今日、職場の小学校で高学年の子たちの調理実習の時間があり、子どもたちが味噌汁を作ることになりました。本来なら米を炊いたり卵を焼いたりして簡単な朝食メニューくらい作りたいところなのですが、昨今勢力を盛り返してきたコロナ禍のこともあって一箇所に密集することができないので、個人での味噌汁作成のみとなったのです。
しかし、いざ始まってみるとこれが大騒ぎ…。
一番やらなければならないはずの出汁引きは給食室のプロフェッショナルが予め鰹と昆布の合わせ出汁を作ってくれていましたから、あと子どもたちがやることと言えば
①鍋で出汁を沸かす
②沸いた出汁に具を入れる
③お椀に入れた味噌に出汁を少量注いで溶く
④溶いた味噌を鍋に移す
という4工程で出来上がり…のはずなのですが、
「先生!火点けていいの?」
「先生!もう具入れるの?」
「先生!お味噌溶いていいの?」
「先生!火止めていいの?」
と、さっき家庭科の先生が説明してくれたばかりのことを、テンパった子どもたちが必死の形相で聞いてくるのです。しかも一人二人ではなくあちこちから…。
とにかく終始やかましかったのですが、何しろ始めにガスコンロに火を点けるところから
「無理無理無理!!」
と大騒ぎしているのです。何をそんなにテンパっているのかと思いきや、どうやら自宅のキッチンにIHクッキングヒーターしかなくて直火をいじったことがない家庭の子なのだったようで、こんなところにも現代社会の文明の利器による歪みが垣間見えるのか…と妙に感心してしまったのでした。
ただ、時間にも制限があってそんな悠長なことも言っていられませんから
「別にガスのスイッチ入れたからって爆発したり噛みついたりしないから、さっさと火点けて出汁沸かせ!」
とケツを叩いて、調理とも言えないような調理を実習させました。特に男子ほどヘタレっぷりを遺憾なく発揮しまくっていて、傍で見ていて情けないやら面白いやら…。
しかも、味噌汁の具は各自で自宅から1人前分を持ってきていたのですが、当然のことながらワカメにしてもお麩にしても乾燥しているので見た目にものすごく小さいわけです。それを見た何人かが
「これしかなくて大丈夫なの?」
と聞いてきたのですが、
「いいからお家の人のセンスを信じて鍋に投入してごらんなさいな。」
とだけ答えておきました。
半信半疑な顔の子どもたちが出汁に乾燥具材を投入すると、当然のことながらそれらは出汁を吸って膨らんでいくわけです。特にワカメを入れた子は出汁がワカメでみるみる黒くなっていく様を見て
「先生!なんか鍋の中がワカメで真っ黒になっちゃってキモいんだけど大丈夫なの!?」
と再びテンパりモードに突入し、私は笑いをこらえるのに必死でした(; ^﹏^)。
そんなシッチャカメッチャカな状況下で作り出されたのが



これらの味噌汁たちです。あれだけ子どもたちが大騒ぎしたわりには、仕上がりとしてはまぁまぁなのではないでしょうか。
出来上がった味噌汁を銘々試食したのですが、お出汁がきちんと引けているからか美味しく出来たようて、子どもたちも満足げでした。それと共に
「何で先生ってそんなに落ち着いて料理できるの?」
とも聞かれたので、
「こちとら一人暮らし主夫歴30数年なんじゃ、ナメてもらっちゃ困るわい(* ̄ー ̄)v」
とだけ答えておきました(笑)。
また、実習の一環で利き出汁をすることになり、鰹・昆布・煮干し・顆粒和風出汁の4つの出汁を飲んでどれがどれかを当てるという時間もありました。しかし、微妙な味わいの出汁を見分けるのは子どもたちには少々ハードルが高かったようで、あまつさえ何人かはいくつかの出汁を口に含むと
また、実習の一環で利き出汁をすることになり、鰹・昆布・煮干し・顆粒和風出汁の4つの出汁を飲んでどれがどれかを当てるという時間もありました。しかし、微妙な味わいの出汁を見分けるのは子どもたちには少々ハードルが高かったようで、あまつさえ何人かはいくつかの出汁を口に含むと
「なんか…麦茶みたいなんだけど。」
とまで言い放ったので、思わずズッコケてしまいました(汗)。
因みに私も利き出汁に挑戦しましたが、全問正解しました。やはり主夫歴30数年は伊達じゃありません(* ̄ー ̄)v。
いろいろとあって疲れました(笑)が、この実習を通して子どもたちが少しでも料理に興味を持ってくれればいいな…と思っております。