KADOMIUMTANK ソフビブログ

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マーミットの10月ソフビ新製品

2012年10月06日 | 特撮・SF



マーミットさんから10月受注のソフビ新製品のお知らせをいただきましたのでご紹介~。

注文していたジェイムスン教授が先日届いたんですが、著名SF小説の
クラシックキャラクターが小説の表紙どおりのビジュアル&可動
(全身についたたくさんのマニュピレーターが動く!)でソフビになる日がくるとは
思いませんでした。
8月にタコブログで紹介した食人植物トリフィドもですが、SFキャラクターの
立体化で勘所を押さえた製品展開をしてくれる同社はマニアゴコロをなんとも
くすぐってくる存在です。

すでにマーミットプラスのブログでも製作中の頭部ワックス原型が紹介されている
のですが、ウルトラセブンの宇宙人補完シリーズも久々に新アイテムが。

キングジョーを操っていたペダン星人(セブン劇中仕様)をスタンダードソフビ化!
ペダン星人の登場場面は劇中でも薄暗い円盤内に見えるシルエットのみで
はっきりした姿は謎だった宇宙人ですが、最近バンダイのガチャポンでも奇跡の
製品化を果たしました。。。んが、これが超極悪アソートで48分の1だか
50分の1の確率だかでしか出ない、メーカー都合で操作されたレアアイテム
だそうじゃないですか。そんだけガチャを鬼回ししたらソフビが2個くらい
買えちゃいますね。

そんな、話題になったキャラを早速スタンダード化して頒布しようという
フットワークの軽さに、そしてこれからもいったい何をソフビ化して
ファンを驚かせてくれるか、社名にこめた「魔法のなべ」(怪獣太郎・怪ZINEでの
赤松社長インタビューによる)そのままに
マーミットさんの動向はどんなマニアックアイテムが飛び出すか、
引き続き見守られるところではあります。

10月受注の商品は、すべて通販限定品。10月31日受注締め切り
2013年1月中旬発送予定。
商品の問い合わせ及び代引き申し込みは㈱マーミットまで
 (電話/03-5648-6535)。


怪獣天国 ブラックホール第3惑星人(1期)
税込み5250円 全高約23センチ。映画「ゴジラ対メカゴジラ」登場。
スタンダードサイズ初登場。劇中に準じたオーソドックスな彩色。
以前マーミットさんから「にせゴジラ」とセット販売されたミドルサイズで
ブラックホール第三惑星人が発売されているのですが、とうとうこのゴジラ映画中でも
屈指のマイナーキャラがスタンダードサイズでソフビ化です。

昭和のゴジラ映画も「メガロ」や「メカゴジラ」といった終盤になると
予算の都合もあって美術部分がだんだん出来合い感漂うものになってきて、
脇役も妙なキャラになってきます。ガイガンの敵宇宙人などは本物のゴキブリを
接写しただけ、とかなってくるんですが、メカゴジラを操るこの宇宙人も
市販のゴリラマスクに手を入れて、体は宇宙服を着せたという非常にチープな
ビジュアルになっています。
しかし今になってみると、銀色のスペースコスチュームにスペースガンを構えた
ゴリラなんてビジュアルは狙ってやれない、なかなかPOPに見えてくるものだから
あら不思議。

チープならチープなりにその製作された時代の空気をつかんで気を抜いていたという
ことなのでしょうか。すでに「猿の惑星」は公開され、TVでは「宇宙猿人ゴリ」
も放映済みでしたが。。。
あらゆるキャラクターにはそのビジュアルが付与されたことで「必然性」が生まれて
作り手の手を離れたところでキャラが立っていくものです。
それがたとえばチープであっても、ストレンジなものであってもです。
思うに新マン後半の石堂淑朗氏が脚本を書いていた頃のチンピラ
宇宙人たちも今となってはあのビジュアルでないと味が出なかったのではないか、と
思えます。
このブラックホール第三惑星人も無類のソフビ好きにとっては
ストーリーを離れたPOPなゴリラソフビとして
猿キャラのソフビ好きには「対メカゴジラ」を見ていなくても楽しめるアイテム
になっているのではと思います。



