今日のシネマ
2021年 日本
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加賀まりこと塚地武雅が親子役で共演し、
老いた母と自閉症の息子が地域コミュニティとの交流を通して
自立の道を模索する姿を描いた人間ドラマ。
山田珠子は古民家で占い業を営みながら、自閉症の息子・忠男と暮らしている。
庭に生える梅の木は忠男にとって亡き父の象徴だが、
その枝は私道にまで乗り出していた。
隣家に越してきた里村茂は、
通行の妨げになる梅の木と予測不能な行動をとる忠男を疎ましく思っていたが、
里村の妻子は珠子と密かに交流を育んでいた。
珠子は自分がいなくなった後のことを考え、
知的障害者が共同生活を送るグループホームに息子を入れることに。
しかし環境の変化に戸惑う忠男はホームを抜け出し、厄介な事件に巻き込まれてしまう。
タイトルの「梅切らぬバカ」は、
対象に適切な処置をしないことを戒めることわざ「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」に由来し、
人間の教育においても桜のように自由に枝を伸ばしてあげることが必要な場合と、
梅のように手をかけて育てることが必要な場合があることを意味している。
(映画comより)
7月初旬に鑑賞(DVD)・・やっと7月まで来た
私はどうしてもこのテの障がい者を扱った作品を観てしまいます
それは、以前からこのブログを見てくださっている方は御存知のように
我が家の二男が ”自閉症スペクトラム” の中にいるからです
なので ”悩みを共有したい!” とか ”情報が欲しい!” とか
時には ”こんなきれいごとじゃ済まされない!” なんて
ダメ出ししながら いろんな感情を吐き出します
知らない俳優さんが演じるのだったら、序盤からすんなり入れるのですが
今回のように、障がいを持っている役を お笑い芸人の 塚っちゃん がやるとなると
ちょっと身構えてしまいました
それは、決して批判しているのではなくて、私の中のイメージの問題
障がい者を、”演じている” 感が拭えない分、どうしても厳しめに観てしまう自分がいるのです
でも・・・・
それは最初だけでした
観終わる頃には、塚っちゃんは すっかり ”チュウさん” として私の心の中に存在していました
障がいを持つ子の全ての親が考えるのが
自分たちが亡くなった後のこと、です
このお話の中でも 加賀まりこ 演じる母親の一番の心配がそれでした
身内を頼れないとすると、それはもう福祉の力を借りるしかありません
地域の人たちの協力・・これがあれば心配のいくつかは和らぎますが
全ての人に理解があるわけではなく、
彼らを地域から排除しようと考える人がいるのも事実です
このような映画は 観客の立ち位置で共感対象がガラッと変わりますから
感想が違ってくるのは当たり前
私はもちろんチュウさん親子側からストーリーを追っていますが
「もし我が子が健常だったらどうだろう・・」
というのもいつも冷静に捉えながら鑑賞しています
そうすると、安易に地域の人たちを非難してはいけない、
と自分を戒めることができるのです
小学校から高校まで息子が通っていた療育機関で
以前、新しくグループホームを作る計画があり、
地域の住民に向けて説明会を開きましたが
何度説明しても理解してもらえず、結局ホームが建つことはありませんでした
パパさんも、障がいがある人に仕事を紹介する仕事をしていますが
やはり、ホームの建設は大変、と言っています
日本ではソーシャルインクルージョンという言葉はまだまだ絵に描いた餅なのでしょうか
この映画の中で ”救い” の場面もありました
チュウさんの家の隣に ある家族が越してきます
最初はチュウさんのことを気味悪がっていましたが
何度か接しているうちに、彼のことがだんだんわかってきて
それは理解から慈愛へと変化していくのです
そう・・焦らずに時間をかけて気付いてもらうこと、
それは とても大切なことなんですよね
こういう映画を紹介することが、私の役目の一つになっているような気がします
まずは、知ってもらうことから
2022-46