとインダストリアルパンクテイストの
近未来バイオレンスSF映画とかに出てきそうな
ヤツラです。ガンリキマンは胴体がブラックスーツで
固めていて、人間社会への偽装度が高かった。
ハマキでたばこを吸いながらクライアントと
商談している姿がキュートでした。
目からの閃光で相手の戦闘力を奪う。
Kが一回戦で学んだ対策としてフィンガー5のアキラみたいな
トンボの目サングラスをして戦ってたのがかわいかったです。
ミサイルマンは当時も子供に人気のあったバドーロボ。
下半身を戦車に入れて戦ったりもするんですが、そちらも別パーツみたいな
カタチで立体化してほしかったな。
デンネツマンは80年代頃のアンダーグラウンドなクラブとかに
オブジェとして立ってそうなデザイン。




石ノ森章太郎原作のコミック、「ロボット刑事」。
時代を超えて今読んでも十分面白いオートマトンポリスノワールの傑作。
ロボットとして生まれながら人間としか思えない感情を持ち、
時には盲目の娘に優しくされ恋愛感情を抱いたり、科学捜査の担い手でありながら
犯罪の中に人間の不条理を見出し計測不能なヒトの存在に自らも心を揺らがすなど、
人間以上に人間らしい行動を取るKは、
犯罪組織バドーが立ち上がる時に不要であるとして棄てていった
設計図から起こされたロボット刑事だった。「キカイダー」と同じで
ピノキオシンドロームがその根底に根ざしているともいえるK。





しかし、バドーロボのビジュアルがテレビの
ファニーな面々と比べるとリアル志向で、とにかく地味!

上の犬型ロボとかネコ型ロボとか蚊のロボとか、ブリキのカカシみたいなのとか
人間の皮で偽装した鋲が顔に打ち込まれてる鉄仮面のようなロボとか。
犯罪組織のロボならそんな日常に偽装しているほうがリアルカナ。
それはそれで味だけど、当時テレビでユニークなバドーロボのみなさんを見てた
おともだちたちは、漫画を見て「コレジャナイ!」と思ったかも。



そして漫画版はラストも、能天気に終わるTV版と違って
超ペシミスティックな結末を迎える。
バドーのボスと、マザーの中にいる
Kの真なる母・バドーのボスの姉のすれ違いは
止めどない悲劇の終幕を迎え一人ぼっちになったKが絶叫する…のだが、
絵的に巨大ロボ同士の再会でそれを描いているのが
どこか唐突すぎていささかオマヌーになって
しまった気がする。(80年代頃に不条理ギャグを
描いてた頃の吾妻ひでおが「生き別れの
おねーさん!」とかいってラストで兄弟や姉弟が
双方同型のロボに乗って再会して戦ったりして
結局爆発するヤケクソうやむや気味なラストで締めくくる
パターンが幾度かあったように思うが
この漫画「ロボット刑事」のとってつけたような結末のパロディではなかったのか?



TV版より。おやっさんを気遣って
危険な現場から外し、結局バドーロボを
逃がしてしまったのがバレて
大目玉、ショボーン。



捜査に行った先で警官に逮捕されちゃうK。
まだまだロボット刑事の存在は全国の部署に
まではいきわたっていなかったのだった。



石ノ森氏の漫画にもあった詩を書くシーンが
TV版でもリアルに再現されている。実写で見ると
お茶目さが倍増。
















暗躍するバドーロボたち。
商談風景はソファで丁寧な口調で契約を取り交わしてたり
クライアントが入金を渋ったり通報したり等で裏切らない限り
現場の判断でユーザーフレンドリーと顧客満足を徹底したり、
時々見せる犯罪集団の営業マシンとしてのプロ精神も楽しい。
「ターミネーター・サラコナークロニクル」で
冷酷な戦闘マシーンにして美少女アンドロイドのキャメロンが
時折見せる奇妙なユーモアシーンを30年以上前に
すでに先取りしている部分もある。





