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■壁に挑む

2022-05-24 | ●シニアの生き方

⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️壁に挑む⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️

 
  
⬛️「時々刻々
⚫️今年も既に5月半ば、目前に本格の夏が迫りつつある。
年頭から新型コロナに次いでロシアのウクライナ侵攻があり、
思いのほか気ぜわしく心休まる暇がない
振り返れば3257万人に上る外国人訪日客のインバウンド(2018)
日本中が喧騒を極め.いやが上にも消費景気が盛り上がってか
ら、もう既に3年半が
経つ。


                  ●横浜港2019年2月)
⚫️その翌年の2019年2月,横浜港に寄港した世界航路の客船から
ロナウイルス
が発見され、 瞬く間に日本全国を席捲する。
医学的な対応遅れもあって、年央にはインバウンドのロックダウ
ンが始まり、訪日観光客はほぼ0に
激減する。それ以降 私ども
は、けたたましいばかりのコロナウイルスの威力を見せつけられ
る事になる。
日本国内の企業は、在宅勤務を強いられ、学校もiPadによる遠隔
授業を
余儀なくされる。
  

そして迎えた2020年の東京オリンピックは,当初、開催が危ぶま
れたが、1年延長して
無観客で開催、成功裏に終わる。
その後、菅内閣から岸田内閣にシフト、国民全般へのコロナウイ
ルスのワクチン
接種が進み、第6波のコロナ罹病の波動衰退に合
わせてまんぼう解禁、経済再建への呼び声が高まる。
そして景気
回復の期待がかかるなか、2022年が 始動する。

 
⚫️ところがである、期待に反して2月24日.突如 ロシアによる
ウクライナ侵攻が始まる。
世界は動転し 多くは米国の支援と仲裁に期待を寄せるが、第3
次世界大戦を危惧する
米国や西側諸国は NATOによるウクライ
ナへの後方支援でその行方を
見守る事になる。
しかしあっという間に3ケ月が経過する。戦争は 一進一退の
攻防戦となりかなりの長期戦が予測される。


⚫️期待を寄せた経済回復は、ロシアのパイプラインの閉鎖や
貿易の低迷で景気のスローダウンが余儀なくされる。
為替は極端な円安に進み、連れて株価も大きく値を下げる。
予期しない景気後退である。
また、今年3月幼稚園を卒園した子どもたちは、2年間一度も友達
と顔を
合わせる機会がなかつたという。親たちは、子どもたちが
初めて友達と出会う
幼児体験なくして小学生になる事に一抹の不
安を隠さないでいる。

かくして
・「コロナの壁
・「プーチンの壁
が全世界を襲い、
世界経済の王道に大きく横たわり、景気回復に
急ブレーキが
かかる。多くの経済専門家は、今後の景気動向につ
いて、これらの壁が格別厚いだけに、容易に
打ち破れないのでは
ないかとの悲観的な予測をうち出している。

⚫️昨日バイデン大統領が来日した、日米インド豪4ヶ國首脳に
よる
極めて重要なインド太平洋首脳会合「クアッド」が開かれ
た。                 (写真の出展:NHK)

ウクライナ戦争の先行きはなかなか先が読めないが、世界情勢
は、益々2極化するの傾向が
高まることは否めないという。

⬛️⬛️「さまざまな壁
⚫️「壁」は本来、住宅や建築にある居住区を区分する壁面の総称
である。
住宅の部屋を壁で区分し、生活する人の独立性を保持する
ための強固な壁面
と言っていい。

それがいつしかモノである壁の事から 転化して、コトである極限
や立ちはだかる到達点のことを、言葉の綾として敢えて「壁」と
言う様に
なったと言う。
確かにこの4年間を振り返ると、戦後77年の中でも  予期せぬ大き
な壁が
現れ物事を遮断したり邪魔するケースが増えてきている。    
・「円高の壁
・「円安の壁
・「コロナの
・「百歳の壁
・「国境の壁
など
枚挙にいとまがない。
この現象は社会の安定が崩れ、不安要素が増す時の 自然発生的な
閉塞感、時に
物事が進まず停滞する時に突如として 行手を阻む障
害のようにも読み取れる。      

そこで身近に認識できるさまざまな「」について見てみよう。

⚫️「分断の壁
・国境の壁
ベルリンの壁 (東西ドイツ)1961年
北鮮の壁(朝鮮半島の軍事境界線)1953年
トランプの壁(3200キロ、太平洋からメキシコ湾迄)1990年
国境の壁は、総じて戦争との関係性が高いと言われる。
戦後の欧州では冷戦の象徴だった「鉄のカーテン」と呼ばれる
国境の壁が壊され、欧州連合(EU)が誕生した
              (左・ベルリンの壁)(右・リマの国境の壁)

 
           (左)英国ベルハーストの壁(右)インド、パキスタントの国境の壁)
⚫️「日本分断の壁
去る77年前、大東亜戦争を戦った日本は、ボツダム宣言を受託
し敗戦し
た。その時、米英ソ首脳から突きつけられたのが戦勝4
ヶ國による日本を4分割・統治する「4分割統治案」だっ
た。
しかし当時の友国タイの首相と、スリランカ首相の猛反対により
米国
1ヶ国による完全統治案に決まった。

         

  

もしもこれがなければ、日本全土を4分割する「日本分断の壁
が実現していた可能性がある。ラッキーとしか言いようがない
戦後世代の人たちは、この秘話を明記して必ず次世代に伝承して
欲しい。2度と負け戦を起こさないために。

