かつらごのにっき帳

見たこと、感じたこと、言いたいことなどを、気の向くままに綴っています。
開始年月日:平成28(2016)年1月17日

雪野山の稜線を歩く

2016年01月18日 | 山歩き

ブログを始めた。

 1月10日(日)快晴。郷土史家のU氏に雪野山を案内していただいた。

 雪野山は、安妃山・安吉山・龍王山とも呼ばれれている。山を取り囲む地元の想いが四つもの名前を生んだのだろう。山頂には、かつて貴船神社をまつる祠が建てられており、龍神が住む神聖な山として崇められていたようだ。平成元年には山頂部で、今は埋め戻されているが未盗掘の竪穴式石室が発見され、古墳時代前期につくられた前方後円墳であることが判明した。又、中世には、後円部を主郭とする山城が築かれるなど、墳丘全体が改変されている。今はいずれの面影もない。

 9時50分に近江八幡市倉橋部町地先の腰越の峠道から登り、尾根を縦走し東近江市上羽田町平石に午後2時30分に下山した。おおよそ3時間もあれば縦走できる山だが、稜線の木々の隙間から眼下に映える眺望の雄大さと美しさに感動し、ときには山道の自然-草木や岩石-に親しみながら、ゆっくりしたペースで、気の向くままに休息しながらの尾根歩きであった。山を歩くと少年の頃よく遊んだ故郷の山を思い出す。きっと野山の息吹が優しく身を包み、懐古させてくれるのだろう。

 途中で10人もの登山者に出会った。鉄塔付近に同世代の男性二人が休息していた。京都市のどこかの山歩きの会のメンバーらしく、「後日の山歩きの下見に来た」とのことであった。U氏が当地の歴史などを説明されたことから、たいそう喜ばれ、感謝された。U氏のホスピタリティに感心した。

 コースルートとしては、尾根歩きを目的とした場合、平石側から登ると、雪野山の山頂に近いことから、いきなり急峻な坂道を登ることになる。頂上で一息ついて腰越に向かうにしても、気分が萎えないか心配したくもなる。どちらを選ぶかは好みにしたがうことになるが、登坂にやさしい腰越から案内していただいてよかったと思った。標高308.8mと低い山ながらも小高い峰もあり楽しめた。尾根道は、雪野山古墳発見以降かと思われるが、自然木を模したコンクリート製の頑健な杭を打ち込んでつくった階段などで整備されていた。しかし反面、この階段の杭がステップより数センチ以上も高いことから歩き難い。下山時は引っかからないよう注意が必要だった。流砂防止、滑り止めを兼ねて整備されたものであろうが、一方では山岳の自然が損なわれているのも事実であった。低くとも身近に山登り気分を満喫させてくれるような工夫があってほしいものだと思った。

腰越から下山までの写真を並べた。

   

  1.腰越展望台からの眺望           2.大岩展望台から岩倉山の眺望       3.げしめ展望台

                   

  

  4.げしめ展望台から布施山の眺望    5.二つの目の盆の木跡展望台(お精霊迎えの聖地) 6.歌坂峠…和泉式部遭難の地

 

  

 7.溜池展望台              8.みつばつつじの丘            9.女坂・これより山頂まで1180m

                      (4月下旬に赤紫の花が山を色染めする)     (到着時刻 11時20分)

  

 10.鉄塔・これより山頂まで350m    11.山頂・この下が雪野山古墳       12.梅ノ木広場の東屋(ここで昼食)

    (到着時刻 12時50分)

 有意義な山歩きであった。

 

 



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