怪獣天国 カイマンダ(2期)
税込み5250円 全高約23センチ ウルトラマンA登場の邪神超獣。
劇中イメージのベーシックな彩色。
超獣シシゴランを操る邪神超獣、劇中では「カイマ様」という仏像が登場し
ヤプールの怨念が憑依してシシゴランとタッグを組んでウルトラマンAと激闘を
繰り広げます。新マンのグロテス星人、最終回に登場するバット星人も、この
カイマンダもですが、先にボスキャラが倒されちゃうパターンを踏襲したキャラでも
あります。
A終盤の超獣ではファイアーモンスやこのカイマンダ、先月受注していた
アクエリアスなど、曼荼羅や、極楽浄土と地獄を描いた宗教画に描かれる
炎や仏神のモチーフを取り入れて番組初期からイメージングしている超獣の
「過剰の美」をオリエンタルな方面から造形表現してみようといった模索の跡が
見てとれるところです。タコもカイマンダは1期を持っていますが、複雑な体表の
ディティールをうまくレトロソフビの造形に落とし込んでいるなと思います。





怪獣天国 ムルチ(2期)
税込み5250円 全高約23センチ ウルトラマンA登場の古代魚怪獣。
渋めの紺色成形色でオーソドックスなカラー。
このキャラもA補完アイテムとして、怪獣ですがムルチ2代目を商品化したものです。
1期はAに登場した明るめのブルーのカラーを再現しているようですが
今回の2期カラーは新マンの有名トラウマエピソード「怪獣使いと少年」に
初登場したときのカラーに近い感じで、初代と2代目ではディティール的には
違いがないことで新マンのムルチとしても楽しめるアイテムになっているのではないか
と思います。

かつてブルマァク版の復刻ムルチが劇中カラーでリリースするとアナウンスして
いたものの、販売したときの色が違っておりファンに残念がられたことが
ありましたが、セミレトロテイストでサイズも現行の怪獣ソフビサイズに合わせた
新マンムルチはどこかから出てほしいという期待はあったようなので、
今回のムルチは劇中初代のカラーになっていることも含めて
ニーズに即したリリースになっていると思われます。




RSM40 ツインテール 7875円(税込み)全高約40センチ
リアルソフビモデル。塗装済み完成品。帰ってきたウルトラマン登場の古代怪獣。
独特のシルエット、表情、ディテールまで忠実に再現。

これはグドン同様に手元に届いてビックリ、新マン初期和数屈指の2大怪獣
のビッグサイズソフビ化になっています。

ツインテールといえば、初登場では地上で孵化したので地底怪獣グドンやMAT相手に
分が悪かったのですが、平成ウルトラ「ウルトラマンメビウス」では
海中をアノマロカリスみたいに優雅に遊弋してメビウス相手に水中生物としての
戦闘能力をフルに発揮し「本気を出した」のが印象深かったですね。
海中の攻撃力では余裕でグドンにも勝てそうな感じでした。
あまり指摘されることの少ない点ですが、ツインテールのビジュアルデザインは
エビの怪獣でありながらトゲトゲしているだけな足の処理や呆けた人間のような顔など
怪獣的なデフォルメが随所に効いていて、立体物となって
見慣れても一向にあきさせない怪獣であるといえます。

グドンの好餌であるという設定も含めて怪獣同士の生存本能がむき出しになった弱肉
強食のドラマに平和な市民生活と東京の都市機能が麻痺するという大状況のドラマは
ウルトラマンを見たことがないヒトにも自信を持って薦められる特撮怪獣ドラマの
教科書的なエピソードであるといえます。ツインテールの持つミリキはまだまだ
怪獣デザインを考える上でも深いものがあると思います。




アークデーモン 悪魔王サタン
税込み18000円 全高約35センチ 塗装済み完成品。
KARZWORKSオリジナルモンスターシリーズ。
デザイン、原型製作の赤松和光本人の組み立て塗装。
ラメ入りクリアーブラック成型。未塗装キット版 5250円もあり。

先日久しぶりにフランシス・フォード・コッポラ監督の「ドラキュラ」を
見かえしていたんですが、特殊メイクでコウモリのクリーチャーとして
リニューアルされた怪物と中世を舞台にした絢爛豪華なセットや衣装デザインは
相性がよく、今なお想像力をかきたてられます。