⚫️「記録の壁
スポーツは、プロ、アマを問わずスコアと記録を競う勝負のゲー
ムである。ここでいう「スポーツの壁」は、なかなか凌駕出来な
い既存の記録への挑戦の時に使われる事が多い。
後を追う選手にとって、先人の記録は当面の大きな目標となる。
いかにしてこの記録を越えるか、

                       (出典、JIJI通信)
選手にとっての「記録の壁」が、競技最大の目標となる。
しかし「なかなか越える事が難しい記録の壁」という意味では、
常に限界への挑戦のための目標値とも言えるだろう。
 
⚫️「ことばの壁」
目標の壁(インバウンド6000万人目標の壁) 
記録の壁(オリンピックの記録目標の壁)
言葉の壁(超小型で高性能、音声同時翻訳機による外国語の壁
の打破)
日本では、超小型翻訳機ポケトークが普及し、訪日観光
外国人のインバウンドや、
世界に出向く日本人のアウトバウンド
の「言葉の壁」が解消した。画期的な出来事といって
いい。
因みにポケトークの累積販売台数は90万台だという。
 (提供   ソースネクスト)
それによりアフターコロナの日本のインバウンドは 過去最高の
年間6000万人を目標に再挑戦するという。その成果がまたれて
ならない。

⚫️「年齢の壁
百歳の壁
・90の壁
・80の壁
・死の壁

日本は、いま世界屈指の長寿国である。しかし 多くの健康な高齢
者の話を聞くと、
殆どの高齢者が敢えて80歳、次の90歳と目標の
「壁」を想定して「Plan.Do.See」(計画と実行)
に取り組むとい
う。この場合の壁は、もう障害ではなく健康志向のための生活目標
に転化していると言っていい。
 
⚫️「世代の壁
人類の壁
世代の壁」については、「日本列島改造論」で日本全土の国土
改造による近代化を実現した時の
名宰相田中角栄が生前、次のよ
うな一文を国民にのこしている。

戦争を全く知らない世代が、この国の行手を決める国会議員の
殆どを占めるようになった時、この国
日本の危機だと考える。
それは戦争体験を持たないため、戦争の
本当の怖さや無残さを知
らないからだ。

そのために決して過ちを犯さぬよう、過去の戦争の怖さを学んで
欲しい
日本の永遠の平和を築くために、戦争体験世代からの
不戦の伝承が欠かせないと警鐘を鳴らす。

この「壁」は、その世代の戦争認識に対する危惧を示したものと
言っていい。



⚫️ ーー「自分の壁
妄想の壁
これらの「」は、ごく個人的な生き方にまつわる壁と言ってい
い。
自分の事となると意外に自己中心的で誇大妄想に走りやすい、
自己中心の
甘い壁を想定したりで、本来の厳しさに欠けることが
多くなる。
本来あるべき壁の認識は、どこまでも客観的であるべ
きだという。

 

⬛️「バカの壁
⚫️日本で「」という言葉が市民権を得たのは、確か2003年に
上梓された
養老孟司さんの「バカの壁」(岩波新書)によると言
われるている。

この本は、発売後瞬く間に売り上げを伸ばしこの年のベストセラ
ーに。そ
の後毎年読者を増やし
累積で450万部を記録した超ベス
トセラーである。

⚫️この本の作家、養老孟司さんによれば、本当は何もわかって
いないのに「わかっている」と思い込んでしまうときに存在する
のが
バカの壁だという。


自分が知りたくない事は、自から情報を遮断してしまっている
「知っているという事の実態はその程度でそれが「バカの壁」だ」
人々は都合が悪いことには耳を貸さず、情報を遮断するという
「バカの壁」は一つの視点や考え方に固執する一元論に起因する」
「常識とは、客観的事実を盲目的に信じていない事」である。
話せば解るは、大ウソ」ある。
また、この本によると「」は、絶対的普遍的なものではなくて
「壁」には「バカの壁」がすこぶる多いと断言できるとある。
養老先生の話は、すべてが私達への警鐘に値する。

 

⬛️不作為の壁

⚫️「時代おくれ
      
妻には涙を見せないで、 
         子供に愚痴を聞かせずに
      男の嘆きはほろ酔いで
        酒場の隅に置いてゆく
      (歌、河島英五)(詞、阿久悠、曲、森田公一)

先日も古い友人と、久方に杯を交わして 語り合った。
昔の歌は素晴らしかったという事から、なぜかこの歌に話が及び、
お互い、この
歌にあるこんな男にもなりきれていなかった事に
気づき苦笑した。 
年寄りは総じて「昔はよかった」という回顧談で話は尽きるが、
此処にも
年寄り独自の「回顧の壁」がある事にきずいた。
残念ながら古き想い出に耽り、回顧するだけで 話は進まない。
だから、年寄りと呼ばれる所以なのだろう。


⚫️本来の壁は、私達の生活を守るためにあったはずだが、いつ
しか
この壁は、私たちを「遮る存在」になっている場合が多い。
現代は、誰もが高くそびえる「バカの壁」の中で、壁の向う側
があることも知らずに過ごしてきたのかもしれない。
実は壁の向こうにこそ、希望が山積していると思いたい。
養老博士は、そのことを言いたかったに違いない。
そして「人は何かを知って生まれ変わり続けている」と指摘する。

殆どの人は、それにきずかず、自分の壁の中で不作為に安住して
きた。
既成概念そのものと言っていい。
本日は、私たち周辺に思いのほか多くの壁がある事を探ってきた。

既成概念の壁の向こうにこそ 新境地がある事を 心に銘じて、明日
の糧にしていただきたいと思う。(山)

      

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