山登りのことは、しばらく考えないことにした、と決めながら、昨日、リュックを買ってしまった。
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山は登るものでなく眺めるもの。そんな思いを抱いた。しばらくは山登りのことは考えないことにした。
比較的に登り易いと聞いたことから、昨日連れて行ってもらったが、そんな生易しいものではなかった。登山を楽しむことより、苦しさに耐えることこそが、下山に至るまで精いっぱいの気持であった。
登山経験が豊かで、この山を知り尽くしたガイドさんのお蔭で、無事に下山することができた。ガイドさんの持ち物、又、細やかな動きの一つひとつが、様になっているように見えるから不思議であった。顔まで眩しく見えた。
最初の谷川で、右足を滑らせ新品の靴ごと突っ込んだ。怪我はなかったが洗礼を受けた。「豹の穴」があると言われているが、誰もが見たことのない幻の穴が炭焼き場跡近で見つかった。ガイドさんもはじめてらしく、たいそう喜ばれていた。
山全体に木々が生い茂っていた。途中、一か所のみ眺望が開けていた。一瞬その美しさに感動した。
疲労困憊。しかし、喜びの一日であった。
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