予算と相談しながらコマいミニチュア特撮で見せるバドーロボの犯罪シーンや
Kとのバトルシーン。Kの特撮現場はジョーカーの飛行シーン以外は
特撮班は組まれていなかったのであろうが、奥中監督回は特に、本編班の撮影範囲内で
こういうミニチュア特撮をなるべく入れることにより戦闘シーンを面白く見せ、
視聴者に「特撮番組である」ことを印象づけていた。
テナガマンが背中のタイヤを起動して走行し
裏切ったクライアントを追撃するシーンなど、
アナログ特撮なのだけどイマジネイティブギミックが楽しめる。
まるで悪のロボコンって感じですな。
マニア目線ではこれらのミニチュアシーンの精神的再現として見れば、
ビニパラミニヒーローが出たところにたくまざる製品としての
遊び心があったように思うハズ。



すでに製品の原型も仕上がっていると
マーミットプラスにも記述がある、
最終回登場の最強バドーロボ、ハグルマン。

Kよりも優れたロボットとして生まれながら
月面での死闘の末にブローアップ/完全な戦闘機械と化した
Kに破れ、自分の存在価値を見失って、
バドーのボスと共に滅ぶ。プライドが高い一方で
一度は戦闘能力に優れているKを認め、バドーへ来いと
誘う辺りに、同じ開発者から生まれた兄弟としてKの事を
救いたかった様子もうかがえ、いかにも
石ノ森ワールドのロボット同士の情感描写らしく印象に残る。



無事、事件も解決した平和な日。
ビヤガーデンでビールを飲み干す一同。
おやっさん「おい!K、おまえ」
K「え?ああ~」
自分でも気づかなくなっているくらい、
すっかり人間らしくなっているK。


おまけ。WOMBAT TOYSさんから昨年リリースされた
ジャンカーVのリアリー・ヘッドver.
パチサミで発売されたんですが、このボディカラーを見て吹き、
パチっぷりの高さに思わず入手。
オリジナルロボで森かつらver.でロボット刑事カラーって。。。カオス。

K「ぼくのおふくろに何をするんだ!やめろジャンカー!
君はぼくと兄弟じゃなかったのか。
なんでそんな意味ありげなおそろしいフィンガーアクションで
おふくろを指差すんだ!」



このジャンカーVはKと並べると仮面ライダーゾルダと
契約した召還モンスターのマグナギガみたいです(笑)。
最近製作の番組だったら、Kも愛車のジョーカー以外に、シーズンのテコ入れで自分を
ビッグサイズにしたような、こんなサポートロボが味方についたかも
しれなかったような。。。

そういえば原作漫画の「ロボット刑事」を、石ノ森キャラのアニメーター
としては作者本人が動かしてるのかと思うくらい似せて描ける紺野直幸氏が作画して
アニメ化する話が数年前あったような気がするんだが、デマかタコの幻聴だったのか。

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6 コメント

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Unknown (マンガ)
2010-03-29 23:56:53
バドーの予告状って
わざわざ邦文タイプで打ってるのが面白いな。
当時これ見てどう思ったんだろう。
ちょっと想像できない。
契約書っぽいっていえば
そうかもしれないけど。

ガイアメモリも、契約書演出ほしかったな。
フリーblogアカウントみたいな
画面クリックすると
黒服の宅配業者が送ってくる。みたいな。

ハグルマン美しい。

Unknown (タコペッティ)
2010-03-30 00:19:02
>マンガさん

>邦文タイプ
ああ、それやはり気になりましたか。
自分もちょっと面白いなと思い、
コメントをいただいてから、初期に出てきた
別バージョンの契約書も貼っておきました。
文面はどちらも同じです。
契約書のタイトルがその後
オドロ文字になってるのはバドーが
クライアントの契約時における
インパクトを高めようと
配慮したんでしょうかね?
初期はリアル系の演出でいったけど
子供にはわかりにくいと思って2枚目の
一目で凶暴そうな文面に
変えたんでしょうね。細かいところに
現場の苦労がうかがえます(笑)。

