今日のシネマ
2004年 カナダ
切なかったです。
とってもとっても切なかった。
誰にも必ず訪れる ”老い” について 静かに綴っていくストーリーです。
グラントとフィオナ・・・ 過去に色々ありながらも今は二人で幸せに暮らしていたのに
フィオナがアルツハイマーになり、このままでは夫に迷惑がかかるから、と 自分から望んで施設に入ります。
しかし入所後1ヶ月は施設の生活に慣れるため面談禁止ということで
グラントは彼女に会えない辛い日々を過ごします。
やっと巡ってきた彼女との面会日、病院に行くと 愛する妻は自分のことを忘れ
別の男性の世話を甲斐甲斐しくやっていた・・・
この時のグラントの気持ちは、察するに余りあるものでした。
彼は愛する妻の姿が見られれば、と 毎日面会に訪れ、彼女が他の男性と仲良くしている姿を見守っているわけです。
辛すぎます・・・・
でもやっぱりそれにも限界があるのですよね。
その後のストーリー展開を 私は正直とても複雑な思いで追ってました。
そんなの嫌だ、っていう気持ちと グラントだってこの先の人生がある・・って気持ち。
これはもう、映画を観てる人たちそれぞれ感想が違うでしょうね。
この映画の二人は 特別なケースではありません。
私も今後の自分や夫の事を考えると、本当に人事とは思えない。
だからってそうならないように 今、何をすればいいかもわからない・・・。
フィオナ役の ジュリー・クリスティ の美しさには参りました。
外見だけの美しさではなく、上品で内面から滲み出る美しさ・・・
こんなきれいに年を取れたら どんなに素敵でしょう。
夫のグラントは ゴードン・ピンセント が演じています。
さて・・・パパさんと老後の対応策でも話し合ってみましょうかね。
そんな気持ちにさせてくれる映画です。
若い人は自分の両親に重ね合わせて観て欲しい。
現に義理パパが今、大変なことになってます。
それはアルツじゃなくて 老人性の認知症だけど
人間てなんでこんなになっちゃうんだろう・・・
そうだった・・
「私の頭の中の消しゴム」 ・・そういう内容だったね。
パパに言わせると 私は元々そういう脳みそだから
このままずっといくらしい。(それって喜んでいいのか?)
問題はパパの方です。
きちっとしてる人の方がなりやすいみたいだもんね。
(それを考えても私は絶対大丈夫だわ)
もし両親が…そして自分が…って思うと切なく辛いですね。
でもマイナスばかりを考えてても仕方ないので前向きに生きていかなきゃね。
愛する人を忘れてしまう・・・という女性側の辛さと、愛する人が自分を忘れてゆく・・・という男性の辛さと。
愛する人を忘れるのも忘れられるのも、どちらも辛いけど病気は容赦なく。。
アルツって老人だからというわけでなく、ひめひめ位の年代でも起こる病気だから、他人事って感じじゃないよー