クリーチャーのビジュアルに骨のような部品や節足動物ぽいパーツを配して
タキシードのような礼服や司祭のような宗教衣に見せているこの悪魔王サタンも、
KARSWORKS1作目のアスタロスも同様のテクニックからビジュアルが
まとめられて地獄界のトップ怪物たちをイメージングする上でビジュアルの統一感が
出されています。あくまで自分の私見ですが、
このKARSWORKS悪魔シリーズのアイテムを見ていて面白いなと
思うのは、映画化されたら80年代~90年代頃のホラー映画に登場する
特殊メイク系の怪物として作られそうなビジュアルスタイルを強く作り手が守っている
印象が漂うことです。

ヒト型を基本に、装飾をつけていくことでヒトあらざる魔物に仕立てていく。
CGのモンスターもデザイン上では映画に登場させる上でなんでもできる、
表現の自由度がかなり高いのですが、
実はヒトが中に入ることを前提にしたうえで工夫している時代の怪物のほうが
怖く見栄えがして、そして複雑なディティールでも視認性が高いものが多い気が
しませんか。

ここ数年の作品で「クローバーフィールド」を皮切りに
「モンスターズ・地球外生命体」「世界侵略・ロサンゼルス決戦」
など侵略者が世界を席巻し地球人と死闘を繰り広げる大状況スペクタクル
SF映画が数多く製作されています。
タコはどの作品もSFアクション映画としては好きなのですが、登場する
クリーチャーに関してはいずれの作品にも肩透かしな気持ちがあります。

これらの映画に登場する怪物たちの活躍場面はほとんどCGで表現されており
ビジュアルイメージとしては足が何本あっても、体が部分透明で胴体が途中で
途切れていても映像表現できる、映像としての奇抜さや新鮮さを持たせて
いますが、逆にそのビジュアルの自由度が「なんでもできる」ことで
かえって観客目線では怪物としてのカタチの価値を弱めている気がします。
その証拠にこれらの映画の怪物は映像上ではすごいと思うものの、
見終わった後にTOY化してほしいという
気持ちが沸いてくるキャラクターがあまりいません。

タコはクリーチャーが登場するホラーには目がないので見れる範囲では
だいたい視聴していますが、名作「エイリアン」や「プレデター」のような
一度見たら忘れられないキャラクター性が感じられるような怪物が、
昨今のCG使用の映画のクリーチャーには少ないのです。
そう、出てくる怪物を取り替えてさえ各作品が成立しそうな気すらするんですよ。

もちろん「タイタンの戦い」のクラーケンのようにオリジナルよりも
迫力のあるキャラクター表現にパワーアップしているものもありますが、
これはリメイクなので勝手が違いますね。
侵略者のCG表現が多かった作品として皮切りともいえる
「インデペンデンスデイ」あたりから怪物のデザインも何か変わってきた気がします。

そこで思うのが、カタチとしての怪物の面白さはやはり実際に立体のモノとして
存在すること、動かすときにヒトの手によるものであること、ヒトのアクターが入る
ことを前提にプロップを作ることで得られる息遣い。。。という温故知新的な
意味合いも含めて成立条件が実は存在し、その意味ではアナログ特撮的な
テクニックの出番というものはまだまだあるような気がしますね。

このKARSWORKSシリーズは赤松社長のいつか自分が形にしたかった
オリジナルクリーチャーホラー映画を各モチーフの悪魔を自分の見てみたい
ビジュアルで「モノ」として具体化させている、自分の仮想ホラー映画の
プロップフィギュア、といった面白さが各キャラの存在感につながっていると
いえるでしょう。





ミニソフビ バルデン星人 
税込み3150円 全高約9センチ
昭和のオリジナル宇宙人プラモデルを元にソフビ化。クリアー金ラメ成型。
このシリーズはほかにもマグラン星人、ギラン星人がソフビ化されています。
今年になってリリースされたスタンダード版のバルデン星人も手元に来ていますが、
サイズが大きくなった分、オバケのQちゃんをリアルにしたような
なんとも気色悪い表情がより作りこまれた格好となり、絶品Death。