子供がブロックにラクガキしてる画像は
バドーの契約書を見てしまった子が
バドーを呼び出そうとしてるのを
Kに見つかったシーンのです。

「W」のガイアメモリの契約っていつも
交わした後なのでないですよね。あと契約時の
密談風景みたいなのは
T-REXの時にあったような気がしますが
書面を交わすような契約シーンはないですね。
ドーパントの営業マンに任せて現場契約なので
ドラッグのアングラ取引みたいな演出に
なっちゃってるのカナ?でも仮にもあれで
伸びてきた企業ですものね。

ハグルマンは名前も歯車で企業の一部って
意味が込められているんでしょう。
たぶんKのオンエアが1年もったとしたら
彼はライバル的立ち位置で
もう少し終盤前から活躍させるくらいの
気持ちがあったんじゃないカナ?と思います。
クールだけど、「歯車」だけあって
組織の崩壊に合わせて最後に脆さも見せた
ちょっといいキャラですよね。
Unknown (マンガ)
2010-03-30 11:24:40
ハグルマン、実写化だってな!
(それはバクマン)(だいぶ違う)

いや、自分でも不思議なんだけど、
トランスフォーマーは生物モチーフじゃないと食指が動かないのに、
ヒーロー怪人/怪獣はロボットの方が
好きなんだよなぁ。
いや、初期ショッカー怪人みたいな
モチーフも好きだけど。
こうもり男なんてヒッドイけど、
アップだと結構好き。
Unknown (タコペッティ)
2010-03-30 13:06:13
紺野ラインでアニメ化したらハグルマンは
幹部クラスで人間体アリの
キャラクターボリュームになりそな。

トランスはビーストウォーズあたりの
インパクトが大きかったんでしょうね。
メタルダーならモンスターより機甲軍団の
クチっすね。ディケイドの映画版見ると
歴代の悪の組織の怪人が
当時そのままで作り直した
キグルミで出てくる。
仮面ライダーFirst/Nextみたいに
リファインじゃない。けど旧怪人は
平成の怪人やモンスターと並んでも
ライダーの敵としてしっくり来てるのが
面白いっす。
ああ、わかった。シンプルでフォルムが
頭に入りやすいザクとかアッガイと同じような
効果ですね。


Unknown (くらげ)
2010-03-30 16:08:08
本当、全部出るみたいで嬉しいです!
ミサイルマンの戦車形態は、検討したけど今までの形態に合わせて
2本足形態にしたそうですよ。
次のキカイダーは、スタンダートみたいですがベビーサイズでやって
欲しかったなぁ。
Unknown (タコペッティ)
2010-03-30 19:21:14
>くらげサマ
こんばんわ。
本当、うれしいです。何年くらい
止まってたのかな、このリリース。
しまいこんじゃったのもあって
今回もってるバドーロボ全部は
紹介できなかったのがくやまれます。
再開してからのアイテムは終盤のという
こともあって造形も火力・戦闘力が
ビジュアルに反映された面白いものが多く、
当時はスチール写真も撮ってないキャラ
だったので今回の立体化はソフビが資料
になるみたいなものですね。

>ミサイルマン
ああ~、戦車形態も検討はされてたのか。
劇中では2足での戦いもしているから
まあ製品でも満足できるけど、
たしかにそう言われてみれば
仕様は統一したほうがよかったかも。

>キカイダー
そうなんですよ。ミニのほうがよかった
かなあと自分も思ったんですがまずは
様子見とします。ただゴールドウルフとか
ギンガメ、3週にわたりキカイダーと
戦ったカイメングリーンはじめ海産物系
3ロボ、赤ジライガマあたりは
すごく欲しいです。リアルソフビでなく
セミレトロですよね。

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