茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記3月29日「鍼灸による花粉症の治療(3)」

2012-03-29 13:00:30 | 日記
今日は暖かいですね。花粉も沢山飛んでいます。しばらく花粉症の方にはつらい季節が続きますね。
実は私も花粉症なのですが、鍼灸を使った「花粉症」の治療についてご紹介したいと思います。

今日の配穴は
 印堂・迎香・合谷・足三里・孔最
の5穴です。
 耳穴でも効果があるのですが、あえて東洋医学的な理論の経穴を使ってみました。

花粉症は鼻アレルギーなのですが、東洋医学的に考えると、鼻は肺に関係にする臓腑です。経絡的には陽明経が流れており、その陽明経は脾胃を支配しています。また太陽経も関係しています。
東洋医学的な考え方では花粉症に関係の深い臓腑は「肺」と「脾」と「胃」であるといえます。

では、なぜ花粉症になると鼻水が出るのでしょうか?
鼻水が出るのは、胃にある水が熱によって動かされるためです。熱は外に出て行こうとする性質と上に昇る性質があります。
しかし、体力が無く陽気が不足していると熱を充分に発散する事が出来ず、そのために上焦に熱が多くなってしまいます。
上焦に熱が滞留し、熱が外に出て行こうとして「鼻炎=花粉症」が起こります。
その時に水が動かされて鼻水が出るわけですね。クシャミは熱による刺激のが原因であり、目のかゆみは熱が停滞するのが原因です。

今日の配穴の
 印堂・迎香・合谷・足三里・孔最
について見ていくと、

東洋医学の取穴原則の一つである近部取穴にあたるのが印堂・迎香です。
本当は印堂ではなく上星を使いたいところですが、貼りやすさを考えて印堂としました。
印堂は眉間の中央に位置し鼻根の上方にあり、督脈の経気を刺激し鼻を通す作用があります。
陽明経に熱が多くなって、督脈に溢れ停滞するため鼻の症状が現れるわけですから、印堂を使い督脈の経気を刺激し鼻を通します。
迎香は鼻翼の傍らにあり陽明経の邪気を清泄する作用があります。この2つの経穴を併用すると上下から鼻を挟み込んで経気の流れを良くする働きが強化されます。

東洋医学の取穴原則の一つである遠部取穴にあたるのが合谷・足三里・孔最です。
合谷は手陽明大腸経の原穴であり、「四総穴」の一つで、「面目」つまり顔面部の病を主治する代表的な経穴です。遠位取穴の中の循経取穴にあたりますが、考え方としては「痛みや病変のある場所と経絡で結ばれている経穴を使って治療する方法であり、経絡の通る所は病巣から遠く離れた経穴でも経絡で結ばれていれば治療の効果があると言うことです。」
足三里は足陽明胃経の合土穴であり、「四総穴」の一つですが、疎通経絡・調和気血などの作用があります、「迎香」が手陽明大腸経と足陽明胃経の交会穴であるため、上に「迎香」下に「足三里」を使う事により一上一下の作用により鼻を通す作用は強化されます。
孔最は鼻を支配する手太陰肺経のげき穴であり、肺経の気血が最も深く集まるツボです。作用は清熱解表、宣肺平喘などですが、急性症状に効果があります。
手太陰肺経と手陽明大腸経は表裏関係にあり、大腸経の合谷と肺経の孔最を組み合わせて使うと内熱の症状に効果があります。

今日の治療は全て円皮鍼を貼ってみました。

治療の効果としては、透明な鼻水とクシャミ、目の痒みがすぐに止まりました。
花粉症の人に鍼灸治療はお勧めです。

 

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