子供のときにあの気色悪いプラモパッケージを見ていったいどんな出来なんだと
思いながら家に帰って箱を開けたとき、そこに前後でモナカのような分割になった
プラモを目にしたとき、得もいえないコレジャナイ感に包まれながら組み立てた
世代人もいるかと思います。あのプラモパッケージも思うに異様ですね。
工業用品のパッケージや工場の標語ポスターでも描いてそうな乾いた筆致の絵師に
よって描かれたマグラン星人は、背後に人類が使っているようなオープンリールの
コンピュータが描かれている活躍想像図になっています。箱絵は地球に来て侵略活動を
進めているのをイメージしたのだろうか。
藤子不二雄漫画にでてくるマンガ的なデザインの宇宙人を生真面目に描いたら
すごく変な味が出てしまいました、みたいな面白さがありますね。

そういえば当時のプラモにはどれも「恐怖の」と但し書きされていたな。
作り手は意識してこうした不穏な雰囲気の記号を置いたのではないでしょうが、
箱にもまったく明記されない宇宙人たちの生態をあれこれと妄想させる存在では
あります。

つまるところ、世の中、考え抜かれて作られた、垢抜けたモノばかりではつまらない。

この3体のプラモ宇宙人たちはそのか細くもユルいビジュアルとあいまって、
すでに覚醒したデザインである現代のクリーチャーやエイリアンのデザインを
目にしてさえ奇抜な昭和ならではの狙ってない感、もしくは妖怪と宇宙人が
ごっちゃになったような作り手の無自覚に形成されたビジュアルイメージによって
今なお極北的なものを好む原初的な嗜好へと好事家を引き戻す、
昭和の駄菓子屋系ビジュアル宇宙人として永遠のアイコンと呼べる
奇妙な存在感を放っております。

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2 コメント

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Unknown (メガたぬき)
2012-10-06 22:59:07
どうも、こんばんは!

第三惑星人はトイグラフ製で
ムウ帝国人のあの路線で願っていたの
ですが、マーミットさんでついに
スタンダードサイズで出るのですね
「ゴジラ対メカゴジラ」の
ワインを回しながら「メカゴジラをひきあげろ」
という睦五郎氏の司令官役も渋く、
悪者側のコントロールルームからの
メカゴジラの兵器としての描かれ方が
カッコ良かったですね。

帰ってきたウルトラマンは途中で、
デザイナーの池谷仙克氏が抜けて、
複数のデザイナー美術を担当して
いくわけですが、最近、怪獣を特集した
ムック本にムルチのデザイン画が
掲載されていて驚きました。
なんと熊谷健氏のデザインだったそうです。
返信する
Unknown (タコペッティ)
2012-10-11 11:41:57
>メガたぬきさん

こんにちわ!
第三惑星人はミニではマーミットさんからもベアモデル
さんからも製品化してるんですが、スタンダードまでは
と各メーカーさんも二の足を踏んでいたキャラのように
印象があるんですが、今回はよくリリースしましたよね。
メカゴジラは今回の特撮博物館でも補修品のスーツが
飾られて人気の展示品になってましたが、
自分も当時観たときにメカニックなカッコよさを
現物で追体験しました。

それはそうとブログ拝見
しましたが特撮博物館にいらしてたのですね。
しかも自分が2度目に行った日にニアミスだったん
ですね。行動力に驚きました。まあメガたぬきさんが
楽しめないイベントなわけがないし、メガたぬき
さんのようなヒトのためにあるようなイベントでしたから
本展は。本当におつかれさまです。
ルポも拝見しましたが、メガたぬきさんが
わくわくしながら特撮博物館やアキバの
街を巡っている様子が伝わってきて、
すごく面白かったですよ。

>ムルチ
そう、熊谷さんなんですよね。熊谷さんも長年
現場での撮影レベルでウルトラ怪獣に
かかわってきたので、ツボを押さえたデザインが
多く、成田さんや池谷さんともまた違うテイストの怪獣を
クリエイトしているように見受けられます。
第二次ウルトラ怪獣の
テイストを創出した貢献者の一人とみていいでしょう。
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